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2024年9月 7日 (土)

「令和の米騒動」と煎餅の原料不足の話を混同してはいけない /工事中

 FNNプライムオンライン《「ないときに出すのが備蓄米だと」“令和の米騒動”せんべいにまで余波…秋から原材料費が3割値上がり 待望の新米も品薄収まらず》[掲載日 2024年9月6日] から下に引用する.
 
“令和の米騒動”の余波はせんべいにも
 さらに、“令和の米騒動”の余波はついにせんべいにも到来した。
 醤油が焼ける香ばしい香りが漂う、埼玉・草加市にある老舗煎餅店「豊田屋」では、米不足の影響で、せんべいの原材料となる米が高騰することで、値上げも検討しているという。
 米不足の影響で秋以降の仕入れ値が3割以上上がるため、値上げを検討しているという。
 
 豊田屋 豊田重治社長:
 今までも上がっていたけど、そんなに上がったことは初めてですね。かなり厳しいね、ずっと赤字だからね。
 せんべいを愛してやまない草加市民は「上がる!?う~~」「せいべいの値段も上がりますね」「困ります」と値上げの話に驚きを隠せず困惑していた。
 米が不足していても、備蓄米を放出しない考えを貫く政府に、せんべい店の社長からは「普通に考えればね、備蓄米っていうんだから、(米が)ないときに出すのが備蓄だと思うんだけど。(政府は)頭の中が我々とはちょっと違うって感じだね」という言葉が聞かれた。(「イット!」 9月5日放送より)》(引用文中の文字の着色強調は当ブログの筆者が行った)
 
 草加せんべいの豊田屋という会社の社長がテレビ番組に登場して「値上げを検討している」と述べたのをリアルタイムで視聴したのだが,これは誤解を招く放送だと思ったので,説明しておく.
 草加市の豊田屋が特別に高級な原料 (米) を使用しているのなら話は別なので,以下には一般的なせんべい業界の事情を解説する.
 
 せんべいの製造には,私たちが炊飯して食べる主食用の米は使わない.
 今夏にテレビが大騒ぎしている「令和の米騒動」はスーパーで販売されている主食用の米が店頭で払底しているという話だ.
 だから,せんべい業界の原料事情は,主食用米の話と一緒にしてはいけないのである.
 そもそも,せんべいの原料には良質 (「おいしい」という意味) の主食用米ではない低価格の「加工用米」が使用される.
 加工用米とは,米菓,味噌,焼酎,米粉,ビール等に使用される米で,三つに大別される.
 
 (1) 国内産米;最初から加工用米として作付けされる低価格 (低品質) 国内産米で,主に全農ルートで米菓業界や味噌,焼酎業界に販売されている.
 
 (2) ミニマムアクセス米;政府がWTOに輸入を義務付けられた米穀で,政府に買い受けを申し込んだ用途に限定して販売される.
 
 (3) 中米・特定米穀;玄米を搗いて精米にする搗精業者 (専門業者もいるし末端の「お米屋」のこともある) の工場で発生する粒の小さい米を指す.政府統計は,目の細かさが1.7mmの篩で処理して上に残った玄米量をその年の収穫量としているが,生産農家やJAは1.8~2.0mm篩の上に残った玄米を出荷している.この1.8~2.0mm篩の下に落ちた玄米を「特定米穀」といい,搗精して加工用米として販売する.この1.8~2.0mm篩の上に残った玄米を「中米」といい,搗精して主食用米あるいは加工用米として販売されている.
 
 
 農家は価格の安い加工用

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