イエスの名のもとに戦争をする者たち /工事中
サグラダ・ファミリアの主塔「イエスの塔」が完成して祝福のミサが行われた.
ライトアップされた塔を見上げた市民の喜びは言葉で言い尽くせないものだろう.
テレビ局の取材に応えた一人の女性は感極まって涙ぐんでいた.
ミサを執り行ったローマ教皇レオ十四世はミサで次のように語った.
私たちは,イエスを信じながら戦争を助長することはできません.
イエスを信じながら罪のない人々を殺すことはできません.
イエスを信じながら苦しむ人々,泣いている人々,悲惨な状況から逃れる人々を見捨てることはできません.
(和訳文はNHKのニュースによった))
昨年,レオ十四世が教皇に選出されたとき,トランプは「名誉なことだ」と喜んだ.
アメリカ国内の「福音派」はトランプの岩盤支持層であるが,新教皇がアメリカ出身であることから「これでカトリックの有権者もトランプ支持層になる」と勘違いのぬか喜びをしたと思われる.
ユダヤ教と福音派とカトリックが手に入れば中間選挙は圧勝だと踏んだのに違いない.
だが,そうはいかなかった.
レオ十四世はアメリカ・ファーストではなく,地球上のすべての人々に愛と平和を説く教皇だったからである.
それを察して以来,トランプはバチカンと対立状態にある.
トランプは,アナクロな聖書信仰を持つ福音派であるヘグセスを国防長官に任命したとき「本人の希望でこれからは彼を戦争長官と呼ぶことにする」と述べた.
国防長官という名称では,侵略戦争がやりにくいからである.しかし戦争長官ならやりたい放題だ.
そのヘグセスは,体に中世の十字軍のタトゥーを入れている.
異教徒つまりイスラム教徒を相手として戦争し,敵を殺戮することが神が自分が与えた使命だと信じている.(CNN《【分析】かつて「米国版十字軍」を提唱したヘグセス氏、今は中東で戦争主導する立場に》[掲載日 2026年3月14日])
トランプ政権は,共和党の大スポンサーであるユダヤ教および福音派の二つに政治的基盤を置くいわば宗教政権なのである.
現代の日本人はあまり頑迷強固な信仰を持たないから俄かには信じがたいことだが,人を殺すことを特段の罪悪としない宗教がある.
そのことは,その宗教の教義ではなく,信者が罪の意識なく人を殺すかどうかでよくわかる.
原理主義的な一部のイスラム教,原理主義的な一部のキリスト教 (福音派) が代表だが,仏教徒も平気で人を殺すのはミャンマーの内戦で明らかだ.(日本の場合は昔から強い宗教的背景なしに内戦や対外戦争をやってきたので,信仰に基づく殺人とは別である)
ユダヤ教徒も殺人に抵抗がない.
イスラエル軍がガザ地区の学校や病院を集中的に爆撃や銃撃して,病人や幼い子供たちを殺し続けていることについてNHKの記者がイスラエルの市民に街頭インタビューした.
そのとき普通の身なりをした年配の男性が平然と「第二次大戦中,私たちはドイツに皆殺しにされかけた.だから今度は私たちが殺す番だ」と述べ,周囲の同年輩の女性たちも頷いて同調した.
私は「だから今度は私たちが殺す番だ」との言葉に慄然とした.
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