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2025年3月27日 (木)

計算が合いません

 毎日新聞《コメ5キロの平均価格4172円 過去最高、備蓄米効果見えず》[掲載日 2025年3月24日] から下に引用する.
 
農林水産省は24日、3月10~16日に全国のスーパーで販売されたコメ5キロ当たりの平均価格が、前年同期の2倍を超える4172円だったと発表した。前週比では95円高く11週連続で値上がりとなった。データの集計を始めた2022年3月以降の最高値を更新した。政府備蓄米の放出による値下げ効果はまだ見られない。
 
 上の毎日新聞記事にある家庭向け精米の価格 (4172円) は政府発表の数字である.
 実際の店頭価格は,例えば数日前にテレビ報道が東京の有名スーパー「アキダイ」の店頭で撮影した様子では,ブレンド米 (パールライス) は3500円強だった.コシヒカリは4000円強だったから,政府発表よりかなり安い価格で販売されている.
 しかしよく私が買い物をするJR藤沢駅北口のスーパー「サミット」では,ブレンド米 (パールライス) は4000円弱,単一品種の銘柄米は4500円前後である.
 私はこの目で確かめていないが,食味が優れていて人気の高い山形県産「つや姫」などは5000円近い価格がついているという.
 それはそれとして問題は下に示す報道である.
 FNNプライムオンライン《政府放出の備蓄米が早くも店頭に並び始める 直近の平均販売価格より1~2割安い「5kgあたり3000円~3500円」》[掲載日 2025年3月26日] から下に引用する.
 
政府が放出した備蓄米が店頭に並び始めたことがわかりました。
 
1回目に放出された備蓄米は、3月18日に倉庫から運び出されました。
 
「JA全農」系列の全農パールライスは、首都圏の一部店舗への出荷を開始し、「ブレンド米」などとして店頭に並び始めているということです。
 
別の大手卸業者は、27日にも出荷を始め、早ければ28日に店頭に並ぶとしています。
 
「5kgあたり3000円から3500円になる」と説明していて、4000円を超える直近の平均販売価格より1~2割安い水準で売られることになります
 
全国の生協が加盟する日本生活協同組合連合会は、3月末から関東や関西の10の生協の店舗でブレンド米や単一銘柄として販売予定だということです。
 
一方、備蓄米放出の2回目となる7万トンを対象にした入札が26日から実施されていて、今後の販売価格の推移が焦点になります。》(引用文中の文字の着色強調は当ブログの筆者が行った)
 
 私のブログ記事《米がなければブリオッシュを食べればいい》[掲載日 2025年3月16日] に書いたように,政府備蓄米の落札価格から計算すると,放出された備蓄米の価格は3500円が最低販売価格である.
 そこでFNNプライムオンライン《政府放出の備蓄米が早くも店頭に並び始める 直近の平均販売価格より1~2割安い「5kgあたり3000円~3500円」》を基に計算してみた.
 毎日新聞の記事にあるように政府発表では直近の平均精米販売価格は4172円である.(毎日新聞の記事から《全国のスーパーで販売されたコメ5キロ当たりの平均価格が、前年同期の2倍を超える4172円だった》)
 すると,FNNプライムオンラインの《別の大手卸業者は、27日にも出荷を始め、早ければ28日に店頭に並ぶとしています。「5kgあたり3000円から3500円になる」と説明していて、4000円を超える直近の平均販売価格より1~2割安い水準で売られることになります》によると,
 4172円 × 0.8 = 3338円,4172円 × 0.9 = 3755円 だから,3340円から3750円の範囲で販売されることになる.
 しかしこれは《大手卸業者》が述べた《3000円から3500円》と食い違っている.計算が合わない.
 3750円は備蓄米の落札価格と矛盾しないが,3000円という価格はどこから出てきたのか.
 推測するに,米の高騰が始まる前に卸業者が在庫していた安い2024年産米を,どさくさに紛れて出荷しようとしているのではないか.
 農水省は,備蓄米を放出すると同時に,平成六年法律第百十三号「主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律」(法原文) に基いて米の流通にメスを入れるべきであると私は考える.
 
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