因果は巡る糸車
昨夜放送された日本テレビ《ザ!世界仰天ニュース 2SP》は「大韓航空ナッツ・リターン」が題材だった.
この事件が韓国の世間を騒がせたのは2014年だったから,それからもう十年余が経ったわけだ.
Wikipedia【大韓航空ナッツ・リターン】の冒頭から少し引用する.
《大韓航空ナッツ・リターン(だいかんこうくうナッツ・リターン)は、2014年12月5日、ジョン・F・ケネディ国際空港で離陸のため滑走路に向かい始めた大韓航空86便(エアバスA380)で、ファーストクラスの乗客として乗っていた大韓航空副社長(当時)趙顕娥(チョ・ヒョナ)が機内提供のナッツを発端に客室乗務員に対してクレームをつけ、旅客機を搭乗ゲートに引き返させた(ランプリターン)うえでチーフパーサー(機内サービス責任者)を86便から降ろし、運航を遅延させた事件である。》
番組では,この事件で有罪となったチョ・ヒョナの母親であるイ・ミョンヒ (当時の大韓航空会長夫人) が起こしたパワハラ事件も紹介された.
それはイ・ミョンヒが専属運転手に常習的暴行をしたというものだ.
五年前の聯合ニュース《「ナッツ姫」母に控訴審も猶予付き判決 運転手ら暴行》[掲載日 2020年11月19日] から下に引用する.
《大韓航空を中核とする財閥、韓進グループの故趙亮鎬(チョ・ヤンホ)前会長の妻で、運転手らを常習的に暴行した罪に問われた李明姫(イ・ミョンヒ)被告に対し、ソウル高裁は19日、懲役2年、執行猶予3年(求刑懲役2年6カ月)を言い渡した。
李被告は、大韓航空機内で客室乗務員のナッツの出し方に怒り滑走路に向かっていた機体を引き返させ「ナッツ姫」と呼ばれた趙顕娥(チョ・ヒョナ)大韓航空元副社長の母親。2011年11月から18年4月まで、運転手や警備員ら自宅で働く9人に対し、約20回にわたり声を荒げて暴言を吐いたり暴行を加えけがを負わせたりしたとして、起訴された。
一審で懲役2年、執行猶予3年、社会奉仕80時間が言い渡された。李被告は判決を不服とし、控訴した。》
昨夜の《ザ!世界仰天ニュース 2SP》では,イ・ミョンヒの実際の暴言を録音した音声データと再現VTRが放送された.
このシーンで私は,あの豊田真由子さんの「このハゲー!」暴言事件 (2017年) を想起した.多くの視聴者も思い出しただろう.
この事件の詳細は Wikipedia【秘書へのパワーハラスメント】に譲るが,豊田さん自身は,この事件は秘書 (元週刊誌記者) による謀略だったと示唆している.(神戸新聞NEXT《「このハゲ~」騒動の裏に隠された真実とは 豊田真由子が解説、選挙と政治のリアル<後編>》参照)
大韓航空ナッツリターンも,豊田真由子さんの事件も,昔の話になりつつある.
豊田さんは神戸新聞NEXTの記事の中で《政治的にも、社会的にも、そして、人生そのものから、私という人間の「息の根」は、止められました》と述べているが,いやいやどうして豊田さんは息を吹き返し,先日 (9/8),参政党役員と政調会長補佐に就任した.
次の衆院選では立候補が予想されるが,参政党の神谷代表には元秘書をパワハラで自殺に追い込んだというメディアの記事がある.(デイリー新潮《「神谷代表に詰められ、声は震えていた」 参政党元女性秘書を自殺に追い込んだ“パワハラ的言動” 告発した元スタッフには「訴訟で口封じ」か》参照)
豊田さんは国民の厚生政策レベル (ワクチンに対する見解等) では神谷代表と正反対の立場なのだが,にもかかわらず参政党に参画するということは,同党のパワハラ体質に惹かれるものがあるのだろうか.
豊田さんは自身のパワハラ行為で政界を追われ,今またパワハラ政党に請われて政界に復帰した.因果は巡る糸車か.
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