性加害者を擁護する人たち 2/6の追記あり
昭和の昔に流行った文学の一ジャンルに「経済小説」があった.
戦後すぐの流行作家である源氏鶏太が創作した一連の「サラリーマン小説」が源流だろう.
源氏鶏太の作品からユーモア風味を取り去り,時にはあきらかなモデル企業を取り上げて書かれたのが経済小説である.
小説の舞台は銀行,商社,デパートなど様々であるが,企業社会における権力闘争をリアルに描いて大衆の共感を得た.
代表的な作家としては,城山三郎,高杉良,山崎豊子,池井戸潤などである.
これとは別に,実在する (した) 企業経営者や財界人を題材にしたドキュメンタリ作品も多く,かつて会社員だった私のような昭和の老人たちに人気があった.
現在進行中のフジテレビの騒動は,いずれ誰かがドキュメンタリ作品化するように思われる.
さて中居正広による性加害を発端とする今回の騒動は,国会で野党議員が首相に質問を行うという事態になっている.
フジサンケイグループというコングロマリットに君臨する日枝久氏は,フジテレビの混乱を収拾できない港前社長と嘉納前会長を引責辞任させ,代わりにフジ・メディア・ホールディングスの清水専務をフジテレビの新社長に据えた.
この清水新社長の就任こそは,日枝体制をこのまま継続するぞという日枝氏からのメッセージであり,これは会社における人事権というものの実際を如実に示したものである.
この状況に,性加害者である中居正広を擁護する有名人としてプレジデントオンライン《中尾ミエ◎、キムタク○、さんま×…中居正広引退で見えた「示談金返せ」並みにひどい二次加害コメント》[掲載日 2025年1月31日] が列挙したのは以下の人々である.
要潤,明石家さんま,笑福亭鶴瓶,鈴木おさむ,立川志らく,那須川天心,渋谷慶一郎,山里亮太,エハラマサヒロ,古市憲寿
また更には,中居正広の擁護だけでなくフジテレビ擁護の発言をした者たちとして,日刊ゲンダイDIGITAL《「文春訂正」でフジテレビ大はしゃぎも…今田耕司、山里亮太、カンニング竹山ら“擁護”芸能人の行きつく先》[掲載日 2025年2月5日] は《文春の訂正でフジが勝気な態度になり、世間の反応に合わせて意見を控えていた“御用タレント”たちが、あからさまな擁護を始めています。フジにお世話になっていた背景や過去の自身への文春の報道に腹を立てている人もいるでしょうが、窮地のフジを今擁護すれば、復活後に重宝される可能性もありますからね。》として以下の人々を挙げている.
山里亮太,立川志らく,今田耕司,音喜多駿 (元参議院議員),カンニング竹山,デーブスペクター
山里亮太は,文春の訂正記事のタイトルだけ読んで「中居クンは無実だった!」と喜んで騒いでいるそこら辺の中居ファンの子供たちと同程度の頭の中身であることがバレた.ニュースをちゃんと読め.
山里は大バカだから論外として,バカは俳優の要潤と,自称「社会学者」の古市憲寿だ.
要潤は中居正広を「人格者です」とほめ讃えたが,世間の反発に驚いてすぐ発言を削除し,なかったことにした.
古市は,中居正広をモデルにした絵本などを何冊も出版して稼いだ恩義があるためか,中居の性加害自体を現在も認めていない.
古市と同じく中居と親交があり,それらの出版物の共著者である劇団ひとりが沈黙を続けているのに比較すると,古市はかなーり頭が悪い.
鶴瓶は,スシローのCMを降ろされたことを「とばっちり」と述べたが,とばっちりではない.中居正広に同情した発言がスシロー経営者の逆鱗に触れたに違いない.
かつて飲食店で多発した迷惑行為について法的に筋を通したスシローとしては,迷惑行為のレベルを超えた中居の性加害に同情した鶴瓶をCMに起用し続けることは,企業価値を損ねると判断したのだろう.
[2/6の追記] スシローの態度に関する状況が変化した.会社員時代にコンプライアンス関係部署にいた私は,中居に同情している鶴瓶をCMから排除するとのスシローの判断を高く評価していたのだが,結局スシローのコンプライアンスは腰砕けで,鶴瓶が出るCMを再開する (2/6の報道) という.がっかりである.いっそのこと中居正広と鶴瓶のコンビをCMに使ったらどうだ.性加害ええやんとか,中居ファンのバカたちに受けるぞー.
さて話を元に戻すと,鶴瓶と一緒に中居正広のパーティに参加したヒロミは,劇団ひとりと同じく中居の性加害について沈黙している.賢明である.
ヒロミも劇団ひとりも,中居に同情したりすれば,自分だけでなく芸能人である妻の立場も損なうことを理解していると思われる.

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