トランプのせいで日米同盟は風前の灯だ
昨日,自民党総裁選候補者五人による討論会 (主催はニコニコ生放送) が行われた.
その一部を伝えた今朝のNHKニュースによれば,対中国政策について小泉農相は次のように述べた.
《中国で北朝鮮,ロシア,この3首脳がそろい踏みになった,あの光景を見て,日本の安全保障環境は大丈夫だろうか,多くの人が感じるだろうと思います.… トランプ大統領が日本に来日するかも知れない.同盟国として揺るぎない抑止力を,中国も含めて地域全体に見せつける必要がある》
林官房長官,茂木前幹事長の二人は,中国が大きな貿易相手国であることは考慮しつつ言いたいことは言う,という是々非々の柔軟姿勢だ.
高市前経済安保相は,林,茂木両氏と似たような見解を述べたが,これは国民の誰も信用しない.
高市氏は,総裁選前だから靖国参拝の件に触れぬようにしているが,これは姑息だ.
すなわち仮に総裁に当選したら,断固として靖国参拝を続けると宣言するだろう.
靖国参拝は高市氏のウルトラ保守政治家としての信念であるから,中国が対日強硬姿勢に転じ,さらには尖閣で衝突が起きようが高市氏は信念を絶対に曲げないはずだ.
中国に絶対に屈しない高市氏は,あえて今回の討論会では林,茂木両氏と異なり,中国政策として国防の観点を強調した.
さて,小泉農相が,トランプはビジネスマンであって国家指導者ではないという点を見誤っているのが大きな問題である.
トランプが来日するとしたら,その目的は対日ビジネス以外にない.
トランプはカネにしか興味がない.
日米同盟というか,日米安全保障条約の理念と目的には何の関心もない.
だからトランプの持論は「アメリカに守って欲しければ日本はカネを払え」なのである.
具体的には,来日したら,戦闘機その他の軍事装備品をアメリカから買うことと,アメリカ軍基地の運用コストを負担することをトランプは要求するだろう.
同時に,これに加えて先に石破内閣がトランプに約束した巨額で見返りのない対米投資 (「協賛金のようなものだ」とトランプは言った) を先払いしろと訪日して要求するだろう.
そういう屈辱的な要求に対して,対米ネゴシエイション経験のない小泉新総裁は抵抗できない可能性が高い.
とてものことに《同盟国として揺るぎない抑止力を,中国も含めて地域全体に見せつける》どころか,日米同盟が風前の灯であることを世界に知らしめてしまうに違いない.
私たち国民は,トランプを信用しているらしい小泉農相の「お人よし」が心配である.
それはそれとして,高市氏が総裁になったら,平和勢力であることを標榜している公明党は連立を離脱すると,斉藤代表が明らかにしている.
そうなったら高市氏は参政党と連立するしかない.
参政党はトランプの模倣がウリだから,いよいよ中国との関係は緊張の方向に進む.
そうならぬように,つまり高市氏が総裁にならぬように公明党が陰で動くとみられている.
ここは公明党に期待するしかない.

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