新・雑事雑感

主に時事的話題です.

2020年7月15日 (水)

形ばかり /工事中

 腰痛が長引いた.立てないことはないが,キーボードに向かうのはつらかったので,このブログの執筆には二週間のブランクができた.
 この二週間色んなことがあった.目についた情報はブラウザのタブにしておいたのだが,それが数十にもなってしまって.もはや何が何だかわからぬ始末と相成った.
 そんな有様ではあるが,最近の話題では,藤井聡太七段が棋聖戦で渡辺明三冠を相手に連覇し,最年少タイトル獲得に王手をかけるとともに,王位戦でも挑戦権を獲得したことがある.メディアの扱いが大きいので,将棋の金も銀もわからぬ若い女性でも,容姿からして初々しい藤井七段のことは知っているのではなかろうか.この棋聖戦でどちらの応援をしたいか若い女性に訊ねたら全員が藤井七段の肩を持つと思われる.
 初戦は藤井七段の勝ち.第二戦も藤井七段が制したが,これについて幾つかのメディアが《藤井聡太七段(17歳)最強将棋ソフトが6億手以上読んでようやく最善と判断する異次元の手を23分で指す》[掲載日 2020年6月29日 1:26] に類したことを書いた.記事の筆者は専門のライターたちだが,中には棋士もいて,そんな認識でいいのかと心配になる.
 なんとなれば「将棋ソフトが六億手を読む」と聞くと大したことのように錯覚する人もいるだろうが,六億手が所要時間に換算するとどうなのかはハードウェアの性能による.だから条件によっては,将棋ソフトがすぐ提示する最適解を,人間は二十分もかかって到達するというような結果もあり得るのである.
 またスポーツ報知《加藤一二三・九段、AI過大評価する風潮疑問「きらめきやひらめきを軽視しすぎではないか」》[掲載日 2020年6月29日 21:50] には次の記述がある.
 
「コンピュータソフトが6億手読み切った所で最善手として提示される異次元の一手を、藤井聡太七段は実戦譜に置いて僅か考慮時間23分にして指したこと」が話題に挙がっているとした上で「天才棋士の頭脳のきらめきやひらめきを、そもそも軽視しすぎの世の中ではないかと歯痒い想いがする」と語り、「AIを過大評価する」世の中の風潮に対して疑問を投げかけた。
 
「六億手を二十三分で」だの「藤井七段は AIを超えた」だのというピンボケ記事に比べると,さすがに加藤九段の発言ははるかにまともである.
 囲碁でも将棋でも,かつて綺羅星のような天才たちが現れて覇を争った.群雄割拠の時代もあったし,タイトルが一人に独占されたこともあった.
 しかしいつかは天才も衰えるときがくる.体力が落ち,「頭脳のきらめきやひらめき」の輝きを失う.そして一時代を築いた天才は次の時代の若い天才にタイトルを譲るのである.
 だから空想のこととして,全盛期の大山康晴に,全盛期の羽生善治が七番将棋を指したら結果はどうか.間違いなく三勝三敗一分けに指しわけるであろう.また近い将来に藤井七段が将棋界の頂点に立つとしても,もし全盛期の大山や羽生と戦ったとしたら結果はどうなるか.これまた引き分けるであろう.
 囲碁将棋のおもしろさは,頂点に立った誰よりも誰が強いかということではない.天才たちの才能のピークの日時が絶対に一致しない以上,「史上最強」は無意味な言葉だ.誰が誰より強いとか弱いということではなく,加藤九段の語る通り,天才たちの「頭脳のきらめきやひらめき」のドラマ,それこそに囲碁将棋のファンは胸を熱くするのだ.碁石や駒に投影される勝負師たちの人生が私たちの関心の的なのである.
 将棋ソフトが,タイトル戦の盤外で何億手を読もうが,それは渡辺三冠と藤井七段の人生には無縁のことである.私たちの興味関心はこの二人の天才が,今このとき,彼らの人生を賭けてどのようにして戦っていくかにあるのだ.
 
 話は変わるが,昨年の参院選で河井克行容疑者と河井案里容疑者に買収された安芸高田市の児玉浩市長が「丸刈り」で記者会見したことが話題となっている.この嘘吐き野郎は朝日新聞によると《児玉市長はこの日丸刈り姿で登庁した。会見では、「今できることを考え、『反省を示さなくちゃ』とこういうヘアスタイルにした」と説明 》したという.(《現金受領認めた市長が丸刈り姿に「反省を示さなくちゃ」河井議員夫妻の買収容疑事件》[掲載日 2020年6月26日 15:13])
 買収されても反省 (のフリを) すれば (辞職しなくても) いいんだという児玉市長に対する批判が当然ながら起きた.まいどなニュース《安芸高田市・児玉浩市長の記者会見に思う「丸刈りが謝罪に用いられること」への違和感》[掲載日 2020年6月29日 19:30] はその一つである.
 この記事のライター「中将タカノリ」は次のように書いた.長いので抜粋する.
 
昨年の参院選をめぐり河井克行容疑者、河井案里容疑者によって引き起こされた大規模買収事件。事件は夫妻の地元、広島県を中心にさまざまな波紋を起こしているが、いま世間では安芸高田市・児玉浩市長の「丸刈り謝罪」が特に大きな話題として扱われている。
これまでの主張から一転して計60万円の金銭受領を認めた児玉市長は6月26日、頭を丸刈りにして謝罪と市長続投を表明する記者会見を開催した。髪型を変えることがこの問題の本質となんら関係ない陳腐な行為であることは明らかだが、今回深く考えたいのはなぜ「謝罪=丸刈り」なのかということだ。
 
日本人ほど丸刈りに意味を込めたがる国民はいないだろう。近世以前には男性が戦争や政争に敗れ野心を捨てたことを表明するために剃髪する例、女性が亡くなった夫に対し操を守るために剃髪する例が多数あった。戦時中には織田作之助「髪」に見られるように男性の丸刈り以外の長髪は精神のたるみの象徴とされ弾圧された。戦後に至っても中学、高校の男子生徒に丸刈りが「学生らしい」髪型として強制されたり、懲罰行為として用いられることが多々あった。
 
日本において丸刈りは謝罪の手段として、また同時に体制による支配の手段として利用されてきたのだ。峯岸さんの丸刈り謝罪に気持ち悪さを感じるのは、その行為が本来一個人として自由であるはずの女性が、実はいまだに社会的に支配された存在であることを象徴するものだったから。また児玉市長の丸刈り謝罪に底知れぬアホらしさや怒りを感じるのは、その行為がなんら思想や深い考察をともなわず、無神経に反省のポーズとして用いられたからだ。
 
東洋的な思想を形作った孔子の教えにも「身体髪膚これを父母に受く あえて毀傷せざるは孝の始めなり」(「孝経」より)という言葉がある。手足から髪、肌にいたるまで身体は父母からいただいたものなので敢えて傷つけるようなことがあってはならないという意味だ。タトゥー文化等との兼ね合いを考えるといささか旧弊に感じるかもしれないが「身体に本意ではない傷をつけることへの戒め」ととらえれば今なお重みをもって受け止められるべき名言だろう。特に今話題になっている児玉市長には自分の丸刈り謝罪がいかに時代遅れの愚行の上塗りであったかご理解いただくための参考にしていただきたいと思うのだが。
 
 上に抜粋引用した記事は,別段の問題はないように読み流される可能性が高いが,しかし論理展開が支離滅裂である.
 中でもどうかと思うのは,《近世以前には男性が戦争や政争に敗れ野心を捨てたことを表明するために剃髪する例、女性が亡くなった夫に対し操を守るために剃髪する例が多数あった》と書いて,日本の近世以前から行われてきた宗教儀礼「剃髪」を,近現代における調髪スタイルの一つ「丸刈り」と一緒くたにしてしまったことだ.この文章の論理は「丸刈り=謝罪」なのだが,そこに無思慮かつ唐突に「剃髪」を持ち出したために展開に破綻が生じている.
「丸刈り」は髪を「刈る」のである.「刈る」は「切る」と同じだ.毛髪を鋏で切るのである.
 これに対して「剃髪」は


 

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2020年6月15日 (月)

嘘記事

 三年ほど前に小学館のマネー情報誌「マネーポスト」がネットに移行し,現在は大変なページビューを誇っているらしい.(《小学館「マネーポストWEB」、雑誌からウェブに完全移行で月間800万PV突破》) 
 そのマネーポストWEBに《年金生活70代女性の悩み「私も10万円給付金もらっていいの?」》[掲載日 2020年6月13日 16:00] という記事が載っている.長い記事なので抜粋引用する.
 
東京都下に住む74歳女性・Aさんだ。長く専業主婦生活をしており、今は夫婦で年金生活をしている。同年齢の夫は定年後も3年前まで仕事をしており、年間数百万円の収入があったという。
 マイホームのローンも終わっており、住むところには困らない。さらに貯金もある。年金があれば十分に生活できる状況で、夫婦合わせて20万円をもらうことに対しては“罪悪感”があるのだという
 
そんな最中に出てきた定額給付金だ。石橋を叩いて渡るような老後を過ごしてきたAさん夫婦も、最初は「20万円もらえる」と思って喜んだというが、すぐに「私たちは生活に困窮していないし、コロナの影響も受けていないよね」と思い至った。
 Aさん夫婦は「これからも様々な給付金の話が出てくるかもしれないけど、もし私たちが1人あたり10万円を辞退すれば、本当に困っている人に20万円を渡してもらえるのだろうか」と、結論の出ない話し合いを続けているという。》
《とはいっても、昭和20年、終戦の年に生まれたAさん夫婦の感覚からすれば「贅沢をするのは苦しんでいる人に申し訳ない」という思いもあり、申請書は手許に届いたものの、まだ申請するには至っていないようだ。
 かくして「一律10万円給付」は受給対象の人々に様々な逡巡をもたらしている。「もらえるものはもらっておこう」と考えるか、「もらえるけど、辞退すべきではないか」と考えるか、コロナで収入に影響を受けなかった年金生活者ならではの悩みがあるようだ。
 
 まず,ほとんどの自治体の十万円給付金の申請書には,チェック欄「受け取りを辞退する」があって,辞退する気のある人は簡単に辞退できるようになっている.(これはおそらく麻生大臣の意を受けて設けられたチェック欄である)
 そして給付を辞退しても《本当に困っている人に20万円を渡してもらえる 》ことにはならない.単に国庫からその20万円が出ていかないだけである.困っている人に渡す,という政府の初めの方針は,自民党幹事長と公明党の反対で潰れた経緯がある.野党もこれを要求した.この老人夫婦は,ひまなのにテレビニュースを全く見ていないのか.
 つまり,上の記事の夫婦が何を悩んでいるのか,全く不明なのである.
「本当に困っている人に」給付金を配布するという最初の内閣方針が,与党野党の一致で覆った以上,生活に余裕があって給付金を必要としない年金生活者は,困窮している人々へ自分で手配して寄付をせざるを得なくなった.そしてそのような人たちへの窓口として,寄付を望んでいる色々な支援団体は調べればすぐわかる.まさかスマホもPCも持ってないとかいうのじゃあるまいな.
 政府の支援が届かない人々はゴマンといる.そこでどうしたらよいかは,普通の人ならちょっと考えればすぐ思いつく.
 だから,上の記事の夫婦は実在しない.記者が想像で書いたものだ.
 七十も過ぎた老人たちであれば,まずは受け取って,その有効な使途を考えるはずだからである.寄付するもよし,自分で使って「経済を回す」のもよし.
 どうしたらよいか,そんなこともわからぬで逡巡する年寄りがいるとは思えぬ.全くリアリティがない.私自身が七十過ぎの年金生活者だから,そう断定する.
 給付金が,困窮度に無関係に一律十万円給付になってしまったとき,その際に「コロナ禍の影響を受けず,生活に困っていない厚生年金生活者にまで給付するのはおかしい」という議論が内閣周辺であった.確かにその通りなのである.
 だが与野党一致で「本当に困っている人に限定して給付する必要はない」となってしまった(*註) からには,世論は「いったん受け取って,それから寄付するか,使うか決めればよい」とのあたりで落ち着いたはずである.
 小学館だかなんだか知らぬが,《かくして「一律10万円給付」は受給対象の人々に様々な逡巡をもたらしている》などと,すぐばれる安易な嘘記事を書く奴には腹が立つ.
 
(*註)
 給付金が一律定額十万円になってしまったのは,創価学会が強硬に反対したためであると報道された.困っている人たちにばかり給付金が配布されるのは納得できない,自分は別に困っていないがお金は欲しいという創価学会員が多かったためであろう.まことにあさましい.

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2020年6月14日 (日)

卑劣記事

 東洋経済ONLINE《自粛警察「市民vs.市民」が泥沼になる必然構図 正義感の暴走でコロナ後は「1億総警察官」に?》[掲載日 2020年6月13 18:00] から下に一部を引用する.

緊急事態宣言の解除後、東京都では感染者数が2ケタになる日が続き、「東京アラートを出して警戒を呼びかけた。そんななか、東京都が警視庁と協力して、夜の街の「見回り隊」の結成を検討していると一部メディアは報じた。
 東京都に確認すると、6月5日に新宿区歌舞伎町で、都や新宿区の職員、東京都医師会の人たちが「東京アラート発動中」などと書かれたそろいのビブスを着て、「3密」を避けるよう呼びかけながら歩いた。

 この記事の筆者は,都の職員と都医師会が新宿区等の街頭で「ステイホーム」の呼びかけを行ったことを「自粛警察」と関係あるかのように論じている.
 だが都職員と医師によるこの行動は,緊急事態宣言が発せられたときからやっている.「自粛警察」が大きくメディアに取り上げられるようになった以前からだ.この点で,上の記事の筆者は事実誤認をしている.コロナ禍下の日々のニュースに疎いのであろう.世情に疎いなら,あまり書かないのがよろしいと思う.
 だがしかし,そういうチンピラ・ライターの思い付き
記事は大した話ではない.
 問題はこの記事の冒頭に掲げられた写真だ.
 都職員が「ステイホーム」と書いた紙を持って立っている構図だが,これに付されたキャプションは《自分たちが絶対の正義だという意識は、人間の弱い部分を刺激する》である.
 
 この筆者,いい度胸をしていると思う.写真の彼ら都職員は,都知事の指揮下に街頭に立っている.
 写真の背景には,都庁でメディアに会見する小池知事が街頭ディスプレイに映っている.
 これに《自分たちが絶対の正義だという意識は、人間の弱い部分を刺激する》と説明を加えるのは,小池都知事が《人間の弱い部分を刺激》していると言っていることになる.
 そう書きたいのであれば小池都知事をはっきりと名指しして「あなたは自分が絶対の正義だと考えて,人間の弱い部分を刺激している」と批判,非難するのがフェアである.
「におわせる」という書き方は卑劣である.記事の内容はいかにももっともらしいが,書いた者の品性卑劣がにじみ出ている.

 

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2020年6月13日 (土)

あだ花は摘み取られねば

 芸人の渡部建という男のレギュラー番組は観たことがないのだが,他のグルメ番組に出ているのをたまたま見たりすると,なんだか卑しい顔つきだなあ,こういうのが「文化人枠」っておかしくはないか,とは従前から感じていた.
 その渡部が,不倫というよりは常軌を踏み外す異様な事件を起こした.不倫讃美者の石田純一が渡部にエールを送っているが,石田は勘違いをしているのではないか.渡部のやったことは不倫の範疇のことではないように思われる.詳しいことは知らぬが,性交渉だけが目的の買春に近いように思う.
 これについてジャーナリストの木村太郎氏は「病気ではないか」とコメントしたという.(木村太郎氏 不倫騒動の渡部は「セックス依存症では」)
 ま,そうなんだろうが,渡部という男が性欲の獣であることに私は興味はない.多目的トイレの中で,一万円で渡部の相手をした女も渡部と同類の畜生だろう.
 問題は,そういう下の下の人間がテレビで「売れている」ということだ.高収入を得て,庶民の手の届かぬ暮らしをしていることだ.
 そういう男がメイン出演者であるテレビ番組ってのは,ほんとは世の中に不要のものではないか.
 渡部が芸能界から消えても,私たちにはなんの影響もないことが,その証だ.
 
 東洋経済ONLINE《外食で「閉店ラッシュ」、迫る経営破綻の危機 「いきなり!ステーキ」は企業存続の瀬戸際に》[掲載日 2020年6月13日 7:25] によれば,
 
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛を受け、外食業界は大打撃を受けた。緊急事態宣言は5月25日に全都道府県で解除されたものの、客足の戻りは緩やかなままだ。逆風が吹きつける中、外食業界では過去に例がないほどの閉店ラッシュが起きている。
 
という.
 居酒屋チェーンのワタミは2020年内に約65店舗を閉店する.ロイヤルホールディングスは,天丼チェーンの「天丼てんや」など不採算の約70店舗を2021年中に閉店する.「いきなりステーキ」のペッパーフードサービスは,2020年1~3月期の決算発表を延期したままいまだに決算発表の予定日すら示していない.資金ショートしかねない状況だという.
 まるでコロナ禍で日本が崩壊するかのような騒ぎだが,そもそも東京だけでなくあちこちで,石を投げれば居酒屋に当たる状況がおかしくはないか.そんなに私たちは居酒屋を必要としているのか.
「いきなりステーキ」が全店閉店しても私たちの生活に何の変化もないだろう.だとすれば「いきなりステーキ」という店は元々存在価値のない店だったのだ.「天丼てんや」も同様.世の中になくてもいい会社は,世の中になくても構わぬ.地に足つかぬあだ花の企業だとしか言いようがない.
 
 テレビの報道番組は,東京の銀座の高級クラブやら新宿のキャバクラやホストクラブなどが,経営危機だと伝えている.その種の店で作る一般社団法人「水商売協会」という冗談みたいな名称の団体が,たわけたことを言っている.
 東京新聞《<新型コロナ>水商売協会 クラブのママら窮状訴え 「生きていけない 休業いつまで」》[掲載日 2020年5月24日 2:00] から少し引用する.
 
「じゃあ私たち、一体どうやって生きていけばいいんですか?」。首都圏でも新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言の解除の準備が進む中、ナイトクラブやキャバクラ店など接待を伴う飲食業が危機に陥っている。経済的にはすでに限界を超えており、性風俗に身を投じる女性も出始めている。クラブのママやキャバクラ嬢らがマスク越しに声を上げた。
 
 高齢化と過疎化に悩む地方町村の中には,都市部からの若い移住者を大歓迎しているところがあると,何度もテレビの報道で観て私は知った.働き手として移住してくれるなら住むところも職も世話するというのである.
 お天道様と米の飯はついて回ると昔の人は言った.古い価値観かも知れぬが,正業という言葉もある.言うまでもなく生業に貴賤はある.後ろ指を指されぬ正業に就いているなら,お天道様と米の飯はついて回るのだ.
「接待を伴う飲食業」とやらがうまく立ちいかないので性風俗に身を落とす,という女の生き方が正業だとは私には思えぬ.酒と口先の「接待」で楽して金を手に入れようという生き様は卑しい.私はそう思う.世の中になくてもいい生業をしながら《じゃあ私たち、一体どうやって生きていけばいいんですか?》が聞いて呆れるわ.どの口がそんなことを言うか.正業に就いてから見栄を切れ.キャバクラ嬢だろうがホストだろうが性風俗だろうが,慎ましく正しく生きている庶民の納めた税金をあてにするな.
 
 一年前の旅行観光業界向けのメディアでは,あまり金を使わない国内観光客はほっておいて,高級ホテルに泊まって観光地にたくさん金を落とす海外からの観光客にシフトしなければいけないと言われていた.
 それが今はどうだ.
 日本人相手ではない高層高級ホテル,高級旅館に,一日に数組の客しかこないという.それで業界は窮状を訴えているらしいが,知ったことか.
 昨日のNHKテレビを観ていたら,下の画像の資料がでてきた.
 
20200614a
 
 これでわかったのは,日本人旅行客を相手にするのは「コスパ」が悪いというこだ.
 そりゃ金払いがよくて人数が少ない海外からの観光客を相手にするのが楽だ.
 だが番組に出演した星野リゾート社長の星野佳路氏は,この数字を示して,氏の造語「マイクロツーリズム」を説明した.
 このコロナ禍の現在でも,自家用車で近場の観光地に出かける人たちは健在だろうと氏はいう.
 海外から航空機でやってくる人たちは,大金を使うかも知れないが,リピーターは少ない.
 しかし近場の観光地にやってくる人々は,春夏秋冬四季折々に,リピートしてくれる可能性がある.もともと日本の観光地は四季を楽しむということがあったのだ.
 だからそういう観光客にこれからの観光業は目を向けていく必要がある.そう星野氏は述べた.
 なるほどねと思った.
 中国人が来なくなったので途端に傾くような高級ホテル,高級旅館は元々私たちには無縁のものだ.潰れるならとっとと潰れてくれと言いたい.
 政府が唱える観光立国という言葉は,国内旅行者を埒外に置いている.庶民には宿泊予約の取れない宿泊施設は,これまた軽佻浮薄な日本経済に咲いたあだ花であると思う.

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2020年6月12日 (金)

アルコール消毒について /工事中

 人気のコミック・エッセイストであるカマタミワさんのブログ《半径3メートルのカオス》の《アルコール消毒液を買う時に気をつけるべきこと 》(6月11日掲載) に次のことが書いてあった.
20200612b
 カマタミワさんはドンキに買いものに行って,アルコール消毒液を買った.その時のお話である.
 カマタミワさんたち一般市民は「アルコール消毒液」という明確なスペックの製品なり商品が世の中にあると思っているだろう.
 ところが,「アルコール消毒液」は一般的によく使われる言葉だが,実は意味が曖昧なのである.
 日本では,これに近い科学技術用語として「日本薬局方消毒用エタノール」という専門用語がある.まずこれから逐語的に説明しよう.
 日本薬局方というのは,《医薬品の性状及び品質の適正を図るため、医薬品医療機器等法第41条に基づき、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて厚生労働大臣が定め公示する、医薬品の規格基準書》である.(Wikipedia【薬局方】から引用)
「日本薬局方」自体はその内容を指しているが,実際の印刷物は「医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団」(旧日本公定書協会) から出版されている.「日本薬局方」本体を載せた書籍のほかに,条文の注釈を収載した大部の刊行物,またこれと別に解説書が刊行されている.内容的には通則,生薬総則,製剤総則,一般試験法及び医薬品各条から構成されており,その時代の代表的な汎用かつ基礎的な医薬品の品質等について保証するための規格・試験法ならびに判断基準が示されている.初版は明治十九年六月に公布されて改訂が重ねられ,現在は「第十七改正」となっている.
 この基準書の中に「薬局方エタノール」という薬品が掲載されている.電子版を引用する.
「薬局方エタノール」は,1mL中にエタノール95.1~96.9vol%を含有するものとすると規定されている.なぜ濃度を「vol%

 

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2020年6月11日 (木)

WHOの「組織の論理」

(1) CNN co.jp《新型コロナ、無症状者からの感染は「まれ」 WHO疫学者》[掲載日 2020年6月9日 11:35]
 
新型コロナウイルスが無症状の感染者からうつるケースは「まれ」だとする見解を、世界保健機関(WHO)の疫学者、マリア・バンケルコフ氏が発表した。
 バンケルコフ氏は8日、ジュネーブでの記者会見で、患者の接触先を詳細に追跡している複数の国の報告には、感染しても全く症状が出ない例が含まれていると説明。こうしたデータからみて、無症状の症例からさらに別の人へ感染がひろがったケースはめったにないようだと述べた。
そのうえで、症状のある人だけを全員追跡して接触者を隔離すれば、感染数は劇的に減らすことができるはずだと語った。
 また無症状とみられた感染者を改めて調べると、典型的な発熱やせき、息苦しさなどの症状はなくても、実際はごく軽症のケースであることが多いと指摘した。さらにこの時点ではまだ潜伏期で、後になってから症状が出る可能性もある。
 これまでの研究では、潜伏期間中でも発症の2~3日前から周囲に感染する可能性があると報告されている。米疾病対策センター(CDC)によると、感染の4割は発症前に起きていると推定される。
 英ケンブリッジ大学病院で感染症部門の顧問を務める中国・清華大学医学部の調査責任者、ババク・ジャビッド氏は8日、科学情報の正確な報道を推進する英NPO(非営利組織)サイエンス・メディア・センターを通した声明で、無症状者と発症前やごく軽症の感染者を区別することが重要だと強調した。
 同氏によると、台湾での接触追跡やドイツで報告された欧州初の感染例から、無症状感染者からうつることはまれだが、軽症者からの感染はあり得ることが分かっている。特にドイツの例では、感染の多くが発症前または当日に起きることが示されたという。

(2) Bloomberg《【新型コロナ】米感染者増加率、3月以来最低に-南アジアで感染急増》[掲載日 2020年6月10日 6:18]
 
《……
 無症状感染者が新型コロナを伝染させることは「極めてまれだ」との見解を8日示した世界保健機関(WHO)の疫学者、マリア・バンケルコフ氏は9日、発言について釈明。ソーシャルメディアを通じた公開イベントで質問を受け、結果が公表されている「研究のごく一部」に言及したにすぎないと回答し、「質問に対しての回答であって、WHOの方針を述べたわけではない」と語った。
 ……

 
(3) REUTERS《新型コロナ、最も感染力が強いのは発症時か WHOが指摘》[掲載日 2020年6月10日 4:09]
 
世界保健機関(WHO)の専門家は9日、新型コロナウイルス感染症の初期症状が現れる時期にウイルスの感染力が最も強いことが、ドイツと米国による研究の暫定結果で示されたと述べた。
 専門家はこれが感染拡大の抑制を困難にしている一因と指摘。同時に、検査の徹底やソーシャル・ディスタンシング(社会的距離)実施によって抑制は可能とした。
 WHOの伝染病学者マリア・ファン・ケルクホフ氏は「非常に限られた情報に基づくと、症状の出始めもしくはその前後、つまり非常に初期の段階に患者に多くのウイルスが潜んでいるようだ」と述べた。
 WHOで緊急事態対応を担当するマイク・ライアン氏は、重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)のウイルスと異なり、新型コロナウイルスは上気道に付着するため、飛沫感染しやすいと指摘。「感染性病原体が上気道に存在することで、具合が悪くなり始めた段階に体内に潜むウイルス量がピークに達する可能性がある」と述べた。
 ケルクホフ氏はさらに、症状が軽い感染者からは最長8─9日間にわたり感染しやすく、「重度の感染者ではより長い期間になる可能性がある」とした。
 また、無症状の感染者からうるるケースは「極めてまれ」という見解を前日に示したことについては、「伝染の40%が無症状感染者による可能性があると試算されているが、これは数理モデルによるものだ」と説明。その上で、無症状者からうつる可能性はあると述べた。

(4) NHK《おはよう日本》[放送日 2020年6月10日 7:00~]
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(1)~(3) までの記事ではマリア・バンケルコフ (ロイターの記事ではファン・ケルクホフと表記) Dr.Maria Van Kerkhove 氏が何者かは不明であったが,NHKニュースでは技術責任者という肩書になっている.
 この技術責任者の地位がよくわからない.大抵の場合,英語で「部門長」は Chief がポスト名に付く.技術部門の長であれば「最高技術責任者 Chief Technology Officer (CTO)」というわけだ.そこでマリア・バンケルコフ氏の英語の職名を調べたら one of the WHO's top epidemiology experts であるという.ま,下っ端ではないが,あまり上級の役職者ではなさそうである.[6/11追記;Bloombergには新興疾患・人獣共通感染症部門責任者であると書かれている]
 そのマリア・バンケルコフさんは8日 (ジュネーブ) の記者会見で,新型コロナウイルスが無症状の感染者からうつるケースは希だとする見解を述べた.
 ところがこれは,これまでに中国の感染拡大期に武漢から報告された情報とも,米疾病対策センター (CDC) が感染の4割は発症前に起きていると推定しているのと真っ向から食い違う見解である.日本の感染症専門家の多くも,中国と米国の見解を支持している.
 しかし彼女が突拍子もないことを突然言い出したかと言うと,そうでもない.彼女の言い分は,ウイルスを周囲に放出している感染者が一見すると無症状のように見えても,実は激しい症状に変化する寸前なのだと考えられる,ということだ.資料(1) の彼女の言葉を再掲すれば「症状のある人だけを全員追跡して接触者を隔離すれば、感染数は劇的に減らすことができるはずだ。また無症状とみられた感染者を改めて調べると、典型的な発熱やせき、息苦しさなどの症状はなくても、実際はごく軽症のケースであることが多い。さらにこの時点ではまだ潜伏期で、後になってから症状が出る可能性もある」だ.
 この彼女の考えは,実は非常に常識的で論理的なものである.なんとなれば,無症状すなわちウイルス感染した上気道の細胞組織が全く炎症等のダメージを受けていないのに,ウイルスだけが盛大に増殖して体外に放出されるなんてことが論理的にあろうはずがないからである.
 資料(1) には《英ケンブリッジ大学病院で感染症部門の顧問を務める中国・清華大学医学部の調査責任者、ババク・ジャビッド氏は8日、科学情報の正確な報道を推進する英NPO(非営利組織)サイエンス・メディア・センターを通した声明で、無症状者と発症前やごく軽症の感染者を区別することが重要だと強調した。同氏によると、台湾での接触追跡やドイツで報告された欧州初の感染例から、無症状感染者からうつることはまれだが、軽症者からの感染はあり得ることが分かっている。特にドイツの例では、感染の多くが発症前または当日に起きることが示されたという》と書かれている.
 また村中璃子さんはこの件について《発症しない無症状と潜伏期の無症状は分けて考えよ》とFacebookで述べ,「発症しない無症状者の感染力はほぼゼロ」というマリアさんの意見を支持している.さすが在野の医師ではトップクラスの知性の持ち主である村中璃子さんだ.マリア・バンケルコフさんも大変まっとうな知性の持ち主である.これが資料(1)のCNNの報道時点のことである.
 ところがしかし,マリア・バンケルコフさんやババク・ジャビッド氏や村中璃子さんのように「発症しない無症状と,潜伏期の無症状は別だ」と論理的に考えることができない人々が,マリアさんを追及した.そのためマリアさんは《伝染の40%が無症状感染者による可能性があると試算されているが、これは数理モデルによるものだ 》と説明した.《数理モデルによるものだ 》は,数理モデルで得られた結果は,必ずしも事実であることを保証しない,という意味である.数理モデルにおいて「時間が経過しても発症しない無症状感染者」と「いずれ発症する潜伏期の無症状感染者」を区別せずに,一緒くたに「無症状感染者」として扱えば,当然のことながら「無症状感染者から感染する」という結果になる.前提条件が異なれば結果は異なってくるのが,モデルを用いる思考の特徴だ.従って用いる前提条件の真偽が実際のフィールドで確かめられねばいけない.
 だが非論理的な同調圧力に,学術的信念がたじろいだのだろうか,マリアさんは《無症状者からうつる可能性はある 》と少し後退した.これが資料(3)のロイターの記事である.
 おそらくここで,中国にこれまで右顧してきたWHO幹部は,最大の資金源の機嫌を損ねたくないための忖度であろう,今度は米国に左眄することにした.つまり明らかにWHOはマリアさんの主張を,数日前にテドロス事務局長がスピーチしたWHOの公式見解に同調するよう変更させた.これが上に示したNHKニュースで報道された場面,すなわちマリアさんが自分の考えを捨てて屈服したシーンである.
 
バンケルコフ氏 (WHO技術責任者)
無症状感染者も,症状ある感染者に近い割合で周囲に感染させている可能性 見方示す
無症状の人でもウイルスをうつすことがある
感染の約40%は無症状の人からうつされたものとする推計もある
 
 上の引用はNHKニュースの画面に示されたテロップである.
 マリアさんの発言《感染の約40%は無症状の人からうつされたものとする推計もある 》は米国 (CDC) の主張を指している.
 マリアさんは意に反してCDCに同調させられたのである.誰に?
 テドロス事務局長以外にないと考えるのが自然だろう.これが組織の論理というものだ.

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2020年6月10日 (水)

手指の消毒

 私が食料品の買い物に行く店の一つにダイエー藤沢店がある.このスーパーは二ヶ所の入口/出口ドアの内側に手指消毒剤のディスペンサーが置かれている.衛生面では,藤沢駅周辺のデパ地下よりも配慮が行き届いた良心的な店だ.
 以下はそのディスペンサーの話.
 ディスペンサーには手動と自動の二タイプがある.手動式はボトルの上のポンプヘッドを手で押し下げるとノズルから定量の消毒剤 (消毒用エタノールなど) が噴霧される.自動式は,ノズルの下に掌を差し出すと,それをセンサーが感知して,電池式電動ポンプが定量の消毒剤 (同上) を噴霧する.
 実際の商品をAmazonの商品ページで例を示す.手動式自動式.(この例はすぐにリンク切れする可能性大だが,検索語「ディスペンサー」で探せばヒットする)
 ただし,この例の商品が品質的にまともなものかどうかは知らない.特に自動式は,高価なのにすぐに壊れる粗悪品が多いと聞く.
 また自動式はメンテが必要である.高級なオフィスビルのトイレの壁に,壁に固定して設置するタイプのものを見かけるが,掌を差し出して容器が空になっていて消毒剤が出てこないなんてことがある.
 
 で,この自動式消毒剤のディスペンサーだが,個人の家庭でも商店でも,買わないことを強く勧める.なぜなら,このような製品を作るメーカーは,手指消毒の基本を知らないと思われるからだ.
 それでは手指の消毒はどのように行うのが正しいか.専門家が作成した動画を紹介する.私自身,現役の頃は食品衛生技術のプロだったが,その経験からしてこの動画の消毒方法は正しい.
 
アルコール手指消毒剤による手指消毒
 
 手指の消毒剤には,日本薬局方の消毒用エタノールそのものと,これに増粘剤を添加したジェル製品とがある.
 ジェル製品は粘度が高いため自動式ディスペンサーには使用できない.
 また薬局方消毒用エタノールは,一回の手指消毒に少なくとも3mlを必要とするが,自動式ディスペンサーから噴霧される消毒剤はかなり少量 (たぶん1ml以下) であるため,掌に3mlを採るためには何度もセンサーを感知させねばならない.手指消毒の正しいやり方を知っている使用者には,これがかなりのストレスである.
 実は数日前,冒頭に述べたダイエー藤沢店に設置されていた手指消毒剤のディスペンサーが,それまでの手動式から自動式に交換されてしまった.
 おそらく手動式よりも自動式のほうが消毒剤の消費量が少ないから,コストダウンになると考えたのだろう.
 私が昔,食品企業で食品衛生管理の仕事をしていた時,会社にやってきた自動式ディスペンサーのセールスマンが「自動式はコストダウンになる」と言ったので呆れたことがある.少量しか消毒剤を吐出できないことが自動式ディスペンサーの欠点なのに,それをウリ文句にするとは本末転倒もいいところである.
 役に立たない商品の例を示す.下に掲げる画像は,Amazonに出品されている「FORESEE 自動誘導 アルコール消毒噴霧器 非接触式 ハンドディスペンサー」という商品の説明画像である.
20200609b
 間抜けなことに,商品説明に堂々と「アルコール使用量節約」と書いてある.w
 この商品を手指の消毒に使ったのでは,手は消毒できませんと言っているようなものだ.
 この記事の読者各位におかれては,御家庭の玄関の靴箱の上にでも手動式のディスペンサーを置き,外出から帰宅したらすぐ花王の動画に示されている正しいやり方で手指を消毒されたい.自動式ディスペンサーはだめである.
 玄関での手指消毒は,玄関から洗面所までの動線上にあるものを汚染しないように取り合えず行うものである.それから洗面所に行き,石鹸と流水で入念に洗浄することをお勧めする.
 細菌とエンベロープ型ウイルス (コロナウイルス等) は,エタノールと界面活性剤で失活する点で消毒方法が似ていると考えられる.食品工場における細菌汚染の防止に関する経験上からすると,手指のアルコール消毒と石鹸洗浄の併用は大変に有効であると考える.

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2020年6月 9日 (火)

昔風の歌

 以前,NHKのドキュメンタリー番組 (たぶん《駅ピアノ「神戸・西神中央駅 vol.2」》だったと思うが記憶違いかも知れない) を観ていたら,エンディングで聞き覚えのある歌が流れた.なんだか懐かしい昭和のポップスコンテスト入賞曲のような曲調だった.
 昨日そのことを思い出し,放送時にわずかに耳に残った歌詞の断片を頼りにウェブを検索したら,「365日の紙飛行機」だということがわかったが,それがAKB48の曲だと知って驚いた.(Wikipedia【365日の紙飛行機】)
 私には女性アイドルグループの歌はダンス音楽だという先入観があって,端から関心がなかつたのだが,それはいけないなあと思った.
 YouTubeには,AKB48のオリジナルと,この歌のリリース時 (2015年) にセンターを務めた山本彩さんのソロなどがいくつも上げられている.それらを聴いた爺様 σ(^^) はアイドルグループを見直したぞい.

365nichi no kamihikouki 365日の紙飛行機 AKB48 Yamamoto Sayaka
アップロードは2019年
 
365日の紙飛行機 / 山本彩
アップロードは2017年
  
【MV】365日の紙飛行機 Short ver. / AKB48[公式]
これがYouTubeでは一番古い音源か.もう卒業した人たちが歌っている.(2015年)





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2020年6月 8日 (月)

火事場泥棒習近平 /工事中

 NEWSポストセブン《中印軍1万人が印東北部でにらみ合い 中国挑発の背景は》[掲載日 2020年6月6日 7:05] は次の通り報道した.
 
中国とインドの両軍がインド東北部のラダック地域の国境を挟んで対峙しており、軍事衝突の緊張が高まっている。両軍は1962年に中印紛争で砲火を交えたことがあり、その後もいくどか軍事衝突の危機が叫ばれているが、小競り合い程度で大規模な紛争には至っていない。
 インド側は外交的な努力を続ける意向だが、中国軍は多数の軍事車両や最新鋭の兵器を持つ砲兵部隊も現地にかけつけている。中国側が軍事的にインドを挑発している形で、折から欧米から批判を浴びている香港問題に関する関心を逸らす意図も働いているとの指摘もある。米ブルームバーグ通信が報じた。
 
 現代の反民主主義国家の代表は言うまでもなく中国とロシアである.実質的にプーチンによる独裁国家であるロシアは,しかし領土的野心はそれほど強くない.北方領土問題はあるが,これは彼らにしてみれば既得権の範疇に属することである.拡張しようとの動きはない.
 ところが習近平中国は,東アジアの島々へ領土を拡張する野心が露骨である.ただし周知のように習近平の欲しがる領土は,国民が住むための土地 (島) という意味ではなく,海底資源の獲得ということであるが.
 領土拡張には軍事力が必要だ.米軍の空母に新型コロナ感染症が発生したことを嗅ぎ付けるや,
 

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2020年6月 6日 (土)

前からそうだけど,大丈夫かWHO /工事中

 AFPBB News《WHO、マスク指針を転換 密接場面で着用推奨》[掲載日 2020年6月6日 05:33] は以下のように報道した.
 
世界保健機関(WHO)は5日、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けたマスク着用指針を転換し、ウイルス流行地で対人距離の確保が難しい場合には布製マスクの使用を推奨すると発表した。
 WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は会見で「変化を続ける証拠に照らし、WHOは各国政府に対し、広範囲の感染が起き、物理的な対人距離をとるのが難しい公共交通機関や店舗などの密閉環境や混雑した環境では、一般市民にマスクの着用を奨励するよう勧告する」と述べた。
 一方で、WHOは新型コロナウイルス感染症の症状がある人は自宅待機すべきこと、また症状のある人やその接触者がどうしても外出する必要がある場合は医療用マスクを着用すべきだという従来の指針は維持した。
 WHOはまた、一般向けの非医療用布製マスクについて、材質の異なる布を少なくとも3層重ねた構造にすべきとする新たな指針を公表。内側は吸水性がある綿など、中間層はフィルターとして機能するポリプロピレン製の不織布など、外側は耐水性のあるポリエステルなどを使うよう呼び掛けた。
 ただし、WHOの緊急事態対応を統括するマイケル・ライアン(Michael Ryan)氏は、布製マスクはあくまで着用者が他人にウイルスを感染させるのを防ぐためのものであり、自らの感染を予防するものではないと強調した。
 
 WHOは機能不全に陥っているようだ.
 上の記事を読むと,テドロス事務局長とマイケル・ライアン緊急事態統括者は,言っていることが対立しているし,テドロス事務局長はもう支離滅裂である.順を追ってWHOの上の記事を読んでみる.
 これまでWHOは,ウイルス感染症に対するマスクの予防効果を否定してきた.否定の仕方にも色々あるが,WHOの主張は「予防効果はない」ではなく「予防効果があるという証拠 (エビデンス) はない」である.この否定方法は,もしマスク否定が間違っていた場合は「予防効果がないとは一言も言っていない.予防効果があるというエビデンスがないと言ったのだ」という具合に,いつでも前言を翻すことができる.だから「エビデンスがない」というロジックで物事を語る人は信用できない.その典型例は,新型コロナウイルス感染症に関するコメンテーターとしてテレビによく登場する元厚生労働省医系技官の木村盛世氏と,神戸大学医学部の岩田健太郎教授だ.二人とも頑強なマスク否定派である.
 木村氏はコロナ禍の初期の頃,ウイルスは不織布マスクのフィルターより粒子径が小さいからマスク着用は無意味だと主張していたが,新型コロナウイルスの感染において飛沫感染が重要だと言われるようになったら,今度は「不織布マスクで感染予防できるというエビデンスはない」と,テレビ朝日の《ビートたけしのTVタックル》で述べ,「エビデンスはない」派に転向した.
 岩田教授は,日本テレビ《情報ライブ ミヤネ屋》でインタビューに応えた (VTR) 際,私は満員電車の中でも絶対に (不織布製の花粉用) マスクはしない,マスクなんか金の無駄遣いだ,言い切った.また『新型コロナウイルスの真実』(ベスト新書,2020年4月11日発行) の「はじめに」に次のように書いた.(Amazonにも紹介されている)
 
例えば、「マスクは必要でしょ」という結論にこだわってしまうと、常に「マスクが大事だ」という情報にしか目がいかなくなります。そのうちに「マスクなんていらない」って言う人は敵だ、みたいなカルトじみた話になってくると、正しく情報が手に入らないで、デマに踊らされるようになってしまいます。》(引用文中の文字の着色は当ブログの筆者が行った)
 
 上の引用中の《「マスクなんていらない」って言う人 》は岩田教授自身を指している.この話は,そもそもの始まりは岩田教授が,マスクをしている人に対して攻撃的発言をしたことが発端であったと記憶している.それがいつの間にか《って言う人は敵だ、みたいなカルトじみた話になってくる 》という風に自分が攻撃された話になっている.まことにお上手である.
 話は横に逸れるが,岩田教授のブレ具合について少し以下に触れる.
 その当時の岩田教授は,新型コロナウイルス感染症なんてタダの風邪みたいなものだとテレビで言っていた.それが今年三月になると《症状の軽さこそが感染の広がりの原因になってしまう 》《非常に厄介である 》と軌道修正をした.(下に岩田教授の書いた記事を引用する)
 
臨床症状は風邪のようなもので、8割は自然に良くなってしまう。そういう意味では怖くない。が、そこが怖いところでもある。インフルエンザと異なり、症状が軽微な本感染症では、多くの人々は罹患しながら外を歩き回ってしまう。症状の軽さこそが感染の広がりの原因になってしまう。
そして、8割が自然によくなるとは、2割はそうではないということを意味している。10人、100人程度の患者数であれば、日本の医療体制で対応は可能だが、中国・武漢のように万単位、それ以上の患者が発生すればそのインパクトは巨大となり、数千人規模の死亡者が出てしまいかねない。非常に厄介である。
非常に厄介ではあるが、本感染症との対峙の方法はほぼ確立している。①きちんとした手指消毒、②長時間の密閉空間共有の回避─だ。我々神戸大学病院感染症内科も毎日開いていたカンファレンスを止めて、変則的な診療体制にシフトした。医局員がみな感染者や隔離対象者になったら大変だからだ。リスクの分散も医療従事者にとって重要なテーマになる。》(日本医事新報社《新型コロナウイルス感染症:非常に厄介だが、対峙の方法はほぼ確立している》) (引用文中の文字の着色は当ブログの筆者が行った)
 
 上に引用した文中では,岩田教授は,治療薬が存在しないという現状であるにもかかわらず,《日本の医療体制で対応は可能 》であると書いている.劇症化した重傷者をどう治療するかは念頭にないかのようである.
 そして三月の時点では《本感染症との対峙の方法はほぼ確立している。①きちんとした手指消毒、②長時間の密閉空間共有の回避─だ》と楽天的に構えていたのだが,四月下旬には悲観的な方向に転ずる.DIAMONDonline《日本に残された道はロックダウンしかない理由、神戸大・岩田教授が警鐘》[掲載日 2020年4月28日 5:20] から下に引用する.
 
2週間と少し前、政府は「8割の外出をやめることで、2週間後には感染者を大きく減らします」というプランを発表しました。指数関数的な感染者増加、いわゆるオーバーシュートという事態を避けなければならない、と。しかし、欧米と違って日本は、強力なロックダウンという方針は取りませんでした。その後の経過を振り返ると、半分はよかった、しかし半分はダメだったと、私は評価しています。
 オーバーシュートは起きていません。これはよかったですよね。ただ、当初のもくろみ通りに患者数をどんと減らせているかというと、これはできていない。少し減ってきていますけれど、大きく減ってはいません。つまり「悪いシナリオは回避できたけれど、良いシナリオにもならなかった」ということです。
 東京では、新規感染者数は横ばいに近い推移ですが、これをどう評価すべきか?私は、まずい状況だと考えます。COVID-19(以下、新型コロナ)は、経過が長い病気なんです。軽症者からもなかなかウイルスがなくならないし、重症者も呼吸不全のまま、人工呼吸器につないで何週間も治療しなければならないような長期戦になる。
 そんな長期戦の中で、東京だと毎日100人以上の新規感染者が出て、入院者も増えていく。加えて、医者や看護師が感染するという院内感染もあちらこちらで起きています。すると、患者数は増える一方で、医療サイドのマンパワーは減っていく。このダブルパンチが医療崩壊を招きますから、東京の「新規感染者数横ばい」というのは、決して許容できません。やはり大きく減らす必要がある。もっと強力な外出規制を実行しないとダメだということです。
 第2波という言葉も出てきていますが、日本の場合、第1波すら抑え込めていません。こんな状況で、感染者が非常に少ない地域限定ならともかく、全国一斉に緊急事態宣言を解除するなどということは考えられないでしょう。しかし、「延長する」というのも違う。私は「もっと強力なロックダウンをする」という方針に転換すべきだと考えます。

ロックダウンこそが経済を救う
――欧米並みのロックダウンは経済を破壊してしまう、と躊躇する声もあります。
 
いえ、私は「強力なロックダウンを短期間集中して行う」ことこそが、経済を救うと思いますよ。武漢は集中してロックダウンを行い、比較的短期間で感染封じ込めに成功しました。イタリアやスペインなども感染者数が大きく減ってきた。しかし、日本のように「不要不急の外出は極力控えるように…」などという、ゆるいやり方をすると、延々とそれを続けなければなりません。こちらの方がよほど、経済に悪影響を及ぼします。短期間に強いロックダウンを行って、その間は政府が全力で企業や国民に経済支援などを行う。これが一番、経済にとってはダメージが少ないはずです。》(引用文中の文字の着色は当ブログの筆者が行った)
 
 上に引用した記事が執筆された時点では,東京都の感染はどうやらオーバーシュートを回避できたようであった.それは,都民の外出自粛が不十分な中で厚労省クラスター対策班を指揮した東北大学の押谷仁教授と北海道大学の西浦博教授ら諸先生方の戦略 (クラスター潰し) と実践力の成果であると考えられるが,岩田教授はこれについて《ゆるいやり方 》だと政府厚労省を批判し,《武漢は集中してロックダウンを行い、比較的短期間で感染封じ込めに成功しました 》《私は「もっと強力なロックダウンをする」という方針に転換すべきだと考えます 》と主張した.政府も識者も「日本の法制下ではいわゆるロックダウンは不可能である」と説明しているにも関わらず,である.
 ところがこれ以後,東京都の新規感染者数は減少に転じた.すると岩田教授は《「もっと強力なロックダウンをする」という方針に転換すべきだ 》と言わなくなった.むしろ,京都大学の藤井聡教授による厚労省批判 (「新」経世済民新聞《【藤井聡】【正式の回答を要請します】わたしは、西浦・尾身氏らによる「GW空けの緊急事態延長」支持は「大罪」であると考えます。》) に対しては藤井教授に反論する側に回った.この右へ左へのブレ具合,まことにお見事である.
 
 閑話休題.『WHOがマスクに関する従前の見解を「アップデート」(訂正や修正ではない) し,一般市民にマスク着用を推奨した』という件に戻る.
 冒頭に掲げた日本語ニュースだけではわかりにくいので,この件を報道したCNNの《WHO calls on nations to encourage the public to wear fabric face masks where coronavirus is spreading 》も参照する.(原文URL)
 CNNによると《Tedros added that the new guidance was updated based on evolving evidence.
"Our updated guidance contains new information on the composition of fabric masks, based on academic research requested by WHO," Tedros said.》である.すなわち布製マスク (fabric masks) に関するWHOの新指針 (the new guidance) は,WHOの要請によって行われた学術研究 (academic research) に基づく新しい情報を含んでいるとテドロス事務局長は語った.
 だがしかし,テドロス事務局長が言うところの学術研究がどこの誰によって行われたのかは,当ブログの筆者は調べたが不明である.
 しかし村中璃子さんによると,これは THE LANCET (世界五大医学雑誌) に掲載 (Published:June 01, 2020) された“Physical distancing, face masks, and eye protection to prevent person-to-person transmission of SARS-CoV-2 and COVID-19: a systematic review and meta-analysis”だとのことである.(原著論文のURL:当ブログ筆者はまだ精読していない ^^;)
 ちなみに村中璃子さんはマスクの効果について,岩田教授や木村盛世氏のように「エビデンスがない」という硬直的な思考停止で片づけていない.というのは日本のように使い捨て不織布マスクを着用する習慣が定着している国は珍しいのであるから,明確なエビデンスがないのは当然なのである.つまりエビデンスがないことは否定の根拠にならないのだ.
 そこで村中さんはFacebookに次のように書いている.《世界中で注目されている日本の使い捨てマスクの習慣。ますます注目が集まる日本の使い捨てマスク。マスクが感染を広げるのを防ぐ効果は分かっているが、感染から防ぐ効果ははっきりしていない。欧米では布マスクが主流のなか日本がそれを証明する日が来るかもしれない。今日のニューヨークタイムズ「マスクの習慣が日本を救ったのかもしれない」
 
 さてWHOの新指針のどこが「新」なのかを見てみよう.
 従前の見解から変更がないのは,この記事の冒頭のAFPBB Newsによれば次の点である.
(a) 新型コロナウイルス感染症の症状がある人は自宅待機すべきである.
(b) 症状のある人やその接触者がどうしても外出する必要がある場合は医療用マスクを着用すべきである.
 
(a) の「自宅待機 stay home」については説明不要だろう.既に症状が出ている人は stay home すべきであるとWHOは言う.
(b) の医療用マスクは説明が必要だ.マスクは一般的に三つに分類される.(1) 防塵マスク,(2) 医療用マスク,(3) 家庭用マスクである.
 このうち防塵マスクは産業界で使用されるもので,日本では厚生労働省が「防じんマスクの規格」を定めているがこれは説明を割愛する.
 米国には,米国労働安全研究所が認定するN95マスクがあり,製品には認証番号が付けられる.このN95マスクは元々は防塵マスク規格であるが,医療機関で感染防止に用いられることも多くなっているため,最近では医療用マスクの一つとされているようだ.
 医療用マスク medical mask は一般的にはサージカルマスク surgical mask という.サージカルは「外科の」で,外科手術の時に外科医等が着用する.医師の飛沫や汗が患者を汚染しないように,また逆に患者の血液などが医師を汚染しないようとの目的で使用される.ただしクリニック等で診察を行う際にも医師が着用するので,サージカルマスクよりもメディカルマスクと呼ぶほうが好ましいだろう.上に示したCNNニュースでも,WHOは 医療用マスクを medical mask と呼んでいる.(日本ではこの種のマスクの呼称と性能に関する法的定めはないため,マスクのメーカー間で説明に齟齬がある)
 サージカルマスクには米国に性能を示す指標がある.概略をWikipedia【マスク】から下に引用する.
 
マスクの性能を表す指標としてBFE(細菌濾過効率、Bacterial Filtration Efficiency)とPFE(微粒子濾過効率、Particle Filtration Efficiency)がある。前者はマスクによって細菌を含む粒子(平均粒子径3.0±0.3マイクロメートル)が除去され患者への飛沫を防ぐ割合(%)、後者は試験粒子(0.1マイクロメートルのポリスチレン製ラテックス球形粒子)が除去され、装着者へ影響が出ない割合(%)のことである。アメリカ食品医薬品局(FDA)では、サージカルマスクの基準をBFE95%以上と規定している。
 
 米国におけるサージカルマスクを巡る状況は知らないが,日本ではもちろん医療用マスクは医療資材販売ルートで医療機関等に供給されており,家庭用マスクのうち花粉症対策用として販売されている不織布マスクの一部は,FDAの基準に準じているようだ.
 当ブログの筆者が備蓄している花粉症



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