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2026年6月18日 (木)

ホルムズ海峡の機雷について

 日刊スポーツ《玉川徹氏、「ひどい考え」指摘に「現実はそう」米イラン合意受けた今後》[掲載日 2026年6月17日] から下に引用する.
 
玉川氏は、今後、ホルムズ海峡での機雷除去という展開になった場合を念頭に、「イランは掃海の能力が低く、(機雷を)まいたんだから自分で回収しろと言われてもそういうふうな軍隊ではない、うちはまく方であって、回収する方はないという考えでやっている」と指摘。MCのフリーアナウンサー羽鳥慎一が「ひどい考えですよね」と述べると、「でも現実はそう」と応じ、「アメリカも掃海能力はあまり高くなく、日本と英国が高いと言われている」とした上で、「英国の方が(ホルムズ海峡に)近いので、メインはやっぱり英国の方がやるのかなという気もしますが、それでも足りないとなれば日本も、ということになるが、掃海艇が日本から湾岸地域に行くのに20日以上の期間がかかる」と、地理的な問題に言及。「急ぐということであれば、中東にも展開しているイギリスか、少ないながらもアメリカというところではないか」と述べた。》(引用文中の文字の着色強調は当ブログの筆者が行った)
 
 玉川氏は《イランは掃海の能力が低く、(機雷を)まいたんだから自分で回収しろと言われてもそういうふうな軍隊ではない、うちはまく方であって、回収する方はないという考えでやっている》と発言したが,これは軍事専門家のコメントが必要だと思われる.
 私たちは「機雷をまく (撒く)」と聞くと,海面に近いところを浮遊する第二次大戦頃の機雷を想像してしまうが,今はそう単純ではない.
 現代の機雷には幾つかの種類がある.Wikipedia【機雷から】から下に引用する.
 
機雷(きらい)とは、水中に設置され、艦船が接近または接触したとき、自動または遠隔操作により爆発する兵器をいう。機雷はもともとは機械水雷の略であるが、現在はそれが正式名称となっている。機雷に関する戦闘行動は機雷戦と呼ぶ。機雷に触れることを触雷、機雷を設置した海域を機雷原または機雷堰、機雷を撤去することを掃海、その機能を有する艦艇を掃海艇という。機雷はその特性より、存在可能性のみで心理的に艦船の航行妨害の影響力を行使できる。
機雷の種類
 作動方法別
  機雷の作動方法は触発機雷(Contact mines)と感応機雷(Influence mines)、管制機雷(command)に大別される。触発機雷は艦船が接触することにより爆発する機雷で、触角機雷および水中線機雷などがある。ヘルツ式触角を用いた触角機雷は2023年現在でも見ることができる。感応機雷は艦船の航行により発生する船舶特性により機雷が感応して作動する機雷で、触発機雷に比べると広い危害範囲を持っている。
  過去には、感応機雷には艦艇の磁気により乱れた地磁気に感応する磁気機雷、艦艇の出す音響に感応する音響機雷、艦艇が航行することにより発生する負水圧を感知する水圧機雷、船体とスクリューなどの異種金属間で発生する電流を捉えるUEP機雷などが開発され、21世紀の現在では、これら複数のセンサーからの情報に基づく高度な起爆条件が設定できる複合感応機雷が主流を占める。
  ほとんどの機雷は敷設されると管制できないが、管制機雷は陸上の管制所などから接続されている有線のコントロールにより発火させる。平時には機雷側のセンサーを使用して機雷戦に必要な船舶のデータを収集することができる。
  最近では紛争終結後に速やかに機雷を排除する必要性があること、また紛争中に敷設海面で味方の艦船を安全に航行させる必要があるときのために、コマンド信号によりコントロールする研究が進んでいる。》(引用文中の文字の着色強調は当ブログの筆者が行った)
 
 イラン海軍がホルムズ海峡に機雷を設置したとき,設置された機雷は「管制機雷」であると発表された.
 すなわちイラン海軍は,機雷除去の必要が生じた場合のために機雷の設置地点を把握しているとのことであった.
 玉川氏は《イランは掃海の能力が低く、(機雷を)まいたんだから自分で回収しろと言われてもそういうふうな軍隊ではない、うちはまく方であって、回収する方はないという考えでやっている》と主張しているが,イランの発表では,ホルムズ海峡に設置された機雷は《陸上の管制所などから接続されている有線のコントロールにより発火させる》種類だったのである.
 つまり,イラン軍の能力を信用するとすれば,実は掃海は不要で,イランは自力で機雷を除去できるのである.
 だがトランプはイラン軍の機雷管制能力を信用していない.
 そこでトランプはイギリスや日本,韓国に対してホルムズ海峡に掃海艇を出動せよと迫ったのである.
 であるからして,現代的機雷の管制についての事実を解説せずに《イランは掃海の能力が低く、(機雷を)まいたんだから自分で回収しろと言われてもそういうふうな軍隊ではない、うちはまく方であって、回収する方はないという考えでやっている》との発言はデマというべきである.
 玉川氏は「機雷をまく (撒く)」と言ったが,しかし氏はもちろん悪意のデマを「撒く」人ではない.
 もしかすると玉川氏はイランが海峡に設置した機雷が管制機雷であることを知らないのではないか.時事に疎いということは,コメンテーターの資質として非常に問題があることになる.
 
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