史上サイテーの内輪もめ
イーロン・マスクとトランプ大統領の関係が急速に破綻した.
破綻の理由は,トランプ大統領の減税策法案について「財政赤字をさらに激増させ国民に耐え難いほどの借金を背負わせることになる」としてマスクが反対したことだとメディアは報道しているが,トランプは「マスクの事業分野に対する補助金を打ち切ったせいだ」と言っている.
しかし他にも理由はあるようで,それはアメリカ国内に蔓延する合成麻薬だ.
朝日新聞GLOBE+《中国からの厄介な「輸入品」 ヘロインより強力な合成麻薬が米国に蔓延する》[掲載日 2018年12月13日] によると,合成麻薬による死者は2017年に約七万人で,そのうち約三万人がフェンタニル (中国から原料を輸入して作られる) の摂取が原因だという.
この新聞記事の六年後,ロイターは《中国がフェンタニル原料に補助金、米国の中毒あおる=米下院委》[掲載日 2024年4月17日] で,アメリカ議会は「フェンタニルのアメリカ国内における蔓延は中国の国策だ」と断定したと報道した.
中国政府は,一つの国を亡ぼすのに麻薬が絶大な効果を及ぼすことを,清がイギリスに滅ぼされかけた経験 (アヘン戦争) からよく知っている.
感染症の輸出よりも 国民を薬物中毒にするのがアメリカ打倒の近道だと習近平が考えたとしても不思議ではない.
トランプにしてみれば,アメリカ国民が薬チューになって何万人死んでも痛くも痒くもない.
トランプは,アメリカ国民の健康を守ることに奮闘してきたCDC (Wikipedia【アメリカ疾病予防管理センター】) やNIH (Wikipedia【アメリカ国立衛生研究所】) が民主党の支持基盤だという理由で解体しようとしている.(例えば反ワクチンで陰謀論者であるケネディ厚生長官は昨日,CDC予防接種委員会を全員解雇した)
トランプは,民主党の票田を潰すことができさえすればよいのであって,国民の健康なんかどうでもいいのである.(CDCを解体すると次回のアジア発パンデミックがあればアメリカ合衆国は全滅だが,馬鹿であるトランプは言う事とやることが正反対だという自覚がまるでない)
ただ合成麻薬の蔓延地域が,トランプが選挙で強い地域だというのがまずい.
「大統領は麻薬を野放しにしている」と選挙民に反感を持たれるのは困る.
もう一つ,フェンタニル原料のアメリカへの輸出が,中国の対米貿易黒字の原因の一つになっているのがトランプには業腹だ.
そんなこんなでトランプは反麻薬の政策を打ち出したのであるが,ここに大きな誤算が生じた.
重度の薬物中毒者であるマスクの存在である.
メディアの「薬物をやっているのか?」という質問に対してマスクは「以前はやっていた」と答えた.
「今は?」という質問には答えなかった.
ここに至りトランプは側近に,マスクの薬物中毒状態を調べさせたようだが,事もあろうにホワイトハウスの中で薬物をヤっているようだとのことだった.
マスクはフェンタニルもヤっているらしく,これではトランプは習近平に勝てようはずがない.
ここでトランプはマスクを切ることに決めたと思われる.
トランプは,麻薬がどうのこうのと事を荒立てず穏やかにマスクを退場させたかったようだが,愚かな薬チューのマスクは反撃してしまった.
「エプスタイン文書 (エプスタイン・ファイル) にトランプの名がある」と.
Wikipedia【ジェフリー・エプスタイン】から下に引用する.
《ジェフリー・エドワード・エプスタイン (Jeffrey Edward Epstein、1953年1月20日 - 2019年8月10日) は、アメリカ合衆国の実業家、投資家。
成功した富裕な実業家だったが児童への性的暴行などの容疑で逮捕・有罪となり失脚。莫大な寄付などを通じて、欧米の政財界で有力者・王族らに極めて広い人脈を持っていたため、彼らへの売春斡旋が噂されて大きなスキャンダルに発展した。また公的機関の要職者らがエプスタインとの交友関係を咎められて、辞任するケースも相次いだ。
有罪判決後、拘留されていたニューヨークの矯正施設で死亡。自殺とする当局の発表に対して一部の法医学者などから他殺を疑う声が上がるなど、死後も注目を集める事件となった。2023年6月、司法省監察総監室は調査報告書を公表し、エプスタインの死因は自殺であったと結論付け、自殺ではなかったとする全ての説について強く否定した。》
エプスタインはニューヨーク生まれのユダヤ教徒で,経歴には謎が多い.イスラエルの軍事部門との関係もあるという.
エプスタインは小児性愛者であり,児童買春斡旋などを通じて著名人との人脈を作り上げ,あるいは恐喝した.
しかし2019年7月に逮捕され,8月に独房内で死去した.(詳しくはWikipedia【ジェフリー・エプスタイン】)
このエプスタインに関する捜査記録,裁判記録がエプスタイン文書と呼ばれている.
CNN.co.jp《トランプ氏とマスク氏決裂、側近が仲介試みるも「エプスタイン文書」疑惑で暗礁に》[掲載日 2025年6月7日] から下に引用する.
《マスク氏は「大きな爆弾を落とす時が来た。@realDonaldTrumpはエプスタイン文書に名を連ねている。文書が一般公開されていない真の理由はそれだ。良い1日を、DJT!」と書き込み、双方に近い関係者をあ然とさせた。
ホワイトハウスのレビット報道官は5日夜、CNNに声明を寄せ、マスク氏の主張を「残念なエピソード」と評した。
「今回の一件は、自身の望む政策が盛り込まれなかった『一つの美しい大きな法案』に不満を抱くイーロンによる残念なエピソードだ。大統領は歴史的法案を可決させ、我が国を再び偉大にすることに専念している」(レビット氏)
マスク氏は自殺した金融業者ジェフリー・エプスタイン被告に関する未公開文書へどうやってアクセスしたのか詳しく説明しておらず、情報源についての証拠も提示していない。
右派メディアの関係者は長年、政府がエプスタイン被告に関する秘密を隠しているとの見方を示してきた。エプスタイン被告は小児性愛者で、連邦の性的人身売買罪での公判を控えた2019年に自殺した。こうした陰謀論には多くのバージョンがあり、凶悪犯罪に手を染めた他の有力者のリストを政府が隠ぺいしていると主張する内容。》(引用文中の文字の着色強調は当ブログの筆者が行った)
産経新聞《米司法省「エプスタイン文書」を公開 少女買春顧客著名人リストなどの新たな情報含まれず》[掲載日 2025年2月28日] から下に引用する.
《ボンディ米司法長官は27日、少女らへの性的虐待罪などで起訴され勾留中の2019年に自殺した米富豪、ジェフリー・エプスタイン元被告に関する文書の1回目の公開を行った。だが、著名人の少女買春顧客リストなどは含まれていなかった。米メディアが報じた。
トランプ大統領が公開を表明していた。今回公開された文書は、これまで裁判などで公開されてきたエプスタイン元被告のプライベートジェットの飛行記録などで、新たな情報はない。司法省は今後も残りの文書を公開するという。
エプスタイン元被告は所有するカリブ海のリトル・セント・ジェームズ島などで少女らを性的に虐待していたとされ、元被告と交友があった政治家や芸能人などの著名人に疑惑の目が向けられている。
チャールズ英国王の弟アンドルー王子は、エプスタイン元被告とつながりがあったとして19年に公務を退き、22年には軍や慈善団体の役職も剝奪された。性的虐待を受けたとする女性から提訴され、和解している。》(引用文中の文字の着色強調は当ブログの筆者が行った)
これまで,トランプの岩盤支持層であるキリスト教福音派がアメリカ社会にバラ撒いてきた陰謀論は「民主党内にエプスタイン人脈があり,そのためバイデン政権はエプスタイン文書を秘匿してきた」というものだ.
トランプはこの民主党攻撃の陰謀論に与して,自分はエプスタイン文書を公開すると語ったが,実際に公開された資料に《著名人の少女買春顧客リストなどは含まれていなかった》.
それをマスクが咎めた.
エプスタイン文書の少女買春顧客リストにはトランプの名がある.だからトランプはエプスタイン文書を公開できない,と.
メディアに「薬物をヤっているのか?」と問われたマスクは「以前はヤっていた」と答えたが,「今は?」という質問には答えなかった.
メディアに「マスクがエプスタイン文書のことを言っているがどう思うか?」と問われたトランプは答えなかった.
以上が,この史上サイテーの内輪もめの解説である.
(追記:トランプとマスクの関係が決裂した後,6月12日の報道によればマスクは「やりすぎだった」と反省しているという.薬のせいでハイになっていたのか)
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