セレウス菌の至適増殖温度に関するデマ /工事中
シュフーズ《炊いたご飯を保存するときにやってはいけないNG行為6選!冷蔵庫に入れるのは危険?》[掲載日 2025年8月2日] から下に引用する.
《炊飯器の保温機能を使えば、ご飯をいつでも温かく保てて便利と思いがちです。しかし、炊飯器の保温時間が長くなるほど、ご飯はパサパサになったり、黄ばんでしまったりして美味しくなくなります。
また、炊飯器内の温度は65℃程度で保たれますが、これは細菌が繁殖しやすい温度でもあります。特に「セレウス菌」は時間が経つにつれて増殖し、食中毒を引き起こすことがあります。
メーカーの推奨でも美味しく食べられるのは5〜6時間以内、長くても12時間が限界。翌日以降も安全に食べるためには保温を避け、冷凍保存が推奨されます。》(引用文中の文字の着色強調は当ブログの筆者が行った)
生活科学や食品化学のジャンルにおいて,シュフーズは最悪のデマ拡散メディアである.
シュフーズのほとんどの記事が非科学的であり,あまりにも酷いデマの場合は詳しい批判記事をこのブログに掲載してきた.
上に引用した《炊いたご飯を保存するときにやってはいけないNG行為6選!冷蔵庫に入れるのは危険?》も目に余るので,悪意のバカにつける薬はないと知りつつ,当該記事のデマ箇所を下に指摘する.
★シュフーズが拡散するデマ1.《炊飯器内の温度は65℃程度で保たれますが、これは細菌が繁殖しやすい温度でもあります》
[解説]
炊飯器の保存モードの温度は,普通の電器メーカー製品では約60度~約74度となるように設計されている.
その理由をパナソニックの公式サイトの Panasonic《炊飯器の保温温度はどのくらい?温度が設定されている理由を解説》[掲載日 2025年3月4日]) から下に引用する.この記事の記述は,シュフーズの嘘記事とは異なって正確である.
《保温温度はおよそ60度〜74度
炊飯器の保温温度は、メーカーや機種によって異なりますが、約60度~約74度に設定されているものがほとんどです。保温温度を変えられる炊飯器もありますが、細かく温度変更できるわけではありません。
保温温度が設定されている理由
多くの炊飯器の保温温度が約60度~約74度に設定されているのには、主に2つ理由があります。
雑菌が繁殖しにくいため
60度を下回る温度で保温すると雑菌が繁殖しやすく、ごはんが早く傷んでしまいます。雑菌の繁殖を抑えるために、多くの炊飯器の保温温度は60度以上に設定されています。保温中に何度も炊飯器のフタを開けたり、フタを開けっぱなしにしたりすると温度が下がってしまうので注意しましょう。
メイラード反応によるごはんの黄ばみを防ぐため
保温温度は高過ぎてもごはんをおいしく保温できません。温度が高い状態が続くと、ごはんに含まれる糖とアミノ酸が結合する「メイラード反応」が起きます。そうなるとごはんは黄ばみ、香りも損なわれてしまうため、多くの炊飯器の保温温度はメイラード反応が起きにくい約74度以下に設定されています。》(引用文中の文字の着色強調は当ブログの筆者が行った)
セレウス菌 (Wikipedia【セレウス菌】) の研究は古く,イギリスの Frankland 夫妻によって1887年に発見された.(非常に古い論文であるため,現在のウェブ上に原著が見当たらず,原著論文を引用しているすべての記事は書誌事項を明記せず,かつ発見者を単に“Frankland and Frankland”としている.そのため Frankland 夫妻のそれぞれのフルネームが不明である)
この菌が食中毒の原因となることは,ずっと後年の1955年に S.Hauge によって明らかにされた.(STEINAR HAUGE“FOOD POISONING CAUSED BY AEROBIC SPORE-FORMING BACILLI”December 1955)
残念なことに,1955年の S.Hauge の論文以降,セレウス菌の研究は病原性についてばかり行われていて,菌としての基本的性質を記載した原著論文はウェブでは手に入らない.
そのためやむを得ず,原著論文ではなくデータベースからセレウス菌の性質を引用する.
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