毎日が金曜日
「毎日が日曜日」というフレーズは,現役会社員が閑職に追いやられるという意味である.
初出は城山三郎の小説『毎日が日曜日』(1976年,新潮社) だが,新聞連載時から既に流行語になったので,小説を読んでいない高齢者でも「毎日が日曜日」という語句は知っている.
後に,企業社会における競争に敗れて閑職に追われるという元々の意味から拡張されて,定年退職するなどして日々の仕事を失った元会社員についても用いられるようになった.
先日,藤沢駅周辺のスーパーなどに食料品を買いにでかけた.食料品以外は通販で間に合うが,食料品は自分の目で品物を確かめて買うのが好きだ.
その日は晩酌に供するメバチマグロの刺身,煮つけ用に輪切りしたスルメイカ,そのイカと一緒に煮る里芋などを購入して帰途についた.
自宅最寄りのバス停で降りて歩いているときに,コーヒー入り乳飲料 (つまりコーヒー牛乳) が唐突に飲みたくなった.
そこで近所のファミマに立ち寄った.
冷蔵棚から紙パックの「雪印コーヒー」とリンゴジュースをレジ籠に入れてレジに行く途中のパンの棚に,前日まではなかったポップが貼られているのが目に入った.
そのポップにはデカデカと「毎週金曜日限定 通常価格より1斤サイズ食パン20円引き」と書かれていた.
食パンとは,ファミマのPB「ファミマルBakery」のアイテムである「小麦香る食パン6枚 (税込150円)」と「しっとりやわらか食パン6枚 (税込170円)」のことだ.ナショナルブランドの「超熟」などは割引対象外である.
私は中途半端に低価格帯商品である「小麦香る食パン6枚」と「しっとりやわらか食パン6枚」を普通なら買わない (「超熟」のほうがうまい) のだが,20円引きなら買ってもいいかと思い,こいつもレジ籠に入れた.
さてレジで代金の精算を終えてレシートを受け取り,コンビニのドアを出ながらレシートを見たら「小麦香る食パン6枚」は割引になっていない.
「あれ?」と思ってよく考えたら,その日は火曜日だった.
従って,割引されていないのは当然なのであった.
私の机 (PCデスク) に卓上カレンダーが置いてあるが,予定が書き込まれているのはクリニックの通院日だけだ.
市に収集を頼んだ粗大ごみを出す日は「粗大ごみ/事務いす」などと書き込むが,通常の家庭ごみは月曜日,火曜日,木曜日,金曜日に曜日が決まっているから特にカレンダーに書き入れることはしない.
ということは,私の頭の中にある曜日というものは,月火木金だけなのである.
そういう曜日が半分しかわからなくなっているボケ老人の目の前の棚に「毎週金曜日限定 通常価格より1斤サイズ食パン20円引き」と書かれた大きなポップが貼ってあったら「ふむふむパンが20円割引なのか,それはお得じゃのう」と勘違いするのは無理ないことである.
というわけで,コンビニなどの曜日限定キャンペーンのポップは,貼りっぱなしではなくその当日だけにポップを棚に貼るようにしてほしい.
ケンタッキーもそうだ.「毎月28日はとりの日」の理由として「ニワ (28) とり」とか小学生レベルの語呂合わせを言われても,バカじゃないかと思う.
毎週金曜日のファミマのキャンペーンすら覚えられぬのに,月に一日のチキン特売のことなんか年寄りが覚えているもんか.アホ.

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