トランプ推しの著名人

　Reuters《米厚生長官にロバート・ケネディ氏、トランプ氏発表　ワクチン懐疑派》[掲載日 2024年11月15日] から下に引用する．
　
《トランプ次期米大統領は１４日、新政権の厚生長官に環境活動家でワクチン懐疑派として知られるロバート・ケネディ・ジュニア氏を起用すると発表した。
　ケネディ氏はジョン・Ｆ・ケネディ元大統領のおい。今年の大統領選に無所属で出馬したが、８月に撤退しトランプ氏支持を表明していた。
　最近の交流サイト（ＳＮＳ）への投稿やインタビューでは、肥満や糖尿病、自閉症など「慢性疾患のまん延」への対処や、食品の中に含まれる化学物質を減らすことなどが自身の優先事項と指摘。食品医薬品局（ＦＤＡ）を解体し、国立衛生研究所（ＮＩＨ）の数百人の職員を交代させることも示唆している。
　ワクチンが自閉症と関連しているなど、誤った医学的主張をしたとして批判を受けた。また、コロナ禍で課された州・連邦政府の規制に反対し、ウイルスに関する誤情報を拡散したとして非難された。
　自身では反ワクチン派という見方に異議を唱え、より厳格なワクチンの試験を求めていると説明している。一方で反ワクチンを唱える非営利団体の会長も務めている。》(引用文中の文字の着色強調は当ブログの筆者が行った)
　
　トランプは一期目には，ブレーンや側近を自分の意のままに操れる者で固めることができなかったが，今回は議会を完全制圧したので，人事をやりたい放題である．
　上の引用記事に書かれているように，トランプはロバート・ケネディ・ジュニアに指示して《食品医薬品局（ＦＤＡ）を解体し、国立衛生研究所（ＮＩＨ）の数百人の職員を交代させる》可能性が高い．
　FDAとNIHは，我が国のみならず多くの国の厚生行政のレファレンスとして大きな影響力を持っている．
　これが解体されるとは世界中が思ってもみなかったことだ．まさに驚天動地である．
　
　新型コロナウイルスに対してワクチンが有効であるとしている米疾病予防管理センター (CDC) が，トランプの次の攻撃標的になるだろう．
　トランプの (だけでなく共和党の) 支持基盤の一つであるキリスト教福音派 (いわばキリスト教の原理主義派だ) は，反ワクチンのキャンペーンを強力に推進している．
　彼らはトランプに働きかけて，新型コロナウイルスに限らず例えば「反ワクチン法」なんぞという法律を制定するかも知れない．
　そうなれば日本もワクチンの供給が受けられず，大きな影響を受けることになる．
　またトランプと共和党は，LGBTQや中絶の自由に関する政策を逆行させる可能性が非常に大きい．
　米国の反民主主義化は，米国における科学的厚生行政の後退から始まるかも知れないのだ．
　
　もともとトランプはロシアのプーチンと親しかった．
　政治体質的に似ているからであろう．
　イスラエルのネタニヤフも，大統領選でトランプが勝利することを確信して，それまで民主党とのパイプ役だったガラント国防相を解任した．イランの核施設を標的にする攻撃を睨んでのことだと思われる．
　
　議会を掌握したトランプは，合衆国憲法を修正して自らの大統領多選を可能にする道を仄めかしていると報道されている．
　仮にトランプがプーチンのように大統領の席に居座り続けるとすれば，世界一の独裁国家が誕生することになる．(註)
　そうなれば，米国民は自分たちが何をしてしまったのかを知ることになる．
　そして日本は安全保障上の危機的状況に陥る．
(註) トランプは自分の意のままにならないFBIを解体する気だとCNNは報道している．また現在の米軍幹部を大粛清する方針だとも伝えられている．
　
　ロシアと中国をみれば明らかだが，国家はいったん独裁化したらこれを覆すのは非常に困難だ．
　にもかかわらず，日本のテレビメディアにはトランプ支持派が堂々と顔を見せている．
　国際弁護士の清原博氏は，レギュラー・コメンテーターをしている番組ではトランプ支持をあからさまにはしていないが，他のテレビ番組では露骨なトランプ支持者であると公言した．(フジテレビ《ワイドナショー》8/25)
　トランプ推しで有名になった老いぼれの木村太郎はもうテレビに出てくることはなかろうが，ウェブの記事ではよく取材を受けている．
　この二人の他にも「隠れトランプ」はいるだろう．トランプが大統領に就任すると続々とテレビに出てくるかも知れない．
　
(11/17 追記) 元衆院議員でタレントの杉村太蔵が読売テレビ《今田耕司のネタバレMTG》(11/16) に出演し，トランプ支持を表明した．