熊森協会の無知と倒錯論理
共同通信《襲撃ヒグマ駆除に抗議殺到 道知事「これでは仕事にならぬ」》[掲載日 2025年7月25日] から下に引用する.
《北海道福島町でヒグマが新聞配達員の男性を襲って死なせ、後に駆除されたことを巡り、北海道庁に「クマがかわいそう」などと抗議の電話やメールが相次いでいることが25日、道庁への取材で分かった。1人の電話が2時間以上続くケースもあるという。鈴木直道知事は同日の記者会見で駆除の必要性を強調し「これでは仕事にならない」と苦言を呈した。
道によると、男性が襲われた12日から24日までの間に計120件の意見が寄せられた。18日にクマが駆除されて以降は「クマにも命がある」「(殺さずに)山に返すべきだ」といった苦情が増加しているという。》(引用文中の文字の着色強調は当ブログの筆者が行った)
クマが駆除された時に行政に殺到する苦情電話は,秋田県における過去の経緯から,一般財団法人熊森協会 (公式サイト) の組織的活動であることが判明している.
彼らは《クマがかわいそう》と言うが,熊に襲われて殺された人間はかわいそうではないと主張している.
彼らは《クマにも命がある》と言うが,人間にも命があるとは思っていない.
彼らは山林のクマにドングリを撒いて餌付けを行い,里山や住宅地に誘導してきた.これがいわゆるアーバン・ベアだ.
彼らは捕獲したクマは《(殺さずに)山に返すべきだ》と言うが,山に返しても,山に自生している植物以外の食べ物の味を覚えたクマは,やがて生ごみや農作物を漁りに人間の生活圏に戻って来る.
これが彼ら熊森協会の似非自然保護活動の成果である.
一般に,一定面積の土地から野生動物が得られる食べ物には上限がある.
従って一定面積の土地に生息できる野生動物の個体数には上限がある.
個体数が増えて上限を越すと,生息地を拡大する方向に行動するが,それがうまくいかない場合は飢餓によって個体数が自然に減少する.
典型的な例はヒトだ.
およそ五万年前にヒトがアフリカを出て,それから世界中に拡散していったのは,食糧を求めたのである.
このヒトの生息圏拡大は,植物を栽培したり家畜を飼うなどの定住農業によって安定的に食糧が得られるようになるまで続いた.
クマも同じだ.
山林にいるクマの頭数が増えれば必然的に人間の生活圏に進出する.
里山や住宅地に進出したクマにしてみれば生ゴミも人間も食糧であることに変わりはない.
従って,人間や飼い犬やニワトリや牛豚の肉の味を覚えて雑食化したクマは駆除する以外にない.
駆除されたアーバン・ベアがかわいそうだという熊森協会は,クマが食う肉を森に撒きに行け.

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