鬼婆
JR藤沢駅の北口と南口にはバスセンターがある.藤沢駅発のバス路線のハブになっている.
先日,北口からバスに乗ろうとしてバス停に行った.
そのバス停には,バスの到着を待っている乗客のためにベンチが二台置いてある.
私がバス停に着いた時,先客が二人いてベンチに腰かけていた.
このベンチは座面に手摺が設置されていて四人掛けである.(ちなみに手摺があるのは,路上生活の人がベンチで寝ないようにだとされている)
位置関係は下図の通りである.白い四角は空席を示している.
ベンチ1 / ベンチ2
(先頭) A □ B
上の図で,Aは若い女性,Bは中年女性で,なぜかBはAの隣に腰掛けずに,一つあいだを置いて腰掛けていた.
こういう状況で私がBに「詰めて座ってください」などと言うと,経験上,無用のトラブルを起こすことがあるので,私は何も言わずにBの隣に腰掛けた.それが下の図である.
ベンチ1 / ベンチ2
(先頭) A □ B 私
私がベンチに腰かけるとすぐに六十歳は過ぎていると思しき女性Dが私の左隣に腰掛け,さらに数人がやってきて,ベンチはAとBの間の空席を残して全部埋まり,そのあとから来た乗客たちは立ってバスを待つことになった.
ベンチ1 / ベンチ2
(先頭) A □ B 私 / D E F G / H I J (H,I,J は立っている)
(図の都合上,乗客はこの記事の下方向を向いていて,つまり図では左右が反対に描かれている)
問題が起きたのはそのあとだ.
年齢はおそらく八十歳以上の老女がヨロヨロと歩いてやってきて,Bに「ここあいてますか,座ってもいいですか?」と言ったのである.
しかしBは老女の問いを無視した.老女はもう一度「ここあいてますか?」と言った.
すると列の一番前の若い女性Aが,Bに「あけてないで詰めたら?」と言った.
Bは若い女性に何事か指図されたのが気に入らなかったのか,渋々といった雰囲気であいだを詰めた.
それが下の図である.
ベンチ1 / ベンチ2
(先頭) A B □ 私 / D E F G / H I J (H,I,J は立っている)
このようにしてBと私のあいだの席が一人分あいた.
すると老女はヨロヨロと私のほうに向いて「ここあいてますか,座ってもいいですか?」と言った.
今にも膝から崩れ落ちそうな老女に,私は右隣 (上図では左側) の空席を示して「ここにどうぞ」と言った.
老女は「ありがとうございます,ありがとうございます」と言いながら席に腰掛けた.それが下の図である.(図で●は老女を示している)
ベンチ1 / ベンチ2
(先頭) A B ● 私 / D E F G / H I J (H,I,J …は立っている)
私はこれで一件落着と思ったのだが,違った.
推定年齢六十五の女Dが,私にクレームを付けたのである.
「あとから来たのをなんで横入りさせるのよ!」と.
そのきつい言い方に私は驚いて立ち上がり,推定年齢六十五のクソ婆Dに「すみません,あなたが一つ後ろになっちゃいました,すみませんすみません,私があなたと代わりますからそれでいいですか?」と言った.それで下図の配置になった.
ベンチ1 / ベンチ2
(先頭) A B ● D / 私 E F G / H I J (H,I,J …は立っている)
上の図で推定年齢六十五のクソ鬼婆Dは列の先頭から四番目だから何の被害もこうむっていないのだが,しかし目を吊り上げて「余計なことする人がいるから他の人が迷惑するのよね!」と私をなじった.
その,口から火を吐き耳から煙が出そうな剣幕に,私は再度「すみませんすみません」と謝った.
しかし,今にも倒れそうな老女をベンチに座らせたことが,そんなに他人に迷惑を掛けることだったのだろうか.
老女の横入りといえば横入りには違いないが,釈然としない.
ちなみに,その時のバスは昼間と言う事もあり,一人の老女が列に横入りしたとしても,推定年齢六十五のクソバカ鬼婆Dは自分が好きなバス席に座れるくらいガラガラだったのである.
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ウクライナに自由と光あれ
(国旗画像は著作権者来夢来人さんの御好意により
ウクライナ国旗のフリー素材から拝借した)
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