昭和がまたひとつ
夜のNHKニュースで,橋幸夫の訃報を知った.
テレビを視聴していると,昭和歌謡博士ちゃんとかが登場して,得意げに彼らの「昭和歌謡」をアピールしているし,「昭和の歌姫」などと題した番組も時々放送されるが,そういった「昭和歌謡」からは戦前,戦中そして昭和三十年代のヒット曲がすっぽり抜け落ちている.
今の流行りことばの「昭和歌謡」は結局のところ,山口百恵や中森明菜ら以降のアイドルたちが歌った楽曲のことである.
そういう「昭和歌謡」とは無縁に,橋幸夫と同じ戦後を生き,そして今は古びた洗濯機をゴトゴト回しながら「いつでも夢を」を口ずさむのは,もはや私たち後期高齢者だけになった.
ならば年寄りとしては,カラオケで「昭和歌謡」を歌う青少年たちに,彼らが一度も聞いたこともない,橋幸夫の時代の昭和歌謡を怒涛のごとく歌い浴びせてみたいものだ.
「南の花嫁さん」「旅の夜風」「喜びも悲しみも幾年月」「喫茶店の片隅で」「黒百合の唄」etc.
「いつでも夢を」も「昭和歌謡」からこぼれ落ちて忘れられた歌だろうと思うと,しみじみとせざるを得ない.
五木ひろしは私と同世代であるが,五木は橋幸夫逝去の報に触れて「憧れの歌手としてずっと歌を聴き姿を見てきました」と悼んだ.
同じ思いである.合掌

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