「やさしいライオン」のこと
私の書架に三冊の児童書がある.
バージニア・リー・バートン「ちいさいおうち」石井桃子訳 (岩波書店)
新美南吉「ごんぎつね」(偕成社)
やなせたかし「やさしいライオン」(フレーベル館)
の三冊である.
今朝放送のNHK《あんぱん》は,「やさしいライオン」が創作されるに至ったいきさつに触れた.
創作の経緯は,Wikipedia【やさしいライオン】には以下のように簡単に書かれている.
《「ドイツの動物園で犬がライオンを育てた」という話にアイデアを得たやなせが、当初はコントとしてストーリーを創造。これが紆余曲折を得て、1967年に文化放送にてラジオドラマとして放送される。その評判がよかったことから、1969年に「トッパンのおはなしえほん」シリーズ(後に「キンダーおはなしえほん」シリーズ)の一冊としてフレーベル館より絵本が刊行された。》
このことについては,やなせたかし本人がインタビューを受けて語っている.
mi:te《絵本作家インタビュー vol.24 絵本作家 やなせたかしさん(前編)》から下に引用する.
《その頃僕は、文化放送のラジオドラマのシナリオを書く仕事もしていたんですが、ある日、頼んでいた作家のシナリオが期日に間に合わないということで、急遽「なんでもいいから明日までに書いてください」とディレクターから電話があったんです。急な依頼でテーマを考えている時間もなかったので、コントとして書いていた『やさしいライオン』を30分のドラマに仕上げました。》
今朝放送のNHK《あんぱん》は,作者やなせが,コントの結末を変えてメルヘンに作り直した事実に沿ってドラマ化している.
放送後に私は「やさしいライオン」を再読した.
そして今朝の《あんぱん》はいわゆる神回だと思った.
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