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2024年7月 4日 (木)

似非左翼を賛美したひと /工事中

 NHK《旧優生保護法は憲法違反 国に賠償命じる判決 最高裁》[掲載日 2024年7月3日] から下に引用する.
 
旧優生保護法のもとで障害などを理由に不妊手術を強制された人たちが国を訴えた裁判の判決で、最高裁判所大法廷は、旧優生保護法は憲法違反だとする初めての判断を示しました。
 そのうえで「国は長期間にわたり障害がある人などを差別し、重大な犠牲を求める施策を実施してきた。責任は極めて重大だ」と指摘し、国に賠償を命じる判決が確定しました。(以下略)》
 
 私は,最高裁もやるときはやるんだ,と感動した.
 私はもちろん今回の最高裁判決を支持するものだが,実は私たち戦後すぐに生まれた世代と,その少し下の世代は,おぞましい優生保護法の影響下に教育を受けてきた世代でもある.
 これについて,テレ朝news《検定教科書に強制不妊手術「明るい社会のため大切」》[掲載日 2018年4月26日] から下に引用する.
 
障害者らに強制的に不妊手術が行われた問題で、当時、高校の教科書に「明るい社会を作るために大切なもの」などと書かれていたことが分かりました。学校でも強制的な手術を望ましいものとして教えていた実態が浮き彫りになりました。
 1950年4月の時点で国の検定に唯一、合格した高校の保健の教科書では、障害者らへの強制的な不妊手術について「社会から悪い遺伝性の病気を持った人を除き、明るい社会を作るために大切なものである」と書かれています。当時、旧優生保護法が施行されたばかりでした。さらに、教科書では「浮浪者や凶悪犯罪者に精神疾患や知的障害者が少なくないことを考える時、この法律が大切なことが分かる」などと指摘しています。また、文部省が教師に向けて作成した1972年度の学習指導要領の解説でも「我が国の精神障害の現状を理解させ、予防や取り扱いに関連して優生保護法に触れる」と書かれていたことも分かりました。
 立命館大学・松原洋子教授:「優生政策の重要な柱の一つに国民の啓蒙(けいもう)と啓発があった。(その一環として)文部省が保健体育の教科書に取り入れた」
 保健体育はすべての生徒に履修が義務付けられていて、優生保護法に関する記述は1960年代から1970年代の複数の教科書に見られます。》(引用文中の文字の着色強調は当ブログの筆者が行った)
 
 昭和二十年の夏,戦争が終わって,昨日まで天皇陛下万歳を叫んでいた教員たちが,手のひらを返して戦中の教科書に墨を塗り (実際は授業の時に生徒たちに「ここを塗りなさい」と指示して墨を塗らせたものが多いと私は高齢者から聞いている),唐突に民主主義とか人道主義とかを生徒に教え始めたという.(参考;YouTube《戦後の転換点を物語る 墨塗り教科書の展示》)
 教科書に墨を塗る様子を記録した映像をテレビ番組で観た人は多いだろう.
 しかし戦前から天皇を現人神と教えられて生きてきた日本人にとって人道主義などという概念は理解しがたいものだった.
 占領軍の手前,世渡りの術として反省はしてみせたが,しかし日本の支配層にとって根本的には,国民は天皇の赤子であった.
 神である天皇の赤子が《精神疾患や知的障害者》であってはならぬ.
 社会から《精神疾患や知的障害者》を除くことは《明るい社会を作るために大切なもの》である.
 こうして昭和二十三年七月,優生保護法が成立した.
 40万人の障害者が不妊手術を強制された「断種法」、重度障害者30万人以上が犠牲となった「安楽死」政策=「T4作戦」。その根底に横たわる ナチス・ドイツの優生思想を ...


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