使わなかった吉野家クーポン
私は日々の買い物にはバスを利用している.
横浜市民には「敬老乗車証」という制度がある.
これは,年収に応じて費用を負担すると,一年間のバスを乗車回数無制限で利用できるというものである.
バスの利用回数が少ない人は割高になってしまうが,横浜市内では市営バスや私鉄系バス網が発達していて,どこに行くにもほとんどバスで行けるから,私の場合は年におよそ八千円を市に納めると毎日バスに乗れる.しかも一日に何度乗ってもよいという極楽乗車証である.
で,時折見かけるのだが,どう見ても高齢者ではない女性 (中年婦人とか茶髪女子大生っぽい女) が敬老乗車証を使ってバスに乗り降りしている.
たぶん高齢者の祖父とか祖母の名義で敬老乗車証を購入し,それを家族で使いまわしているのだろう.
若い女が敬老乗車証でバスを降りるなんて時は,当然バス運転手は「こいつは不正乗車だ」とわかるはずだが,何も言わない.
ことを荒立てたくないので,見て見ぬフリをするのだろうと思われる.
敬老乗車証制度があるおかげで,バス会社は売上の機会損失 (あくまで機会損失であって直接の損害ではない) を被っているのだが,横浜市当局はどう考えているのだろう.
ちなみに,おっさんや若い男が不正に敬老乗車証を使用している場面は目撃したことがない.
不正乗車するやつは必ず女である.
しかし,不正だからどうだってのよと不正女に反撃されたら,いえ何も文句はありませんと私は答えるだろう.
不正乗車女がバスを降りる不正目撃現場でそれを咎めても私には何のメリットもない上に,毎日これ無事に勤務したいと思っているバス乗務員の勤務査定に傷をつけることになりかねないからである.それは気の毒だ.
さて本題.
先日,藤沢駅の北口にある吉野家で飯を食ってレジで代金を払ったら,店員が三枚つづりの五十円引きのクーポン券をくれた.
そのうちの二枚はクーポン券が利用できる料理が指定されているが,一枚は何を食ってもよいというものだった.
暫くして,買い物をしたついでにそのクーポン券で昼飯を食った.
すると今度は「翌日限定二百円割引券」をくれた.
その前の三枚つづりクーポン券はちゃんとした印刷物だったが,この「翌日限定二百円割引券」は感熱プリンターで印刷したものであった.
このクーポンはおそらく吉野家全体の営業企画ではなく,各店長の裁量で実施できる販促企画なのだろう.
二百というと,定食についている味噌汁を豚汁にアップグレードしても釣りがくる金額だ.(この吉野家の豚汁はなかなかおいしい)
私のようなヨボヨボにしおたれた年金生活老人にとって,二百円はうれしいサービスである.
ここの太っ腹店長なかなかやるな,と思った.
しかし翌日,財布に入っている「翌日限定二百円割引券」を眺めながら,二百円割引は豪勢だが,敬老乗車証がある交通費はタダだとはいえ,わざわざそのために往復一時間ほどバスに乗って出かけるほどのインセンティブにはならないなあと感じた.
この吉野家の近所に住んでいれば,毎日でも「翌日限定二百円割引券」で豚汁付きの朝飯を食いにいくのだが.
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