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2026年1月12日 (月)

米バブル

 テレビでもウェブのコンテンツでも,昨年末には「年が明けると米価格が大幅に下落する見込み」との観測を一斉に流した.
 JAなどの卸業者が昨年産 (2025年産) 米の在庫を抱えており,そういつまでも精米価格の高止まりを維持できないからだというわけだ.
 ところが一月になっても依然として精米価格は最高値を更新している.
 なぜだ.
 
 政府発表データにしてもその他のデータでも,スーパーにおける販売価格は報道されているが,販売数量はリアルタイムでは不明である.
 これは「売上」に直結するデータなので,いわば企業秘密だから仕方ない.
 しかしテレビ報道の画面を観る限り,卸業者の倉庫には昨年産米の袋が積み上がっている.
 業者としては,販売数量が減少したまま年度末に突入するのは死んでも嫌なはずだ.
 だから本来なら価格を少し下げてでも販売数量を増やしたいのだが,事実として逆に末端価格は上がり続けている.
 
 このような異常な状況が昔あった.
 いわゆる「狂乱物価」である.
 当時のことを高齢者諸兄はご記憶かも知れない.諸物価が暴騰したために諸々の商品の販売数量は実際には落ち込んだが,それでもなお価格上昇は止まらなかった.
 この時は,流通業者間で帳簿上だけの取引を行うことによって,倉庫の中のブツは全く動かないのに見せかけの売上は見事に立てられたのであった.
 後で私たち消費者は知ったのであるが,このインチキは,下は日用消耗品から上は石油元売りによるガソリン販売に至るまで行われた.
 さらにはバブル経済の中で,不動産の「転がし」による土地価格上昇もこのカラクリで行われた.
 いま精米価格高値更新の報道をテレビニュースで見ていると,あの頃のインチキのこと思い出す.
 
 だがインチキは,いつまでもは続かない.
 JA幹部から「政府は25年産米を備蓄米として買い上げるべきだ」という声が上がっているのは,もうこれ以上の転がしは無理だ,実需が必要だ,ということなのだろうか.(政府は26年産米から備蓄を再開することにしている)
 
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