外食放浪記

藤沢近辺であれを食いこれを食べ.自炊のことや思い出話もむりやりここに.

2020年1月20日 (月)

藤沢 魚とカレーのお店

 紙だとか封筒だとかを入れてある引き出しの中を整理したら,毎年使い残した未使用年賀はがきが出てきた.それと,今年の年賀はがきで切手シートが一枚当ったので,藤沢郵便局へ行ってきた.
 郵便局で用事を済ませる前に,以前から気になっていたカレー屋で,昼飯を食うことにした.
 藤沢駅の北口商店街で一番人気の食堂「ふじやす食堂」の姉妹店で,「魚とカレーのお店」という.そもそも「ふじやす食堂」は,同じ建屋の一階で昔から営業している鮮魚店「藤安水産」が,二階に出したランチ専門の食堂だ.この店については四年前に記事を書いた (その記事は《藤沢 ふじやす食堂》)
 その後,藤安水産は「ふじやす食堂」に続く姉妹店として,鮮魚店脇の小路に「魚とカレーのお店」を開店したのだが,ここもランチ専門店で飯時には混んでいるという話だった.そんなこんなで,
私はこれまで一度もこの店で食事したことがなかった.
 
 あらかじめ食べログの口コミをざっと見ると,経営は藤安水産だがこの店の店長は,鎌倉七里ヶ浜海岸の人気レストランで,カレーがおいしいと評判の「モアナマカイ珊瑚礁」(ちなみに海岸から離れた立地には「珊瑚礁本店」がある) で店長をしていたことがあり,その後は藤沢駅の南口でレストランのオーナーだった人だそうだ.
 昭和五十年代から平成にかけてのこと.クルマの助手席に女の子を乗せて海岸通りをドライブし,七里ヶ浜のランドマークである「モアナマカイ珊瑚礁」で夕飯を食うというのが湘南界隈の青年たちのデートプランだった.
 そういう一種のレジェンドがあるもんだから,口コミサイトでは「モアナマカイ珊瑚礁の流れを汲むカレー屋」と紹介されたのだが,口コミサイトの食べログでは今日現在の評点が3.35だ.よい店とそうでない店の分岐点は3.5だとされているので,あまりパッとしない点数だ.しかも高い点をつけた人は4.5で,低く評価した人は2.5という落第点をつけている.いったいどうなっているのだろうという興味もあって店に入ってみた.
 
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 店舗は小路に面して全面ガラス張になっている.ガラスの自動ドアを開けたら,内側に厚いビニールカーテン (倉庫などでよく使用される) が下がっていたので驚いた.このビニールカーテンは防風のために設置されたものだろうが,駅ナカのJR系蕎麦屋に似た簡素な内装と相まって,あたかも固定屋台のような雰囲気を醸している.おしゃれ感は皆無だが,しかし料理で勝負だというなら,それもよかろうと思う.
「おひとり様はカウンターにどうぞ」と言われて,カウンター席の椅子を引いたら,ガタガタと大きな音がした.床がチープな造作なので,こんな音がする.いよいよ路面屋台感が強まる.
 女性店員さんが持ってきたメニューから,「ごろごろエビカレー 税抜き九百八十円」をチョイスした.プラス二百円でサラダとドリンクが付けられると彼女は言ったが,二百円ではたぶんチープなものなんだろうと思ったので断った.水でよろしい.
 それほど待たずに「ごろごろエビカレー」が到着.なめらかなカレーソースの中に,確かにむき身のエビがごろごろしていた.鮮魚店でポリ袋に包装して売られている安価なむき身の冷凍稚エビ (よく冷凍のシーフードミックスに入っている輸入養殖エビ) だが,九百八十円のカレーの具ではそんなもんだろう.
 そのカレーソースは,いわゆる欧風 (イギリス風) で,香りよりも味のコクに重点が置かれているものだ.というか,最近はやりのスパイスカレー感は皆無.日本レストラン・エンタープライズがJR駅構内でやっている「カレーステーション」や,ココイチと同じ範疇のカレーだ.
 つまりは凡庸な味というか,客を店のファンにするなにものかが欠けているように思う.
 
 ところで,厨房にいる店長 (だと思う) は,ハンチング帽をかぶっていた.業として調理をする者の常識だが,厨房用の帽子は異物 (毛髪) の混入防止のために必須である.しかし帽子というものは皮脂で非常に汚れやすい.従って毎日洗濯できるような白いキャップでなければならない.
 しかるに店長が,不潔感まるだしのハンチング帽をかぶっているとはどういうことだ.金をとって客に料理を提供する最低の心構えができていない.料理人帽がダサくていやなら,洗って清潔に維持できるバンダナを,きっちり頭をくるむようにまけばいいのだ.
 この店に食べログで2.5を付けた人は《従業員のヒゲ、ピアス、ネックレス。…(中略)… 清潔感で大きくマイナス。せめて隠して。》と書いている.まことに的確な批評である.私もそう思う.この店は客をナメているに違いない.繁盛店にはならないだろう.いや,こんな不届きな店に食べログで高い評点をつけることで繁盛店にしてはいけないと思ったことである.
 
[余談] このカレー屋のおかげで,はからずもモアナマカイ珊瑚礁の食品衛生レベルが判明してしまった.

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2020年1月19日 (日)

コンソメ御飯

 冷蔵庫のチルドボックスに入れてあったウインナ・ソーセージの消費期限をみたら六日前に切れていた.
 ハムやソーセージは比較的安全性に余裕があるのだが,それにしても六日オーバーはちょっとね.炒めたりボイルして食べるより,加熱時間を長くしたい.それで,炊き込み御飯に入れて使ってしまうことにした.
 少し前,オリーブの炊き込み御飯を作ったときに使用した瓶詰オリーブ漬がまだ残っているので,それも使ってしまう.
 味付けは,JALビーフコンソメが食卓の上に一袋だけ転がったままになっているので,これを使う.
 
[材料]
米                 二合
ウインナ・ソーセージ        五本
瓶詰グリーン・オリーブ       十個
エクストラ・バージン・オリーブ油  小さじ一杯
JALビーフコンソメ        一袋

[作り方]
* 米は軽く研いで炊飯器に入れる.釜の二合目盛りに水加減する.
* ウインナは五ミリ厚くらいに切る.これと種抜きグリーン・オリーブを釜に入れる.
* JALのコンソメの素は塩気が強いので,一袋で充分だ.これを釜に入れて軽くかき混ぜる.さらにオリーブ油を加えて一時間放置する.
* あとは普通に炊飯し,炊けたらざっとかき混ぜてできあがり.
[感想]
炊き込み御飯というのは基本的に炭水化物の料理なのだが,今回はソーセージを入れたので,その点は少しマシになっている.あとは栄養のことを考えて,生野菜のサラダをたっぷりと摂りたい.
 
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2020年1月14日 (火)

バジル風味はお好き?

 昨日の記事に書いた日本食研とか,あるいはエスビー食品などから,高齢者世帯 (独居を含む) にとって使い勝手のよい調味料がたくさん出ている.
 使い勝手がいいという意味は,包装が「1人前×2」などとなっていることだ.
 時代が昭和から平成になった頃,「個食」という言葉が使われるようになった.Wikipedia【個食】に次のように解説されている.
 
この言葉は、日本にて1990年代より家庭のありようや一家団欒などの習慣が失われつつあることを憂う延長で使われるようになった言葉である。1980年代のカギっ子といった社会現象キーワードにも通じ家庭の持つ家庭教育の場としての機能の喪失や、あるいは食生活の不健全さといった事態を問題視する論説中に見出せる言葉である。
個人で食べる個食は20世紀末より次第に塾通いやお稽古事などで子供の帰宅が遅くなるといった事情や残業や共働きなどで親との生活サイクルがかみ合わなくなったりするなどして家族揃って一緒に食事が出来ず、子供がコンビニエンスストアの弁当やおにぎり・ファーストフードのハンバーガーセットなど出来合いの食事で夕食を済ませたり、あるいはインスタント食品やスナック菓子を夜食にと食べて済ませてしまうケースが見られる。
ただこれら簡便な食品は「とりあえず空腹が収まる」程度でしかない高カロリーで栄養面ではアンバランスなジャンクフードであるなど育ち盛りの子供は勿論、健康な生活で求められる各種栄養の不足やアンバランスの原因となりやすく問題とみなされる。
また、ちゃぶ台・ダイニングテーブルの普及とともに夕食などの一緒に食事を取る行為や一家団欒が家族間のコミュニケーションの場としても機能していた[要出典]。しかし1970年代より家族の会話がテレビ受像機の視聴にとって替わるという現象が問題視され始めたほか、この個食によってもやはり家族コミュニケーションが阻害され「暖かく幸せな家庭」という機能が失われる[要出典]、又はそういった経験を経ずに育った子供が人間性を欠くのではないかという危惧も教育・社会学方面などから挙がっている[要出典]。それに対し、そもそもの「食卓での団欒」像に疑問を投げる意見もある。


 上に引用した解説文の内容は,現在のような高齢化社会が現実となる前の,古い認識のものである.
 すなわち《この個食によってもやはり家族コミュニケーションが阻害され「暖かく幸せな家庭」という機能が失われる 》はそのまま現在も続いているとして,さらにその上,つまり家族コミュニケーションが阻害され 》る以前に「家族」そのものがないという事態が想定されていないのである.
 高齢化社会の進行は,多数の高齢者独居世帯を生み出す.さらにこれに未婚独身世帯が加わって,一人暮らしが一般的になる社会がもうすぐそこにきている.
 食品企業は,もちろんこの事態に対応しようとしているが,製品ジャンルによってやはり対応に濃淡はある.基本的食材の中で全く個食時代に対応していないのは食用油とくにサラダ油だ.スーパーに行けば,一リットルのボトルに入ったサラダ油が棚に置かれているが,この状況は昭和の中頃からずっと変わっていない.もはや一人世帯では揚げ物をせず,サラダ油の用途は炒め油だけであるから,大きいボトルのサラダ油は過去の商品なのである.昨今はオリーブ油に人気があるが,これは使いやすい容量のボトルで売られていることが大きい.
 サラダ油の他では,砂糖が高齢社会に非対応だ.一人世帯では料理用の砂糖を購入することはなくなっているのに.
 これらの食材の対極にあるのがレトルトカレーである.というか,これはそもそもの最初から個食対応なのだ.レトルトカレーの購入額は2012年から伸び続けて2017年には即席カレールーを上回った.そして以後,カレールーの購入額は減少を続けている. 
 レトルトカレーの後に続いているがパスタソースだ.缶詰の製品はもうほとんど見かけなくなり,キューピー,S&B,オーマイ,マ・マー,青の洞窟 (日清フーズ) など主な商品はレトルトパウチで「2人前」だが,「1人前×2」の製品も増えている.
 これに対してやや遅れているのが,合わせ調味料あるいは惣菜の素のジャンルだ.キッコーマンの「うちのごはん」シリーズは「2人前」「2~3人前」だが,味の素の「Cook Do」は「3~4人前」が多い.チルドの惣菜の素も同様.
 この種の商品は開封したら保存不可なので,今後は「2人前」以上の内容量の製品は売上の増加は見込めない.このままではコンビニの惣菜に座を明け渡すことになるだろう.
 
 さて総論はそんなところだが,内容量一人前のパスタソースは,なにもパスタにしか使えないわけではない.白飯に混ぜこんだり,野菜の味付けにも使える.その例として,S&Bの「SPICE & HERB バジル」でジャガイモ料理を作ってみた.
[材料]
ジャガイモ          中~大のものを二個
厚切りベーコン        ハーフサイズのもの二枚
サラダ油           適当量
バジルのパスタソース     一袋 (一人前)
[作り方]
・ジャガイモは千切りにして,ボウルに入れてしばらく放置する.その後で水洗いしてデンプンを除く.
・フライパンにサラダ油を入れて,ジャガイモとベーコンを炒める.ジャガイモに火が通って,シャキシャキとした食感が残っているところで火を止める.
・パスタソースを加えてよく混ぜる.
・あれば,パセリの粉を振る.
 
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 パスタソースというのは,どうも炭水化物と相性がいいようで,ジャガイモだけでなく,ロングパスタやペンネなどのショートパスタにもよく合う.さらにはパスタだけでなく,極端なことをいうと日本の麺でもよろしいと思う.
 下の画像は,独特の食感がおいしい半田そうめんを少し硬めに茹でて (アルデンテ w),バジルソースと和えたもの.茹ですぎると,そうめんのプツッという噛んだときの食感が失われるので,茹ですぎないこと.
 
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2020年1月13日 (月)

菜の花の辛し和え

 菜の花の旬は,関東地方では本来はもう少しあとだが,早々と店頭に出ているので辛し和えを拵えてみた.
 
 夫婦二人暮らしとか,独居老人とかが日常生活で不便するのは,ほんの少量の料理を作るときだ.
 料理本やネットのレシピを見ても,いくつもの調味料を合わせたりしなけりゃいけないので,つい億劫でやる気を失う.
 そんな貴兄の強い味方が調合済みの調味料だ.
 今回は日本食研の「辛子あえの素 」を使ってみた.
 
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 スーパー等の野菜売り場で売られている菜の花は,およそ二百グラム弱なので,作り方は包装の裏面に書いてある通りにすればよい.実に簡単で,七~八分もあれば作れる.出来上がりは四人前と書いてあるが,小鉢の副菜として二回に分けて食べてしまえるほどの量だ.
 ちなみに本品の原材料表示は以下の通り.単純な配合でなかなかよろしい.
 
[原材料]
 砂糖,デキストリン,ごま,食塩,かつおエキス,からし,粉末醤油/着色料 (クチナシ色素、リボフラビン),調味料 (アミノ酸)
 
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2020年1月12日 (日)

横浜 崎陽軒/亜利巴″巴″のランチ

 数人でランチタイムに新年会「のようなもの」をやろうという話になった.
 場所は横浜駅周辺で,店探しは私がやることになった.
 飲食代はワリカンなので,ブフェ・スタイルがよかろうと思い,ウェブを検索したところ,横浜駅のすぐ近くの崎陽軒本店地下の「亜利巴″巴″」はどうだろうかと思った.これまで私はこのレストランで食事したことがない.何事も事前調査が必要だから,昨日でかけてみた.
 
「巴″ 」は「バ」と読む.つまり店の名は「アリババ」だ.
 この店名のセンスは,昭和末期の「夜露死苦 」よりもずっと前,例えば昭和四十年代の国鉄中央線高円寺駅南口商店街裏通りのスナック・バーを想起させる.ママは推定年齢五十八,一人だけのホステスの名はアケミである.
 店の公式サイトの「店舗詳細」に↓こう書いてある.
 
[スクリーンショット]
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中近東のバザールをイメージした店内 》には中近東というよりも昭和の場末感が漂っていた.崎陽軒そのものは古い会社だが,横浜駅東口に崎陽軒本店がオープンして外食産業に参入したのは平成八年 (1996年) だから,それほど古い店ではない.つまり店の内装は最初っから昭和
レトロを意図したものと思われる.壁も調度もチープ感があるが,これは演出だろう.
 さて店の入り口を入ると,「本日はツアーの昼食会場になっております」との掲示があった.これについては店のサイトにも,下の断り書きが掲載されている.
 
[スクリーンショット]
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 しかしまだそのツアーは到着していないようで,席にはかなり余裕があった.
 実はこの日にこの店に来たのは,土日祝日はワイン飲み放題と公式サイトに書かれていたからである.新年会にもってこいだ.
 
[スクリーンショット]
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 だがしかし昨日は土曜日だったのに,テーブルに置かれたドリンクメニューには,アルコール別料金と書かれていた.《赤白ワインも飲み放題 》は羊頭狗肉というか,釣り広告であった.公式サイトの記載が更新されていないので事実とは異なってしまったのかも知れないが,たとえ結果的にであれ,公式サイトに嘘を書いてはいかんなあ.
 もうこの時点で新年会の会場にする気はなくなっていたのであるが,気を取り直して料理を取りにいった.
 その料理だが,品数が極端に少なかった.料理が並べられたテーブルは小さく,そのせいで周りを客がグルリと取り囲み,隙間がない.従って,列に並びたくても隙間がないので,どうやっても「割り込み」になってしまうのだ.
 どうしようかと思い悩んでいたら,隣に立っていた若い男の客が,女性従業員 (推定年齢四十六歳) に「どこが列の一番後ろなんすか?」と訊ねた.
 彼女は「さあ,どこなんでしょ」と答えた.
 
 しばらく待っていたら一人分の隙間ができたので,そこに潜り込んだら,すぐ後ろの女性客 (推定年齢六十三歳) に睨まれた.
 ホテルの朝食バイキング会場でも,もう少し料理の並べられているスペースはあると思う.席の数は多いのだが,料理の数が少ないことが,そもそもの問題だと私は思った.
 
 で,私が潜り込んだ列の隙間には,すぐ前にフライドポテトが置かれていたので,それを取った.下の画像のプレートの左下だ.
 ポテトフライの横には,なんだか丸いもの (白い←) があった.肉団子かと思って一つ皿に載せたら,あとでこれはタコ焼きだと判明した.店のサイトに《中華・洋食・和食にサラダ・デザートが食べ放題★》とあるが,和食とはこのタコ焼きのことだった.
 タコ焼きの隣は大きな蒸籠があって,シウマイ (緑の←) が温められていた.崎陽軒といえばシウマイだから,これは外せない.二つ取った.
 シウマイの隣はマカロニグラタン (赤い→) だった.上に載っているはずのチーズは,先客にごっそり持っていかれ,一見するとマカロニサラダのようだった.
 グラタンの次はピラフ (黄色い←) らしきもので,その隣はスープのフタ付き寸胴鍋がドーンと置かれていて,中身はクタクタに煮込んだキャベツのスープに,わずかに溶き卵が浮いていた.下の画像で,プレートの向こう側にあるカップがそれだ.クノールのスープのほうがなんぼか
 
 スープの次はサラダだが,並べられていた野菜は,レタス,キュウリ,タマネギ,トマトで,それに春雨サラダとポテトサラダが付け合わせになっていた.下の画像を見ての通り,サラダのボウルが小さすぎて,これでは喫茶店のモーニング・サービスについてくるミニサラダじゃないか.マグカップと大きさを比較してほしいと思う. 
 

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 (炭水化物ランチ)
  
 食べた感想だが,冷めたフライドポテトはたぶん業務用冷凍食品を揚げたものだ.肉団子と間違えて持ってきたタコ焼きはこれも冷凍食品を揚げたもので,揚げすぎて黒く焦げていた.中の水分は蒸発してしまったのだろう,中には空洞ができていて,フォークの背で押したらペシャリとつぶれた.タコが入っていたかどうかはよくわからなかった.
 シウマイはさすがに崎陽軒のものだから,文句はない.シウマイ界の絶対王者だ.
 次のチーズのないグラタンは冷えていて,しかも味がほとんどついていなかったが,これは何かの間違いだろうと思った.私が「グラタンの素」かなんかで作ったほうが旨いと思ったからである.

 黄色の←のピラフ的な何ものかは,すっかり冷え切っていた.私は開店してすぐに店に入ったのだが,この料理はかなり前に作り置いたものだと思われた.
 スープについては,感想を述べたくない.決して述べたくない.
 
 あんまりな料理に気落ちして,がっくりと肩を落とした私の脳内で,誰かがネバーギブアップ!と叫んだ.
 そうだ,まだ取ってきていない料理がある.それを食べてみようじゃないか.私は再び料理が並べられているスペースに行った.
 すると少し離れたところの誰も並んでいないテーブルに,「ローストビーフ」と書かれたポップがあり,二切れのローストビーフが載った皿が二枚置かれていた.
 あとは,スパゲッティ,小さくカットした魚の素揚げ,切り餅の半分くらいに四角くカットしたピザを取った.他に何だかわからない「茶色いおかず」もあったが,それは敬遠した.食べ残したらペナルティがあるらしかったからである.
 ローストビーフは,ウェルダンのステーキみたいな色をしていた.イオンの総菜売り場で販売されているローストビーフの切り落としより硬かった.
 魚の素揚げは鱈だったが,揚げすぎてパサパサになっていた.鱈は揚げすぎるとこうなっちゃうのよね.
 スパゲッティには小さな肉片のようなものとアサリが入っていた.その肉片を口に入れたら,レバーだった.私は具がレバーのスパゲッティを初めて口にした.いい経験をしたと思う.
 ピザは冷凍食品を思わせた.
 さて,まだ食べていないものがある.それはカレーだ.
 小さなボウルに白飯を少し盛り,カレーの寸胴鍋からカレー掬い取って飯にかけた.
 テレビでハウス食品のCM《プロ クオリティ<プロはソースで勝負>篇 》を見たことのある人は御存知だが,具の入っているカレーは素人クオリティなのである.プロはソースで勝負する.その点で亜利巴″巴″のシェフはプロ中のプロと思われた.具が煮溶けたのではなく,最初から具では勝負しないというコンセプトなのだと思われた.だがしかし,プロクオリティのカレーソースも,ジャーの中に保温されていた白飯も,人肌よりちょっと高い程度の温度であり,私としてはもう少し熱くして欲しかった.プロはぬるいカレーで勝負するのかも知れないが,私は素人と呼ばれてもいいと思った.
 
 残念ながら,このカレーソースのぬるいプロクオリティに完膚無きまでに打ちのめされた私には,もはやデザートに手をのばす気力が残っていなかった.伝票を取って席を立ち,ヨロヨロと歩いてレジに向かった.
 レジで「Suicaは使えますか?」と訊いたら,キャッシュレス時代なのに「使えるのはクレジットカードだけです」とのことだった.横浜駅のすぐ近くなのにSuicaが使えないとは…… SuicaはJRの駅周辺では普及していると思っていた私は驚いた.QRコード決済は言わずもがな.
 だがしかし,これは昭和レトロの演出かも知れない.上っ面だけではない,このレストランの一貫性は,もしかしたら賞賛されるべきものかも知れないと思う.
 ところで,お会計は二千四百円だった.決してお安くはない値段だが,料理は野菜サラダを除いて全品が茶色であり,お子さんに彩りもきれいなお弁当を日々工夫して作っているママさんが,亜利巴″巴″ の料理を見たら何と言うだろうと私は思った.「ボッタクリだわ!」と言 (この稿おわり)
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2020年1月10日 (金)

オリーブの炊き込み御飯

 昨年秋に書いた記事《オリーブピラフ の続き.
 この記事のもとになった上沼恵美子さんの料理番組で「オリーブピラフ」と呼んでいた料理は,正しくはピラフではなく炊き込み御飯なので,実食編であるこの記事では,炊き込み御飯としておく.
 
 さて前の記事では,材料に少量のブイヨンが必要であるため,煮込み料理を作る機会があれば,そのブイヨンを使ってこの米飯料理もついでに作ると書いた.
 しかしその後,Amazonで,洋風炊き込み御飯にちょうどいいブイヨンの素が販売されているのを発見したので,それを用いてオリーブの炊き込み御飯を作ることにした.
 それは平和食品工業の「野菜ブイヨン」で,Amazonでも楽天でも販売されている.通販では,商品名に「ブイヨン」としておきながら,実際は塩味が強い「コンソメスープ」の素が売られている,しかしこの顆粒の「野菜ブイヨン」は,賦形剤に乳糖を使うことで食塩の使用量を減らしている.塩分が少ないと,料理の塩加減の調節が楽だから,これはなかなか使い勝手のいい調味料だ.
 
 では,オリーブの炊き込み御飯のレシピを記す.
[材料] 
無洗米             二合
瓶詰グリーンオリーブ      二十粒
オリーブの漬け汁        120ml
野菜ブイヨン (平和食品工業)   小さじ二杯
厚切りベーコン         好みの量
バージンオリーブ油       大さじ一杯
コショウ            好みの量

[作り方]
 無洗米二合を炊飯器に入れ,次に水とオリーブの漬け汁で,内釜の二合の目盛りに合わせて水加減する.
 野菜ブイヨンの素とバージンオリーブ油,コショウを加え,軽くかき混ぜる.
 ベーコンとオリーブの実を入れたら一時間放置し,あとは普通に炊く.炊き上がったら,さっとほぐして出来上がり.
[感想]
 瓶詰グリーンオリーブは種抜きのものを使う.ポリ袋に包装された新漬オリーブのほうが香り高いだろうが,自宅最寄りのスーパーで販売されているものは漬け汁が入っていなかったので,瓶詰を使った.
 オリーブ油の量は,炊き上がったあとの内釜の内面に油滴が残っていたところを見ると,大さじ一杯は多いかも知れない.好みで調節するとよい.
 ベーコンは長さ十センチにカットして包装されているものを一枚使ったが,これは少なすぎた.三枚くらいが適当か.
 上沼恵美子さんの番組のオリジナル・レシピでは,盛りつけたあとパプリカのパウダーを振ることになっているが,これは飾りみたいなもんだから,パセリの粉でも何でもよろしい.
 食べた感想だが,これはうまい.ちゃんとピラフ風の味に仕上がっているので,諸兄におすすめしたい.
 
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2020年1月 7日 (火)

七草粥

 正月七日は七草粥だ.
 Wikipedia【七草がゆ】によれば,日本古来よりの行事「七草粥」の謂れは以下の通り.
 
説話
御伽草子の七草草子に、説話が語られている。
唐の楚国に、大しうという親孝行者がいた。両親はもう百歳を越し体がままならず、そんな両親を嘆き悲しんだ大しうは、山に入って21日間もの苦行を行い祈願した。
「私に老いを移してもいいのでどうか両親を若返らせてください」
そこに天上の帝釈天からお告げがあった。
「そなたの願いを聞き入れた。須弥山の南に齢8000年の白鵞鳥がいるが、この秘術をぬしら親子に授ける。ついては、毎年春のはじめに七種の草を食べること。1月6日までに7種類の草の集めておくこと。次の時刻に柳で作った器に種を載せ、玉椿の枝で叩くこと。
酉の刻から芹
戌の刻から薺
亥の刻から御形
子の刻から田平子
丑の刻から仏座
寅の刻から菘
卯の刻から清白
辰の刻からこれらの種を合わせ、東から清水を汲んできて、これを煮て食べること。
一口で10歳、七口で70歳若返るので、ついには8000年生きることができよう。」大しうはこの教えを繰り返し暗唱すると、この日は正月であったのですぐに山を降りて7種類の草を集め、6日の夕方から教えの通り、不思議な心持ちで夜通し草を叩いた。朝になり、東から汲んだ水で炊いて両親に食べさせたところ、たちまち若返ったのはいうまでもない。これが世に伝わり、噂を聞いた当時の帝はこの親孝行に感動して位を譲った。すなわち、七草の由来とともに、ここでは親孝行の功徳を説いた話だったのである。

 
 この説話が成立したのは鎌倉期から室町にかけて.
 上の引用文中,「唐の楚国」と言われても普通はどこの国やらわからない.唐なのか楚なのか,どっちだ.調べてみると,どうやら唐が滅んだあとに「五代十国時代」というのがあって,その「十国」の一つに楚 (楚はいくつもあるが,これは十世紀の楚) があるようだ.紛らわしいが,そういうマイナーな時代と地域の設定をするところが,いかにも胡散くさい.たぶん日本で作られた説話なんだろう.
 説話にある七草粥の謂れはそれとして,七草粥の始まりは,平安時代からの「若菜摘み」らしい.この風習は『枕草紙』の百三十四段に書かれているが,摘んだ若菜を粥にして食べたかどうかはわからない.
 また,一方でWikipedia【七草】は次のように解説する.
 
七草(ななくさ)は、人日の節句(1月7日)の朝に、7種の野草あるいは野菜が入った粥(七草粥)を食べる風習のこと。
元々の「七草」は秋の七草を指し、小正月1月15日のものは「七種」と書く。この七種も「ななくさ」と読み、一般には7日正月のものを七草と書くなど、現在では元々の意味がわからなくなり、風習だけが形式として残った。これらの事から、人日の風習と小正月の風習が混ざり、1月7日に「七草粥」が食べられるようになったと考えられる。

 
 Wikipedia【七草がゆ】には全国各地の七草粥が載っているが,春の七草とは関係ないように思われる.その点では,Wikipedia【七草】が説くように,七草粥ではなく七種粥と書くのが本当のところのようだ.
 私の郷里は群馬県の前橋だが,少年時代をおくった昭和三十年代,七草粥に春の七草全部は入れてなかったように覚えている.野草だけでなくテキトーな野菜も入れてたんじゃなかろうか.
 それからあとは上京してずっと一人暮らしをしていたから,やがて結婚して最初の正月を迎えるまで七草粥を食べた記憶はない.その正月の七日の朝に妻が七草粥を拵えてくれて,ようやく七草の風習を思い出したのだった.
 七草は摘みにいくものとばかり思っていたから,彼女に,どこで手に入れたか訊いたら「七草セット」をスーパーで売っているとのことだった.便利な世の中になったものだと感心した.
 
 昨日,藤沢駅のルミネに入っているクイーンズ伊勢丹に立ち寄ったら,「七草セット」があったので買ってきた.
 定法通りに拵えた七草粥が下の画像.七草を一パックに米を一合,水は1.2リットルで炊いた.これで1.5リットルの鍋一杯できるから,二人前 (おかわりして二食分) である.
 さて七草の粥を食べると正月気分がすっと抜けるような気がする.勤め人じゃないから,正月気分が抜けても特に何をするというわけでもないが.
 
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2019年12月13日 (金)

牡蠣の炊き込み御飯

 この秋以降に拵えた炊き込み御飯は,最初は銀杏で次は栗.続いて茸御飯を炊いて食べた.
 私は季節感のある飯が好きで,春には新漬の桜花,初夏に筍,続いてそら豆,といった具合に食い進む.夏は麺類ばかり食うが,秋が来れば銀杏,栗,という順を繰り返す.
 
 さて冬来たりなば牡蠣飯だ.
 私の流儀の炊き込み御飯は,シンプルに具と米と白醤油で炊くのだが,他人のレシピを読むと,出汁を使って炊く人がとても多い.
 そこで私も,出汁を使って炊くとどんなものになるかと真似をしてみた.
 
 加熱調理用の牡蠣を薄い塩水で洗い,よくすすいでヌルミを取り去る.けっこう細かい破片も取れる.
 ネット上のレシピでは「牡蠣百五十グラム」としているのが多いが,これは少しさみしい.それと,都合のいい量で売られているわけではない.私は,パックにたっぷり入って安い値段のを買ってきて,使い切る.
 鍋に水四百ミリリットルを入れ,顆粒の和風出汁の素 (味の素ほんだし,小さじ二分の一) と白醤油 (盛田の白醤油特級,大さじ二杯と二分の一) を入れて沸騰させる.
 普段は白醤油は大さじ二杯にするのだが,ネット上のレシピを調べると,牡蠣の場合は濃い味付けのものが多いようなので,今回は増やしてみた.炊き込む具材によって醤油の量は変える.例えば栗御飯の時は,うんと淡い味にすると,栗の甘さがおいしい,etc.
 ここに牡蠣を入れて再び煮立てる.沸騰してから三十秒~一分くらいでいいだろう.「二十秒」と指定している料理記事もある.これは牡蠣にも旨味を残しておこうという意見だ.
 鍋から牡蠣を引き上げて,別にしておく.一時間ほど放置して出汁を冷ましておく.出汁は白濁して何だかわからないものが沈殿する.
 
 さて米 (今回は山形県産「つや姫」元年産米) 二合を研ぎ,ステンレスのザルで水を切る.研いだ米をすぐ炊飯器に入れ (*),「米二合」の目盛りまで冷ました出汁を入れて水加減をする.出汁の底の沈殿物は釜には入れないようにする.気分的によくないから.
 一時間放置してから普通に炊飯し,蒸らしの時に,別にしておいた牡蠣を入れる.蒸らしが終わったら,さっくりと混ぜてでき上がり.
 牡蠣を別にしておかないで,一緒に炊き込んでしまうレシピもクックパッドにあるが,牡蠣が固く縮んでしまわないのだろうか.
 
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 牡蠣がたくさん (米二合を三食として,一食あたり十粒近く) 入っていると,肉や野菜のお菜はなくても充分.あとは,わかめの酢の物とか菜っ葉の煮びたしなどを添えればいいと思う.季節柄,べったら漬けがあるとうれしい.汁物が欲しいところだが,それは血圧と相談である.
 今回は他人のレシピを参考にして炊いてみたが,顆粒の出汁の素は,上に書いた分量は濃すぎた.味がくどい.使うにしても,指先で軽くつまむ程度の量でいいのではあるまいか.
 考えてみたら牡蠣から盛大に旨味がでるから,出汁の素なんかは要らなかったのだと後悔した.実際,牡蠣を下茹でした時の汁を味見したら風味濃厚で,この時点で既に「しまった,出汁の素は要らんかった」と思ったのであった.
 
(*) テレビの料理番組で,辻調の先生が「研いだらザルに上げて三十分放置します.こうしてお米に水を吸わせるわけです」と言っていた.ところがウェブページによっては研いだお米をザル上げすると、お米がどんどん乾燥してしまい、本来割れなくてよいはずのお米まで割れてしまいます》書いている.「こうして水を吸わせる」のと「どんどん乾燥してしまう」では百八十度違う (ガッツ石松の流儀ではこれを「三百六十度違う」と言う).米の研ぎかた一つとっても,このように人によって言うことが違うのだが,私は「どんどん乾燥してしまう」と思っている.水を徹底的に吸わせるならザルに上げるのは無意味だ.水に浸しておけばいい.つまりこの「ザル上げ」問題は,結局のところ水加減のことに帰着する.
 研いだあとのことは炊飯器を使う人 (釜の内側の目盛りで水加減をする) と,鍋などで炊く人 (研いだ米の水をよく切ってから分量の水を加えて炊く) とでは意見が違うと思う.また普通の米と無洗米とでも水加減の仕方が違う.無洗米には無洗米専用の計量カップがあるくらいだが,普通の米の計量カップでも構わない.というのは炊飯器の場合,色々な場合に応じてうまく炊けるモードがあるから.要は自分が使う道具で上手に炊ければいいわけだ.

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2019年12月 5日 (木)

東京都美術館のケーキ

 私は長いこと関東地方に住んでいるが,今年の秋ほど悪い秋はなかった.
 台風のことだ.
 いのちを失った方々,果樹園や田畑が泥に埋まって離農に追い込まれた人たち.家を失い,あるいは職を失った被災者.
 自分が直接被害に遭ったわけではないが,千葉県南部や長野県,福島県など大被害を被った地方は今も災害から立ち直ったとは言い難く,それはテレビでも時折報道されている.
 実は台風15号の来襲する前に,私は北陸旅行の計画を立てていた.しかし北陸新幹線にのって旅に出る予定の日あたりに台風が来そうだということで急遽,宿をキャンセルしたのだった.
 
 それからあと,北陸新幹線が営業できなくなったりで,すっかり旅の意欲を失ったままになった.
 旅行のことはそれとして前々から秋になったら東京都美術館の「コートールド美術館展 魅惑の印象派」にも出かけるつもりだったのが,それもなんとなく行きそびれたままになっていた.
 それが十二月の声を聞いて,少し慌てた.このままではせっかくの美術展が終わってしまう.それで昨日,腰を上げた.
 たいていの美術展は,開催期間の途中で来館者が少し減って,終わりが近くなるとまた混雑するようになるものだ.
 だから九時半の開館に合わせて自宅を出た.上野駅の公園口を出たのは予定の九時半を少し過ぎた頃だった.
 改札口のすぐ前が東京文化会館だが,ここで唐突に昔の記憶が立ち戻ってきた.
 中学の同級生で,○井素子さんという女の子がいた.彼女は音楽大学に進んだのだが,ある年の秋,彼女がオケのメンバーとしてステージに上がる音楽会に誘われたことがある.それが東京文化会館だった.
 そのコンサートの演目が何だったか全く覚えていないが,彼女のかわいらしかった顔立ちを思い出して,少しセンチメンタルになった.
 
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 この美術展の目玉は上の写真にある通り,マネの『フォリー・ベルジェールのバー』だ.それとルノワールの『桟敷席』,ゴーガンの『ネヴァーモア』,セザンヌの油彩画多数など.
『フォリー・ベルジェールのバー』は私が若かった時に,デパートで開催されたコートールド・コレクション展で観て,それ以来だが,調べたらそれは1997年のことだった.
 
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(フォリー・ベルジェールのバー;パブリックドメイン,File:Edouard Manet 004.jpg from Wikimedia)
 
 主要作品には,大きな解説パネルが設けられていて,鑑賞のポイントが書かれている.こういう試みは初めて見た.
 これについて美術展の公式サイトには次のように書かれている.
 
名画を読み解く
 コートールド美術館の研究所の展示施設という側面に着目し、名画を「読み解く」方法を紹介します。画家の語った言葉や同時代の状況、制作の背景、科学調査により明らかになった制作の過程などを知ることで、新たな見方を楽しむことができるかもしれません。
 
 中野京子先生の著書を読み慣れたファンとしては,『フォリー・ベルジェールのバー』のパネル解説はジュニア向けというか,いささか物足りないと言わざるを得ない.(近刊としては『中野京子と読み解く 運命の絵 もう逃れられない』にこの作品が取り上げられている)
 しかし『桟敷席』とモディリアーニ『裸婦』の解説には「ほお」と思うところがあった.例えば『桟敷席』で,後ろの紳士と着飾った女性との境に描かれているものが何だかわからないままでいたのだが,それが解説に書かれていて,ようやくわかったのである.
 
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(桟敷席;パブリックドメイン,File:Pierre-Auguste Renoir, La loge (The Theater Box).jpg from Wikimedia)
 
 全体的に見応えのある美術展だった.展示会場を出たのが十二時だったから,たっぷり二時間も楽しんだわけである.
 展示会場出口の特設グッズ売り場でマグネットを二個買い,さて昼飯はどうしようと少し考えて,一階にあるカフェ,cafe Art で「紅茶のシフォンケーキ キャラメルアイスを添えて」を食べることにした.これは今回の美術展とのコラボメニューだとのこと.
 
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 おいしかったけれど,これのどこが魅惑の印象派なのかというと,コートールド美術館は英国だから「紅茶つながり」ということらしい.
 カフェを出て公園の中を散策したら,大道芸の若者がパフォーマンスをしていた.二十人くらいの観衆がいて,私が後ろのほうに立ったら,彼 (自分ではパフォーマーだと言っていた) が前の方に詰めて欲しいと言った.言われるままに前に出たら,帽子を取り出して見物料の話をし始めた.どうやら彼のショーは終わりらしい.私は彼の芸を全然見ていないのだから,そそくさと逃げ出した.
 そのあと,公園の中をぶらぶらと歩いてはみたが,樹々はあまりきれいに色づいてはいなかった.
 お昼御飯にケーキというのもいいけれど,すぐ小腹がすくかも知れない.東京駅のグランスタで松露サンドでも買って帰ろうかと思った.
 
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2019年12月 4日 (水)

佃煮二品

 茸御飯を炊いた.要領は以下の通り.
* 米二合
* スーパーで売っているシメジを掌に載るくらい.栽培のシメジにも色々あるが,何でもいい.あとで反省したのだが,もっとたくさん,両手に載るくらい入れるべきだった.
* 普通の油揚げ (栃尾揚げやその類似品はだめ) 二枚を細かく刻む.一枚ではさみしい仕上がりに.
* 森田株式会社の「白醤油 特級」大さじ二杯.この醤油は炊き込み御飯に最適だと思う.塩を使う時は,米二合に塩小さじ一杯と白醤油小さじ一杯くらい.自分の血圧と相談されるがよい.塩は使わずに白醤油だけにしたほうがおいしいと思う.
* いつも通りの水加減にして,炊飯器で炊く. 
 
 さてお菜はなんにしょ.
 というのが本題だ.私は長らく桃屋の瓶詰「葉唐辛子」を愛好してきたのだが,今はもう店頭で見かけない.桃屋の通販でもリストされていない.たぶん製造終了で廃番になったのだと思う.
 かといって,スーパーとかデパートで売られている葉唐辛子佃煮 (トレイ&ラップ包装) は,妙に甘くて食えたものではない.
 テレビを見ていると,美人のレポーターが,ニンジンをかじって「あま~い」,大根をかじって「あま~い」などと食レポしている.
 酒だろうが味噌醤油だろうが,すべて「あま~い」と抜かす.そのうち塩をなめて「あま~い」と言うのであろう.ばかやろめ.
 そういう時代に合わなくなって,瓶詰の辛い葉唐辛子は姿を消した.
 とはいうものの,確かに最近のニンジンは調理すると,媚びを売るがごとき妙な甘さがあって,非常にまずい.こういう野菜が出てきたのは,甘けりゃ喜ぶ消費者が悪いのだ.ばかやろめ.
 
 さてさて店頭にある葉唐辛子佃煮が砂糖 (か水飴) の入れ過ぎで甘すぎるという話だ.
 ところが最近,Amazonで購入した葉唐辛子が,昔風の味でなかなかよかったのだ.昆布・鰹節職人の「葉とうがらし佃煮」である.「昔懐かしの辛さです」とうたっているところがよい.
 これは本家本元の通販で買ってもいいけれど,めんどくさいし,送料の関係で二袋をまとめ買いするとAmazonのプライム価格が割安になる.
 同じ業者の「しその実佃煮」もAmazonで二袋買った.これまた昔の,懐かしい味だった.
 それぞれ一袋ずつ開封し,ネジ蓋式の密閉容器 (ジップロック スクリューロック) に入れ,チルド棚に入れて保存.未開封のものはそのまま冷凍した.
 
 シメジ御飯を一口食み,胃の腑に落とし,そうして葉唐辛子をほんの少し口に入れて舌を元気にする.
 またご飯を一口食んで,今度は紫蘇の実だ.うまいなあ.

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