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2025年3月23日 (日)

家庭向け精米の価格はどうなるか

 テレビニュースでは米の価格が五キロで四千円を超したとか報道しているが,これってスーパーによってはもっと高騰している.
 確かに東京の有名スーパー (アキダイなど) では,コシヒカリ等の銘柄米は四千円超である一方,ブレンド米の普及品 (パールライスなど) は三千五百円程度である.
 しかし私が食料品を買い物する中堅スーパー「サミット」(JR藤沢駅北口) ではこれより五百円ほど高く,銘柄米は四千五百円前後で販売されている.この状態は,「サミット」の米の調達力が弱いからだろう.他のスーパーに「買い負け」しているのだ.
 
 農水相は,三月末には備蓄米放出の効果により米価格の高騰は止むだろうと述べてきた.
 しかしメディアの論調は,ここ数日で「米の価格はほんど下がらない」と変化している.
 さあどうなるか.
 というか,備蓄米のほとんどを落札したJA全農が卸売り業者に渡す価格は,既に決定しているはずだ.
 そうでなければ来週の月曜以降の商売に間に合わないからである.
 米価格の高騰が,農水省のいうように「流通におけるスタックが原因」 (つまり売り惜しみ) なのか,それとも農業経済の専門家が指摘する「そもそも米の収穫量がすくなかったのが真の原因」なのかが,もうすぐ判明する.
 
 私は,スーパー店頭における包装米飯 (レンチンご飯) の価格を観測しているのだが,このところ特売が増えている.
 包装米飯にも品質の善し悪しはあって,トップブランドであるサトウ食品の包装米飯は実際上において無菌とみなすことができる (「商業的無菌」という) ので「無菌包装米飯」と呼ばれる.(*註)
 しかしその他大勢のメーカーの中には明らかに品質の劣る二級品があり,例えば「テーブルマーク株式会社 (旧加ト吉株式会社)」の製品は食品添加物 (酸味料) を加えることにより長期の賞味期限を確保している.従ってこれは単なる「包装米飯」と呼ぶべきだろう.
 (*註) 私はサトウ食品の工場を見学したことがあるが,完璧な空調で微生物制御が行われている非常に衛生的な工場である.
 
 で,テーブルマーク株式会社の包装米飯は,最近の特売価格は米の価格高騰前の昨年末の価格 (百円/個くらい) に迫っている.
 これに対してサトウ食品の製品は,特売でもまだそれほど安くなっていない.
 とはいえ,米価格の高騰に連動して包装米飯も高騰していたのだが,一般の家庭向け精米よりも先に包装米飯の価格は低下し始めていることが重要である.
 このことは,包装米飯製造業者は,政府備蓄米の放出により流通量が増加すると見て,原料在庫量の適正化を始めたということである.
 これは逆に言うと,彼らは,精米価格が高騰するのに合わせて原料在庫量を増やしてきたことを意味する.
 だがこれは製造業としては,末端の販売者と消費者に対する供給責任を果たすためにむしろ必要なことであり,卸売業者等の流通業者による「売り惜しみ」が道義的に非難されるべきなのとは異なる.
 ともあれ,一部の専門家は「今回の備蓄米放出程度の量では雀の涙であり,流通量はそれほど増えないだろう」と述べているのに対して,業務用精米のユーザー企業が「政府備蓄米の放出により精米流通量は増加する」と見ていることは確かである.
 しかしスーパー店頭における家庭向け精米の価格が下がるとは限らない.
 政府備蓄米は,卸売業者を通じて,外食や中食の業務用を中心に流通すると思われるからである.
 
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