外食放浪記

藤沢近辺であれを食いこれを食べ.自炊のことや思い出話もむりやりここに.

2019年12月 5日 (木)

東京都美術館のケーキ

 私は長いこと関東地方に住んでいるが,今年の秋ほど悪い秋はなかった.
 台風のことだ.
 いのちを失った方々,果樹園や田畑が泥に埋まって離農に追い込まれた人たち.家を失い,あるいは職を失った被災者.
 自分が直接被害に遭ったわけではないが,千葉県南部や長野県,福島県など大被害を被った地方は今も災害から立ち直ったとは言い難く,それはテレビでも時折報道されている.
 実は台風15号の来襲する前に,私は北陸旅行の計画を立てていた.しかし北陸新幹線にのって旅に出る予定の日あたりに台風が来そうだということで急遽,宿をキャンセルしたのだった.
 
 それからあと,北陸新幹線が営業できなくなったりで,すっかり旅の意欲を失ったままになった.
 旅行のことはそれとして前々から秋になったら東京都美術館の「コートールド美術館展 魅惑の印象派」にも出かけるつもりだったのが,それもなんとなく行きそびれたままになっていた.
 それが十二月の声を聞いて,少し慌てた.このままではせっかくの美術展が終わってしまう.それで昨日,腰を上げた.
 たいていの美術展は,開催期間の途中で来館者が少し減って,終わりが近くなるとまた混雑するようになるものだ.
 だから九時半の開館に合わせて自宅を出た.上野駅の公園口を出たのは予定の九時半を少し過ぎた頃だった.
 改札口のすぐ前が東京文化会館だが,ここで唐突に昔の記憶が立ち戻ってきた.
 中学の同級生で,○井素子さんという女の子がいた.彼女は音楽大学に進んだのだが,ある年の秋,彼女がオケのメンバーとしてステージに上がる音楽会に誘われたことがある.それが東京文化会館だった.
 そのコンサートの演目が何だったか全く覚えていないが,彼女のかわいらしかった顔立ちを思い出して,少しセンチメンタルになった.
 
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 この美術展の目玉は上の写真にある通り,マネの『フォリー・ベルジェールのバー』だ.それとルノワールの『桟敷席』,ゴーガンの『ネヴァーモア』,セザンヌの油彩画多数など.
『フォリー・ベルジェールのバー』は私が若かった時に,デパートで開催されたコートールド・コレクション展で観て,それ以来だが,調べたらそれは1997年のことだった.
 
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(フォリー・ベルジェールのバー;パブリックドメイン,File:Edouard Manet 004.jpg from Wikimedia)
 
 主要作品には,大きな解説パネルが設けられていて,鑑賞のポイントが書かれている.こういう試みは初めて見た.
 これについて美術展の公式サイトには次のように書かれている.
 
名画を読み解く
 コートールド美術館の研究所の展示施設という側面に着目し、名画を「読み解く」方法を紹介します。画家の語った言葉や同時代の状況、制作の背景、科学調査により明らかになった制作の過程などを知ることで、新たな見方を楽しむことができるかもしれません。
 
 中野京子先生の著書を読み慣れたファンとしては,『フォリー・ベルジェールのバー』のパネル解説はジュニア向けというか,いささか物足りないと言わざるを得ない.(近刊としては『中野京子と読み解く 運命の絵 もう逃れられない』にこの作品が取り上げられている)
 しかし『桟敷席』とモディリアーニ『裸婦』の解説には「ほお」と思うところがあった.例えば『桟敷席』で,後ろの紳士と着飾った女性との境に描かれているものが何だかわからないままでいたのだが,それが解説に書かれていて,ようやくわかったのである.
 
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(桟敷席;パブリックドメイン,File:Pierre-Auguste Renoir, La loge (The Theater Box).jpg from Wikimedia)
 
 全体的に見応えのある美術展だった.展示会場を出たのが十二時だったから,たっぷり二時間も楽しんだわけである.
 展示会場出口の特設グッズ売り場でマグネットを二個買い,さて昼飯はどうしようと少し考えて,一階にあるカフェ,cafe Art で「紅茶のシフォンケーキ キャラメルアイスを添えて」を食べることにした.これは今回の美術展とのコラボメニューだとのこと.
 
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 おいしかったけれど,これのどこが魅惑の印象派なのかというと,コートールド美術館は英国だから「紅茶つながり」ということらしい.
 カフェを出て公園の中を散策したら,大道芸の若者がパフォーマンスをしていた.二十人くらいの観衆がいて,私が後ろのほうに立ったら,彼 (自分ではパフォーマーだと言っていた) が前の方に詰めて欲しいと言った.言われるままに前に出たら,帽子を取り出して見物料の話をし始めた.どうやら彼のショーは終わりらしい.私は彼の芸を全然見ていないのだから,そそくさと逃げ出した.
 そのあと,公園の中をぶらぶらと歩いてはみたが,樹々はあまりきれいに色づいてはいなかった.
 お昼御飯にケーキというのもいいけれど,すぐ小腹がすくかも知れない.東京駅のグランスタで松露サンドでも買って帰ろうかと思った.
 
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2019年12月 4日 (水)

佃煮二品

 茸御飯を炊いた.要領は以下の通り.
* 米二合
* スーパーで売っているシメジを掌に載るくらい.栽培のシメジにも色々あるが,何でもいい.あとで反省したのだが,もっとたくさん,両手に載るくらい入れるべきだった.
* 普通の油揚げ (栃尾揚げやその類似品はだめ) 二枚を細かく刻む.一枚ではさみしい仕上がりに.
* 森田株式会社の「白醤油 特級」大さじ二杯.この醤油は炊き込み御飯に最適だと思う.塩を使う時は,米二合に塩小さじ一杯と白醤油小さじ一杯くらい.自分の血圧と相談されるがよい.塩は使わずに白醤油だけにしたほうがおいしいと思う.
* いつも通りの水加減にして,炊飯器で炊く. 
 
 さてお菜はなんにしょ.
 というのが本題だ.私は長らく桃屋の瓶詰「葉唐辛子」を愛好してきたのだが,今はもう店頭で見かけない.桃屋の通販でもリストされていない.たぶん製造終了で廃番になったのだと思う.
 かといって,スーパーとかデパートで売られている葉唐辛子佃煮 (トレイ&ラップ包装) は,妙に甘くて食えたものではない.
 テレビを見ていると,美人のレポーターが,ニンジンをかじって「あま~い」,大根をかじって「あま~い」などと食レポしている.
 酒だろうが味噌醤油だろうが,すべて「あま~い」と抜かす.そのうち塩をなめて「あま~い」と言うのであろう.ばかやろめ.
 そういう時代に合わなくなって,瓶詰の辛い葉唐辛子は姿を消した.
 とはいうものの,確かに最近のニンジンは調理すると,媚びを売るがごとき妙な甘さがあって,非常にまずい.こういう野菜が出てきたのは,甘けりゃ喜ぶ消費者が悪いのだ.ばかやろめ.
 
 さてさて店頭にある葉唐辛子佃煮が砂糖 (か水飴) の入れ過ぎで甘すぎるという話だ.
 ところが最近,Amazonで購入した葉唐辛子が,昔風の味でなかなかよかったのだ.昆布・鰹節職人の「葉とうがらし佃煮」である.「昔懐かしの辛さです」とうたっているところがよい.
 これは本家本元の通販で買ってもいいけれど,めんどくさいし,送料の関係で二袋をまとめ買いするとAmazonのプライム価格が割安になる.
 同じ業者の「しその実佃煮」もAmazonで二袋買った.これまた昔の,懐かしい味だった.
 それぞれ一袋ずつ開封し,ネジ蓋式の密閉容器 (ジップロック スクリューロック) に入れ,チルド棚に入れて保存.未開封のものはそのまま冷凍した.
 
 シメジ御飯を一口食み,胃の腑に落とし,そうして葉唐辛子をほんの少し口に入れて舌を元気にする.
 またご飯を一口食んで,今度は紫蘇の実だ.うまいなあ.

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2019年11月 4日 (月)

栗御飯を炊く

 白い米飯がうまいことはもちろんだが,色々な炊き込み御飯やおこわも,季節感の点で捨てがたい.
 秋は銀杏や栗を飯に炊き込むのが最強かと思う.松茸御飯は機会があれば炊くにやぶさかでない,というつもりである.
 実は冷蔵庫に平成三十年産の餅米が二合残っていたので,先日,うるち米と半々にして銀杏御飯を二合炊き,一食分はそれを食べたが,あとは冷凍してある.
 というわけで,今度は栗御飯だ.これで三十年産の餅米は使い終わって,次におこわを炊く時は新米を買う.
 
 まず栗を,藤沢のOKストアへ買いに行く.茨城県産の大粒のものがネット入りで棚に一袋だけあった.水煮にしたものはたくさんあったが,生栗はめんどくさいから敬遠されるのだろうか.
 買った栗一袋は二十五,六粒あったが,皮を剥いたら,中に菌が入ってフカフカに腐っていたのが五粒もあった.まあ,二合の栗御飯に二十粒も入っていれば見劣りはしないだろう.
 
 皮の剥き方.栗をぬるま湯に少時浸しておき,栗の実の尻を少しカットすれば,その切り口から簡単に皮は剥ける.しかし渋皮は包丁で丁寧に取り去るしかなくて,これが疲れる.薄く丁寧に剥かないと,大粒の栗のはずが簡単に小さくなってしまうので,腰痛にならぬよう椅子に腰かけ,ドライアイ気味の老眼をシパシパと瞬かせながら,渋皮を取った.
 私は飯は炊飯器で炊くので,栗の下拵えが終われば,もう栗御飯はできあがったも同然だ.
 
 上に書いたように,うるち米一合と餅米一合を合わせて手早く研ぎ,炊飯器に入れ,水加減をする.柔らかめでも硬めでも,水加減は好き好き.
 これに塩小さじ一杯と,盛田の白醤油特級を小さじ一杯,加える.白醤油でなく淡口醤油でも,もちろんいいが,濃口醤油は栗御飯には向かないと思う.栗御飯は見た目の白いほうがおいしそうだから,濃口醤油しか台所になければ,むしろ塩と昆布で味を調えるというテもある.
 また,炊き込み御飯に,いわゆる出汁醤油の使用は避けたほうがいい.出汁醤油には色々なものがあるが,白出汁でも関東風の麺つゆでも関西の麺つゆでも,ほとんどが液糖 (異性化糖) を添加しているので,余計な甘みが炊き込み御飯の味を損ねるからである.
  
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 炊き上がったら,さっくりと混ぜてできあがり.おかずはキンピラ牛蒡と,キムチ冷奴.
 キンピラはカット野菜で作った.風味には欠けるが簡単だ.老人の昼飯はこんなもんでよし.栗で嵩が増えて,二合も炊けば四食分である.

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2019年11月 1日 (金)

日ノ出町のカレー

 何やらテレビを観ているとやたらに食い物のことが取り上げられる.私は食品会社一筋に勤め上げた会社員だったので,食い物の話は好きだし,そこそこの専門知識もある.
 しかし最近の話題でついていけないことがある.スパイスカレーだ.
 市販の即席カレールーを使う家庭料理のカレーや,蕎麦屋の鰹出し風味のカレーは別として,街中の洋食屋のカレーもインド料理店のカレーもスパイシーだ.というか,カレーは本来がスパイシーだ.
 そこへもってきて,スパイシーカレーならぬスパイスカレーとはなんぞや.それじゃあまるで,従来のカレーがスパイスを使っていないみたいじゃないか.それはいったいなんだ.どうにもわからぬ.
 何を食っても「あま~い」としか言えぬ バカ女が 食レポタレントがテレビで「これこそスパイスカレーってかんじですよね! あま~い!」とか言うのを聞くと,日本の料理界における一大トレンド「あま~い」についていけない老人 σ(--) はしみじみと老いた我が身が情けない.
 そこでネットを調べてみた.「スパイスカレーとは」で検索するとトップにヒットする《2017年のカレートレンドは「スパイスカレー」で決定らしい 》(掲載日付 2017年9月19日) によると「定義はない」のだという.とはいうものの何でもアリではなくて,スパイスカレーと呼ばれるに必要な条件は「映える (ばえる) 」ということらしい.なるほど.ということなら私には無縁のことである.どうぞお好きなように.
 
 昨日,横浜市立中央図書館に出かけた.ドストエフスキーの生活に関する文献書籍を調べているのだが,ドストエフスキーの最期を看取ったアンナ・ドストエフスカヤが遺した日記と回想録を借りにいったのである.
 アンナの回想録は何度も邦訳されたのだが,松下裕訳『回想のドストエフスキー 1』(みすず書房,1999年9月10日発行) 以外はすべて手に入れた.これが残ったのは,古書の価格が高かったからである.
 彼女の日記の翻訳書『ドストエーフスキイ夫人 アンナの日記』(河出書房新社,1979年9月28日初版発行) も同じ理由で,図書館で借りて読むことにした.
 私は横浜市民であるが,幸いなことに横浜市図書館と川崎市図書館と協力関係にあるので,私が資料調べに利用するのは神奈川県立図書館と横浜市立図書館,それと川崎市立図書館である.ま,古書が手に入らないときは,だいたいこの三つの図書館の蔵書を借りて用は足りている.これらに蔵書がないものは,よくしたもので国会図書館にデジタルコレクションされていたりする.
 
 数多い横浜市立図書館のうちでは,やはり中央図書館が充実しているようだ.それはありがたいのであるが,この図書館は立地がよくない.
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 上の写真は野毛坂交差点からの遠景だ.奥に見える建物が中央図書館で,手前のレンガ外壁のビルは横浜マンダリンホテルである.
 野毛坂交差点のすぐ近くに横浜市営バス停「野毛坂」 (103,292系統)と同バス停「中央図書館」(89系統) があり,このバス路線付近に住んでいる人は,バスで行くのがよい.
 また横浜駅で京浜急行に乗り換えて来る利用者は日ノ出町駅で降りて五分ほど歩くことになる.改札口を出て大通りを道なりに行くと,マンションの手前に図書館への近道がある.しかしこのショートカットは階段で,腰や脚に障碍がある人は登れない.階段の両側にスロープはあるが,これは二輪車用で,車椅子では登れない.そこで近道をしない人は,そのまま進むと上の写真の野毛坂交差点に達する.
 つまりバスでも京急でも,いずれにせよ図書館へは野毛坂交差点からスロープを上がる必要があるのだ.健常者にはどうってこともない坂だが,障碍者には優しくない.
 桜木町駅からタクシーを利用して坂道をあがったところで降りても,中央図書館の敷地にタクシーは入れないので玄関まで歩かねばならないが,御丁寧に玄関の前には,またまた階段が作られているのである.
 この図書館はバリアフリーという概念が世に知られる前に建設されたのであろうが,林横浜市長は,山下埠頭にカジノを誘致する税金の余裕があるなら,障碍者や高齢者に対してもっと優しくできぬものだろうか.将来建設される賭博場は,きっと万全のバリアフリーであるに違いないが.
 とはいえ横浜市が弱者に何の手も講じていないかというと,そうでもない.図書館の公式サイトに《障害のある方へのサービス 》から下に一部引用する.
 
心身に障害があり図書館への来館が困難な方に、図書や雑誌の配送貸出を行います。
配送貸出のご利用には事前の利用登録が必要です。中央図書館で受け付けています。
ご登録いただけるのは、横浜市内に在住もしくは在学、在勤で、身体障害者手帳・療育手帳(愛の手帳)・精神障害者保健福祉手帳のいずれかの交付を受けている方です。
登録の際は、お名前やご住所などのほか、障害者手帳の区分・等級等を確認させていただきます。
各図書館窓口での貸出と併用することはできません(すでに図書館カードをお持ちの方も、窓口で本を借りることはできなくなります)。
 
 だがこの利用規約には問題点が二つある.一つは,他市町村の人はこのサービスの適用外であること.これは上に述べたように,横浜市民以外の人たちを横浜市立図書館から排除しようとする意図が底にある.
 二つ目は,障碍者がこのサービスに登録すると,窓口で貸出サービスを受けることができなくなることだ.いったん障碍者登録すると,介助者の手を借りて来館し,本を借りることができなくなるのである.このように障碍者と健常者との間に明確な線引きをして,その中間を認めないという理由が私にはわからない.底意地が悪いとしか思えぬ.障碍者に,コストがかかるこのサービスの利用を躊躇させようとの意図なのであろうか.障碍者登録した人が窓口でも貸出サービスを受けられるようにすると,きっと健常者から,不公平だ,逆差別だとクレームがつくだろう.長い事生きてくると,日本人がそのような民度の国民であることがわかってくる.
 さて,事前に中央図書館の公式サイトで,借りたい本を検索し,書誌事項を紙に書いてくると貸出手続きが簡単だ.玄関を入ってすぐのヘルプデスクの係員にその紙を見せると番号札を渡される.すると地下の書庫から本を出してきてくれるから,あとは貸出窓口に設置されているディスプレイに自分の番号が表示されるまで待っていればよろしい.
 
 かようにして私が二冊の本を窓口で受け取ったのは十一時少し前だった.
 リュックに本を入れて図書館を出る.前々から中央図書館の近くに評判のカレー屋があることは知っていたので,そこで昼飯を食うことにした.私は毎日,早朝の四時に朝食を作って摂るので,昼飯はこの時間になる.
 カレー屋の場所は野毛坂交差点のすぐ近くである.十一時に交差点で信号待ちしていると,開店と同時に数人の客が店に入っていくのが見えた.数分後に私がドアを押して店に入ると,既に八人の客が席に着いていて,二人掛けのテーブルが一つ空いているだけであった.
 ラッキーな私がそのテーブルに着くと,あとから若い男女二人連れが入ってきた.彼らは店の女性店員さんに「相席になりますけど,いいでしょうか」と言われ,店員さんが,四人掛けテーブルに着いていた若くて美人 (当社比) のママさんと小さな男の子に「相席お願いしてよろしいですか?」と訊くと,どうぞどうぞという具合になった.
 下の写真,植栽で店名が読めないが,Kikuya Curry という.店のウェブサイトはないので,食べログのコンテンツにリンクを張っておく.
 
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 このカレー屋の献立だが,初見だと少々わかりにくい.「カリー」と書いてあるが,実はいわゆる「スープカレー」である.
 スープは,(1) カシミールカリー,(2) スパイシーなスリランカ風,(3) ストレートな辛さに玉葱の甘さをプラスした和風南蛮,(4) 和風南蛮に生クリームでアレンジしたバター・マサラ,の四種類あって,そのうち一つをチョイスする.カシミールは辛口で,スリランカは中辛だという.
 スープの種類とは別に,スープに入れる具による種類別があり,それは以下の通り.
 
* 野菜・チャナ豆カリー
* ローストチキンカリー
* 豚バラカリー
* ハンバーグカリー
* Ebihotatetako kari
** 牛リブ・カリー
** じゃが芋・ローストチキンカリー
** じゃが芋・豚バラカリー
 
 つまり「豚バラカリーのスリランカを」みたいにオーダーすればいいらしい.
 開店と同時に入った客たちのうちで,男女カップル一組を除いて,あとはみんな店員さんからオーダーの仕方の説明を受けていた.つまり私を含め,ほぼ全員が初めての来店なのであった.口コミサイトで評判のよい店は,こういう客層が押し寄せるものなんだろう.σ(^^)モデス
 ただし ** は,品書きには * とは別枠に書かれているので,もしかすると注文の仕方が違うかも知れない.
 
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 暫く待つと,上の写真の「豚バラカリー,スリランカ風」がテーブルに届けられた.ライスは皿盛りで,スープカレーはオーバルで大きめなグラタン皿に盛りつけてあった.
 ライスは「大・中・小」から選択するが,上述の男の子をつれている美人 (当社比) のママさんは「大」を注文して,お子さんとシェアすると店員さんに言った.ということは「ライスなし」ということも可能なのかも知れない.
 私は「中」を頼んだが,盛りは少なめで,小食の女性でも容易に平らげられるほどの量である.
「豚バラカリー」の豚バラ肉は薄切りではなく,スーパーで「カレー用」と書かれているくらいの大きさにカットされていて,柔らかであった.これに野菜として少量のブロッコリとカリフラワー,ニンジンが入っていた.お値段の割には野菜が少ないかなーという印象.ただし,スープに鶏卵を落としてポーチドエッグにしてあり,これがあるので具がさみしいという感じは免れている.
 ちなみに,ハウス食品の公式サイトに《スープカレーとは?》と題した記事がある.これによると,スープカレーの食べかたは《1. 具材はご飯とは別に食べる 2. スプーンにご飯をとって、カレーに浸して食べる 3. 残りが少なくなってきたらご飯をスープ皿に入れて食べる 》である.実際にそうやって食べると,なるほどねーと思う.例の美人 (当社比) のママさんは,お子さんに「御飯はスープに入れて食べるとおいしいんだよー」と言っていた.いいお母さんである.
 ついでに書くと,私の隣のテーブルには,派手な色のウインドブレーカーを着て,椅子にリュックをどかんと置き,四人掛けテーブルを二人で占領しているアラフィフ婦人たちがいた.たまに見かけますな,街歩きなのにトレッキングみたいな恰好している女性たちが.彼女らはライスの「大」を注文したのだが,料理が運ばれてくると,皿のライスにスープをたっぷりかけて,スプーンで間断なくこねくり回し始めた.たまにいますな,カレーを無意味にずーっとかき混ぜずにはいられぬ人が.
 彼女らは,食べ始めから食べ終わりまで,皿にスプーンが当たる「カチャカチャ」音を,けたたましく店内に響きわたらせ続けた.
 カチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャ…
 首をしめてやろうかと思ったのであります.(了)
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2019年10月 9日 (水)

横浜美術館と WINE STAND BASIL

 ようやく昼間の気温が下がって,外出しても汗をかかずに済む季節になったようだ.
 少し前のことだが,藤沢駅のホームに美術展などの案内掲示をするスペースがあり,そこにオランジュリー美術館コレクション ルノワールとパリに恋した12人の画家たちがあった.今週末から来週にかけて,またまた東京湾に台風が上陸するらしいので,今のうちに出掛けてこようと思った.
 横浜市は,六十五歳以上の高齢者に「濱ともカード」という優待施設利用証を配布している.横浜美術館はこれが使えるのかと思ってネットで調べたら,月に一度だけ「コレクション展」が無料で鑑賞できるのだという.しみったれているなあ.
 ちなみにこのカードは,横浜市内の高齢者は「持っているけど使わない」ものらしい.どの施設で利用できるのか,スマホでネット検索できる高齢者以外にはわからない仕組みになっているからだと思われる.例えば横浜美術館は横浜市のお膝元でありながら,カード特典はないに等しい.美術館に限らず,横浜市の高齢者優待事業に協賛していない施設 (それがほとんど) で「ここは濱ともカードを使えますか?」と施設側に訊ねて,「いいえ」と断られるのを何度か経験すると,もう使う気になれない.カードのデザインも,デカデカと「寿」と書いてあり,こんなものを人前で出したくない.高齢者=寿というのが行政側の国語感覚なのである.w
 あ,いいことを思いついた.条例で横浜市の高齢者は,運転する車のボンネットにデッカイ「寿」ステッカーの掲示を義務付けるのだ.高齢者が運転を嫌がって事故が減るかも知れない.
 それはともかく,横浜美術館のカフェ (単なる休憩所だが) では電子マネーもQRコード決済も使えない.濱ともカードも使えない.使えるのはクレジットカードだけである.コーヒー一杯をクレカで払う高齢者がいたらお目にかかりたい.ミュージアムショップも同じだ.絵葉書一枚を買うのにクレカを使うのは勇気がいる.
 ついでに書くと,横浜市の「敬老特別乗車証」は,これを使ってバスに乗るためには,厚生年金をフルに受給している健常高齢者の場合,年額九千円を負担しなければならない.たまにバスに乗るだけで,そんな高額負担を納得する者はいない.これも,敬老精神ありますという形だけの「お飾り」だ.
 もっと書くと,林文子横浜市長は,元々がお茶くみOLから身を立てて遂には外車販売会社の社長,ダイエーの会長,東京日産自動車販売の社長に上り詰めた 立身出世伝 立志伝中の人である.だから営利事業と聞くと血が騒ぐのだと思われる. 市長は横浜の生まれではないので,ペリー以来の横浜の歴史なんか知ったことではないから,山下公園一帯を大規模再開発し,現時点で市民の大部分が反対であるとされるカジノを山下埠頭にぶっ建てることに執念を燃やしている.再開発構想をごり押しすれば,赤レンガ倉庫も馬車道も歴史の証人氷川丸も,古き良き港横浜の情緒は霧消するだろう.自民党公認を勝ち取り,晴れて故郷の東京から国政に打って出るにはそれくらいのことを
 
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 さて上の写真 (↑) にある横浜美術館の最寄駅は,みなとみらい駅で,地上に出るとすぐ近くに敷地入り口がある.
 
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 (↑) 上の写真は美術館前の広場で,掲示板の奥に玄関がある.
 
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 (↑) 玄関を入ると大きな立て看板.今回の美術展のメダマはルノワールの『ピアノを弾く少女たち』だというアピールだ.ルノワールはほぼ同じ構想とサイズで六枚の絵を描いた.下の画像はそのうちの一つで,Wikipediaに掲載されている作品.オルセー美術館蔵.
 
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(Wikipedia【ピアノに寄る少女たち】から引用;パブリックドメイン) 
 
 今回の美術展の出品作家は ここ で一覧できる.作品リストは ここ
 私はアンドレ・ドランの作品は初めて観たのだが,『座る画家の姪』(『座っている画家の姪』とも) が素敵な絵だと思った.
 平日の午前中ということで,展示室は適度な込み具合だった.ざっと見た感じ,私のような爺 σ(^^) は数人しか来ていなかった.来館者はほぼ女性ばかりで,もしかすると美大生かも知れない若い娘さんが数人,真剣な眼差しで絵を鑑賞していた.あとは高齢の婦人たちであったが,彼女らは,失礼ながら巣鴨地蔵通り商店街へ買い物にきたとでもいうような服装と髪型の皆様であった.それがセザンヌの絵の前で井戸端会議的に「パリに行ってもルーヴルしか観ないなんて人がいるから驚いちゃうよねー」とか会話しておられる.恐るべし,日本婦人の経済力とタフネス.私ゃもう欧州に行く気力も体力もない.お金もね.
 
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 (↑) は大画商ポール・ギョームの邸宅を模型化したものの一部.展示室の壁に埋め込むような形で観覧に供されている.これは撮影可.
 実は朝,バスに乗り遅れまいとして走ったときに足首をくじいたせいで,立っているのがしんどくなってきた.それで,この美術展の他に横浜美術館コレクション展が同じフロアにあるのだが,そちらは次回に,ということにして,飯を食って帰ることにした.
 会場出口の特設ショップで展示会グッズを販売していたので,マグネットを一つと来年の卓上カレンダーを買った.
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WINE STAND BASIL
 
 横浜美術館に隣接する商業施設「クイーンズ・スクエア」で,いい店はないかと少し歩き回った.商店やレストランはいくつかのブロックに分かれているが,「1st」の二階に「WINE STAND BASIL」という店を発見した.ちょっとわかりにくい場所にあるのだが,要するにビルの外に張り出したテラスがレストランになっている.
 上の写真は,遊園地「よこはまコスモワールド」の向こうに見えるランドマーク「コスモクロック21」だ.ウェイターは細身の青年で,テラスの空いているテーブルに案内してくれた.隣のテーブルには,ちょっと知的な雰囲気が漂う中年の外国人女性がいて,グラスワインの赤を飲んでいた.
 私もまねて,グライワインの赤と「本日のシャルキュトリーと前菜の盛り合わせ」を注文した.シャルキュトリーcharcuterie.いろいろな肉加工品のこと.これは千二百円なのに,量が思ったよりずっと多かったので,グラスワインを三杯も飲んでしまった.
 隣のテーブルの外国人女性は,赤の次に白のグラスワインをオーダーした.そしてそれをすっと飲み終わると,カツカツとヒールの音をさせながら去って行った.彼女は特に酒肴をつままなかったようで,それはなかなか恰好いいと思った.
 その次に隣のテーブルにきたのは,まだ二十代の前半と思われる娘さんだった.彼女はランチを注文したあと,スマホで通話をした.電話の相手はどうやら友達らしく,彼女は,クイーンズスクエアかどうかはわからないけれど,服とか雑貨のショップ店員さんのようだった.
「しゃべらなくていいから,わたしの話を聞いてほしいの」
と言った.昼飯時ではあるけれど,たぶん相手はまだ仕事中なんだろう.
 ランチに来るちょっと前に,店に外国人の客がきたという.彼女は英語での接客がうまくいかなかったらしい.店長か先輩かに叱られたのだそうだ.
「それでね,心がおれちゃったの」
と言った.そして,聞いてくれてありがとう,と言って通話を切った.
 若い時は,そんなことはよくあることだ.折れた心は食べれば治る.彼女はランチをもりもりと食べ終わると,伝票をつかんで仕事に戻って行った.私もそろそろ帰ろうと思った.
 グラスワイン三杯が千二百円,シャルキュトリー盛り合わせが千二百円.合計二千四百円に加えて消費税10%のお昼御飯であった.ごちそうさまでした.また寄ります.

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2019年10月 6日 (日)

パスポート受け取りの日に

 一週間前に切換申請したパスポートを受け取りに,神奈川県パスポートセンターに行った.
 JRで藤沢から横浜へ行き,みなとみらい線横浜駅で発車寸前の電車に飛び乗ったら,これが特急で,日本大通り駅を通過して終点の元町・中華街駅まで行ってしまった.しかしここで逆方向の電車が来るのを待つのは何だかバカみたいなので,下車して地上に出た.
 山下公園を右手の道路の向こうに見ながら散歩だ.そういえばマリンタワーを眺めるなんて何年ぶりのことだろう.
 スターホテルの前を通る.ここの一階にはカジュアルなレストラン Eggs'n Things がある.遅い朝食を摂る外国人でテラス席は一杯だった.
 その次はホテルニューグランドだ.公園通りに面して「ザ・カフェ」の窓が並んでいる.時刻は昼前の十一時過ぎ.ここでナポリタンを食べたい気分になったが,その前に用事を済ませなきゃと思って通過.それから旧英国七番館,ホテルモントレ横浜,県民ホールの前を通って産業貿易センターに到着.二階のパスポートセンターに入ると,パスポート受け取り窓口の前の長椅子には三人しかいなかった.
 そのうちの一人は若い女性で,大きいキャップを深くかぶり,濃い色のサングラスをかけ,大きなマスクをしていた.顔が全くわからない.何かわけありなんだろうか.彼女は窓口で「全部とってください」と言われた.写真と照合するのだから,そりゃそうだよね.
 私の番が来て,窓口の職員さんに名前を呼ばれた.本籍を口頭で述べて顔をよく見せれば手続き終わり.さあ昼飯だ.
 パスポート切換申請書を出しに来た前の週は,THE HOF BRAU の日替わりランチを食べてガッカリした.今日はどうしようと少し思案して,SCANDIA GARDEN に決めた.
 このレストランは,二階がちょっと改まった会食の席に使える SCANDIA で,一階がカジュアルな SCANDIA GARDEN という具合に分かれている.SCANDIA GARDEN は洋食屋さんと呼んでもいいくらいの気軽な店だが,しかし会社員が毎日の昼飯を食うにはお値段がやや高め.赤レンガ倉庫や山下公園に遊びにきた人たちが「お昼は久しぶりにスカンディヤにしましょう」と立ち寄るくらいの感じだ.若い二人連れは赤レンガ倉庫のレストランに行くせいか,この店は客の年齢層がやや高め.
 
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 ランチセットの中からハンバーグステーキ・デンマーク風をチョイス.パンかピラフのどちらにしますかと訊かれたのでピラフにした.
 飲み物は冷たいウーロン茶.
 
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 デンマーク風のハンバーグといっても別段かわったものではない.ファミレスのそれと異なる点は,フライドポテトではなく,煮たジャガイモが付け合わせになっているところである.あとはブロッコリとフライドオニオン,マッシュルームが皿に載っている.
 よくテレビの食い物番組で,何を食っても「甘い~」としか言えない頭の甘いタレントが,ハンバーグにナイフを入れると,決まって「肉汁があふれてるー」とか言うておるが,ありゃあ肉のスープではのうて牛の脂肪がとけたもんだがね.単に脂身の多い肉を挽けば,そうなるんだがね.肉の良否とはまた別の話じゃ.
 この店のハンバーグは,あの手のふわふわしたやつではなく,しっかりとした食感で満足感が高い.私はこのハンバーグが好きである.
 ではあるけれど,サイドのピラフは,いただけない.もう少しよい米を使って欲しい.米は,ランチ一人前に使う量は少しだから,原価をそれほど押し上げないはずだ.
 
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 昼飯を終えて外に出る.食事の最中は,すぐ帰宅するつもりでいたのだが,交差点の歩道を渡って横浜開港資料館の裏口 (↑画像) を通りかかって気が変わった.元々は門衛の詰所だったとかいう建屋 (↓画像) にある喫茶店"Au Jardin de Perry"に寄ってみようと思ったのだ.ついでに開港資料館の展示も見てみよう.
 
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 "Au Jardin de Perry"は片仮名だと「オゥ・ジャルダン・ドゥ・ペリー」だ.直訳は「ペリーの庭」らしいが,ペリーの庭って何だ.ていうか店名が長すぎ.「開港資料館の裏口の喫茶店」も長い.「ペリーの庭」でいいじゃないか.意味わからんけど.
 店内は昭和レトロで,戦後の銀幕のスターが,向かい合ってお茶を飲むのによさそうな雰囲気.
 下の画像の席の反対側の窓にある席 (敷地の外の広場が見える) がいいのであるが,あいにく満席だったので,ここに腰かけた.
 
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 各テーブルには「値上げの御挨拶」が書かれた手書きのメモがあった.
 ほー,十二年もの間,値上げせずに頑張ってきたのか.うんうん.
 
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 おいしいコーヒーを頂いて,会計をしたらコーヒーは税込み四百四十円だった.前に来たときは確か税込み四百円だったはずだがと思ってネットで確認したら,最近この店に来た人のブログに四百円だったと書いてある.前から外税表示だったっけ? この文面だと,値上げ前は消費税8%を,あたかも店側が負担していたように受け取れる.と思ったが,零細な喫茶店に目くじら立てるのはやめよう.
 ちなみに SCADIA GARDEN は増税前後で価格 (内税表示) を変えていない.実質値下げしたということである.
 
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 上の画像は開港資料館の中庭にある「たまくすの木」を正門から撮ったもの.「たまくす」は漢字で玉楠と書くが,タブノキと呼ぶのが普通かと思う.Wikipedia【タブノキ】には《また横浜開港資料館の中庭の木は「玉楠」と呼ばれ有名である 》とある.
 今やっている企画展示は「横浜開港160周年記念 開港前後の横浜 村びとが見た1858~1860」だ.同資料館の公式サイトには,展示されている資料の一部しか掲載されていない.たまには散歩がてら,展示を見に来るのもいいもんだと思った.

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2019年9月25日 (水)

日本大通り THE HOF BRAU

 そろそろ東南アジアは乾季だ.ベトナム観光のツアーを探したところ,手ごろな価格のツアーがあったのでネットで申し込んだ.すると手続きの途中に「パスポートの残存期間が六ヶ月以上あることが必要」とあった.
 パスポートを取り出して調べたら,来年の二月で失効することがわかった.一ヶ月足りない.
 このパスポートを作ってから,もう十年も経ったのかー.しみじみとしながら神奈川県パスポーセンターの公式サイトにアクセスし,切換 (更新) 申請書類を作成した.正確にいうとパスポートには有効期間中であっても「更新」という概念はなくて,その有効なパスポートを破棄して,新しく作ったパスポートに「切換」るということになる.でも必要書類が少なくて (本人確認書類不要,戸籍抄本不要),新規作成よりも簡単なので「更新」という人もいる.
 
 私がパスポートを初めて作ったのは遅くて,三十歳を過ぎていた.私と同じ世代には,学部や大学院の在学中に欧米に留学したり,今でいう学生ボランティアとして発展途上国に出かけた人たちがいた.現在のように盆暮れの休暇に大挙して海外へ遊びに行く時代ではなかったから,留学にせよボランティアにせよ,彼らは勇気があったと思う.
 "If an ass goes a travelling, he'll not come home a horse. " という英語の諺がある.「ロバが旅に出たとて,馬になって戻ってくるわけはない」という意味だ.旅にも色々あるけれど,旅を「海外で暮らして異文化に触れる経験をする」ということに限れば,行かないよりは行ったほうがいいと私は思う.諺の通り,ロバは結局,ロバだとしても,しかし旅に出るロバは偉い.私には海外で暮らす勇気がなかったから,遂に旅に出ないロバでしかなかった.人生にいくつも後悔はあるけれど,海外経験をしなかったことはその一つだ.
 さて私が一冊目のパスポートを作った頃,神奈川県パスポートセンターは窓口の数が少なかった.しかも昼休みは受付の時間外になってしまう.窓口にはカーテンがあって,十二時少し前になると,シャーっと音を立てて全部閉まってしまうのだ.当時のお役所はみんなそうだったから,私たちも不思議には思わなかったけれど.
 それが今ではどうだ.申請者の列に並ぶと,まず整理券発行窓口で書類の不備・不足がチェックされる.申請者は指摘された不備を訂正してまたチェックを受け,OKが出ると,整理券を持って申請の窓口の前で待機する.この段階の手続きは,あらかじめパスポートセンターのサイトで申請書を作成してダウンロードし,印刷したものを持ってくればノーミスだから,チェックは一分もかからない.
 申請窓口は十四もある上に,書類審査は整理券発行窓口で実質的には済んでいるから,処理は流れるように進む.実に合理的にできている.私が初めてパスポートを作った三十年以上前の大昔とは大違いだ.
 
 それでも申請者の数は多いから,昼前の十一時を過ぎると待機人数が増える.そこで公式サイトには親切に,十一時前に来ることを勧めると書かれている.私はこの日,東海道線で横浜へ行き,みなとみらい線に乗り換えて日本大通り駅で下車した.地下の駅から地上に出ると,数人の婦人が立っていて「私たちはボランティアで道案内をしています」と声をかけられた.パスポートセンターへ行きます,と答えると「ここを右に歩いた二つ目の信号で,道の向こう側に渡って,そのまま行くとビルがあって,その二階です」と言う.それは私が歩きたい道とは違うので,「ありがとう」とお礼を言い,無視して別の道を歩いた.ヾ(--;)オイオイ
 産業貿易センタービル (産貿ビル) 二階のパスポートセンターに着いたのは十一時少し前だったが,手続きが終わったのは十一時を回った頃だった.エスカレーターで一階に降りるとすぐドトールがあり,ポップに「タピオカ ~黒糖ミルク~ 」とあった.黒糖ミルクのタピオカは飲んだことがないのでこれを買い,狭い店内には先客が数人いたので,私はテラス席に腰かけた.
 産貿ビルのテラスから右に行くと県民ホール,ホテルモントレ,ホテルニューグランドがあり,道を渡ると山下公園で,氷川丸などがある.左に行くと大桟橋埠頭や赤レンガ倉庫があって,この産貿ビルのテラスは,横浜港散策の中間点にある.
 
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「タピもまだまだ大人気 皆でタピタピしましょうね♪」と書かれているが,敢て「まだまだ」と言うからには,もはやタピオカブームは下り坂ということなんだろうか.「タピタピする」という幼児語は初耳だったので調べてみたら,これはドトールの造語ではなくて,「タピる」とか「タピ活」などの女子中高生の流行言葉の一つのようだ.「タピ活」ってなんだよ.
 黒糖モノでまずい飲食物はないと私は思っている.このドトールの黒糖タピオカミルクも,うまい.お代わりしたいくらいだが,かなりハイカロリーなので,二杯も飲んだら昼飯抜きということになる.
 で,その昼飯だが,この産業貿易センタービルは地下一階にレストランがいくつかある.その一つのインド料理店「スパイスマジック カルカッタ」のランチがリーズナブルなお値段なので,この店にしようかと一旦は思ったのだが,県民ホールの裏手に洋食屋があったのを思い出した.その店は"THE HOF BRAU"(ホフブロウ) という.昔からある店だが,私はここで飯を食ったことがない.
 
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 右下に映り込んでいるカブは,隣の蕎麦屋のものだ.この蕎麦屋がなければ,ホフブロウはいい雰囲気の外観なのに,惜しい.w
 ステンドグラスのドアを押して中に入ると,右側にかなり長いバーのカウンターがあり,左側にはテーブル席がある.予想したよりも広い店だった.
 あるブログ記事に,初訪の一人客が「カウンターにしようか,テーブル席にしようか」と迷う様子が書かれていたが,私の場合は,若い女性スタッフにどっちかというと冷たく「カウンターへどうぞ」と言われてしまった.ま,飯時にテーブル席に着く一人客が少数派だと思うから,カウンターで異存はない.
 上の画像に写っているが,店のドアの前にメニューがあり,これを読んで日替わりランチに決めていたので,それを注文した.「ハンバーグステーキと,シーフードのマカロニグラタン」セットである.
 私が注文をしたあとすぐ,横目でチラと見た感じではスリムで眼鏡をかけた若い男が店に入ってきて,席一つ離れて右側に腰をかけた.さっきの女性スタッフがメニューを書いた紙を差し出し,笑顔で「何になさいますか 💝」と言った.
 相手がアラウンド七十のヨボヨボ爺 σ(--;) の場合と,いかにも好印象の青年の場合とでは,女性の声のトーンが変わってしまうのは至極当然で,これに異存はない.()
 それはそれとして,ランチメニューは途中まで仕掛かりにしてあるのだろう.五分ほどで,ハンバーグとグラタンの皿がトレーに載せられてやってきた.トレーを運んできた女性のスタッフが「ライスはお付けしますか?」と言ったが,さっきタピタピしてきたばかりなので,要りませんと断った.
 日替わりセットのハンバーグステーキは鶏卵くらいの大きさで,三口で食べられるくらいだった.これにすごく細いフライドポテトが数本付け合わせてあり,全体にタップリとブラウンソースがかけられていた.ポテトはソースまみれでフニャフニャになっていたので,ハンバーグにソースをかけてからポテトを盛りつければいいのに,と思った.
 ハンバーグをナイフで一口切って口に入れると,うわっと驚くほど酸味が強かった.よく見るとソースにはピクルスが入っていて,酸味はピクルスの酢によると思われた.塩味もかなりきつくて,さっきの「ライスはお付けしますか?」は実は妥当なリコメンドなのだとやっと理解した.ランチの献立には単品のハンバーグステーキがあるのだが,もしそのソースもドミグラスではなくピクルス入りのブラウンソースだとすると,ライスなしで食べ切るのは少し厄介かも知れないと思った.
 もう一皿のグラタンはおとなしい味で,まずまずの味だった.あとほんの少しチーズを多く載せて焼いてあればいいのだが,とは思ったが.
 食べ終わっての感想だが,年寄りにはちょうどいい量だけれど,若い男には全然足りないだろうなあと思った.これで千円は,コスパがよろしくない.あと,すっぱすぎるハンバーグのソースの件だが,もし調味に失敗したのでなければ,私の口には合わない.というか,たぶん誰の口にも合わないだろう.ソースを作りそこなって,しかも味見をせずに客に出してしまったのであることを祈る.(婉曲な否定的表現)
 
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[追記]
 食べログの,よく知られた常連投稿者「一級うん築士」氏がホフブロウの店名について次のように書いている.
 
店名はドイツの有名なホフブロイハウスというビアホールの名前に由来。初代オーナーはフィンランド人で1980年に現在の場所に移転した。店の内装デザインはノルウェー人のデザイナーによる。それで非常にエキゾチックな雰囲気を醸し出している。現在のオーナーは1999年に店を引き継いだ。》(訪問は2012年12月)
 
 この記述の情報源は,店の関係者が書いたと思しきfacebook投稿《ホフブロウ》(2013年9月23日投稿) と思われる.「一級うん築士」氏はこのfacebook投稿を鵜呑みにしているようだが,それはいかがなものか.まず元の投稿記事から抜粋引用する.
 
ホフブロウの名前の由来をご存じですか?
よくお客様から「ホフブロウってどういう意味?」という質問を受けます。たしかに不思議な名前ですよね。覚えにくいし、日本人には親しみのない言葉です。
そこで今日はホフブロウの意味とその謎について書きたいと思います!
ホフブロウという言葉自体にはドイツ語で「ビール醸造所」という意味があります。
 
ホフブロウという言葉自体にはドイツ語で「ビール醸造所」という意味があります》とのことだが,初っ端から間違っている.「ビール醸造所」を意味する独単語は"Brauerei"(ブラウエライ),"Brauhaus"(ブラウハウス),"Bräu"(ブロイ),"Brau"(ブラウ) などである."Hof"は余分だ.では"Hof"とは何か,ということになるが,それは後述することにして次の引用箇所に進む.
 
一つ疑問があるのは、ホフブロウはドイツ語で「Hofbräu」と表記されます。当店の看板にはHOF BRAUと書かれている通り、英語なんですよ!なぜaの上に点を付けなかったのか。。。これはちょっとした配慮なのか未だに疑問が残ります。
 
 上の文章の筆者は,どうも初歩的な語学知識がないようだ.《aの上に点 》は中学生みたいだ.それをウムラウトと呼ぶことは,気の利いた高校生なら知っている.内容的にも,上の引用箇所なんか,もはや支離滅裂と言っていい.
 まず《ホフブロはドイツ語で「Hofbräu」と表記されます 》が間違いだ.正しくは「ホフブロはドイツ語で「Hofbräu」と表記されます」である.ドイツ語でビールの醸造所は"Brauerei"(ブラウエライ),"Brauhaus"(ブラウハウス) の他に“Bräu”でも“Brau”でもよいが,発音を片仮名でかけばそれぞれ「ブロイ」「ブラウ」である.ホフブロウの創業者 (現在の経営者とは異なる) は店名を,独語発音の「ホフブロイ」でも「ホフブラウ」でもなく,英語発音の「ホフブロウ」としたのであるから,そもそも店名に関して,現在の経営者がドイツ語を持ち出すこと自体がお門違いなのである.
 
というのも実は英語にもHofbrauという言葉が存在し、まったく違った意味を持つのです。英語では「カフェテリアスタイルのレストラン」という意味で、七面鳥やサンドイッチを主に出し、ドイツの料理は関係がないそうです。
実際アメリカにはたくさんのホフブロウというお店が存在し、出している料理はまさしく洋食という感じで、当店に近いものを感じました。
 
 これまた頓珍漢なことを言うものだ.《英語にもHofbrauという言葉が存在し 》と書いているが,英単語では“Hofbrau”ではなく“hofbrau”と書く.普通名詞だからである.そして店名“THE HOF BRAU”(The hof brau と書いても同じ意味) は“hofbrau”とは関係がない.“hof brau”と“hofbrau”は,一目瞭然,別の言葉だからである.スペース一つで意味が違ってしまうのだ.日本語は,外国語を片仮名で表記するときのルールが曖昧なので,こんな混乱が生じる.店名を「ホフ ブロウ」または「ホフ・ブロウ」と書けば紛れはなかったのに,創業者は店名の片仮名表記を「ホフブロウ」としたがために,1999年に事業を承継した現在の経営者は,店名がドイツ語と関係があるかのように勘違いしてしまったのである.(店を承継するなら,その時にちゃんと店名の由来を聞いておけ,と言いたい w)
 次に《実際アメリカにはたくさんのホフブロウというお店が存在し 》という誤解について指摘が必要だ.
 英語の“hofbrau”は普通名詞だから,業態を表すことはできるが店名には使えない.《ホフブロウというお店が存在 》するわけがないのである.つまり店名に使うとすれば“Hofbrau Denny's”といった形である.日本語でいえば「ビストロ 材木座」とか「小料理 こまち」みたいな用法だ.この例では「ビストロ」や「小料理」が業態を表している.
 ここで Wikipedia英語版の項目 Hofbrau (項目名は大文字で書き始める) から一部を引用しよう.
 
Hofbrau is a cafeteria-style food service derived from the German term Hofbräu, which originally referred to a brewery with historical ties to a royal court. Such breweries often have beer gardens where food is served.
 
 facebook投稿《ホフブロウ 》は《というのも実は英語にもHofbrauという言葉が存在し、まったく違った意味を持つのです 》と書いているが,Wikipediaには“hofbrau”はドイツ語の“Hofbräu”から派生した語で,カフェテリア形式の飲食店であると明記してある.何を根拠に《まったく違った意味を持つのです 》と主張しているのだろう.また横浜山下町のレストラン“THE HOF BRAU”はカフェテリアではないから,アメリカのhofbrauとは全然業態が違う.《当店に近いものを感じました 》は無知に基づく我田引水の思い込みである.
 
 facebook投稿《ホフブロウ 》にはまだツッコミたいところがあるのだが,いい加減にして結論を急ぐ.
 私は上に「では"Hof"とは何か」と書いた.Hofは地名だ.ドイツ連邦共和国バイエルン州の北東部にある市であり,ビールの有名な産地である.だから“THE HOF BRAU”を素直に和訳すれば,「ホーフ醸造所」となる.レストラン“THE HOF BRAU”の創業者は,前々世紀までホーフに存在していたかも知れない小さな醸造所のイメージを「ホーフ醸造所」の名に込めたのだろうと私には思われる.この場合の「ホーフ醸造所」は,サントリーの「白州蒸留所」等と同じ用法だ.
 あるいは,ホーフにたくさんあった大小様々な醸造所の総称として「ホーフ醸造所」を脳裏に浮かべたのかも知れない.その場合は,店名の和訳は「ホーフの醸造所」とするのが日本語として適切だろう.
「ホーフ蒸留所」でも「ホーフの蒸留所」でも,ドイツではビールの醸造所に食堂が併設されていることが多いから,創業当時の“THE HOF BRAU”ではビール醸造所の食堂をイメージした店作りがなされたに違いない.
 
そして当店ホフブロウの名前の由来はミュンヘンにあるホフブロイハウスというビアホールからつけられたと言われています。
 
 facebook投稿《ホフブロウ 》は,上の引用箇所で店名の由来を述べている.しかしレストラン“THE HOF BRAU”の店名は英語である上に,ミュンヘンにある有名なビアホール“Hofbräuhaus”とは綴りが似ても似つかない.おまけに規模が違いすぎる.そこら辺の街の小さな中華料理屋が「北京大酒楼」を名乗るようなもので,ジョークにもならない.
 
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(Hofbräuhausの外観;Wikipedia【ホフブロイハウス】から引用したパブリックドメイン画像)
 
 1951年に店を開いた創業者は欧州人だったというから,欧州についての知識がない終戦当時の日本人みたいなセンスのない店名を,自分の店に付けるわけがない.
 食べログにおける「一級うん築士」氏は有名人だが,同氏による“THE HOF BRAU”のレビューは,店名の由来について調べもせずに丸写しで書いている.おまけに創業年も間違って記載している.まあ,きちんと正確なことを書いていたら,とてもじゃないけれど食べログに七千件以上のレビューを書き飛ばすのは不可能だが.w
[追記終わり]

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2019年8月27日 (火)

S&Bのお手軽調味料

 S&Bから少量の調理に向いたシーズニングが豊富に発売されている.吉田羊さんがCМでおいしそうに食べているので,私もやってみた.
 まずは「菜館」という中華料理系のシーズニングで「じゃがいもとピーマンの塩炒め」を拵えた.
 作り方は超簡単で,普通の大きさのメークインを二個,千切りにしてボウルに入れて水で晒す.水晒しを手抜きして炒めるとベタベタして旨くない.余談だが,May Queenをメークインと書くのは違和感があるなあ.Make inみたいだ.
 で,ピーマンも千切りにして,フライパンでじゃがいもと一緒に炒める.じゃがいもに火が通ったら菜館「じゃがいもとピーマンの塩炒め」をまぶして,ダマにならぬように混ぜながら更に炒める.シーズニングが均一に行きわたったらできあがり.
 
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 できたものを食べてみると,なかなか旨い.旨いが,既に中華調味料が冷蔵庫にあるなら,それを使えば同じテイストになるし,塩コショーだけでも充分に旨いという気がする.ま,買って常備しておくほどのものではないと思う.
 
 次に「菜館」とは別のカテゴリの「SPICE&HERB」シリーズの「ガパオ」を作ってみたが,パッケージに記載されているレシピ通りに作って味見したら,私には少し味が濃かった.
 そこで挽肉と同量の白飯を投入して炒め,炒飯風にしてみた.
 すると味の濃さは丁度よくなり,これはエスニック感があっておいしかった.目玉焼きをこの炒飯に乗せてトマトなんかをあしらうと,見た目もよろしい.シーズニング「ガパオ」はオススメだ.長粒米を炊いて,このシーズニングで炒飯にしてみたい.

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2019年8月16日 (金)

マカロニ市場藤沢店は雨漏りレストラン (笑)

 藤沢市の大庭というところに,イタリア料理店「マカロニ市場 藤沢店」がある.イタリア料理といっても東京にあるような本格のイタリア料理ではない.普通のファミレスタイプのパスタとピザの店だ.郊外型レストランでフロアは広い.
 ちなみに大庭は,鎌倉武家の大庭氏が拠った土地である.
「マカロニ市場 藤沢店」は,何年か前によく利用した店である.
 どういうわけか藤沢市周辺の一帯には,軽食を出す小さなドッグカフェはあるが,犬を連れて入れるレストランはほとんどない.ペットOKと料理店のサイトに書いてあっても,屋根のないテラス席だったりする.冬は寒風に晒され,夏には炎天下に飼い主も犬も青息吐息の有様となる.また通年,雨の日は使えない.そこにいくと
「マカロニ市場 藤沢店」には犬連れ客専用の屋内スペースがあるので,飯時には犬同伴客で満席のことが多い.
 
 さて昨日,夏休みだとて息子と娘が陋屋に来てくれた.そこで西日本を台風10号が襲い関東も時折激しい雨が降る悪天候の中ではあるが,愛犬を連れて「マカロニ市場 藤沢店」へ食事に出かけた.私たちは十一時の開店と同時に店に入った.以下はそのレポートである.
 
 店の紹介サイトに「わんちゃんレストラン」と題した写真があるので紹介しておこう.九枚の写真のうち下の図で黒四角で示したのがそのスペースの内装である.(掲載は2019年8月15日時点)
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 だが,この写真はかなり前の写真であると思われ,現在は酷い状態になっている.
 まず,内装写真の一番奥,突き当りの壁にエアコンが設置されているのがわかる.このエアコンは,フィルター掃除の時に壊したのだろうが筐体の前面カバーが落ちてしまうみたいで,今はガムテープを貼って落ちないようにしてある.そこまで酷く壊れたのなら買い換えたらどうだと私は思うが,動作しないエアコンはそのままになっていて,代わりに床に置かれた二台の家庭用扇風機がブンブンと回っていた.
 この「わんちゃんレストラン」は,内装写真では天井が見えないが,実は以前から天井板がないのである.透明塩ビの波板が屋根として張ってあるだけだった.
 その波板が経年劣化して割れてしまったのだろう.現在は台風で屋根が飛ばされた家屋のようにビニールシートで一時的に補修してある.塩ビ波板を張り替えるくらいは簡単なDIYの範疇だと思うが,修繕はしていない.しかもそのシート補修を全くの素人がやったと見えて隙間があり,昨日は雨が降っていたから雨漏りがしていた.まるで豪雨で被災したレストランのようであった.w
「ひでーなー」と言いつつ私たちが着いたテーブルは,かなり汚れていた.ろくに掃除をしていないと思われた.
 以前はこのスペースの端っこに犬用の水を入れる皿があったはずだと思って,そこに行ってみた.すると,洗ったようには見えない皿に汚れた水が入れたままになって置かれていた.昨日の客が使ったあと置いていったままなのであろう.見るからに不潔で,そんな皿を愛犬に使う気になれない.私は愛犬と出かける時はプラスティックの水入れ (アウトドア用の折りたたみコップ) を持ち歩いているので,店員が持ってきたグラスの水をそれに入れて犬に飲ませた.
 窓の外は雨.ベタベタに汚れたテーブルに落ちる雨漏りのしずく.ペット用の不潔な水入れ.しみじみと気の滅入る食事となった.
 断言するが,店内の掃除をおろそかにするような店の料理がうまいはずがない.それが証拠に,下のレシートの画像に「Pzハーフ&ハーフ」とあるピザは半分がマルゲリータのはずだったのに,マルゲリータ部分にチーズが載っていなかった.チーズの載ってないピザを私は初めて見た.
 お勘定は三人で六千円だった.温パスタ「季節野菜のトマトクリーム」は,アルデンテを通り過ぎていた.逆にピザ「蓮根バジル」は,噛むと蓮根がバキバキと音を立てた.
 今の日本は,あらゆることに「割引」がある.従ってこの店には「生蓮根割」「チーズ抜きマルゲリータ割」「エアコン故障割」「雨漏り割」「不潔割」があって然るべきであると思ったが,そのようなサービスはなかった.
 もう二度と来るものか.つぶれてしまえ.そう思った.ごちそうさまでした.(←食レポサイトの定型結語 ^^)
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2019年7月25日 (木)

なめこのピリ辛煮

 もう二十年近く前の事.妻と東北の夏祭りを見物に出かけた.青森のねぶた祭の前日は盛岡で宿泊したのだが,旅館の夕食に「なめこを辛く煮付けたもの」(一般的な名称は不明) が小鉢で出された.食べてみると,これが実にうまかった.
 以来,観光地に行くとキノコ加工品の瓶詰を探しているのだが,同じようなものは見つかっていない.
 
 つい先日,アマゾンで酒肴を探していたら,「なめこ三升漬け」というものがあった.製造販売者は「北海道名販」だが,同社が経営する北海道土産の販売店である「きのこ王国」のほうが通りがいいらしい.北海道名販は自社でもネットショップを運営しているが,どういうわけか,そのネットショップにはこの商品はなく,アマゾンと楽天にある.アマゾンでは「合わせ買い対象商品」のため配送料無料の五百四十円のみだが,楽天は配送料八百円を取るのでかなり高いものにつく.楽天で買うのはやめたほうがいい.
 それはさておき,その三升漬けを買って食べてみたのであるが,これが実に甘い.くどい味だ.甘すぎる.
 なんだこれは,と思って現材料表示を読むと,次の通りである.
 
なめこ、醤油、塩麴、唐辛子、醗酵調味料、酒、麹調味料、砂糖、鯖エキス、煮干エキス、一味唐辛子、カラメル色素、ph調整剤、調味料(アミノ酸等)、ビタミンB1、甘味料(カンゾウ) 》(phは誤りだが原文のままにした)
 
 塩麹を使っておきながら更に「麹調味料」なるものを使用している.塩麹自体が麹調味料なのだが,それとは別の「麹調味料」とは一体何なのか.わかりやすく書かないのが腑に落ちない.想像するに,麹調味料という名称で内容不明の業務用調味料なのではないか.
 また麹だけでも甘いのに,その上に砂糖を加え,更にカンゾウも使っているのが,理解に苦しむレシピだ.星一徹の晩酌の膳に,こんな甘ったるいものを明子が出したら,一徹は必ずや卓袱台返しの挙に出たであろう.
 ちなみにWikipedia【三升漬け】の記述は以下の通り.
 
三升漬(さんしょうづけ)は、青なんばん・麹・醤油をそれぞれ、一升ずつの分量で漬け込んだ保存食。北海道・東北地方の郷土料理である。
 
 なるほど,このいかにも北海道・東北の郷土料理らしいシンプルなレシピなら納得だ.辛いもん好きの御仁は大いに飯が進むであろう.北海道名販の「なめこの三升漬け」は,本来の三升漬けには使わない余計な調味料や食品添加物を加えて,どんどんまずくしたとしか思われぬ.
 さて昔々私が盛岡で食べた「なめこ加工品」と三升漬けはどうも別物のようだ.かくなる上は自作しかあるまいと,ネットのレシピを検索して作ったのが下の写真のものだ.
 
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 材料のなめこは,軸を切った小粒のものがポリ袋入りで味噌汁用に売られているが,あれは粘質物が多すぎて汁物以外には向かないように思う.
 そこで,大粒で軸が長い煮物用のものを買ってきた.調味料は日本酒,濃縮麺つゆ,水を同量ずつ.なめこがひたひたになるくらいに鍋に入れる.輪切りの唐辛子は適当量だが,私はかなりの量を鍋にブチこんだ.鍋を火にかけ,泡立たぬように弱火でちょっと煮立て,火を止めてできあがり.
 炊き立ての飯に載せて食ってみると,実にうまい.常備菜にしようと思う.
 

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