現役会社員だった頃は,パソコンにちょっとおカネをかけていた.
用途別 (音楽用,画像処理用,ウェブ閲覧用,ゲーム用など) にカスタマイズした数台が稼働していた.
しかし年金暮しになると,そうも言ってられない.
少し前に古い一台が寿命を迎えたのを機会に,これからは激安PCを使っていくことにしようと思ったのである.
そこでアマゾンを物色していたら,Panasonic Let's note CF-SZ6 (Core i5, メモリ 8GB/SSD, ストレージ 512GB/SSD) の中古品が出品されていた.厚くて重い無骨な筐体の,昔は人気のあったマシンだ.
商品説明には「整備済み品」と書かれていた.説明書は附属品にはなく,どんな整備をしたかは書いてないので不明だが,OSは Windows11 pro である.
これに使用されているCPUは,第7世代COREなので,Wndows11のサポート外であり,厳密に言うと私が買った Let's note CF-SZ6 はマトモな商品ではない.
Windows update に失敗するという情報もある.
しかしこれまでのところ,私の購入した Let's note CF-SZ6 は不具合を起こしていない.
用途は,音楽演奏ソフトを入れてPCオーデイオの音楽プレイヤーとしての使用に限っており,ウェブに接続していない.
従ってWindows update は必要ない.そのような使い方なら中古再生 Let's note CF-SZ6 で役に立っている.
また,中古品あるあるだが,万が一,マルウェアがプリインストールされていた場合 (笑) に備える対策として,家庭内LANにも接続していない.
かつて Windows11 がリリースされた際に,Windows10 には無償アップグレードの特典があった.
しかしすべての機種が無償アップグレードの対象ではなく,発売が2016年7月以前の製品 (自作マシンはまた別の話だが) はシステム要件 (その一つがCPUだ) が満たされていないため,マイクロソフトから提供されたチェッカーが「システム要件を満たしていません」と警告することがあった.
ここで「ことがあった」というのは,このアラートを回避する方法があったからだが,"Windows11 x システム要件"で詳細を検索されたい.
アマゾンのレビューに“「一般の会社が機種更新のために多数放出した中古マシン」を一括購入した中古品ベンダーが,ボリューム・ライセンスのOSを入れてバラ売りしてるのではないか”と疑っているユーザーがいたが,そう思うのであれば,確認してみればいい.(買う前に確認できないという大きな問題があるが)
確認しないで文句を垂れている人の気が知れないが,確認方法はウェブにアップされているので探すのは容易だ.
方法は簡単なワンステップだ.コマンドプロンプトに“slmgr /dli”と入力すると,ライセンスの種類が表示されるのだ.
私の購入した Let's note CF-SZ6 を確認してみると,
Windows(R), Professional edition
Windows(R) Operating System, OEM_DM channel
と表示された.
つまりこのOSは正規品であり,ライセンスの問題はない.
購入価格は約22000円.OEMライセンスのOSを搭載してこの値段であるから,中古機としてはアタリであったということだ.
きっと一台千円とか二千円で叩き売られたマシンに,OEMの Windows11 をインストールして,まだ充分使えるように再生 (註)したのだろう.(註;マイクロソフトの Microsoft Registered Refurbisher プログラムに基づいて,マイクロソフトからPC再生業者にOEMライセンスが提供される.SDGsだなあ)
ただし,アマゾンに出品している中古機ベンダーがすべて良心的かというと,その保証はない.
またアマゾンで売られている激安品の中には,その機種の発売年が書かれていない場合が多いのだが,モニターとの接続端子がDVIだけしかない (エプソン,デル,HP など) なんて骨董品があって,こういうのは中古品にしても古すぎだ.
OSのライセンス問題以前に,買ってすぐ不調になる可能性が高いから敬遠したほうがいい.
といつつ更に物色を続けていたら,デルの中古で,何とまあ懐かしのシリアルポート搭載という機種があった.
若い人はシリアルポートなんて見たことないのではあるまいか.レガシー中のレガシーだ.これくらいレアだと,欲しがっている人がいるような気がする.一体いつリリースしたモデルだろう.
ところで,新品で激安ないわゆる「中華PC」はどうか.
モニターの後ろ側に取り付けられるくらいの小型PCだ.
実は四年前に,テレビに装着する目的で購入した激安「中華PC」を私は買ったものの,そのまま放置していた.
これを引っ張り出して起動し,ライセンスの状態を調べてみたら,案の定ボリューム・ライセンスだった.
既にご承知とは思うが,Windowsのライセンスは以下の通りである.
ITmedia《あなたのPCのWindows 10/11の「ライセンス」はどうなっている? 調べる方法をチェック!》[掲載日 2023年10月20日] から下に引用する.
《Windowsのライセンスにはどんなものがある?
パッと見では分からないかもしれないが、Windowsには複数のライセンス(利用許諾)形態がある。具体的には、以下の形態が用意されている。
フルパッケージ(FPP)ライセンス:OSを“単体で”購入したもの
ライセンスは購入者に付与
いわゆる「パッケージ版」や「デジタルライセンス版」(※1)が当てはまる
「リテール(Retail)ライセンス」とも呼ばれる
OEMライセンス:PCメーカーや販売代理店を通して供給される
ライセンスはハードウェアに付与
細かく分けると「DSP版」(※2)と「OA3版」(後述)の2種類がある
ボリュームライセンス(VL):法人に付与(販売)される
その名の通り、法人がOSのライセンスを複数個用意する際に使われる
ライセンスは法人に付与される(個人ユーザーは利用できない)
EnterpriseエディションはVL限定となる
(※1)Microsoft Storeを含む一部のECサイトで販売されている、パッケージを伴わないFPPライセンス(インストールメディアはWebからイメージをダウンロードして入手:参考記事)
(※2)PCパーツ等と同時に購入する場合に限り購入できる(ライセンスは、セット購入したハードウェアに付与される》
ここで少し横道に逸れて,DSP版について注釈をする.
上の《(※2)PCパーツ等と同時に購入する場合に限り購入できる(ライセンスは、セット購入したハードウェアに付与される》は事実ではない.
アマゾンで販売されている《DSP版》,例えば下のスクリーン・ショットの商品《Windows11向け DSPライセンス日本語 (Pro)》は,購入するとライセンス・キーだけが販売業者から送られてくる.
DSP版の抱き合わせ販売商品は,この商品では不必要だということになっている.
DSP版の建前上は,OSと同時に購入したDRAMとか懐かしのフロッピーディスク・ドライブをPCに組み込むことになっているが,事実上は単なる抱き合わせ販売であるため,セット販売しているパーツは実際に使用しなくても問題はなく,例えばPCの筐体に粘着テープなどで貼り付けておくだけで,ライセンス違反にはならないと,以前はいわれていた.「いわれていた」というのは,秋葉のショップ店員が客に小声でそう説明していたからである.
さて実際の作業は,マイクロソフト公式サイトからWindows11のインストール・プログラムを,別途用意したUSBメモリにダウンロードし,このUSBメモリからPCを起動してインストールを開始する.
すなわち《(※2)PCパーツ等と同時に購入する場合に限り購入できる(ライセンスは、セット購入したハードウェアに付与される》は事実ではない.
かつて存在していた《PCパーツ等と同時に購入する場合に限り購入できる》という縛りが,現在でもDSP版のライセンス契約上は存在しているとしても,その条件を,このHOKUTO-STARという販売業者は無視している.
上に示した商品は,DSP版のライセンス契約に違反している.
私は若い頃,PC自作派だったので,秋葉原のドスパラでよくWindowsのDSP版を購入した.
ドスパラは実店舗の店だからきちんとDSP版の販売縛りを守っていて,私は最小容量のメモリを一枚買ってOSを買ったものだ.
そんな小さなRAMは実用品ではないので,私はPC筐体にそれをビニールテープで貼り付けていた.
余談だが,当時,秋葉原電気街に近い神田明神ではPCの無病息災ウイルス退散を祈願する有難いお札「IT情報安全守護」を授与していた.
メモリモジュールやCPUをデザインしたシールで,PC自作派界隈ではかなり有名なお守り札だった.(ITmediaNEWS《「何もしていないのに壊れた」に効く? 神田明神には20周年を迎えたITお守り「IT情報安全守護」がある》[掲載日 2022年4月22日])
PC自作派は,DSP版と同時に購入したパーツと神田明神のお札を筐体に貼っていたものである.
もっと横道に逸れる余談であるが,とある秋葉のパーツ屋では,店員さんが巫女さんのコスプレをしていて,DSP版を買うと御幣をシャカシャカと振ってウイルス退散のお祓いをしてくれた.
お守り札とかお祓いはさておき,現在でもこの抱き合わせ販売 (PCパーツ業界では「抱き合わせ」ではなく合法的だとの意味を込めて「バンドル」という) はDSP版購入の縛りになっている.
ツクモの公式サイトの《DSP版とは?》には次の記載がある.
《DSP版は、OEM製品のひとつで、PCを構成するパーツとセット(バンドル)の場合だけ購入が可能なOSです。一緒にご購入いただくパーツは、CPU、メモリ、HDD、SSD、マザーボード、DVD-Rなどのドライブ、拡張ボード、CPUクーラーなどで、DSP版 OSをインストールするPCに組み込んで使用していただく必要があります。》
《Windows 11 Pro 64bit DSP版 + 指定内蔵LANカードバンドル限定セット
¥26,400(税込)
Windows 11 Pro 64bit DSP版 + 指定SSDバンドル限定セット
¥27,200(税込)》
正規のリテール版 Windows Pro はマイクロソフトストアで約24000円,Home は約17000円だ.
それを勘案すると,ツクモのDSP版価格 (通販) はかなり高いように思える.これなら正規なリテール版を買う方が余程お得だ.
年金暮しでコスパ重視の私だったら,Home を買う.
話を元に戻すと,上に示した HOKUTO-STAR という販売業者は,マイクロソフトと,ベンダーである HOKUTO-STAR との契約すなわち「パーツとバンドルして販売しなければいけない」に違反している.
その違反をマイクロソフトが咎めるとすると,インストールした Windows11 を認証しないというペナルティを課することができるわけだが,実際には認証されている (アマゾンのユーザー・レビューを見る限りでは).
私が思うに,もともとDSP版という製品は,マイクロソフトのOS事業周辺でメシを食っているパーツ分野のサードパーティが,マイクロソフトに頼んで作ったものではないか.
というのは,マイクロソフトには,そんな製品を売る義理はないからである.マイクロソフトにしてみれば,売るのは正規のリテール版だけでいいのだ.
しかしパーツ業界は,パーツの販促ツールとしてOSを抱き合わせ販売したいので,マイクロソフトにDSP版という特別仕様の製品の販売を頼み込んだのではあるまいか.そういう事情が背景にあると私はニラんでいる.
だとすると,DSP版をパーツとバンドルせずにOS単体で不当廉売する業者が出てきて,ツクモのような大手パーツ店の営業妨害をしても,マイクロソフトにしてみれば「勝手に仲間割れしてろ」ということではないか.
卸価格以下で売られているのでなければ,マイクロソフトは無関心だろう.巨大企業が,そんなちっちゃい話に構っていられるか,という話だ.
パーツとバンドルせずに不当廉売業者が販売したDSP版が,ちゃんとマイクロソフトに認証されているのは,その推測を裏付けている.
ただし,一罰百戒の言葉があるように,ある日突然,マイクロソフトの認証が通らなくなる可能性が捨てきれない.
そのリスクを取りたくなければ「パーツとバンドルせずに販売されている契約違反DSP版」は避けるのがおすすめだ.
さてこの「パーツとバンドルせずに販売されている契約違反DSP版」の他に,正規リテール版OSと同じ形態で売られているDSP版がある.
つまりUSBメモリにインストーラが搭載されていて,BIOSを呼び出してUSBポートから起動するようにし,再起動すれば,あとは自動的にOSがインストールされる.
このDSP版は,USBメモリがバンドルされている,という屁理屈なんだろう.
パーツとバンドルせずに販売されている HOKUTO-STAR 販売品の価格よりは高いが,正規のリテール版はもちろん,ツクモのDSP版よりも安い.
ならばこれでいいじゃん,という気もするが,世の中はそうそう甘くなくて,USBメモリが壊れていたり,インストールに失敗したり,あるいは認証がされなかったり,というトラブルが報告されている.
もちろんトラブル発生時のサポートは,販売業者が行うことになっていて,マイクロソフトは対応しない,
こういうトラブルのリスクを取りたくなければ,素直にリテール版を買うのがよいと思う.
ではあるが,トラブルこそがパソオタの歓びだという趣味もあるわけで,それならそれであやしげなDSP版を買うのも一興である.
閑話休題.
年金生活者のパソコンは何がいいか,という話である.
中古 (印象をよくするためか「整備済み」と通販サイトではそう呼ばれている) の Let's note CF-SZ6 をアマゾンで購入したら,OEM ライセンスのOSが搭載されている良品だった,ということは既に述べた.
しかし Let's note CF-SZ6 の前に買った激安PC (ブランドは ACEPC ) はハズレだった.
《ところで,新品で激安ないわゆる「中華PC」はどうか.
モニターの後ろ側に取り付けられるくらいの小型PCだ.
実は四年前に,テレビに装着する目的で購入した激安「中華PC」をそのまま放置していたのである.
これを引っ張り出して起動し,ライセンスの状態を調べてみたら,案の定ボリューム・ライセンスだった.》
この「中華PC」を買ったのは Let's note CF-SZ6 の前だが,最初の立ち上げだけ済ませて,そのあとほったらかしになった.
(註;IBMのPC事業を吸収し,日本ではNECと富士通のパソコン事業を傘下に収めたレノボは中国系企業ではあるがその製品を「中華PC」とは呼ばない)
こいつzoomを入れて,居間のテレビに接続してオンライン飲み会をするつもりだった.
しかしオンライン飲み会は私の知人たちには非常に不評で,なんでそこまでして酒を飲まにゃいかんのだというわけで,誰も参加者がいなかった.
そのため,せっかく買った「中華PC」はお蔵入りになってしまたのである.
それじゃあ折角テレビに繋いだことが無意味であるので,このマシンで,テレビの大画面でゲームをしようと思い立った.
高齢者には懐かしい,世界で最初のオンラインゲームである Diablo である.(通称 Diablo1)
これがゲームベンダーの GOG によって復刻されたのである.(具体的には TCP/IP で動作するようにリメイクされた)
(Diablo のダンジョン)
小型の「中華PC」にはグラボを搭載できないが,ブラウサゲームやレトロゲームは大丈夫だ.
で,このマシンのOSは違法なボリューム・ライセンスなのだが,そのままにしている.
なぜかというと,ボリューム・ライセンスには二種類あり,(1) VOLUME_MAK channel,(2) VOLUME_KMSCLIENT channel の二つである.
この二つの違いについて詳細は省くが,いずれにせよボリーュームライセンスのOSを搭載して通販で売られている「中華PC」は,法人に付与されるライセンスを個人に販売しているので,マイクロソフトとしては認証を拒否できる.
このうち(2)の通称「KMS」は,このOSを搭載したPCは認証取消の警告がモニター画面に出たあと,一定期間が経過すると必ず自動的に認証が取れ消され,起動しなくなる.
つまり通販で買った「中華PC」のライセンスを調べたら「KMS」であった場合,これは詐欺に引っかかったのである.
もしそのPCを使い続けるのであれば,起動しなくなる前に,リテール版または正規のDSP版OSを購入して新規インストする回避手段があるが,そこまでする価値があるかどうか.
また(1)の通称「MAK」は,一定期間経過後に必ず認証取消がされるというわけではないが,そのリスクはあることを承知しておかねばならない.
私が買ったマシンはこのMAKライセンスだったのであるが,起動しなくなったらなったで,それまでのことと思っている.
正規のOSを新規インストしないつもりだ.
このマシンは,リテール版のWindows11よりも安かった (二万円以下) のだから,正規版を新規インストするくらいなら,確実にOEMライセンスであることがわかっている中古再生PCを買い直すほうが利口だからである.
それと,この「中華PC」に手を加えない理由がもう二つある.
一つは機械として,超小型機にはやはり構造的な無理があると思われることだ.
超小型機の筐体の中は,とてもエアフローを考慮しているとは思えない構造だ.CPUの放熱を考慮して設計されているノートPCとの違いは歴然としている.
また超小型機に組み込まれている冷却ファンは,本体価格が激安であるから低品質なものにならざるを得ない.
低品質の証拠として,私が買った「中華PC」は軸受けから発する音がした.
連続音ならそれがその冷却ファンの定常状態だということになるが,そうではない.
稼働開始後一ヶ月あたりから,「チリチリチリ」という小さな音が断続的にし始めたのである.
これは明らかにファンの不調だ.このまま運転していると,いずれ大きな異音がするようになり,故障に至ると思われる.
それ故,このマシンはライセンス認証が切れる前にたぶん故障する.
それでほったらかしにて,レトロゲーム専用機のままにしているのである.
というわけで,「中華PC」には(1) OSがボリューム・ライセンスであるため,ほぼ詐欺品 (KMSライセンス) のことがあること,(2) そもそも機械として部品がチープであること,の二点が問題である.
しかし (1) に関しては,激安機以外に,五万円以上の価格帯で販売されている「中華PC」があり,これはOEMライセスであるとの情報がある.
つまり,すぐ使えなくなる詐欺的激安品を売り逃げするのではないビジネスをしている中国系メーカーがあるのだ.
彼らの製品説明を信ずれば,安心して買えるように思えるが,しかし私の個人的な見解,というか感情的なことを顕わに言えば,同じ価格帯だったらわざわざ「中華PC」を買うのではなく,ドスパラとかマウスコンピュータを買いたい.
この両社が健闘して,かつて隆盛だった国産PCの残影を守っているのだから.
で,五万円以下の激安価格帯の製品は,ほぼボリユーム・ライセンス品でしかもKMSなのだが,しかし世の中は一筋縄ではいかない.
実は私は,MAKライセンス機の他に,もう一台「中華PC」を所有している.これはアマゾンのタイムセールで買った一万八千円の激安機だが,このライセンスが何とOEMなのである.
しかも冷却ファンの音がしない.
これは何らかのワケあり品という気がする.例えば設計上の問題があって真夏にエアコンを控えた部屋で使うと熱暴走するとか.
この製品は今でもアマゾンで販売されているのだが,たまたまこの製品にはOEMライセンスのWindows11を入れただけかも知れないので,製品名の紹介はやめておく.
余談だが,スマホでもタブレットでもPCでも,中国企業の製品には,個人情報を裸にするマルウェアが仕込まれているという噂が根強い.
実際に初期のレノボのPCにはマルウェアが仕込まれていた.それが明るみに出た時,私たちは本当に驚いたものだ.(Gigazine《Lenovo製PCに入っている極悪アドウェア「Superfish」はどれだけヤバイのか?》[掲載日 2015年02月20日])
中国という国はそこまでやるのか,と.
私たち一般の日本国民が個人所有のPCに保管している個人情報なんか大したものではない (クレカとか銀行口座のデータを保存している人がいたら論外だが,通販等のサイトのログインに際してOSから「パスワードを記憶させますか?」と問われて,うっかり者はついOKしてしまいがちではある) から,レノボの行為は気分的に嫌なだけだが,ユーザーが政府や自治体の職員だったりすると,これはちょっとヤバイ.
このマルウェア仕込み事件の発覚後,レノボ自身は謝罪して「もうそんなことはしません」と言明したので現在のレノボ製品は信用してもいかも知れないと言うにやぶさかでないようだと思われるのだが,この事件を記憶している人は多い.
そのため,激安「中華PC」を購入したらリテール版のOSをクリーン・インストールするのを勧めるPC界隈の業界人は多い.
私もそう思う.
同様のことが中古再生PCにも言える.
一般人のための情報機器は,今やPCから完全にスマホに置き換ってしまった.若い社会人たちはもう仕事以外の局面ではPCなしでもやっていける.学校の生徒たちは授業にPCを使うが.
だが,私ら老人たちはPCを手放せない.会社を定年退職して年金生活に入ったあとはもうエクセルもパワポも使うことはないが,老眼だからメールを読むのもウェブを閲覧するのもPCのほうがラクなのである.
それ故,PCをメインの情報ツールにしている高齢者は多かろう.
だからといってオーバースペックのPCを買う気にはなれない.
ドスパラやマウスコンピュータのPCで,必要最低限のスペック (メモリ16GB,ストレージ512GB) なら七万円で買えるから,新品ならここらあたりが妥当なところか.
中古再生PCでこのクラスの機種 (CPUは第8世代の Core i以上が必須) だと三万円台だ.
これに Windows11 Home のリテール版をクリーンインストールする (これはマルウェア対策だ) と,トータルで出費を五万円以下に抑えることができる.
ただし,中古再生PCは,いつ故障するかわからないのが実情だ.
従ってこの二万円の差額を節約することは不測の故障リスクとのトレードオフであるが,このトレードオフに関する私の結論を言うと,メイン機として使うPCは新品を買うのがよいと思う.
中古再生PCを買うのは,一種のギャンブルだ.
新品PCの初期不良率は非常に低いし,返品または無料修理ができる.
これに対して中古再生PCの故障リスクはかなり高いと見るべきだ.だって使い込んだからマシンだから中古なのだ.そうでなければ新古品として販売されるはず.
何事においても,年金生活の高齢者は無視できぬほどのリスクを取るべきでない.だったらPCは新品購入の一択である.
私のPCラックで常時稼働しているマシンのうち,一台は Windows10 から無償アップグレードしたもので,そろそろ寿命がくる頃だ.
事実,Windows11 をシャットダウンしても電源が切れないことが増えている.
そのため突然の故障 (天寿) に備えて一台を新調し,予備機として準備しておく必要がある.
それをどうするかだが,上述のドスパラの低価格マシン (税込七万円ちょっと) にしようかと思っている.
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