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2026年8月 8日 (土)

AIを使っても頭の悪いライターに論理的な文章は書けない

 カスハラ男を退治したというストーリーの文章はAIで作るのに適していると見えて,リアリティのないゴミ作文がウェブ上に掃いて捨てるほど存在する.
 昨日は「フルセルフレジを使えなくて怒ってカスハラをした爺い」という設定の作文を紹介した.
 この作文を書いた漫画家は文章作成AIの条件設定が下手だったらしく,出来上がった作文の主文と結論に矛盾が生じてしまった.
 文章作成AIをうまく利用するには,条件設定が大切である.
 昨日に続いて,どんなに高機能のAIでも,バカライターが使うと矛盾内包のバカ文章が出力されてしまうという例を下に紹介する.
 日刊SPA!《「紙のメニューを持ってこい!」スマホ注文ができず店員に怒鳴る高齢男性。親切な若者が手を差し伸べた結果…》[掲載日 2026年7月6日] の前半部を下に引用する.執筆者はmakiというライターである.多分女性だろう.
 
「ちょっと面倒だな」と、飲食店のスマホ注文にためらった経験はないだろうか。人手不足の現場を支える便利な仕組みだが、操作に戸惑う客がいるのも確かだ。調査では利用経験者が6割を超える一方、シニア世代には拒否感も強いという。今回は、そんな新しい仕組みをめぐる、ある夜の居酒屋での出来事を紹介したい。
 
 スマホで注文する店でのひと悶着
 山本聡さん(仮名・22歳)は友人4人と、いつもの居酒屋で楽しい時間を過ごしていた。
 隣のテーブルにスーツ姿の男性3人組が入ってきたのは、山本さんたちが2杯目を頼んだ頃だった。
「最初は普通のサラリーマングループという印象で、特に気に留めていませんでした。定年間近に見える3人組でした」と山本さんは振り返る。
 ところが数分後、そのうちの1人が突然「なんだこれは」と声を荒らげた。
「実は以前まで卓上にあったメニュー冊子が消えて、今はQRコードが貼られた小さなプレートだけになっていたんです」
 一覧できるメニュー表がないことに、男性は相当戸惑っている様子だった。
 
 年配には無理だと店員に怒鳴りはじめ…

 男性はスマホを取り出してコードにかざしたものの、操作がうまくいかない。苛立ちのあまり、スマホをテーブルに叩きつけるように置いた。
 そのまま近くを通った若い店員を呼び止め、「どうやって頼むんだ」と詰め寄る。
 店員は横に寄り添い、丁寧に説明を始めた。しかし、男性の表情は一向にほぐれない。操作でつまずくたびに、小さく舌打ちを繰り返す。
「おい、もう紙のメニューを持ってこい。こんなんじゃ頼めない」
 店員が「当店はQRコードのみの対応でして」と答えると、男性の声はさらに大きくなった。
「客のことを考えていない店だな。年配には無理だろ、こんなの。不便すぎる」
 同席していた同僚たちは苦笑いを浮かべるばかりで、誰も止めようとはしない。面白がっているのか、それとも困っているのか、判然としない表情で見守るだけだった。
 奥から店長らしき人物が駆けつけ「申し訳ございません」と頭を下げたが、それが逆効果だったのか、謝罪を受けるたびに男性の勢いは増していく一方だった。》(引用文中の文字の着色強調は当ブログの筆者が行った)
 
 ライターのmakiは,上に引用した文章を作るにあたって,《定年間近に見える3人組》の《普通のサラリーマングループ》が,QRコードで注文する安居酒屋チェーンに来たという設定をした.
 だが,若い世代向けに営業している店に,還暦くらいの年齢の客が本当に来るものだろうか.設定にかなり無理がある.w
 もしかするとライターのmakiは,自分がQRコードで注文する居酒屋チェーンしか知らないために,リアルの年輩のサラリーマンたちがどういう店で酒を飲んでいるのか知らぬのではないか.
 しかしまあ,そういう設定で話を進めてもいいが,ストーリーの後半でこのお話は破綻するのだ.
 その箇所を次に引用する.
 
「あの、すみません」と山本さんは笑顔で声をかけた。男性の顔をまっすぐ見つめ、「スマホで頼めますよ。よかったら、一緒に操作しましょうか?」と申し出る。
 顔を真っ赤にして怒っていた男性は、一瞬、言葉に詰まったように沈黙した。静寂のなかで、ふと我に返ったような表情を浮かべる。
「身体の力がすっと抜けたみたいでした。さっきまで店員さんに向けていた剣幕が、目に見えて引いていったんです」
 店員も、同僚も、周囲の客も、誰もが固唾をのんだ数秒間。沈黙を破るように、男性は絞り出すような声で言った。
「……頼む」
 その言葉を聞いた山本さんは男性の隣に移動。スマホを借りると、手慣れた様子であっという間に注文を完了させた。
「終わりましたよ。このボタンを押すだけなので、次からも大丈夫だと思います」
 山本さんが伝えると、男性は「……ありがとう」と小さくつぶやき、深く頭を下げた。それ以降、さっきまでの怒声が嘘だったかのように、静かに過ごした。》(引用文中の文字の着色強調は当ブログの筆者が行った)
 
「山本さん」という若者が《スマホで頼めますよ。よかったら、一緒に操作しましょうか?》と言ってカスハラ会社員と一緒に操作すると,店員が一所懸命に教えても全くできなかったQRコードオーダーなのに,何故かカスハラ会社員はできるようになってしまったのである.
 これは一体どういうことだ.
 makiの作文ではその理由の説明がない.読者はキツネにつままれる思いだ.
 そしてmakiは,呆気にとられる読者をそっちのけにして次のような説教を垂れる.
 
わからないと言えるようになりたい
 山本さんはこう振り返る。
「怒鳴ったって、QRコードの操作が急にできるようになるわけではないじゃないですか。最初から『わからないから教えて』と一言あれば、それだけで済んだ話だと思うんですよね」
 責めているわけでも、見下しているわけでもない。ただシンプルにそう感じたのだという。
「時代の流れに逆らうんじゃなくて、ただ教えてもらえばいいだけなのに。本当にそれだけなんですけどね」
 怒鳴って場を動かそうとした男と、笑顔のひひとことで場を収めた22歳。あの夜、どちらが頼もしく見えたかは、その場にいた全員がわかっていたはずだ。
 できないことを「できない」と言える人間が、じつは一番強い。怒鳴ることで誰かを動かそうとする前に、その一言が言えるかどうか。それが、今の時代の「大人の器」を測る基準になっているのかもしれない。》(引用文中の文字の着色強調は当ブログの筆者が行った)
 
 ライターのmakiは《最初から『わからないから教えて』と一言あれば、それだけで済んだ話だ》と書いているが,カスハラ会社員は店員に注文方法を教えてくれと頼んだのに注文できなかったのだ.
 それなのに「山本さん」は,会社員が注文できるようにしてしまった.多分魔法を使ったとしか話の辻褄の合わせようがない.
 このようにmakiの作ったカスハラ会社員退治のお話は破綻しているのだが,自分の作文が破綻しているという自覚のないmakiは平気で《できないことを「できない」と言える人間が、じつは一番強い》と読者に上から目線で説教を垂れる.
 辻褄の合わない作文を平気で投稿する人間にそう言われても説得力ゼロだ.
 結局,頭の弱いライターにAIは使いこなせないということである.
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