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2026年3月

2026年3月29日 (日)

トランプの戦争は戦争ではなく戦闘だと高市首相は明言した

 トランプはイランを「悪の帝国」と称したが,私たちアメリカ以外の国民からすれば,イランもアメリカも「悪の帝国」だ.
 その悪の帝国の首領であるトランプを,巧みな話術で操るメタニヤフの顔を見ると私はメフィストを想起する.
 イスラエル政府がガザ地区の人々の殺戮を始めたあと,日本のテレビ局が一般のイスラエル人を相手に行った街頭インタビューで,あるイスラエル人が「我々はユダヤ人は第二次大戦で皆殺しにされかけた,今度は我々が殺す番だ」と平然と答えた.
 アメリカ人にも自由と平和を愛する人々はまだいると思うが,歴史上最悪の悪の帝国を築こうとしているトランプの岩盤支持層であるアメリカのキリスト教原理主義者層は,人が人を殺すことをなんとも思っていない.
 その点で,共和党とイスラエルは同じ宗教的立場に立っている.
 昔 (1992年10月17日),ルイジアナ州バトンルージュ市の郊外で起きた事件.
 この年のハロウィンで仮装した日本人留学高校生が「パーティに来ました」と言いながら敷地に入ったところ,この家の住人にマグナム銃で射殺された.
 この事件については詳しい資料が残っているが,この高校生は,パーティが開かれている家を間違えてしまったという.
 仮装した子供が庭に入ってきただけで殺されるのがアメリカという国なのである.
 そして射殺した男の裁判で,陪審員たちは無罪の評決をした.
 戦争に負けた国の人間を殺して何が悪いのか.これがアメリカという国の,キリスト教を信じる敬虔な陪審員の信念なのである.
 言い換えれば,イランとの戦争に勝てば,イラン人をいくら殺してもアメリカ政府は罪に問われない.
 もし負ければ,国際世界はトランプとアメリカ国民を平和と人権に対する罪で断罪するだろう.
 だからトランプとメタニヤフは,イランとの戦争 (高市首相はこれは「戦争ではなく戦闘である」と明言した) に負けるわけにはいかない.
 もし勝てば,トランプは次の中間選挙で圧勝できると確信しているからだ.
 昔,ベトナム戦争が泥沼化しているとき,アメリカの若者たちは戦争反対運動に立ち上がった.
 今はそんな青年たちはアメリカのどこにもいない.
 アメリカ各地で戦争反対の小規模デモに参加しているのは,かつてベトナム戦争に駆り出され,心に深く傷を受けて戻ってきた帰還兵たちだけである.
 しかし彼らは年老いた.もうアメリカを動かす力はない.
 そしてこの事態に,民主党の政治家たちは沈黙したままである.
 シリコンバレーの若い先進企業経営者たちは,マイクロソフトを除いて,トランプの後ろ盾になっている.
 こうなれば,もうトランプのやりたい放題だ.
 
 欧州の政治家は,トランプに距離を置いている.
 トランプとネタニヤフの戦争は我々の戦争ではない,と.
 それでもトランプは,必ず日本だけはアメリカと運命を共にするとネットに投稿したが,これが高市首相の「世界の真ん中で花咲く日本外交」である.
 先日の日米首脳会談で何が話し合われたか,高市首相はメディアの質問に「機微」と称して回答を拒否している.
 だがあと何十年かすれば,アメリカの法律によって,高市首相とトランプの「密約」が公開されるだろう.
 太平洋戦争後の時代を生きてきた後期高齢者の私たちは知っているが,日米の「密約」は常にアメリカ側から公開されるのである.
 
 ベトナム戦争のとき,戦争反対の連日のデモに参加した日本の青年たちは,今はもう老いて後期高齢者になってしまった.
 アメリカと同じだ.
 太平洋戦争の経験者たちは世を去った.ベトナム戦争から半世紀経って戦争の目撃者が老いた今,再び戦争は繰り返される.
 高市首相の改憲政策を支持する今の日本の若者たちは,戦場で自分が銃を持って戦い,頭や胸を銃弾で打ち抜かれるという映像的リアリズムを持っていないからだ.
 その点では,政治家なのに軍事知識を著しく欠く高市首相も,戦争は自衛隊がやるとしか思っていないだろう.
 彼女は,日本に軍需産業を興し,生産した兵器を輸出することで日本の景気回復をしようとしているほどの時代遅れの軍事無知だ.
 だからイランのように,北朝鮮や中国のミサイルで日本政府要人が瞬間的に爆殺されるなんて思ってもいないだろう.
 あと何年か経ってまだ生き残っている後期高齢者たちは知る.この首相の任期中,いつの間にか「戦争が廊下の奥に立つてゐた」ことを.
 
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2026年3月26日 (木)

「清美タンゴール」という正体不明の柑橘を食べてみた

「はるみ」というおいしい柑橘がある.
 関東圏の店頭ではあまり見かけない柑橘で,私は静岡県に住む知人に季節になると送っていただいている.(ただし生産者によっては,高いわりに酸っぱくてガッカリするのもあるので要注意)
 これは静岡県の興津にある園芸試験場で開発された品種で,「清見」に「ポンカンF-2432」を交配した品種である.
 皮を剥くと,中の袋がいかにもポンカンの系統だなとよくわかる.
 開発者の育成権は一昨年に切れているので,これから各地で次第に広く栽培されていくのではないだろうか.
 
 この「はるみ」の親である「清美」が開発されたのは戦後すぐで,これも興津の試験場で行われた.
「清美」は早生温州の代表的な品種「宮川早生」に,スイートオレンジの「トロビタ」オレンジの花粉を交配し育成した品種であり,これもおいしい国産柑橘としては「はるみ」と一,二を争う.
 
 さて先日,八百屋で「清美タンゴール」とラベルが貼られた柑橘があるのを見つけたので買ってみた.「タンゴール」とは柑橘類雑種の総称であるので,この「清美タンゴール」は「清美」に何かを交配した雑種で,果樹品種として無登録のものだろう.
 私が買ってみた「清美タンゴール」は,その外観からして私が知っている「はるみ」でも「清美」でもないことは確かだった.(「清美」を「清美タンゴール」と称して販売している生産者もいるが「清美」が正しい)
 実は私は,青果店で買ったこの「清美タンゴール」を初めて賞味するのだが,手に取ってみたらこのインチキ臭く怪しい「清美タンゴール」は皮がぶ厚くて非常に剥きにくいことが分かった.
 それでも無理やり剥いたら,中の袋が皮と癒着しているために全体がボロボロになってしまって,手はビショビショで賞味どころではなくなった.
 だが味はよかった.オレンジのように櫛形にカットして食べるとよいだろう.
 店頭で見かけて買ったかたは,櫛形にカットしてどうぞ.
 
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2026年3月23日 (月)

多分記事を編集中に居眠りをしたシュフーズのライターの体たらく

 記事のタイトルと本文が全く別物だという珍しいことをする間抜けメディアがある.
 あのシュフーズである.
 間抜けな記事とは《暴風雪警報 発令中に3名が登山を強行 吹雪で下山できず、自ら救助要請 ネットでコメント殺到「暴風雪警報級の嵐になると知っていたのになぜ強行した?」「無謀な行動して駄目になったら救助要請。あつかましいにも程がある。」》[掲載日 2026年3月23日] である.
 まずは記事のタイトルをスクリーン・ショットで下に掲載する.
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 次はこの記事の本文である.
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 記事のタイトルでは,暴風雪警報発令のさなかに三人が強行登山したものの吹雪で身動き取れなくなり,救助を要請したという事件のものである.
 ところが本文の内容は,福井県坂井市の三国港の立ち入り禁止区域に侵入して深夜につりをしていたベトナム人五人が波にさらわれたかして海に転落し,四人は救助されたが残る一人は行方不明になっているという事件である.
 記事を書いたシュフーズのライターは編集中に居眠りでもしていたのであろうか,二つの事件の記事を一緒くたにしてしまったのである.
 いつものこととはいえ,情けない.
 
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眼前で自由軒のカレーライスを再現する人たち /工事中

 キャリコネニュース《夫のカレーの食べ方に激怒する妻「本当にグッチャングッチャンに混ぜて食べます」外食で“カレー禁止”を言い渡す》[掲載日 2026年3月23日] から下に引用する.
 
「アレは本当にやめて欲しいです」

 一方、東京都の50代女性は、夫の食事マナーに耐えられないという。
「カレー店で本当にカレーとご飯をグッチャングッチャンに混ぜて食べます」
 確かに、カレーを混ぜて食べる人は一定数いる。しかし、一緒に食事をする相手が嫌がっているとなると話は別だ。女性は家では食事の時間をずらすなどして「見ても見ぬフリ」をしてやり過ごしていた。しかし、外食先でも夫のスタイルは変わらなかった。
 某カレーチェーン店に行ったときも「同じ事をやらかしてくれまして…一緒にお食事はごめん被りたい!と、怒りマークつきで外食でのカレーは禁止しました。アレは本当にやめて欲しいです」と書いている。
 
カレーを混ぜて食べる人は一定数いる》だが,上の記事の「カレー」はカレーソースのことではなく,米飯と一緒に食べるカレーライス (ライスカレーとも) のことだ.
 そして《カレーとご飯をグッチャングッチャンに混ぜ》たカレーライスは,大阪の難波に本店がある自由軒の名物料理だ.
 この自由軒のカレーライスを好む一部の大阪人たちは,自分ちの食事だろうがカレー屋さんであろうが,お構いなく《カレーとご飯をグッチャングッチャンに混ぜ》て食べる.
 これはもう彼らのカレーライスの食べ方の流儀みたいなものなのである.
 ただし,自由軒では《グッチャングッチャンに混ぜ》たカレーライスが客に提供されるのだが,これはこれでよろしいと思う.
 だがしかし,上の引用記事に登場する「夫」に類する人たちは,カレーソースと白飯が分けて皿に盛られているのに,これを自分みずからの手で丁寧に均一化する.
 そこが自由軒のカレーライスと似て非なるところである.似非自由軒だ.
 
 さてこの均一化作業を見ていると,一種の儀式のようだなあと思う.
 

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2026年3月20日 (金)

私に恥をかかせるな!は無能な権力者が使うパワハラ常套句 /工事中

 イザ!《「バカイチ」から「肺炎になれ」へ 前川喜平氏のX投稿が暴く高市首相と国民を見下す傲慢と言論の崩壊》[掲載日 2026年3月17日] から下に引用する.
 
元文部科学事務次官の前川喜平氏による高市早苗首相へのX上での執拗な攻撃が過激になっている。高市首相が体調不良になった際に「この際『急性肺炎』になって、訪米やめろ」(3月13日)と投稿し、SNS上で批判の的となった。だが、これまでの前川氏の投稿を振り返ると、この「肺炎発言」は決して突発的な失言の類ではないことが浮かび上がる。元政府高官としての政策批判という言論活動ではなく、人格否定や憎悪、蔑視が垣間見られる。
 
 華麗な経歴を持つ前川氏がなぜ…
 前川氏はかつて教育行政の頂点に立った人物だ。東大法学部卒業後、文部省(現文部科学省)入省。文科審議官などを経て2016年に文科事務次官に就任。文科省の組織的天下り問題で2017年に事務次官を引責辞任した。華麗な経歴を持つ前川氏が、なぜここまで暴走するのか。
 一つは、前川氏の経歴から生まれる「エリート意識」ではなかろうか。1月以降の投稿を見ると、高市首相を「『バカイチ』と呼んでいい」(1月21日)、「見るのが苦痛と言われた英語」(2月15日)、「せめて高市早苗よりは賢くなろうよ。ちょっと勉強すればいいんだから」(2月18日)などと、同じく高学歴(神戸大卒)である高市氏の能力をあげつらうかのような〝悪口〟が目立つ。(以下略)》
 
 上に引用した記事の筆者は産経デジタルiza編集部ライターの岡富日月という人だが,私は前川氏による高市首相への暴言にも,前川氏に対する岡富氏の批判のどちらにも与しない.
 しかし前川氏の《〝悪口〟》の理由に思いあたることがある.
 それは,前川氏が官僚時代に,他省庁の官僚が居並ぶ中で高市首相に面罵されたという新聞だか週刊誌だかのゴシップ記事である.
 しかしどういう状況で前川氏が高市首相に罵倒されたのか,詳細が思い出せないので検索してみた.
 ところがあれこれ試みても,そのゴシップ記事がヒットしないのである.
 元の掲載媒体のサーバーから削除されたのかもしれない.
 
 高市首相は,キレると言葉遣いが汚くなる.
 いわゆる「上から目線」で叱責するという.しかも関西弁で.
 東京あたり出身のひ弱な者は,敬語も丁寧語もへったくれもない本気の関西弁で罵られたら,かなり精神的にダメージを受けること間違いない.
 最近の例を朝日新聞《首相、赤沢経産相に「私に恥かかせるな」日米関税交渉めぐり》[掲載日 2026年2月27日] から下に引用する.
 
高市早苗首相が3月19日に予定する日米首脳会談を前に、中道改革連合の後藤祐一氏が関税をめぐる日米合意から後退しないよう政府の姿勢をただした。日米交渉にあたる赤沢亮正経済産業相は「日本が不利になることのないように対応していきたい。全力をあげて協議している」と述べた。
「総理、大丈夫ですか」と後藤氏がたたみかけると、高市氏は「私がトランプ大統領と堂々と渡り合えるように働いてくるのが赤沢大臣の仕事だ」としたうえで、背後に座る赤沢氏を振り返りながら「私に恥をかかせるな、と言ったよね」と念押しした。続けて高市氏は「というふうに言ったので、彼は一生懸命ラトニックさん(米商務長官)と交渉している」とした。
 
 動画もあるので下に紹介する.
 YouTube《高市総理「私に恥をかかせるな」赤沢大臣に 日米関税交渉めぐり(2026年2月27日)
 私たちの言葉には「ニュアンス」というものがあり,声の高低や強弱で感情を表現できる.
 上に紹介した動画を観ると,赤沢 (正しくは澤) 大臣に言った《私に恥をかかせるな、と言ったよね》には自分を支えてくれている大臣に対する感謝もリスペクトも感じられない.

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2026年3月14日 (土)

細菌感染部にとどまる抗菌剤

 高齢者および後期高齢者諸兄は「8020」という標語をご存じであろう.
 日本歯科医師会《「8020(ハチマルニイマル)運動」とは?》から下に引用する.

いつまでもおいしいものを食べ続けるための元気な歯は、日々の手入れから。
 1989年(平成元年)より厚生省(当時)と日本歯科医師会が推進している「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動です。20本以上の歯があれば、食生活にほぼ満足することができると言われています。そのため、「生涯、自分の歯で食べる楽しみを味わえるように」との願いを込めてこの運動が始まりました。楽しく充実した食生活を送り続けるためには、妊産婦を含めて生まれてから亡くなるまでの全てのライフステージで健康な歯を保つことが大切です。ぜひ「8020」を目指してください。》(引用文中の文字の着色強調は当ブログの筆者が行った)
 
80歳になっても20本以上自分の歯を保とう》が標語になったのは,昔の年寄りは歯が抜けて食事が儘ならぬものだったからである.
 
 しかし近年ではこの運動 (歯科に行くと大抵この標語のポスターが貼られている) の甲斐あってか,ほぼ半分の年寄りは自前の歯が20本残っている状態らしい.
 まあ,八十一歳を越すと男の半分は死んじゃっていて,さらにその五年後の八十五,六歳には爺さんたちはほぼ全員が死に絶え,世の中の年寄りは婆さんだけになる (平均余命の表をご覧あれ) わけで,この標語は実際上は女性に対して「生涯,自分の歯で食べる楽しみを味わいましょう」と呼び掛けているようなものだ.
 
 さて私の場合,親知らずを除く永久歯は全部まだ残っているのだが,一本を除いてすべて虫歯の治療がなされている.
 しかも奥歯二本の歯根には嚢胞ができていて,現在治療中である.
 そしてもし治療がうまく行かなければ,抜歯せざるを得ないと掛かりつけの歯科医さんに言われている.
 なぜ抜歯かというと,じつは昔,この二本の奥歯は歯根に嚢胞ができたために口腔外科で手術し,歯根を半分切除してあるのだ.
 それが三十年後に再発した (まれにあることらしい) というわけなのだが,再発嚢胞を完全に除去するには抜歯が選択肢となるという.
 掛かりつけの歯科医の先生によると,まずは残っている歯根の中をきれいにして薬剤を詰める再治療を行い,歯根の嚢胞が退縮するかどうかを見てみましょうとのことである.
 
 という状況なのだが,一昨日から奥歯二本の歯茎が腫れて痛くなった.
 たぶん歯根の嚢胞の影響なんだろうが,応急に歯科で薬を出してもらった (普通の歯科医院では,鎮痛剤と抗菌薬は院内処方が多いようだ).
 薬は二種類で,抗菌薬のジスロマックと鎮痛剤ロキソニンである.
 ロキソニンはお馴染みだが,私はジスロマックは初めて目にした.
 名称も初めて聞いたのだが,後で調べたらそれほど最近の医薬品ではなく,広く使われている薬だ.
 開発はファイザー社で,成分名はアジスロマイシンである.
 歯科の窓口で受けた指示は「一日一回,二錠を食後に服用し,翌日翌々日も同じ時刻に服用すること」というものだった.つまり服用の間隔は二十四時間を守りなさいということ.
 こうして合計六錠を服用すると,一般的な抗生剤を七日間服用したのと同じ効果があると歯科医院窓口の女性は言った.
 三日飲めば七日の効果があるのだが,どうしてこんなことが起きるかというと,アジスロマイシンの性質に関係している.
 Wikipedia【アジスロマイシン】から下に引用する.
 
アジスロマイシン (INN:azithromycin、略号:AZM) とは、15員環マクロライド系抗菌薬である。
 
 特徴
 アジスロマイシンは15員環マクロライド系抗菌薬で分子量こそ785.02と、14員環マクロライド系抗菌薬と大差無いものの、一般的な14員環マクロライド系抗菌薬とは異なり、ヒトにおいて半減期が長く、長時間体内に留まる特徴がある。ヒトに500 mgを投与した場合には、半減期は68.1時間であった。これは15員環に窒素原子が入っているという構造に由来すると言われる。エリスロマイシンの14員環に、窒素を導入して15員環に変えた化合物であり、窒素が入ったためアザライド(azalide)などと呼ぶ場合もある。》(引用文中の文字の着色強調は当ブログの筆者が行った)
 
 大学で有機化学の講義を受講する学生は,二十世紀最大の有機化学者であるロバート・バーンズ・ウッドワードの名を知ることになる.
 ビタミンB12などの合成法により1965年のノーベル化学賞を受賞したウッドワードが最後に手掛けていたのが,放線菌が生産する14員環マクロライドであるエリスロマイシンだ.
 マクロライドとは12以上の原子から構成される大環状のラクトンを有する有機化合物の総称であるが,そもそも「大環状ラクトンをアグリコンとする配糖体」をマクロライドと命名したのがウッドワードである.
 ウッドワード自身はエリスロマイシンの全合成完成を待たずに死去したが,彼のチームが後にこれを達成した.
 その構造式をWikipedia【エリスロマイシン】から引用する.

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 ファイザー社の研究者たちは,このエリスロマイシンの大環状ラクトン部分に改変をする研究を行い,生み出されたのがアジスロマイシンである.
 すなわちエリスロマイシンは天然物であるが,アジスロマイシンは合成抗菌剤である.
 その構造式をWikipedia【アジスロマイシン】から引用する.大環状14員環ラクトンに窒素原子が一つ導入されて15員環になっている.
 
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 ファイザー社が公表している資料によると,アジスロマイシンは血中だけでなく細菌感染部位に長く留まり,半減期間が長いという性質が臨床研究で見いだされた.
 抗菌性だけなら他にも優れた抗菌薬は多いが,服用回数が少なくても長時間有効だというのは確かにメリットなのだろう.
 適応症を調べると,歯周組織炎,歯冠周囲炎が
示されている.
 この記事の上のほうに《一昨日から奥歯二本の歯茎歯周組織炎 が腫れて痛くなった》と書いたが,これが奥歯の歯根嚢胞に存在している細菌による日和見感染と思われる歯周組織炎だ.
 さてこのジスロマックの用法について,調べてもよくわからない点が一つある.
 ウェブ上の薬剤師系あるいはクリニック系のサイトに「食後2時間以上の空腹時に服用する.服用後は次の食事を2時間以上控えること」との解説記事と「食後服用でよい」とする解説が混在しているのである.
 言い換えると「ジスロマックの吸収は食事の影響を受けない」と「ジスロマックの吸収は食事の影響を受ける (効果が低下する)」という対立見解があるのだ.
 どっちかわからぬので,私は食後二時間をおいて,空腹時に服用した.
 それでいいのか自信がない.
 
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2026年3月12日 (木)

もうアメリカ人は「真珠湾を忘れるな!」と言えなくなった

 今はもう後期高齢者である私が,まだ三十歳になりたてくらいの若い頃に,ハワイで「植物油脂に関する化学 (油脂化学)」の日米合同学術会議が開催され,私は参加するためにハワイに出かけた.
 このテの大きめの海外の学会大会というものは,観光地で開かれるのが常であるが,理由は簡単である.
 アメリカ人というのは,何をさておいても配偶者同伴が原則であるから,学会会員である夫が出席する学術会議には,必ずその妻が一緒にやってくる.(妻が出席する会議に夫がついてくるかはケース・バイ・ケースだ)
 その際,夫が会議に出席している間,妻はやることがなくてヒマなので,学会組織委員会は妻のためのプログラムを組む.
 そのプログラムには観光地のツアーと立食パーティの開催が常道なのである.
 日本の学会でも,昔から年次大会は観光地で開かれてきたが,これは学会参加者のためのホテルが必要だからである.
 学会期間中,立食パーティくらいは行われるが,観光ツアーは学会事務局の仕事ではない.
 観光したければ学会が終了したあとに自分で行けばよいからである.
 で,昔は日本は観光地として外国人に認知されておらず,国際会議は東京か京都など大都市で観光プログラムなしで行われるのが常だった.
 そのため,昔の日米合同の学術会議はアメリカ,特にハワイで行われることが多く,これが学会会員に好評であった.
 
 さて私が上述のハワイで開かれた学会に出席したときのこと.
 アメリカの学会事務局は,日本からの参加者のためにハワイ観光ツアーを用意していた.
 当時のハワイには,太平洋戦争に出兵したアメリカ兵士がまだバリバリ退役軍人で元気であったせいか,日本人向けのツアーには,必ず真珠湾の戦跡訪問が組まれていた.
 その時,私たち一行を案内してくれた日系人ツアー・コンダクタさんが言うには「真珠湾を訪れているほかのアメリカ人観光客や,アリゾナ記念館のガイドさんから,あの真珠湾奇襲攻撃について,卑怯だとか騙し討ちだとか詰問されても,決して反論しないでくれ」とのことだった.
 一般のアメリカ人,というより共和党支持者のアメリカ国民にとっては「東京大空襲や広島と長崎への原爆投下は正当な戦争行為であるが,真珠湾奇襲は国際法に反する卑劣な行為である」だという.
 その理屈に納得できずに,真珠湾攻撃に原爆投下を対置すると必ずトラブルになるから,相手の日本非難を黙って聞いてほしいと言うのだった.
 
 だが,ネタニヤフに言いくるめられたトランプは,イランとの交渉の最中にもかかわらず,イランを突然に奇襲攻撃した.
 革命防衛隊の施設と一緒に小学校も爆撃して子供たちを殺した.(子供たちを殺すのはネタニヤフの得意とするところだ)
 宣戦布告すれば正当な戦争であるが,宣戦布告しなかった (諸説あり) 真珠湾攻撃は卑怯な騙し討ちだというアメリカ人の 身勝手な 理屈はこれで崩れ去った.
 もうこれで,アメリカ人は「真珠湾を忘れるな!」と言えなくなったのである.
 
 トランプもプーチンも,宣戦布告すれば戦争だが,宣戦布告しなければただの軍事行動だと強弁するだろう.
 欧州諸国首脳がアメリカによるイラン奇襲先制攻撃を批判するなかで,日本はイランを批判するばかりでトランプ批判はしなかった.
 また高市首相は,訪米してトランプに「自衛隊をホルムズ海峡に派遣してくれ」と言われれば,OKするだろう.
 なぜなら高市首相は,トランプのポチだもの トランプの言いなりにならねば新たなトランプ関税が課されるだろうからである.
  
 自民党と維新の与党は,殺傷能力のある装備品の輸出を容認すると決めた.
 軍需産業はこれからの日本経済にとって重要な成長分野であるし,「日本を,望めば戦争をできる国にする」は高市首相のかねてより思うところでもある.
 最近のアメリカは,武器弾薬の消耗が激しく,日本が製造して輸出してくれればありがたい.
 そこでトランプに弾薬輸出を要請されたら高市首相はOKするだろう.
 なぜなら高市首相は,トランプのポチだもの トランプの言いなりにならねば新たなトランプ関税が課されるだろうからである.
 
 高市首相はこれからの成長分野として「造船」を挙げている.
 いうまでもなくこれは,トランプが空母や駆逐艦などの艦船製造に拍車を掛けると言明しているからである.
 これを受けて高市内閣は,衰退したアメリカの造船産業に成り代わって,トランプ政権に戦争協力するだろう.
 これが高市首相の政治家としての立ち位置だ.戦争だろうが人殺しだろうが何だろうが,経済は成長が第一である.
 そして高市首相を誕生させたのは他でもない日本の有権者である.
 
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2026年3月10日 (火)

使わなかった吉野家クーポン

 私は日々の買い物にはバスを利用している.
 横浜市民には「敬老乗車証」という制度がある.
 これは,年収に応じて費用を負担すると,一年間のバスを乗車回数無制限で利用できるというものである.
 バスの利用回数が少ない人は割高になってしまうが,横浜市内では市営バスや私鉄系バス網が発達していて,どこに行くにもほとんどバスで行けるから,私の場合は年におよそ八千円を市に納めると毎日バスに乗れる.しかも一日に何度乗ってもよいという極楽乗車証である.
 
 で,時折見かけるのだが,どう見ても高齢者ではない女性 (中年婦人とか茶髪女子大生っぽい女) が敬老乗車証を使ってバスに乗り降りしている.
 たぶん高齢者の祖父とか祖母の名義で敬老乗車証を購入し,それを家族で使いまわしているのだろう.
 若い女が敬老乗車証でバスを降りるなんて時は,当然バス運転手は「こいつは不正乗車だ」とわかるはずだが,何も言わない.
 ことを荒立てたくないので,見て見ぬフリをするのだろうと思われる.
 敬老乗車証制度があるおかげで,バス会社は売上の機会損失 (あくまで機会損失であって直接の損害ではない) を被っているのだが,横浜市当局はどう考えているのだろう.
 ちなみに,おっさんや若い男が不正に敬老乗車証を使用している場面は目撃したことがない.
 不正乗車するやつは必ず女である.
 しかし,不正だからどうだってのよと不正女に反撃されたら,いえ何も文句はありませんと私は答えるだろう.
 不正乗車女がバスを降りる不正目撃現場でそれを咎めても私には何のメリットもない上に,毎日これ無事に勤務したいと思っているバス乗務員の勤務査定に傷をつけることになりかねないからである.それは気の毒だ.
 
 さて本題.
 先日,藤沢駅の北口にある吉野家で飯を食ってレジで代金を払ったら,店員が三枚つづりの五十円引きのクーポン券をくれた.
 そのうちの二枚はクーポン券が利用できる料理が指定されているが,一枚は何を食ってもよいというものだった.
 暫くして,買い物をしたついでにそのクーポン券で昼飯を食った.
 すると今度は「翌日限定二百円割引券」をくれた.
 その前の三枚つづりクーポン券はちゃんとした印刷物だったが,この「翌日限定二百円割引券」は感熱プリンターで印刷したものであった.
 このクーポンはおそらく吉野家全体の営業企画ではなく,各店長の裁量で実施できる販促企画なのだろう.
 二百というと,定食についている味噌汁を豚汁にアップグレードしても釣りがくる金額だ.(この吉野家の豚汁はなかなかおいしい)
 私のようなヨボヨボにしおたれた年金生活老人にとって,二百円はうれしいサービスである.
 ここの太っ腹店長なかなかやるな,と思った.
 
 しかし翌日,財布に入っている「翌日限定二百円割引券」を眺めながら,二百円割引は豪勢だが,敬老乗車証がある交通費はタダだとはいえ,わざわざそのために往復一時間ほどバスに乗って出かけるほどのインセンティブにはならないなあと感じた.
 この吉野家の近所に住んでいれば,毎日でも「翌日限定二百円割引券」で豚汁付きの朝飯を食いにいくのだが.
 
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2026年3月 6日 (金)

数え歳の喜寿でぎっくり腰に

 つい先日,数え歳の喜寿を迎えて,長寿を自分で寿いでいたら,歳のせいではない体調不良で暫く寝込んだ.
 体調不良とは,若い時からのぎっくり腰である.
 上に「寝込んだ」とは書いたが,実は寝床で横になっていればよいというものでもない.
 ぎっくり腰の症状と対処は人によるのであり,ベッドで横向きに寝ているのが楽 (仰向けやうつ伏せは,多分というかきっとよくない) だという人もいるし,椅子に姿勢よく腰かけているのがいいという人もいる.
 要は腰の患部の炎症が激化しないように,「動かない」ことが肝心なのである.
 
 医者によっては「ぎっくり腰は,早く良くなりたければ動け」という人もいるが,ぎっくり腰になりたては,動きたくても動けないのである.
 ロキソニンなんかを服用しながら一日か二日は安静にしていなければいけない.
 この時に無理すると,取り返しのつかないことになる.
 姿勢がかたまってしまわぬよう,ソロソロと動けるようになってから,回復のため少し動くようにするのがよい.
 
 上に示したのがおよその医師のコンセンサスだが,上に「医師によっては」と書いたその例を挙げる.
 あいちせぼね病院《腰痛の専門医による安心アドバイス》の医師は下のようなことを言っている.
 
ぎっくり腰は安静にした方が良い?
 ぎっくり腰は痛みが強いのでついつい横になって休んでしまうことが多いですが、できるだけ安静にしない方が早く治ると言われています。
 たくさんの研究がありますが、「ぎっくり腰になった時に安静にしていたグループと、できるだけ普段通りの生活をしていたグループを比べると、痛いながらも普段通りの生活を心がけたグループの方が良くなることが多かった」ということが分かっています。》(引用文中の文字の着色強調は当ブログの筆者が行った)
 
痛いながらも普段通りの生活を心がけたグループの方が良くなることが多かった》とこの医師は言うが,それは「腰に慢性の痛みがある」といった程度の腰痛の場合である.(ただし《多かった》と曖昧にして逃げている)
 普段通りの生活が不可能なのが,ぎっくり腰なのだ.
 こういう医者は,一度自分がぎっくり腰にならなければわからぬのであろう.
 
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