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2025年11月 3日 (月)

公明党が連立内閣を解消した理由は

 デイリースポーツ《「news23」小川彩佳アナ「高市総理に問いたい」トランプ核実験の投稿→「まだノーベル平和賞に推薦するのか?」 斎藤准教授「総理がトランプさんに言えるのか?」》 から下に引用する.
 
30日のTBS「news23」では、高市早苗首相がAPEC出席のため韓国に入り、日韓首脳会談が行われたことや、注目の米国・トランプ大統領と中国・習近平国家主席のトップ会談が行われたことなどを伝えた。
 番組では、日米首脳会談の直前にはトランプ氏がSNSに、国防総省に対して他国と同等基準で核兵器実験を開始するよう指示したと投稿したことも伝えた。
 出演した東大准教授の斎藤幸平氏は「核の脅威がますます増している。被爆国である日本としてはしっかり反対をしていかなければいけないですけど、高市総理がトランプさんに言えるのか?」と指摘した。
 小川彩佳キャスターは「こうした発言を受けてもなお、ノーベル平和賞にトランプ氏を推薦するのかどうかと、高市総理には問いたいと感じます」と語った。》(引用文中の文字の着色強調は当ブログの筆者が行った)
 
 私は小川キャスターと同じく核兵器,核兵器実験に反対する考えを持っているが,しかし《こうした発言を受けてもなお、ノーベル平和賞にトランプ氏を推薦するのかどうかと、高市総理には問いたいと感じます》という発言はおかしいと思う.
 なぜなら,高市首相は「アメリカの核兵器実験は世界平和をもたらす」と確信しているからである.
 トランプが核兵器実験開始を国防総省 (トランプは「戦争省」と呼んでいる) に指示したのであれば,高市首相は,それならなおのこと《ノーベル平和賞にトランプ氏を推薦する》と言うに決まっているからである.そしてそれは高市首相の持論である.
 
 トランプと,そして死んだ安倍晋三元首相と同様に「自由と法の支配による平和」ではなく,「力による平和」が彼女の信念だ.
 ただし,高市首相は日本の核兵器製造を目指しているわけではない.
 それは既に多くのメディアが報じているように,まずは「非核三原則の見直し」である.
 日本経済新聞《非核三原則「持ち込ませず」 自民が議論へ、高市氏 ウクライナ侵攻》[掲載日 2022年3月6日] から下に引用する.
 
自民党の高市早苗政調会長は6日のフジテレビ番組で、非核三原則のうち「持ち込ませず」の規定について党内で議論すると言及した。ロシアによるウクライナ侵攻を踏まえ、有事の際に例外として日本の領域に持ち込む可能性を話し合う必要があると訴えた。
 非核三原則は核兵器を「持たず、つくらず、持ち込ませず」とうたう。高市氏は「核兵器を搭載した米国の艦船が日本の領海を通過しても領空を飛んでもだめという議論まである。核抑止力が全く機能しないと言っているのと同じだ」と主張した。
 自国の領域に米国の核兵器を配備し共同で運用する「核シェアリング(共有)」政策についても発言した。政府が年末の改定をめざす外交・防衛の基本方針「国家安全保障戦略」に核共有政策に関する記述を検討すべきだと強調した。
「安保戦略の議論にタブーがあってはいけない。よその国を完全にあてにしていては国民の命は守れない」と話した。
(以下略)》(引用文中の文字の着色強調は当ブログの筆者が行った)
 
 日本の非核三原則は建前と事実を使い分けることの典型であった.
 沖縄と本土の米軍基地に核兵器があるか否かは不明だが,少なくとも横須賀などに寄港する米軍艦船が核兵器を搭載しているのは公然たる秘密であった.
 そうでなければ抑止力にならない.
 しかし日本政府は「唯一の被爆国」という外交カードを国連等の場で使用したい.
 そこで登場したのが非核三原則であった.
 Wikipedia【非核三原則】はこれを次のように説明している.
 
非核三原則とは、核兵器を「持たず、作らず、持込ませず(持ち込まさず、持ち込ませず)の三原則を指すもの。
 1967年(昭和42年)12月に内閣総理大臣の佐藤栄作によって表明された『核は保有しない、核は製造もしない、核を持ち込まないというこの核に対する三原則』。1964年の中国の核武装を受けて、日本の核武装を主張していたはずの佐藤が1968年1月に国際的な核の脅威に対しては、「日米安全保障条約に基づくアメリカの核抑止力に依存する」と答弁している。背景には当時の一部自民党支持層にもアメリカ管轄下として核兵器の持ち込みが自由にされていると考えられたことで、核兵器が配置されたままでの小笠原諸島や沖縄など返還へ反対意見があったからである。沖縄返還を控えた1971年11月には、非核三原則を守るべきとする衆議院決議が採択され、歴代政権は表向きのみ三原則を堅持する立場を取ってきた。ただし、実態は冷戦下の安全保障の実務においては無いものとされ、非核三原則以降も日本へのアメリカの原潜などの寄港・通過・補給が行われてきた。そのため、日本による核兵器の直接的保持・生産はされていないものの、アメリカの核の傘を利用するため、日本政府のスタンスは1971年以降どの政権も「日本独自の核武装や敵の自国国土侵略時に使用可能な戦術核の共有はしない」「非核三原則を守るのか、国民の命を守るのかという厳しい状況になった時、この判断を時の政権がして、議論自体は縛ってはいけない」という具合になっている。
 
 返還前の沖縄には核兵器が配備されていた.
 しかしそれでは国民世論も自民党内のいわゆるハト派も沖縄返還を認めない.
 そこで佐藤栄作が編み出したフィクションが非核三原則だったというわけである.
 高市首相はこのフィクションのうち「持ち込ませず」が事実でないことを明らかにし,日本国民に対して「日本はアメリカの核兵器の抑止力によって国防の基本戦略とする」ことを改めて自覚させようというのである.
 とすると当然,アメリカの核戦力がロシアと中国よりも優越していることが必要になる.
 中国はともかく,対ロシアではアメリカの核戦力はやや劣っているのが現状で,トランプが核実験を再開すると述べたのは,ウクライナなどに対するプーチンの領土的欲望に対抗する必要があるからだ.
 高市首相としても,対中国戦略上,アメリカの核戦力が増大することは大歓迎である.
 高市首相にとって,トランプがアメリカの核実験再開を指示したことは,ノーベル平和賞に値するのである.
 従って,冒頭の件に戻ると,小川キャスターが《こうした発言を受けてもなお、ノーベル平和賞にトランプ氏を推薦するのかどうかと、高市総理には問いたいと感じます》という発言はおかしいと思う.
 核実験再開がノーベル賞推薦に値すると確信しているからこそ,高市首相は「推薦する」と公言したのである.
 もし小川キャスターが,高市首相の「平和についての認識」を問うのであれば,ノーベル賞云々という些末なことではなく,「力による平和」の是非を正面から問うことが必要だ.
 
 さて,高市内閣は外交スタートから各方面からの評判がよく,長期政権になる様相を呈してきた.
 だとすると,高市首相はこれから非核三原則の修正あるいは放棄に手を付けるだろう.
 おそらく公明党は,これあるを予想して自民党との連立内閣を離脱したのではないか.
 なぜなら,国会の場で佐藤内閣に非核三原則の堅持を求めたのは,公明党が最初だった (当時は竹入委員長) からである.
 公明党はそれ以来の「平和の党」という党是からして,絶対に高市内閣による非核三原則放棄に賛成するわけにはいかないからである.
 
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