藤沢駅北口のデニーズにて
コロナ禍が始まって以来,私は外食店で食事するのをやめてしまった.
若い人ならコロナに感染しても回復することがほとんどで,後遺症が残ることは少ないだろう.
しかし私ら老人は,呼吸器感染したら高率で命取りになる.
だから私は,ワクチンを接種した上でさらにマスク着用と手指の丹念な洗浄を行い,そして人ごみに出ないことを心掛けた.
その甲斐あってか,今日もつつがなく日常生活を過ごしている.
だが,実はコロナの流行は終息どころか収束もしていないのであるが,一時期よりは感染リスクは低くなったと考えていいのだろう.
そこでそろそろ外食してみようかと考えた.
先日,藤沢駅北口の銀座通り商店街にある大島薬局に滅菌ガーゼを買いに行った.
そのついでに,この通りの店で昼飯を食おうと考えた.
ラーメン,海鮮,カレーなど色々ある中で,特に理由はないが デニーズ藤沢北口店 に入った.
この店は昔からこの通りにあるが,私は初めてである.
ドアを開けて中に入ると,レジにいた兄ちゃんに人数を訊かれたので「一人」と答えた.
兄ちゃんは私を奥のほうの席に案内し,テーブルに置かれているタブレットを指さして「注文が決まりましたらそれで注文をしてください」と,聞き取れないくらい小さな声で言った.
そして厨房のほうへ行ってしまった.
最近の若者は赤の他人と会話するのが死ぬほど嫌いだとの指摘を,ウェブ上の雑文でよく目にする.
例えば,営業部に配属された新入社員が,取引先からかかってくる電話を絶対に取ろうとしないので,「電話に出なかったら営業にならんじゃないか」と叱責したら退職してしまった,などという話だ.
実は私自身がそういう人嫌いなタイプの人間であり,初対面の相手と会話するのが嫌いだから,彼ら若者の気持ちがちょっと理解できる.
ほんとは接客のバイトなんかしたくないのだが,生きていくために止むを得ず「注文が決まりましたらそれで注文をしてください」と小声で言わねばならぬ彼らに私は同情する.
昔から飲食店の従業員は,「注文した料理がこない」とか「注文しない料理がきた」などの客とのトラブルに悩まされてきた.
それが今では小声でいいから「注文が決まりましたらそれで注文をしてください」と言えばノートラブルで済むようになった.
タブレットを使うオーダー・システムや,客が自分のスマホでオーダーするシステムが飲食店業界に定着したおかげで,接客が苦手な若者でも接客のバイトに就くことができるわけで,こういう社会の変化を,私ら年寄りは甘受しなければいけない.
昔ながらの,口頭で「鶏唐揚げ定食,ご飯は並盛で」と注文するのが好きな爺は,そういう店を探せばいいだけである.
で,私はタブレットで 日替りワンプレートランチ (おろしハンバーグ&ベーコンほうれん草) [900円(税込990円)] を注文した.
料理が来る前にドリンクバーに行ったのだが,中国茶のベンダーマシンが壊れていて,二種類あるはずなのに一種類しかでなかった.
コーヒーのマシンの周りはこぼれたコーヒーでぬれていた.
ソフトドリンクはカルピスとかカルピスソーダがあったのだが,ボタンを押すと炭酸水が勢いよく出るもんだから,グラスがビショビショになった.
ウーロン茶やカルピスソーダなどのグラスを席に運ぶための小さなトレイが置かれていたが,手に持ったらベトベトだった.
このデニーズでは,客が使ったトレイを洗わずにそのまま積み重ねているらしい.
汚れていないトレイを見つけ出して,私はグラスを載せて席に戻った.
しばらくすると,フロア担当の兄ちゃんが料理を持ってきた.
小声で「ご注文はこれでよろしかったでしょうか」と言うと,厨房へ去って行った.
兄ちゃんが持ってきたワンプレートランチ (おろしハンバーグ&ベーコンほうれん草) を見ると,これがまあ貧相で驚いた.
おろしハンバーグは,普通のハンバーグより二回り小さな大きさで,ギャル曽根さんなら一口で食べてしまうサイズだった.
ベーコン&ほうれん草は,副菜というより箸休め程度の量だった.
ライスは,コンビニおにぎりよりも小さかった.
一言で言うなら,小学校低学年の給食くらいのランチであった.
今時のファミレスでは,税込990円ではこんなものしか食べられないのか.
これはコロナ禍以後の食料品暴騰の結果だろうが,同じ藤沢駅北口にある大衆中華屋「渓源」の「鶏肉の唐揚げランチ」(税込980円) は,おかずもご飯も,デニーズのワンプレートランチの三倍量だ.
こんなにファミレスのコスパが悪いとは想像していなかったので正直がっかりした.
もうデニーズには行きません.

| 固定リンク

最近のコメント