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2024年8月 4日 (日)

オリンピックは似非「平和の祭典」である /工事中

 パリのオリンピックをテレビ観戦している.
 東京オリンピックは,開催前から「裏で黒いカネが動いている」と噂されていたし,実際,終わってみたら汚職が明るみに出た.
 しょうもないレガシーをとやらを建設しまくって,今はその後始末に困っている.
 大体において「経済効果は○億円」などというイベントは,後でその経済効果を検証した例がない.
 今度の万博も同じだ.
 たぶん赤字決算に終わるだろうが,赤字の裏でカネ儲けを企んでいるやつもきっといる.
 赤字は,万博開催の旗を振りまくった大阪府と維新と橋下徹が工面しろといいたいのが国民の意見だろう.国税で補填するなんぞもってのほかである.
 とはいうものの,フランスの経済のことは他人事だ.
 きっとフランスも「レガシー」の後始末に苦労するだろうが,知ったことか.
 
 近代オリンピックの創設者であるクーベルタンは《”休戦”という考えもオリンピズムの本質的要素です。だからこそ、その周期は厳格に守られなければなりません。オリンピックは人間の春を祝い、世代の継承にたたえる4年に1度の祭典なのです。》(Wikipedia【ピエール・ド・クーベルタン】から引用) と述べた.(引用文中の文字の着色強調は当ブログの筆者が行った)
 これこそが,オリンピックが平和の祭典と呼ばれるようになったクーベルタンの思想である.
 しかし,彼は「休戦」がオリンピズムの本質的要素であるとは言ったが,「停戦」が平和に必要であるとは思わなかった.
 クーベルタンの欺瞞は現在も脈々と受け継がれ,オリンピックの競技が本格的に始まった日 (7/27) にイスラエル軍は,ガザ地区中部にある学校を攻撃し,三十人が死亡し,百人以上が負傷したと報道された.(ハフポスト日本版《「オリンピック休戦」はあっさり覆された。パリ五輪開幕後、ガザの学校に攻撃。30人死亡、100人以上負傷 国連総会で開幕7日前から閉幕7日後まですべての戦いを停止するよう呼びかける「オリンピック休戦」が採択されていた。》[掲載日 2024年7月28日])
 敵国を壊滅させるには,その国の子供たちを殺せばよい.
 プーチンもネタニヤフも,その戦略に忠実に戦っている.
 特にイスラエルは,かつてのナチスドイツを彷彿とさせる悪鬼のごとき国家と化した.
 第二次大戦でナチスに殺されたユダヤ人たちが,今度はガザ地区の民衆を殲滅殺戮せんとしている.
 あまりのイスラエルの極悪非道に,フランスは距離を置き,ドイツは武器の提供を停止した.
 しかしアメリカはイスラエル支援をやめようとしない.
 オリンピック競技開始後にイスラエルがガザ地区の子供たちを殺戮したニュースは,テレビではほとんど取り上げられなかった.
 NHKも民放も,能天気にメダル獲得数がどうのこうのと浮かれていた.
 だが,ウクライナはどうした.ガザ地区はどうした.
 普段なら報道されるはずのこれら戦地の状況が,オリンピック騒ぎのために覆い隠されている.
 近代オリンピックが始まって以来,世界で絶えることなく戦争が続けられているが,オリンピックは「平和の祭典」として開催される.つまり戦争の悲惨さを隠蔽することが《オリンピズムの本質的要素》なのである.
 そしてこれこそがクーベルタンの意図したところである.
 
 ロシアは侵略国として今回のパリ・オリンピックには国としての参加はできなかった.
 しかしイスラエルは,オリンピックが始まっても全くガザ地区への攻撃をやめようとしないにもかかわらず,国として参加している.
 これは欧米つまりG7,EUなどの意向をIOCが忖度しているからだ.
 イスラエルの参加をIOCが認めなければ,これら欧米各国はオリンピックをボイコットし,テレビ中継をしないだろう.
 そうなればIOCの 金儲け 経営 運営は大打撃だ.
 IOCにとって放映権収入は世界平和なんぞよりずっと大切だから,断固として「ロシアは侵略国だがイスラエルは平和国家である」とIOCは言うだろう.
 だがこの欧米の欺瞞を,アフリカ諸国は軽蔑している.
 

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