「需要に応じた生産」は食料自給率を低下スパイラルに導く
米など主要な作物の安定供給を目的とした改正食糧法が一昨日の七月八日,参院本会議で可決,成立した.
この改正の中で重要なのは,国が米作農政を放棄し,全農など米穀集荷業者が米作農家を支配することを法的に確立したことである.
改正法中の当該重要箇所を下に示す.
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第二節 生産者による需要に応じた生産
第五条
米穀の生産者は、米穀の生産を行うに当たっては、主体的に第二条第一項に規定する見通しその他の情報を踏まえて需要に応じた生産を行うよう努めるものとする。
2 米穀の生産者又は出荷の事業を行う者の組織する団体は、その直接又は間接の構成員たる米穀の生産者が行う米穀の需要に応じた生産に関し、必要な助言、協力その他の援助を行うよう努めるものとする。
3 地方公共団体は、その区域の特性に応じ、米穀の生産者が主体的に需要に応じた生産を行うことができるよう、当該区域内で生産される米穀の需給の見通しその他の当該区域における米穀の生産者による需要に応じた生産に資する情報の提供を行うよう努めるものとする。
4 政府は、米穀の生産者による需要に応じた生産が可能となるよう、米穀の新たな需要の開拓に関する施策、米穀の輸出の促進に関する施策、米穀に係る農業の生産性の向上に関する施策その他関連施策を講ずることにより、米穀の生産の持続的な発展を図るものとする。
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(引用条文中の文字の着色強調は当ブログの筆者が行った)
《米穀の生産者又は出荷の事業を行う者の組織する団体》は全農を指している.
米作農家を煽って末端精米価格の上昇を目指した全農の目論見は,結果的に消費者の米離れを招いた.
一般的には,需要が減れば価格は低下する.
しかし彼らは今後も,高市内閣が後押しする《需要に応じた生産》を旗印に,作付けを減らすことで米を不足気味にし,よって米の価格を高く維持する方向で米作農家に《必要な助言、協力その他の援助を行う》だろう.
彼らは営利組織であるから,必要な利益を得るためなら,精米価格の高騰は意に介しない.少量生産・高利益による効率化はむしろ望むところである.
こうして米の消費はますます減退する.
日本の食糧自給率は低下の一途をたどるだろう.

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