日刊スポーツの「切り取り方」はよくない
日刊スポーツ新聞《ビートたけし「やめんの? なんだい!」自民党が参院選時に掲げた公約めぐりツッコミ発動》[掲載日 2025年9月14日] から下に引用する.
《ビートたけし(78)が14日放送のテレビ朝日系「ビートたけしのTVタックル」(日曜正午)に出演。自民党が参院選時に掲げた公約をめぐり、思わずツッコミを入れる一幕があった。
阿川佐和子氏が「参院選の時にさんざん唱えていた2万円給付金問題、これどこ行っちゃったんですか」と投げかけると、東国原英夫氏が「議論はしてますけども、自民党さんから出てきたのは、所得制限しましょうかとか、非課税世帯、低位所得者層にしましょうかだったんですが…」と切り出した。
そして東国原氏が「茂木(敏充)さんの会見で2万円はやめます、とおっしゃいました」と説明すると、たけしは「やめんの? なんだい!」とツッコミを入れた。
続けて東国原氏は「その代わりに賃金を上げますと。所得を上げますということを茂木さんはおっしゃいました」と補足した。
前幹事長の茂木氏は10日の会見で総裁選立候補を表明した上で、自民党が7月の参院選で公約した1人2万円の現金給付を見送るべきだなどと主張していた。
自民党総裁選の日程は「22日告示、10月4日投開票」で正式決定。前幹事長の茂木敏充氏、元経済安保相の小林鷹之氏は出馬意向を正式表明。他には官房長官の林芳正氏、農相の小泉進次郎氏、前経済安保相の高市早苗氏の名が挙がっている。
出演はビートたけし、阿川佐和子。ゲストは大竹まこと、東国原英夫氏、真鍋かをり、東大准教授の斎藤幸平氏、石原伸晃氏、弁護士の結城東輝氏。》(引用文中の文字の着色強調は当ブログの筆者が行った)
阿川さんが《参院選の時にさんざん唱えていた2万円給付金問題、これどこ行っちゃったんですか》と話題を出すと,東国原が《茂木(敏充)さんの会見で2万円はやめます、とおっしゃいました》と述べた.
ビートたけしがどうでもいい茶々を入れたが,それは無視していい.
続いて東国原が《その代わりに賃金を上げますと。所得を上げますということを茂木さんはおっしゃいました》と「オレは知ってるけどみんなは知らんだろうから教えてあげる」といったニュアンスで得意げに補足すると,すかさず大竹まことが「その賃金はいつ上げるんだよ」と突っ込んだ.
さすが大竹まことは鋭い.知ったかぶりするだけの東国原なんぞとは頭のデキが違う.
大竹まことの奇襲に東国原は絶句し,数秒後に「いつなんでしょうね」と間抜けな答えを返したのが爆笑ものであった.
日刊スポーツの記事は,阿川佐和子,東国原英夫,大竹まことの三人のやり取りから一番おもしろい「その賃金はいつ上げるんだよ」を省いてしまった.だめな記者である.
会社員や,会社員経験のある人は知っているが,賃金は政治家が《賃金を上げます》と言えば上がるものではない.
政府でも,上げることができる賃金は,公務員給与と最低賃金くらいのものである.(ただし最低賃金は政府だけでは簡単に上げられない)
民間企業の賃金は,企業経営者が決める.
政府ができることは非常に限定的である.
その意味で,国民民主党が「手取りを上げる」政策を政府に迫っているのは正しい.
政府には賃金を上げることはできなくても,「手取りを上げる」は政府が決めることができるからである.
東国原が《賃金を上げますと。所得を上げますということを茂木さんはおっしゃいました》と述べたことは,東国原がいかに経済に無知であるかを示している.
(補足:茂木氏は記者会見で,政策の方向性を,一時的な給付金ではなく,減税や構造的支援に切り替えると述べた.実は茂木氏は賃金を上げるとは言っていない.減税すなわち所得増によって家計を改善すると述べたのが事実である.これも東国原の無知による知ったかぶりである)
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