トランプの暴走は中国の思う壺である
TBS NEWS DIG《米トランプ新大統領が「パリ協定」再離脱の大統領令に署名 「気候変動は全人類共通の課題」中国政府が懸念表明》[掲載日 2025年1月21日] から下に引用する.
《アメリカのトランプ新大統領がパリ協定からの再離脱や、WHO=世界保健機関からの脱退を進める大統領令に署名したことについて、中国政府は懸念を示しました。
アメリカのトランプ新大統領は20日、気候変動対策の国際的な枠組みである「パリ協定」からの再離脱を進める大統領令に署名しました。
これについて、中国外務省の郭嘉昆報道官は21日の定例会見でこのように述べました。
「中国はアメリカがパリ協定からの離脱を表明したことに懸念を示す」
そのうえで、「気候変動は全人類が直面する共通の課題であり、どの国もこの問題から距離を置くことはできない」などと述べ、中国が気候変動などの課題の解決に向けて、あらゆる関係国と協力していく姿勢を示しました。》(引用文中の文字の着色強調は当ブログの筆者が行った)
自分自身の悪事から衆人の注目を逸らすために,相手の悪事を殊更に責め立てるというのが中国流である.
下の図は「主な国別エネルギー起源温室効果ガス排出量の推移」を示している.(出典URL:国際エネルギー機関(IEA)「Greenhouse Gas Emissions from Energy」 2022 EDITIONを基に環境省作成)

上の図からわかるのは,諸国が温室効果ガスの削減に取り組んでいるなかで,突出して爆発的な排出量増加を行っているのが中国である.
(EUは全体として排出量減少傾向を続けている.イギリスも減少傾向.カナダとインドは排出量増加を続けてきたがも最近ようやく歯止めがかかったようだ.日本は政府が積極的に取り組んでいないことを反映して横這いである.ドイツも横這い.フランスは微減だ)
しかも中国は,今後も温室効果ガス排出量を減らそうと言う気が全くない.
そういう蛮行国家が,よくまあ恥ずかしげもなく,いけしゃあしゃあと《中国はアメリカがパリ協定からの離脱を表明したことに懸念を示す》とか《気候変動は全人類が直面する共通の課題であり、どの国もこの問題から距離を置くことはできない》と主張したものだ.
恥を知れ,とはこのことである.
トランプの米国がパリ協定から離脱したのは,中国の恥知らずな蛮行が原因の一つである.
中国が温室効果ガスを排出しまくるならアメリカも排出しまくるぞ,「掘って掘って掘りまくれ」というわけだ.
GDPでは米国に次いで世界第二位の経済大国である中国は,にもかかわらず国連では依然として「途上国」と定義されている.
このことは,中国は温室効果ガス排出量の削減や貧しい国々への財政支援を行う義務を負っていないことを意味している.
これまたトランプが中国を敵視する一つの要因である.
中国の世界戦略の柱が国連の支配であることは周知である (国立国会図書館 調査と情報 ―ISSUE BRIEF― No.1144 (2021.3.26)《国際機関に対する中国の影響力 ― 国連専門機関のトップ獲得の動きを中心に ―》) が,トランプの米国がWHOから脱退したのは,コロナ禍において示されたようにWHOが露骨な中国寄りであるからだ.
もちろん米国がWHOから脱退すると,今まで以上に資金源的に中国のWHO支配が強まるわけで,それは自由主義諸国にとって不利益であるから強く批判されるべきである.
だが,パリ協定にしろWHOにしろ,筋肉脳のトランプを暴走させ,米国を国際的孤立に導くことを戦略としている中国は,もっと非難されるべきである.
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