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2024年6月19日 (水)

ドレスが似合うことは介護士に必要だとコンテスト主催団体はいう

 人の世は平等ではない.
 私たちはコンテストが好きで,何かにつけてランキングをしたがる.
 ランキングはもう人間の業みたいなもので,人種差別や貧富差別,職業差別や男女の性差別,部落差別など諸々の差別の根幹に,これがある.
 ただ,ランキングにも納得性というものがあり,例えば現代の囲碁将棋の段位やタイトルは実戦によって棋力強弱のランクを決めるというシステムになっていて,これは大方の受け入れるところである.将棋のタイトル戦は顔の善し悪しで戦うのではないのだ.
 テニスとか陸上競技なども,容姿ではランキングしない.
 美人アスリートはいるが,「かわいい」とか「メイクがじょうず」だから世界ランクに入れるわけではない.
 ところが,顔やスタイルで決まるランキングがある.ミスコンだ.
 ミスコン (含ミスター・コンテスト,ミセス・コンテスト) は最も幼稚な形態の外見至上主義 (ルッキズム) であると共に,その底部に優生思想が潜んでいる.
 
 外見至上主義団体であるベリッシマジャパン株式会社 (東京都中央区) が運営する「ミセスユニバースジャパン2024」の東京都在住・東京都出身のファイナリスト九名は,2024年6月17日に小池百合子都知事へ表敬訪問を行った.
 PRTIMES《「ミセスユニバースジャパン2024」ファイナリスト9名が小池百合子東京都知事を表敬訪問~「女性の皆さんが輝ける東京に」ファイナリストへエールを送る~》[2024年6月18日] から下に引用する.
 この団体の訪問を受けた小池都知事は次のように記事に書かれている.
 
大島代表やファイナリストの意気込みを受けて小池百合子東京都知事は「これは男、これは女といったアンコンシャス・バイアス、潜在意識があり、残念ながら日本の女性の活躍の場が絞られている。日本の女性は未活用・未利用エネルギーの最たるものだと思っています。皆さんの活躍が他の女性の皆さんへの励みになると思っています。我々も、もっと皆さんが輝けるような東京にしていきたい」とメッセージを伝えられました。》(引用文中の文字の着色強調は当ブログの筆者が行った)
 
 小池都知事は,外見至上主義団体に対して《皆さんの活躍が他の女性の皆さんへの励みになる》と高く評価した.
 同団体は,ミセスコンテスト「ミセスユニバース」について次のように記している.
 
世界的ミセスコンテスト「ミセスユニバース」とは
 ルッキズム批判に回答する、新たなミセスコンの形を目指して
 近年、多様性やSDGsを背景に、人の容姿に対する考え方に大きな変化が起きており、ミスコンの「ルッキズム」への批判が相次いでいます。ルッキズムとは、Looks(見た目、容姿)+ism(主義)を掛け合わせたことばで、「外見至上主義」と呼ばれており、外見的な美醜を重視して人を評価する考え方のことを指します。そういった背景を受けて、近年多くの団体がミスター・ミスコンテストの開催を廃止・変更するなどの潮流が生まれています。
 そのような中、woman empowerment(ウーマンエンパワーメント)の強化、つまり女性の社会的地位の向上をテーマに掲げ、2007年より行われている世界的ミセスコンテストが「ミセスユニバース」です。世界大会では、約80か国の中からそれぞれ選ばれた代表のミセスたちが、これまでの経験をもとに、チャリティーやボランティア、社会貢献活動を推進、実施していくアンバサダーの役割を担っていきます。
 そして、日本代表を選考する日本大会として2020年より開催しているのが「ミセスユニバースジャパン」です。
 今年は主婦から税理士、管理栄養士、介護士、ピアノ奏者など、様々なバックグラウンドを持つ30歳~72歳までの計45名がファイナリストとして選出されました。プロ講師によるスピーチ、ウォーキングメイクファッション、食、プロトコールマナー、SNS、プロフィール撮影などのレッスンを受け、7月に開催する日本大会に挑みます。本選考会では、スピーチ、フィットネスウェア審査ドレス審査、知性・品性・社交性・表現力や社会貢献度など、外面だけでなく内面(これまでの人生経験や社会貢献への意識)も考慮し、日本代表を決定。今年10月韓国で行われる世界大会への出場権が与えられます。》(引用文中の文字の着色強調は当ブログの筆者が行った)
 
 なんだかんだ取って付けたような屁理屈を並べているが,旧態依然のコンテストの「外見審査」をやっている.
 要するにこのミセスコンテストは,女性の税理士や介護士に,メイクの上手下手や,フィットネスウェアや華やかな
ドレスが似合うかが必要だと主張しているのである.
 精神的にも体力的にもキツイ介護の現場で働く女性介護士には働きやすい服がいいし,そういう服装の時が生き生きと魅力的だ.
 そういう職業の女性に背中の開いたロングドレスを着せてどうするんだと私なんかは思ってしまうのだが,小池都知事はそうは思わない.
 ドレスの似合う介護士さんやフィットネスウェアを着た税理士さんの活躍は《他の女性の皆さんへの励みになる》と賛辞を寄せている.
 都知事選を前にしてこんな見識でいいのか.若い都民のためにも,いい加減に昭和の残滓から抜け出して欲しいものだ.
 
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ウクライナに自由と光あれ
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(国旗画像は著作権者来夢来人さんの御好意により
ウクライナ国旗のフリー素材から拝借した)


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