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2025年11月29日 (土)

万世書房閉店す

 集英社オンライン《秋葉原・万世書房、74年の歴史に幕 90歳店主が語った“閉店の本音”「売れないんだもん」》[掲載日 2025年11月29日] から下に引用する.
 
秋葉原駅の電気街口を出てすぐ、専門店街であるラジオセンターの古びた通路を進むと、昭和の面影を色濃く残す小さな書店「万世書房」がある。電気・通信・無線・技術書を扱う専門書店として、1951(昭和26)年の創業以来、74年間この場所で営業を続けてきた。そして2025年12月、ついにその歴史に幕を下ろす。
高度経済成長の追い風もあり、昭和50年代?バブル期にかけて、技術書の需要は拡大。店は最盛期を迎える。
(中略)
「店開ければ売れてたね。今みたく、ラジオセンター全体もこんな空いてなくて、通路を通るだけでも大変なぐらい人がいたよ。マイコン雑誌が出始めた頃でね。とにかく、毎日すごかった」
 雑誌や技術書は飛ぶように売れ、多いときには「月500万円以上」の売り上げがあったという。専門系の店がひしめき合い、“電気の街・秋葉原”として全盛を誇った時代だ。当時店を訪れた若者が、その後大手電機メーカーに就職し技術者として活躍したという話もSNS経由で伝わっている。
 
閉店理由を赤裸々に告白「売れないんだもん」
 しかし時代は変わる。平成の初期を過ぎたあたりから徐々に売上は落ち始め、インターネットやECサイト、電子書籍の台頭も加わり、状況は厳しさを増した。
(中略)
 取材の最後に、店を続けてきてのやりがいを尋ねた。
「生活かかってるからね。いいの悪いのって言ってらんない。お金があったらやめちゃうわよ。そもそもだってあたし、90だからさ。かわいそうじゃない?(笑)」
 そう言って笑う表情は、疲れ切ってもいなければ、感傷的でもなかった。ただ、日常の一コマとして世の中の流れを受け入れているようだった。
 閉店を発表してから届くさまざまな声について、和子さんはこうつぶやいた。
「みなさんの役に立っていたのかな」
 本が売れなくても、街が変わっても、74年ここで灯りを消さなかった。その事実だけで十分に価値がある。秋葉原の歴史の陰には、こんな店があったという記録を、いつまでも覚えていたい。
 
 秋葉原のラジオセンターや東京ラジオデパート,それから街のあちこちにあったジャンク屋に客が多かった時代,私も土曜日曜になると秋葉原電気街を歩きまわった.
 偶々RCAとかテレフンケン製真空管の美品が管球屋に出ていると,小躍りするようにして買い求めた.
「音が良い」と評判の抵抗器やコンデンサーをあちこち探して購入したあとは伝説的喫茶店「古炉奈」に入り,万世書房で買った書籍を読んだものだ.
 私はその昔,万世書房で買った本を何冊も,捨てずに今も書架に並べている.
 中でも故浅野勇氏の遺した名著「魅惑の真空管アンプ その歴史・設計・製作」は今でもたまに読み返したりしている.
 管球アンプの本は数多いが,「管球アンプの価値はその容姿である」ということを世に知らしめたのは浅野氏であった.
 
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 かつての「秋葉原電気街」はいまや見る影もない.
 万世書房で本を買い,アンプやコンピュータの部品集めに熱中していた青少年たちはいまどこにいるのだろう.
 
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