趣味の工作とDIY

手先を動かすと痴呆防止にいいと聞いたもんでハア.

2014年11月12日 (水)

営繕 (実践編四)

[ワイヤレスインターホンの設置]

 三十年前にはあったが,今はなくなってしまったものの一つにホームテレホンがある.
 なんだか意味不明な名称であるが,単に電話機とインターホンとを合体させたもので,玄関のチャイムのボタンを押すと,屋内の受話器で玄関の外と話ができるという,ただそれだけのものだ.

 こいつは電話機としてはダイヤル回線上で疑似的にプッシュ回線を実現したもので,音声通話の送受信しかできない (大昔のダイヤル式黒電話と中身は同じ) ので,すぐに時代遅れの役立たずになってしまったのだが,さりとてこれを捨てるとインターホンがなくなってしまう.
 かといってインータホンを新規に設置しようとすると,以前は壁に穴を開けたりの工事が必要だったので,電話機はその後なんども更新したが,このホームテレホンはインータホンとしてのみ使い続けてきた.

 このホームテレホンは受話器のワイヤレス時代以前のものなので,当然ながら子機はない.
 子機がないというのは,インターホン機能としても大変不便なので,今回の自宅修繕を機会に,ワイヤレスインターホンを設置しようと思い立った.昔はこんな便利なものはなかったので,隔世の感がある.

 具体的には,工事をせずにお手軽にというコンセプトなので,玄関に設置されたカメラの画像データを送信する機能はない通話のみのものを選択した.DXアンテナ(株)の DWP10A1 という機種である.これなら乾電池で長期間作動するし,子機は六台まで増設できるので,うちの中のどこにいても玄関子機からの呼び出しに応答が可能である.

 さてそこでDIYだ.玄関子機を固定する台座を自作しようというのである.
 まず楽天のショップで適当な大きさの板を調達した.これには予めチェーンがついている.「営業中」とか“We are open”などと書いて店のドアに下げるボードを自作するのに使う材料である.

20141111a

 この板に,オイルステインを塗って濃褐色に着色する.今回使用したオイルステインはアルキド樹脂塗料に褐色顔料を分散させたもので,容器のラベルには「チーク」と書いてあるが,塗り重ねればどんどんチーク材より濃い色調になる.今回使用した板の場合は,三回塗りでちょうどいい感じであった.

20141111b

 乾いたら,紙ワイパーを用いて余分な顔料をよく拭き取る.それからアクリル系の透明防水塗料を塗る.これも三回塗った.
 耐水性が不必要な場合は,合成樹脂塗料を使わず,ミツロウを繰り返し塗り込んで磨きあげると味わい深い渋い光沢がでるという.これに使うミツロウは,ワークブーツの手入れに使うものなので,ご存じの向きが多かろう.今回の製作物は屋外に置いて使用するものなのでアクリル塗料を使用したが,ミツロウを塗布する処理もいつかやってみたい.

20141111c

 十分に防水塗料が乾燥したら,テプラ SR3500P で作成したラベルを貼る.板が濃褐色なので,透明地に白文字のテープを使用した.本当は 24mm幅 36mm幅のテープを使いたいのだが, SR3500P は 18mm 24mm テープまでしか使えないのが残念である.その代わりフォントはPCに入っているフォントが使える.(取り消し線部分は 11/12 16:10 に訂正)
 今回は,通販では 24mm 幅テープはツヤ消しテープしか売られておらず,光沢テープが入手できなかったので,18mm の光沢透明テープを使用した.(下線部分は 11/12 16:10 に追加)
 
 

20141111d

 テプラは耐水性がないので,その上から透明保護フィルムを貼る.エーワン(株)の「屋外でも使えるサイン吸着シート 31042」というものである.

 最後に玄関子機を木ねじで取り付ける.
 出来上がりが下の画像である.

20141111e

 単三電池を三本入れた玄関子機はかなり重い.玄関に設置する際は,フックからチェーンで吊り下げ,さらにボード背面を強力粘着テープで接着固定するのがよいと思う.

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2014年11月 9日 (日)

営繕 (実践編三)

 エプロンを買う話の続き.
 雑誌なんかでガーデニングおやじの写真が載っていると,ブルーデニムか,生成りの帆布のエプロンをしていたりする.
 いかにもな感じでなかなかよろしいのであるが,着用感はどうなんだろう.ゴワゴワした感じで,動きにくいということはないのだろうか.
 これに対してクッキング系お父さんは薄手のエプロンだ.
 DIY老人用のエプロンにはどっちがいいか.

 Amazon で検索すると「【K0075、エプロンストーリー】シンプルエプロン」という商品が目についた.
 しかしこのエプロンを着用しているモデルさんをみると,身長167cmのスレンダー美女だ.購入者のレビューにも「(私が着てみたら)モデルさんほど見栄えがしなかった」とある.大変お気の毒であるが,これはまず間違いなく,高身長スレンダー美女向けのエプロンである.あ,美女でなくてもいいのですか.そうですか.
 次に見つけたのが「daysy 撥水TC胸付前縛りエプロン フリー ベージュ NS-20」である.商品の画像をみると,腰回りドスコイ型の寸胴シルエットで,これは絶対にスレンダー美女向けエプロンではない.あ,美女でなくてもいいのですか.そうですか.

 それはいいのだが,商品タイトルに「撥水」とあるのに,購入者の一人が「水もよく吸収してよい」とレビューに書いて☆5つの最高点をつけている.撥水なのに水をよく吸収するのがいいことなのだろうか.この人はどういう評価基準なのか,わけがわからぬ.
 案の定,もう一人の購入者は,このエプロンは全く撥水せず,洗い物のあとで下の服まで濡れていたと書いて☆一つの評価である.☆一つの評価の気持ちはわかるが,下の服まで濡れるって,君は風呂場で大型犬でも洗ったのか.

 疑問点はあるが,これを注文した.
 着用結果はどうであったか.
 ボタンホールの仕上げがとてもいい加減で,安物という感じであった.ていうか,\1047 の安物なんだけどね.
 それより,こいつは丈が短かすぎる.まるでミニスカートのようだわウフ.おい.

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2014年11月 8日 (土)

営繕 (実践編二)

[ドアノブとドアレバーの交換]

「メッキがはがれる」という.
 正体が暴露される,あるいは馬脚を顕すといったほどの,悪い意味で使う.
 しかしこれはメッキに対する不当な評価である.
 要は複合素材ということであり.メッキは,構造を保持することと,表面の美観および保護を別々の素材で担おうという技術なのである.
 例えばある会社を訪問したとしよう.
 玄関を入ってすぐに受付があり,そこに驚くほどの美人がいて私をみて会釈する.
 ちらりと名札を見ると,音無響子と書いてある.
「鬼瓦営業部長さまに二時のお約束を頂いております」と言うと,上の階に連絡を入れて営業部長を呼び出し,会議室を案内してくれる.
 指定された会議室で待っていると,業界で敏腕の名も高い鬼瓦権蔵営業部長が現れたのだが,これが子供が怯えて泣き出すような顔だ.美しい受付の響子嬢とあまりにも違うが,これを指して「会社のメッキがはがれる」とか「会社が馬脚を顕す」とは言わない.機能の分担に過ぎないからである.
 これが反対に,受付に鬼瓦権蔵みたいな顔のお嬢さんがいたとしよう.私はそれを見て踵をかえして玄関ドアを出るであろう.メッキとはそういう技術なのである.違いますか.そうですか.

 クロムという金属は,腐食しにくく極めて摩耗に強い.それで工業的にはピストンなどの表面のメッキに使われるが,家庭でもいろんなところに使われている.その一つがドアノブだ.
 その摩耗に強いクロムメッキを施したドアノブでも,三十間年も人の手に触れられると,あたかも雨だれで石に穴があくように,摩耗する.

 今回の自宅の修繕で,ドアの塗装をやり直したのであるが,塗装の際にはドアノブをいったん取り外す必要があるから,ついでに新しいものに交換することにした.
 下の画像が取り外した古いドアノブだ.メッキが剥げている.長年にわたるその方の働きご苦労であった.誉めてとらす.

20141108d

 ドアノブを交換するときには,ドアノブ各部の寸法を確認するが,普通の製品は何十年も規格通りに作られていて,ほとんどテキトーに買ったものでも合うようになっているのがありがたい.

 作業で注意する必要があるのは,古いドアノブの取り付けに使われている木ねじを外すときだ.
 まずケガキ針のようなもので,木ねじの頭の溝を掃除する.錆て浅くなっていることが多いからである.
 掃除した溝にドライバの先を当て,腐食のために遊びができてしまっている場合はドライバを回転させたときに「ナメ」てしまう可能性があるので,ねじ頭に「アネックス(ANEX) ネジすべり止め液 No.40」を一滴垂らすとよい.これは骨董品の真空管ラジオやアンプをリペアするときの常套手段だ.

 不幸にも「ナメ」てしまったときは,これまた常套手段がある.
 まず「アネックス(ANEX) ネジとりインパクト No.1903-N 」のねじ取りビットを使って,ナメたねじ頭に溝を新たに作る.そこに同製品のインパクトドライバを打ち込んで逆回転させる.道具としては他にプラスティックハンマーが要る.
 ねじがわずかでも回転して,頭が1ミリでも上に出ればしめたものである.このねじ頭を,神工具と称えられる「エンジニア ネジザウルスGT PZ-58」でくわえて回転させればよい.

 下の画像は新しく交換したドアノブだ.気分一新である.

20141108e

 次に,拙宅には,家具の裏側になって開かずの間状態にしていたドアが一つあり,そのドアのレバーが下の画像である.

20141108a

 アルミ合金素材に塗装をしたものであるらしく,塗装のピンホールから腐食が進行していた.
 これを真鍮に銅メッキしたものに替えたのだが,古い方が規格品だったので,木ねじ穴の間隔など,新品への交換は何の支障もなかった.

20141108c

(続く)

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2014年11月 7日 (金)

営繕 (実践編一)

 前回,「DIY精神のインフラであるホームセンター」と書いた.
 それは確かにそうで,ホームセンター以外に実店舗でDIY商品を扱うのは東急ハンズくらいなものだろう.
 ところが我が国で初めてホームセンターという形を展開したドイトの衰退を見ると,DIYは地盤沈下しているのかも知れないなあと思う.つまりDIYは,それだけでは商売として成立しないのかも知れない.
 カインズは近くにないので行ったことがないのだが,これを取り上げたテレビ番組を見た限りでは,DIYも扱う日用品スーパーという印象を受ける.
 とはいえ現在のホームセンターが,DIY商品を扱ってくれるならそれで文句はない.

 私は工具やら塗料やらを購入するときは専らコーナンに行くのだが,他の店はどうなっているんだろうかと,先日,スーパービバホーム豊洲店 (地下鉄有楽町線豊洲駅すぐ) に行ってみた.
 店内を徘徊した印象では,工具が充実しているようだ.価格は,Amazon より高いものもあれば安いものもあるというところ.しかし少しくらい高くても (概ねワンコイン程度) 実物を見てから買うことができるので,この店はなかなか使えると思った.
 その一例が,ベッセル(VESSEL) ドライバーセット ファミドラ8 TD-800
 Amazon の商品ページで画像を見たときは奥様向けのドライバセットかと思ったのだが,これがどうして,なかなかよさげ.つい衝動買いしてしまった.
 私はオーディオアンプやPCを自作するので,電気工作系の工具は一通り所有しているが,木工系統は全然だめ.それで工具コーナーをうろついているうちに,物欲スイッチが入ってしまったのである.
 ついでにいうとアネックス(ANEX) T型ラチェット付ドライバー 8本組 No.5700 も実物を見ながら比較検討したのだが,これは狭いところでの作業性に難があるのではなかろうか.もちろん両方持ってれば最高だが,それはもう工具フェチの仲間入り.
 で,ベッセルのドライバセットを買った.

 さてホームセンターの商品というのは実用一点張りで,愛想がない.この点では Amazon に利がある.
 私がDIYを始めるにあたって,一番欲しいものはエプロンなのだが,これはコーナンにもスーパービバホームにもない.
 なぜエプロンか.
 エプロンといっても,フリルかなんかついていて,若い男が劣情を催す種類のものではない.あー,あなたエプロンで劣情を催しませんか.そうですか.私は昔催しましたが,それはともかく小物の塗装でも壁塗りでも,その他の作業でも,衣服の汚れは避けられないので,それなりの格好をしなければならない.
 一番いいのは動きやすい薄手の作業服上下 (これは工場勤務経験者ならおわかり頂けるはず) だが,それでは工事業者になってしまう.白衣では,目的を逸れてコスプレ方面に行ってしまいそうだ.それでDIYをする男はエプロンを着用するのである.
 東急ハンズに行くと,会社を定年退職したので暇つぶしにハンズでアルバイトしてます,といった様子のDIYアドバイザーがいる.彼らがたいていエプロンスタイルで,なかなか見た目がよろしいと以前から思っていて,で今回エプロンを調達したいと思うのだ.

 あー,実践編といいながらなかなか実践しませんが,そこんとこ気にしないように.

(続く)

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2014年11月 5日 (水)

営繕 (講釈編三)

 Wikipedia【日曜大工】によると《日曜大工とは、大工とは別の職業を持つ者が、休日や余暇を利用して行う木工作業を指す》なんだそうである.

 前回,悠悠自適の境遇のはずの私の友人が,日曜百姓の程度を超えて農作業にいそしんでいて,プロでもなくアマでもない状態であるという話を書いた.
 上の Wikipedia【日曜大工】の日曜大工の定義は「プロではない」ということをいわんとしていて,気持ちはわかるのだが,《大工とは別の職業を持つ者が》といわれると困る.私は無職なのである.また《休日や余暇を利用して》は,普通はそうだろうが,私は休日も労働日も区別がなく,一日二十四時間がヒマなので,「余った暇」はないのだ.

 ということで私の自宅修繕は日曜大工と呼ぶのは適切ではなく,また大工仕事とはいえないものもあるので,広くDIYということにする.

 ところでこのDIYだが,本来は精神性のあるものなんだそうだ.
 ホームセンターなどの業界団体である一般社団法人日本ドゥ・イット・ユアセルフ協会は商売ベースのせいか,DIYについてウェブサイトで簡単にしか触れていないが,その他の資料を参照すると,DIYの起源は,1945年のロンドンにおいて第二次世界大戦で破壊された街を復興しようとする国民運動が始まり,そのスローガンが“D.I.Y.”=“Do it yourself”であったことであるという.

 想像だが,ドイツ軍の爆撃でボロボロになったロンドンで「市長は何やってんだ,道路は穴だらけだし水道は止まったまんまだ」とか文句をたれた市民がいたのであろう.そういう野郎に不屈の愛国者ジョン・ブルが静かに“Do it yourself”と言い,文句たれ野郎は恥じてうなだれた.そういうことがあったんじゃなかろうか.Do するのが yourself であって myself でないのは,そういうことなんだろう.ルー大柴風ですが.
 日本でも同じであったろう.空襲で焼け野原になった東京の再建はDIYで始まったに違いない.

 日本ドゥ・イット・ユアセルフ協会によると,日本で最初にDIY関連商品を揃えた本格的ホームセンターが誕生したのは昭和四十七年だという.それは奇しくも私が社会人になって世に出た年だ.いうなれば,私はDIY精神のインフラであるホームセンターと共に生きてきたのであり,私がDIYに深く共感するのは当然の帰結なのである.理屈に無理がありすぎですか.そうですか.

(続く)

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2014年11月 4日 (火)

営繕 (講釈編二)

 会社員だった頃の同期入社の友人諸君と,たまに会って酒を飲む.
 私が一番年齢が下だったので,他の皆さんは既にみんな年金生活者だ.
「年金生活」という言葉には,プラスのイメージとマイナスのイメージがあると思う.マイナスのイメージについては稿を改めて書いてみたいが,ここでは単に「悠悠自適」に近い意味だとしておく.
 同期入社の友人諸君の中で,退職後の趣味を現役のときから準備していた男A君がいる.彼の趣味は日曜百姓 (註*)であった.会社員時代は休日に農作業をしていたから,日曜百姓でいいのだけれど,会社員を辞めたあとは毎日が農作業であるわけで,これを日曜百姓と呼んでいいものか.
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(註*) 家庭菜園という言葉もあるけれど,それは自分ちの庭で小松菜とかそんなものを植えて,採れた菜っ葉をお浸しにして晩酌の酒肴にしているのだと思う.
 カントリーなエプロンをした素敵な奥さんがプランターでバジルを育て,今日の夕ご飯はこのバジルで何を作ろうかしらウフなんてのは,家庭菜園以下の規模だ.
 彼の場合は耕作面積がかなり広い.耕運機も所有している.
 その畑には高いポールを立て,農作業を始めるときに日の丸をするすると掲げて国歌斉唱し,日没にはまた日章旗をおろして家路につく.これだけでも人を驚かせるに十分なので,これが旭日旗だったらお巡りさんが巡回にくるところである.
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 閑話休題.
 歴史学の門外漢である私たちにとって百姓とは,専業あるいは兼業農家を指す.ところが元々は,百姓は農家以外の多種多様な職業を含むものだということを,私たち一般人にもわかりやすく示してくれたのが網野善彦だった.
 しかるに Wikipedia【百姓】は,それは網野なんぞの業績ではないという立場で書かれているので,網野善彦の名は脚註に一行あるだけだ.「ノート」タグを見ると議論の最後は2006年で,それ以後誰も,【百姓】項目から網野の名を排除することに反対していない (この項目の執筆者がかなり強硬そうな人だからか) から,それは専門的には,そういうことなんだろう.まあいいや.

 でも学問の外に生きていた私の親の世代の庶民は,百姓を農家だと考えていたと思う.新潟の現在の五泉市の南部の山奥,三条市の東隣にかつて中蒲原郡村松町 (吸収合併で消滅) があり,父はそこの農家の生まれ育ちだったので,百姓の倅と自称していた.ただし長男ではなかったから,学歴は尋常小学校卒で,口減らしのために海軍に入り,敗戦時は兵曹長という位で終わった.
 母は佐渡島の相川からさらに南に下ったところの貧しい漁村の生まれで,漁師の娘とは言ったが,自分を百姓の娘だとは言わなかった.
 つまり百姓の仕事は農作業であって漁労ではなく,百姓とは農作業をする人のわけだ.

 さてA君は毎日農作業をしているが,農業で生計を立てているのではないから,農家ではない.「日曜農家」ではそもそも日本語の意味をなさない.
 日曜百姓を始めた頃は,収穫を自家消費したり隣人知人に配っていたのだが,最近は道の駅で芋や野菜その他の直売を始めたらしく,これはもうどう呼んだらいいのかわからない.

 同様のことが日曜大工にもいえる.

(続く)

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2014年11月 3日 (月)

営繕 (講釈編一)

 今月引っ越す先の家は暫く留守にしていた自宅であるが,大変に古い木造一戸建てで,もうすぐ築三十年という物件だ.
 結婚して十年目にこれを建てたとき,住宅業者に「この家,どうですか三十年はもちますか」と訊いたら一笑に付されてしまった.安普請だから二十年がいいとこですよ,と.
 以来営々二十年のローンを払い続けて完済したが,案の定,定年の少し前の二十年目に,屋根を全面的に葺き替えせざるを得なくなり,専門家の予測の正確さに深く感動したのであった.ていうか,安普請で悪かったな馬鹿野郎.

 ともあれ,この家で二人の子を育てた.
 今は二人とも独立して生活しているが,この家の柱の傷やへこみの一つ一つに彼らの子供時代の思い出がある.がらんとした空き家の柱の前に立っていると,何だか胸の底のどこかに熱いものが湧き上がってくるのをどうしよう.

 留守の空き家にしている時って,リフォームに最適の状況ですよと言った人がいる.
 何をいうか.
 住みやすく快適な住宅なんてことは若い人の考えることだ.
 傷だらけの床も,建て付けの悪い襖も,年寄りには大切なものなのだ.この三十年のことを,みんななかったことにしましょうなんて,よくそんなことが言えるな馬鹿野郎.
 それにリフォームして次の年に死んだら大損ではないか.(← 本音)

 というわけで,私と共に年老いたこの家を,いたわるように修繕しようと思う.暇だし.

(続く)

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