福島党首のお好み焼き
理由は不明だが,microsoft edge のニュースフィーダー (msn) に時々昔のニュース記事が掲載されることがある.
今日は JCASTニュース《社民・福島党首の「手作りお好み焼き」が物議 「バカにしてんのか?」「批判の酷さに驚愕」》[掲載日 2024年11月28日] が載っていたので読んだら二年前の記事だった.それが下の引用.
《社民党の福島瑞穂党首が、Xで手作りの「お好み焼き」の写真を公開し、ネット上からさまざまな声を集めている。
「郷土食をバカに」「心ない言葉を投げかけるのはどうかと」
話題になっているのは、福島氏が2024年11月24日に投稿したポストだ。福島氏は「久しぶりに作ったお好み焼き。長芋を入れたので違う食感です」と明かし、お皿2枚に乗った計2枚のお好み焼きの写真を公開した。
お好み焼きといえば、ソースがたっぷり塗ってあり、マヨネーズやカツオ節などのトッピングも特徴的だ。しかし、写真のお好み焼きは、焼いた生地にソースが少しだけ塗られているものだった。また、生地の割合が多いためか、キャベツや豚肉などの具は一切見えない。
この投稿にXからは、
「お好み焼きの事バカにしてんのか?」
「郷土食をバカにすんのもいい加減にしなよ?」
「関西人、馬鹿にされてる...」
(以下略)》(引用文中の文字の着色強調は当ブログの筆者が行った)
福島党首の《手作りの「お好み焼き」の写真》を下のスクリーン・ショットで引用する.

福島党首は上の投稿だけでなくいくつもお好み焼きの写真を投稿していて,いずれも酷評されたのだが,それ以来,お好み焼きの投稿はやめてしまったようである.
酷評には色々あるが《「お好み焼きの事バカにしてんのか?」「郷土食をバカにすんのもいい加減にしなよ?」「関西人、馬鹿にされてる...」 》には少し異議がある.
今でこそ「お好み焼き」は専門店で提供される料理であるが,元々は駄菓子屋などの小商いが店頭で提供する軽食だった.
戦前の関西圏で「一銭洋食」と呼ばれていたものが「お好み焼き」のルーツの一つだという.(Wikipedia【一銭洋食】Wikipedia【お好み焼き】参照)
それは小麦粉に適当な有り合わせの具を混ぜて焼くだけであるから,家庭でも簡単にまねて作ることができる.
私が子供だった昭和三十年代,家庭で作られた「お好み焼き」は,現在の専門店で提供されている「お好み焼き」のように肉や魚介を具とする立派な一品ではなく,小口に切ったネギとか,キャベツのザク切りだけを混ぜてフライパンで焼いただけの貧相な食べ物であったが,学校から帰ってきた小学生の小腹を満たすにはそれで足りたのだった.
福島党首は七十歳で私より少し年下である.
今はもう高齢者となった彼女が「お好み焼き」だとして投稿した写真には,昭和三十年代の雰囲気が漂っている.
彼女が幼かった頃,御母堂が彼女に作ってくれたのが投稿写真のような質素な「お好み焼き」だったのだろう.
以来ずっと,彼女が自分のために拵える「お好み焼き」は,具がたくさん入った大阪風のおいしい「お好み焼き」ではなく,昭和の家庭で作られていた質素な軽食であったと想像される.
確かに福島党首の「お好み焼き」と似たものを,私も少年の頃に作って食べていた.
「お好み焼き」は関西だけの郷土食ではなく,名称は全国各地でいろいろあるが似た食べ物は全国にあったのだ.(実をいうと私は,今でも具はネギだけの「お好み焼き」を焼いて食べることがある)
大阪生まれ育ちの若い人たちは,福島党首の「お好み焼き」を見たら《「お好み焼きの事バカにしてんのか?」「郷土食をバカにすんのもいい加減にしなよ?」「関西人、馬鹿にされてる...」 》と言いたいだろうが,日本が貧しかった頃,各地の子供たちが家庭で作って食べた「お好み焼き」はこんなものだったのである.
福島党首は,手抜きの「お好み焼き」を作って写真を投稿し「お好み焼きなんてこの程度のものさ」と関西人を馬鹿にしているわけではない.
彼女が作る「お好み焼き」は,彼女の昭和の思い出の中にある食べ物なのである.彼女と歳の似通った年寄りの私はそう思う.

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