人間って変わらない
東スポWEB《豊田真由子氏 参政党の街頭演説会デビュー戦でヤジ洗礼「違うだろ!」》[掲載日 2025年10月2日] から下に引用する.
《……
豊田氏は自民党の衆院議員だった2017年に「このハゲーーッ! 違うだろ!」と秘書への暴言で、お茶の間を震撼させ、事実上、政界から追放された。
コメンテーターを務めていた中、参院選後に参政党の神谷宗幣代表から入党を打診された。当初は断ったというが、粘り強い説得に永田町への復帰を決意。先月、ボードメンバー兼政調会長補佐の要職に就任していた。
「ここに出てくるにはすごく勇気がいた。8年前に本当に大きな大きな失敗をして、本当に申し訳ないと思って、未熟さ、いたらなさを恥じ入りながら生きてきた。ずっと下を向いて、マスクをして、隠れて生きてきた」と謝罪した。
「参政党こそが究極の民主主義の形」と絶賛した豊田氏は「これから一緒に頑張らせていただきたい。いろんなことを教えてください。おしかりもください。皆さんが大事な一人ひとり仲間です。私が一番新入りです。仲間に入れてくれてありがとう!」と最後は大きく声を張り上げたが、アンチからは終始「違うだろ!」のヤジが飛んでいた。》(引用文中の文字の着色強調は当ブログの筆者が行った)
豊田真由子さんは元厚生労働省の官僚である.
厚生労働省は国民の健康と福祉に寄与することを目的としている.
国民福祉を進める政治は,人を人として尊重する心が根底にある.
そしてその心は日本国憲法によって担保されている.
厚生官僚は,国民を人として尊重し,その健康と福祉に奉仕する公僕であらねばならない.
人を人として尊重するということは,人を様々な理由で差別することの対極にある.
差別には色々あるが,外見を理由とする差別はもっともプリミティブな差別の一つである.
元厚生官僚,豊田真由子さんの《このハゲーーッ!》は,彼女の卑しい心根を噴出させた罵り言葉であるが,頭髪の多寡をもって罵るという彼女の感性が,「お前のかあさんデーベソっ」という幼稚園児並みに余りにもプリミティブなので,何だか悲しくなる.
余りにもプリミティブ,つまり彼女は生まれ持っての差別主義者なのであろう.
差別主義者である豊田さんが厚生官僚になってしまったのは,何かの間違いなのではないか.
こういう根っからの差別主義者が,国家主権を基礎とする帝国憲法への復古を標榜し,反民主主義の旗を掲げる参政党に参画するのは必然だ.
自由と平等を保障する政治システムとして民主主義は発展し,逆に差別主義と反民主主義が通底してきたのは歴史的事実である.
それは参政党が,差別主義者であるトランプ大統領の反民主主義政策,反グローバリズム政策,反科学主義政策を信奉していることからもわかる.
時事通信《参政代表、予算委デビュー トランプ氏懐柔へWHO脱退提唱》[掲載日 2025年8月5日] から下に引用する.
《参院選で躍進した参政党の神谷宗幣代表が5日、参院予算委員会の集中審議で質問に立った。国会の花形とされる予算委での同党の質問は衆参を通じて初めて。神谷氏は米国から関税引き下げを勝ち取るため、世界保健機関(WHO)脱退などトランプ大統領と他分野で足並みをそろえてみてはどうかと提案するなど、独自の議論を展開した。》(引用文中の文字の着色強調は当ブログの筆者が行った)
トランプは拝金主義者である.
カネのためなら,日本や韓国や台湾などかつての同盟国を裏切るくらいのことは平気でやる.
現在のアメリカ政府は,一銭の得にもならぬ海外諸国への援助を次々に停止している.
さらにまたトランプは,国連機関への資金提供を蛇蝎のごとく嫌っている.
中でもWHО脱退はトランプの反グローバリズムを象徴する行為だ.
参政党はトランプ式の反グローバリズムを掲げているから,予算委員会における質問でも,政府にWHО脱退を提案したわけだ.
参政党の幹部となり,いずれ衆院に議員として復帰を目論んでいる豊田真由子さんは,これからWHО脱退を主張していくことになる.
しかし,豊田さんのかつての同僚たちは今でもWHОの活動に真摯に取り組んでいるはず.
その人たちを裏切って豊田さんは,これから参政党の反WHО活動を推進していくのである.
恥ずかしいと思わぬのだろうか.
いや豊田さんが掲げた反グローバリズムは《このハゲーーッ!》と通底しているのだと私は思う.
人間て変わらないものだなあ.
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