日本経済はアベノミクスで低落し,サナエノミクスで崩壊する /工事中
ABEMA TIMES《「高市総理は自分たちを助けてくれる」金融マーケットと有権者の間に経済対策巡る認識ギャップ… 経済愛好家・肉乃小路ニクヨ氏が指摘「有権者は変化を望んだ」「ここからは実行力が問われる段階」》[掲載日 2026年2月21日] から下に引用する.
《衆院選では、積極財政という経済政策が有権者に支持されて自民党が圧勝した。選挙ドットコムの鈴木邦和編集長によると、有権者に行った調査で投資家や経済専門家などのマーケットと一般の有権者の間には、経済対策に対する認識にギャップがあったことがわかったという。
有権者に「物価高の原因は?」と質問したところ、1位が「戦争による原材料費高騰」、2位が「円安」との回答が。現在の物価高を誘発する原因は海外要因であり、これまで政府がとっていた低金利政策によるものではない、また「高市総理は積極財政で自分たちを助けようとしてくれている」という認識が多かったようだ。
この認識のギャップについて、ニクヨ氏は「かつての積極財政じゃない財政規律でうまくいっていたかというと、そうでもなかったところもあるので、やっぱり有権者は変化を望んだ。実際には、インフレ風で財政を吹かすと、物価高になってしまうかもしれないリスクはあるけれど、有権者は成長して賃金を上げていこうと判断したのではないか」と分析する。
また、現状について「ここから先どのような対策を打っていって、もしインフレが起こりそうになったらどういう対策を打っていくか、実行力が問われる段階なのではないか」と述べた。
そして、世間の高市政権への期待度は非常に高い。その点については「これは本当に重責だと思うので、有権者の気持ちをしっかりと受け止めて政治を行ってほしい」と要望した。》
自民党が圧勝した今回の衆院選は,いかに日本国民が経済の基本に疎いかをはっきりと示した.
ある海外メディアは「日本人は政策ではなく見た目でリーダーを選んだ」と衆院選を批評したがその通りである.
これに関して,高市首相の持ち物のバッグや筆記具が売れたという報道は,一部の日本女性の知的レベルを示している.
情けない限りだ.
それはともかく,肉乃小路ニクヨ氏とやらの《インフレ風で財政を吹かすと、物価高になってしまうかもしれないリスクはある》は,経済の基本知識があるのか疑わしい発言だ.
なぜならそもそも「インフレ風を吹かす」とは,政府が政策によって「インフレーションを意図的に引き起こそうとする,あるいはインフレ傾向を強めようとする」ことを指すからである.
すなわち《物価高になってしまうかもしれないリスクはある》どころか,政府が意図的に物価高を引き起こそうとするのが「インフレ風を吹かす」なのである.
ここで一つ注釈を入れると,政府が「インフレ風を吹か」してインフレに誘導したのに,効果が出ないことはある.
実例が例のアベノミクスだ.
論理が単純すぎるが,昔は,インフレになると国民は「これから先,カネの価値が下がるのなら今使ってしまえ」という消費行動に出るとされてきた.
安倍晋三は,いわゆるアベノミクス (2012年末~) における「異次元の金融緩和」として,1999年から続く「ゼロ金利政策」をさらに強化するとして2016年から「マイナス金利政策」を導入した.目的はデフレ脱却と2%の物価上昇であり.長期間にわたり金利は低下し続けた.
しかしこれが大間違いだった.
安倍晋三のような富裕層は,国民に「銀行におカネを預けていても目減りするだけだから,それならおカネを使いましょう」と誘導したのだが,日本人はそれほどラテン的ではなかったのである.
安倍が国民に「預貯金をいくら持っていても金利がつかないどころか,物価が上がればおカネの価値は目減りするから,消費しましょう,投資しましょう」といくら勧めても,日本国民の貯蓄性向は変化しなかった.
なぜか.
日本国民の強い貯蓄性向の理由は「買いたいものがあるから貯蓄する」のではなく「惨めな老後を過ごしたくないから老後資金を貯める」だからである.
「もし政府が言うとおりにおカネが目減りするのなら,減った分を補うために生活を切り詰めて貯蓄しよう」と国民は考えた.
あの「物価上昇を考慮すると老後資金は二千万円必要である」が国民の貯蓄性向に拍車をかけた.
安倍晋三が「インフレ風を吹か」せば吹かすほど,国民は消費しなくなり,老後資金の貯蓄に励み,経済は沈滞した.
若い人たちは「結婚して子供ができれば惨めな老後が待っている」と考えて結婚を諦めた.
こうして日本はデフレスパイラルと少子化に堕ち込んだのであった.
この現象はイソップ物語の「北風と太陽」そのままだった.
日本の経済成長は,「インフレ風を吹か」して国民の恐怖を煽ることではなく,「少しの老後資金でも安心して老後を迎えられる」という福祉政策が有効だったのに,金持ちの安倍晋三にはそれが理解できなかった.
貧しい国民の気持ちを,富裕な政治家たちは結局理解できないのである.
そしてこの経験に学ばず,性懲りもなく前轍を踏もうというのが高市首相の「責任ある積極財政」である.
毎日新聞《識者が危ぶむ首相の「過度な緊縮志向」発言 払拭できぬ市場の懸念》[掲載日 2026年2月21日] から下に引用する.
《高市早苗首相が就任後、初めて臨んだ施政方針演説は、「高市カラー」を前面に押し出す内容となった。その焦点をどう見るべきか、識者に聞いた。
日本総研主席研究員・河村小百合氏
日本の財政状況を示す表現として「過度な緊縮志向」といった言葉を使う高市早苗首相の現状認識から問題を感じざるを得ない。「マーケットからの信認を確保していく」と語るが、このような認識のもとで財政運営を進めるのであれば、市場の懸念は払拭(ふっしょく)されない。首相就任以降、財政悪化懸念から金利が上昇し、円安が進んだことの意味を真剣に受け止めていないのではないか。
「成長」を語る上での認識も正しいものではない。日本の技術革新力や労働の効率性などを「他国と遜色ない」と評価するが、非製造業のIT化などは遅れている。経済成長に必要な最も大きな要素は人口だが、人口減少の問題にあまり触れていない。それで、投資さえすれば経済成長につながるかのように語るのは、カネの力、政府の力を過信している。産業政策は投資だけでは成功しない。
必要な予算を可能な限り当初予算で措置するという構造改革の方針は評価する。投資を進めるための複数年度予算の推進についても、毎年度の収支目標を立てれば問題ない。ただ、高市内閣が収支への目配りができるかは疑問だ。首相は「財政規律にも配慮する」と強調するが、財政健全化の指標となる国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)に全く触れなかったのにも驚いた。
消費減税については、超党派の国民会議で今後議論していくということだが、演説で責任を持って財源についても語るべきだった。》
高市首相は「今後の経済成長に必要なものは国内投資である」として以下の17分野を列挙した.
AI・半導体,造船,量子,バイオ,航空・宇宙,デジタル・情報安全,コンテンツ,フードテック,資源エネルギーGX,防災・国土強靱化,創薬・先端医療,核融合,重要鉱物,港湾ロジスティクス,防衛,情報通信,海洋
これらの産業分野を,減税措置や直接投資などで育成していくというのだが,上記の河村氏は《投資さえすれば経済成長につながるかのように語るのは、カネの力、政府の力を過信している。産業政策は投資だけでは成功しない》と批判している.
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