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2024年5月29日 (水)

定額減税は手続き的に破綻している

 LIMO《定額減税が6月にせまる!でも「所得税が少ない人」はメリットが少ないの?》[掲載日 2024年5月29日] から下に引用する.
 
定額減税「何か手続きを行う必要がある?」疑問を解決
 2024年6月から、いよいよ定額減税がスタートします。
 定額減税とは物価高による国民の負担を軽減するための措置で、2024年6月以降の所得税や住民税が減税される仕組みとなっています。
 本記事では、定額減税の対象者や減税の実施方法について解説します。
 記事の後半では、所得税や住民税が少ない人への措置についても紹介しますので、ぜひ制度を理解する際に役立ててください。
 (中略)
 定額減税の実施にあたり、「納税額が少ない人は恩恵がないのでは?」と疑問を抱いている人もいるでしょう。
 たしかに、所得税や住民税の納税額が多くない場合や、扶養家族が多い場合などは、源泉徴収で定額減税を控除しきれないケースもあります。
 ただしその場合は、定額減税ができない差額分を「給付金」として受け取ることができます。
 給付金の受け取りには、各市区町村が定める手続きが必要です。
 居住している市区町村で準備ができ次第、自宅宛てに受け取りについての案内が送付されますので、返送もしくはオンラインにて申請手続きを行いましょう。
 なお、市区町村によっては、給付金の受け取りに独自の要件や申請期限を設けている場合もあります。
 (以下略)》(引用文中の文字の着色強調は当ブログの筆者が行った)
 
 首相が物価上昇対策として「減税する!」と息巻いてから,かなり時間が経ったので,突然テレビなどで減税のことが報道されても「定額減税……ハア?」という人がいるのではないか.
 当初から減税のやり方について「複雑だ」との不満があちこちから出ていて,正直なところよく仕組みが理解できなかった.
 それに,減税が決まった時にはまだ詳細不明のことがあったので,減税実施前にもう一度調べてみた.
 調べた結果の感想はやはり「複雑だなあ」ということである.
 メインの減税対象である会社員についてはそれほど問題はないようだが,問題は今回の定額減税のやり方が適用できない例外ケースにどう対応するかだ.
 例えばそのケースの一つは,そもそも所得税の納税額が低額である年金生活者 (私もその一人) の場合である.
 ほとんどの年金受給者は所得税をあまり納税していないため,二ヶ月ごとに支給される厚生年金あるいは国民年金から期間内に天引きされる所得税を合計しても,減税額の三万円に達さない.
 その場合は「減税しきれない金額は給付金に切り替えて総額三万円になるようにする」というのだが,途中まで減税 (源泉徴収税額0円) で処理しておきながら,減税で処理しきれない残額を給付金にするという論理は破綻している.
 それじゃ「定額減税」になってないじゃないか.「定額減税+給付金」だ.
 それなら,どうせ破綻しているのであれば,年金受給者の場合は減税方式でなく全額を給付金方式にすればいい.
 国民にカネをばら撒く論理として「減税」という名目にこだわらず,全額給付金方式にすれば事務手続きは簡素になる.自治体の事務方は全額給付金方式を歓迎するだろう.
  
 また,定額減税で減税しきれない残額についての国の説明は中途半端で,結局は作業をしわ寄せされる自治体の説明を読んでくれと書いてあるのだが,給付金の手続きが自治体によって少し異なるのである.
「可及的に本人からの給付申請手続きなしで給付されるように努力中」と公式サイトに書いてある自治体もあるが,冒頭に紹介したLIMOの記事に《居住している市区町村で準備ができ次第、自宅宛てに受け取りについての案内が送付されますので、返送もしくはオンラインにて申請手続きを行いましょう》と書かれているように,本人からの申請が必要になるかも知れないとしている自治体もある.自治体によって種々の事情があるのだろう.
 要するに六月に入るまで,すでに公表されている定額減税の方法を適用できない納税者 (年金受給者) をどう扱うかは未定のようだ.
 どうも今回の定額減税のやり方は,首相が事務手続きに要するコストというものをナメているから思いついたものとしか思えぬ.
 そして仕組みが複雑になって,本人からの給付金申請手続きが必要になると,独居でかなり高齢の年金受給者の中には手続きができない人が出てくると思われる.いわゆる情報弱者だ.
 給付金を給付されるべきなのに,今回の「定額減税」の仕組みから落ちこぼれてしまった人々をどう救済するのか.
 政府は何も説明していない.
 
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ウクライナに自由と光あれ
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(国旗画像は著作権者来夢来人さんの御好意により
ウクライナ国旗のフリー素材から拝借した)


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