芹沢光雄氏の教える数学はクックパッドのレベルだ
現代ビジネス《「25gの食塩を100gの水に溶かした食塩水の濃度は」……算数が苦手な大人は25%と回答。正解は?》[掲載日 2025年3月19日] から下に引用する.この引用記事の筆者は芳沢光雄氏である.
《中学時代は解けたはずの食塩水濃度を間違える
25gの食塩を100gの水に溶かすと何%の食塩水になるか、という問題に関して、
25÷100=0.25
と計算して、「25%」と間違えてしまう大人がいる。そうした人たちも、小中学生時代は
25÷(25+100)=0.2
と計算して、「20%」と正しく答えていたはずである。》(引用文中の文字の着色強調は当ブログの筆者が行った.以下同じ)
芹沢氏はやたらと著作が多いのであるが,経歴が不明のあやしい人物である.
それなのに,氏の著書「新体系・高校数学の教科書 上 (ブルーバックス) 新書 2010/3/19」なんかは,中学高校で数学をちゃんと勉強しなかった人たちの絶賛を得ている.不思議である.
さて芹沢氏は,「濃度」は,議論の前に定義が必要な用語であることを知らない.あるいは知っているのに無視している.
「濃度」という概念の複雑さについては,Wikipedia【濃度】を参照していただくとして,ここでは先に進む.
芹沢氏は《何%の食塩水》とは何を指すかという説明なしに,勝手に《25÷(25+100)=0.2》という式を立てて答えを得ている.
氏の説明は,実は学問ではなく,料理のレシピのレベルなのである.
例えばクックパッド《パスタをゆでる時の水と塩の量》に《パスタ100g(1人分)なら2リットルの水に塩大さじ1と1/3杯(20g)、200g(2人分)以上なら3リットルの水に塩大さじ2杯(30g)が目安です。塩は水に対して0.5〜1%の量を、お湯が沸騰してから加えます》と書いてあるが,芹沢氏の言う「食塩水濃度」はこのレベルの話なのだ.(室温で水1リットルは約1キログラムとして換算)
高校に入ると化学を勉強するが,たくさんある「濃度」の中で重要なのは「ある体積の溶液中に溶質がどれくらい存在しているか」ということである.
《25gの食塩を100gの水に溶かすと何%の食塩水になるか》などという話は,化学ではほとんど無視していい.
「濃度」を考察する際に重要なのは「使用する溶媒の重量」ではなく「できた溶液の体積」なのだ.
だから,そこらへんの高校生に芹沢氏の《25gの食塩を100gの水に溶かすと何%の食塩水になるか》という設問を見せたら「この問題って何の意味があるんすか?」と言うだろう.そんな「濃度」は化学反応の記述では使わないからである.
「濃度」を,ある空間中の物質量という意味と定義すれば,物理学でも同じだ.大切なのは空間の体積である.
このことをWikipedia【濃度】では解説冒頭で次のように記述している.
《濃度は、従来、「溶液中の溶質の割合を濃度という、いろいろな表し方がある。質量パーセント濃度、モル濃度等」(日本化学会編 第2版標準化学用語辞典)と定義されている。しかし、濃度をより狭く「特に混合物中の物質を対象に、量を全体積で除した商を示すための量の名称に追加する用語」(日本産業規格(JIS))と定義している場合がある。》
これから導かれる最も重要な濃度の計量単位 (SI単位) は「キログラム/毎立方メートル」である.
芹沢氏は《中学時代は解けたはずの食塩水濃度を間違える》とか書いてエラソーな態度であるが,これは氏の頭が中学生並みであることを示している.

| 固定リンク
「新・雑事雑感」カテゴリの記事
- 田舎者(2026.09.12)
- 推敲しないライターはクズだ /工事中(2026.09.06)
- カスハラを目撃したぞ /工事中(2026.09.05)

最近のコメント