日本共産党は絶滅危惧種を食べるべきでない /工事中
私のこのブログで,頻繁にF5アタック (註) を受ける記事がいくつかある.
その一つが《中国系メディアが拡散するウナギを巡る嘘》[掲載日 2023年9月 7日 (木)] である.
(註) F5アタックについては,Wikipedia【DoS攻撃】から下に引用する.
《ブラウザの再読み込み
ウェブブラウザに備わっているページの再読み込み機能を使用し、Webサーバに大量にリクエストを送りつける攻撃はF5アタック(F5攻撃)と呼ばれることがある。この名称は、「F5キーを連打する攻撃」であることに由来する。
Windows上で動作するウェブブラウザでは、F5キーが更新機能に割り当てられていることが多いため、F5キーを押下するたびにWebサーバにリクエストが送られることになる。》
私はこの種の「攻撃」の方法に詳しくないのでよくわからぬが,ウェブを調べたところ.数十人規模で何時間も行うものらしい.
個人商店サイトの通販ページあたりにこれをやると,嫌がらせになるらしい.
しかし私のブログに対するF5アタックは,毎秒一回の再読み込みを合計1000~1500回くらい繰り返すといった程度のものなので,それでココログのサーバーがダウンするはずもなく,他の読者のアクセスを邪魔できるわけでもなく,もちろん私も全く痛痒を感じない.
つまり嫌がらせ効果ゼロの何の意味もないことをこのアタッカーは行っているわけだが,おもしろいことに私のブログ記事《中国系メディアが拡散するウナギを巡る嘘》を毎週一回,昼頃になるとやって来るのだ (IPアドレスは毎回違うが,たぶん同じ野郎だ).
こいつはたぶんこの記事の内容が気に入らず,休みの日になると (週に一回の定期訪問ということは,毎日部屋に引きこもっている中学生ではないだろうし,シフトに入る仕事でもないだろう) ウナギの記事を読み,某中国系メディアに対する私の批判に怒ってF5キーの上に重りを載せて連打状態にして放置し,それからコンビニあたりに弁当を買いに出かけ,帰ってきてF5キーの上の重りを取り去ってゲームかなんかを始めるのだろう.
《中国系メディアが拡散するウナギを巡る嘘》のどこが気に入らないのかわからないがおよそ想像はつく.
実は,SNSに飛び交う流言は読むけれども科学論文を読む学力はない連中のあいだで「ニホンウナギが絶滅する可能性は全くない」という説が蔓延しているのだ.国際自然保護連合 (IUCN) が2014年にニホンウナギを絶滅危惧種に指定したのは,値段を吊り上げようとする陰謀だというのである.開いた口がふさがらないが,「地球温暖化」は陰謀だと主張するどこぞの国の大統領にも似て,なんとかにつける薬はない.
さて,ウナギに関連するちょっと古いニュースを一つ.
産経新聞《ウナギはブルジョアの食事? 共産党が11万円支出、Xで激論 田村委員長「私も食べる」》[掲載日 2025年1月16日] から下に引用する.
《共産党の政治資金収支報告書(令和5年分)に記載されたうなぎ料理店への党費支出を巡り、党員、支持者らがX(旧ツイッター)上で激論を交わしている。党費でうなぎを食べるのは常識の範囲内として擁護する意見がある一方、党員や支持者らの生活感と乖離しているとの批判もある。うなぎはブルジョアの食事なのか-。
きっかけは共産の斉藤優子目黒区議が昨年末、自らのXに投稿した自民党の高額会食批判だった。これに対し、かつて共産を支持していたとする投稿者が今月14日に「共産党も外でうなぎを食べたりと会食費を使っている」と批判。斉藤氏が「共産党はうなぎを食べたりしてはいけないと言いたいのか」と反発し、論争が始まった。》
斉藤区議の投稿のスクリーン・ショットを下に引用する.
かなり攻撃的な文章であるが,区議会でもこうなんだろうか.

さらに続けて産経新聞《ウナギはブルジョアの食事? 共産党が11万円支出、Xで激論 田村委員長「私も食べる」》から下に引用する.
《斉藤氏のXでは「常識の範囲内で会食をするのはいいと思う」「共産党だと鰻を食べたらあかんと言う合理的な理由を説明しろ」という擁護派、「うなぎはブルジョアの食事だ」「共産主義思想に反している」という批判派の議論が〝百花斉放〟となった。
うなぎ論争に関し、田村智子委員長は16日の記者会見で、詳細は把握していないと断りつつ、「うなぎがブルジョアの食事なのかどうか。毎日、食べるものではないが、庶民にも手が届く食事であろうと思う。私も食べるときがある」と述べた。ちなみに、収支報告書に記載されたうなぎ屋への支出は2回分で計11万5800円だった。》
この問題は《うなぎがブルジョアの食事なのかどうか》ではない.
ニホンウナギは絶滅危惧種であり,それを食べていいのか,という問題なのである.
もちろん「絶滅危惧種だろうがなんだろうが,食べたけりゃ食べればいいのだ」という考え方の人は白焼きでも蒲焼でも食べればよろしい.
だが日本共産党はかつて,しんぶん赤旗《真相深層 ウナギ絶滅のピンチ きょう土用丑の日》[掲載日 2013年7月22日] において《世界のウナギ資源が減りはじめたのは60~70年代。一方でこれ以降、消費が拡大しています。そして世界のウナギ消費の7割は日本が占めています》と述べた上で,ニホンウナギとヨーロッパウナギの絶滅に関して警告を発していたのである.(引用文中の文字の着色強調は当ブログの筆者が行った)
同記事から一部を下に引用する.
《環境省は今年2月、ニホンウナギを絶滅危惧種に指定。国際自然保護連合(IUCN)も絶滅のおそれがあるとしてレッドリスト入りを検討し始めました。
減少はニホンウナギにとどまりません。ヨーロッパウナギはすでにIUCNのレッドリストに入っています。
国内のウナギ消費拡大のきっかけは、1987年ごろから盛んになった中国での日本向けの養殖業にあります。中国では、ヨーロッパウナギの稚魚を空輸し、内陸部で輸出向けに養殖しています。ヨーロッパウナギの減少にも日本が深くかかわっています。
中国の安い労働力で大量生産した加工品を含めて日本の大手スーパー、コンビニ、牛丼チェーン店などが大量に仕入れ、低価格での販売競争を今夏もくり広げています。
井田さんは「ウナギが置かれた状況は、現代の自然環境や食生活のあり方を映し出す鏡のようなもの。土用の丑の日を、ウナギとの付き合い方を考え直すきっかけにしてほしい」といいます。》(註;文中の《井田さん》は『ウナギ 地球環境を語る魚』の著者でジャーナリストの井田徹治氏を指す;このブログの読者諸氏は,しんぶん赤旗の記事原文を読んで頂きたい)
さて私はブログ記事《中国系メディアが拡散するウナギを巡る嘘》の中で次のように書いた.
《もし近い将来にニホンウナギが絶滅するとすれば,それは我が国にとって恥と言うべきことである.
生物学的な理由によってだけでなく,稚魚乱獲に絡む密輸だとか裏社会だとかが関係しているからである.
またニホンウナギは絶滅危惧種なのに,土用の丑の日になればテレビのニュース番組クルーが街中のうなぎ店にロケに行き,「丑の日といえばうなぎですね!」と煽る.そして同じ番組でSDGsを視聴者に訴えたりする.節操のないことだ.
遠い将来,ニホンウナギの完全養殖が可能になるかも知れない.研究者たちが成果を出すまで,私たち庶民は,丑の日にうなぎ蒲焼を財布をはたいて食べるという愚かなことをやめたらいいと私は思う.》
上に示した記事から遡ること七年前,今から九年前の秋 (2016年9月) に藤沢駅近くの「はま吉」という店で鰻重を摂って,それをブログ記事にして以来,私はウナギを食うのをやめている.
国連サミット (2015年9月) で加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された SDGs(Sustainable Development Goals)に「そうだよなあ」と納得したからである.
Wikipedia【持続可能性】によれば,《もともと、sustainability(持続可能性)は水産資源を如何に減らさずに最大の漁獲量を得続けるかという水産資源における資源評価という分野の専門用語であった》という.つまり水産資源に関する専門的議論を環境全般に拡張した概念がSDGsだ.
であるからして,水産資源の持続可能性こそはSDGsの基本なのである.
とはいえ上に記した文章は,私の個人的意見に過ぎない.「ニホンウナギが絶滅したって別にオレの知ったことではない」と思う人は鰻蒲焼に舌鼓を打てばよろしい.
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