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2024年3月24日 (日)

主婦向け情報メディアのシュフーズは主婦をバカにしている (怒) /工事中

 シュフーズ《お湯を入れてはいけない『コップ』4選!絶対ダメな理由と熱湯に耐えられる素材とは?》[シュフーズに掲載された元の記事に記載がないため掲載日不明;この記事を転載したMicrosoftのニュースフィーダーには「八ヶ月前」と書かれている] から下に引用する.
 
お湯を入れてはいけないコップは、以下のものがあります。
 1.ガラスのコップ
 ガラスのコップとひと口に言っても、耐熱100度以下のものを指します。耐熱100度だと十分では?と思うかもしれませんが、お湯の温度が100度で室温が20度の場合、コップにかかる負荷は120度になるため限界を突破してしまいます。
 ・ひびが入る
 ・ぱっかり半分に割れてしまう
 木っ端みじんにはじけ飛ぶことはありませんが、ピシっという音を立ててヒビが入ってしまうことが多いです。
 
 上の記事を掲載したシュフーズは,自らを《シュフーズは、株式会社シュフーズが運営する「主婦」のためのお役立ちサイトです》と述べている.(後述する)
 主婦とは何か.
 Wikipedia【主婦】には《主婦は、一般に家事・育児を主にする既婚(もしくは内縁)の女性をいう》とある.
 さらに次の記述もある.
 
2020年度版の「男女共同参画白書」では「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきだ」と考える人は女性で6.5%、男性では8.6%であった。 2021年7月にNHK放送文化研究所より発表されたジェンダーに関する世論調査によると、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方について、賛成(賛成+どちらかと言えば賛成)が40.1%であり、「反対」(反対+どちらかと言えば反対)が59.1%であった。
 
 下に引用した独立行政法人労働政策研究・研修機構《専業主婦世帯と共働き世帯 図12》(2023年2月19日更新) によれば,2023年時点で共働き世帯の数が1,278世帯 (71%) であるのに対し,専業主婦世帯数は517世帯 (29%) である.
 
20240324a2
 
 上の図に示された「専業主婦」の実際は《2020年度版の「男女共同参画白書」》に《「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきだ」と考える人は女性で6.5%、男性では8.6%であった》と述べられていることと大きく乖離している.むしろNHKが行った調査結果に近い.
 しかしおそらく,我が国の女性に関しては専業主婦層が少数派であることは確かだろうと思われ,上に示した図12から推定すると今後もずっと専業主婦は減少の一途を辿るだろう.
 一方,株式会社シュフーズが運営する情報サイト「シュフーズ」のコンセプトは,同社のサイトにこう書いている.
 
シュフーズは、株式会社シュフーズが運営する「主婦」のためのお役立ちサイトです。
 シュフーズをご利用頂く皆様の忙しい日々に”ゆとり”が生まれ、主婦を始めとしたたくさんの方々の生活の質が向上することを願い、サービスをスタートいたしました。
 家事の困りゴトを解決したり、生活のちょっとしたヒントを見つけたりできる”暮らしの辞書”になれるよう日々情報を配信しています。
 掃除や洗濯、家事のこと
 行事や冠婚葬祭、マナーのこと
 旬や保存方法、食材のこと
 他にもいろいろ気になること
 家事のことだけじゃなく、ガーデニングや花言葉、節約術や貯金のコツなど、主婦が気になることを配信しています。
 
 これをみると,私たちの社会から消えつつある専業主婦層が必要とする情報は「家事の困りごと」「生活のちょっとしたヒント」「掃除や洗濯」「行事や冠婚葬祭」「マナー」食材の「旬や保存方法」「ガーデニングや花言葉」「節約術や貯金のこと」だとシュフーズは主張しているわけだ.
 シュフーズが列挙した情報項目は,今はすべて廃刊となった昭和の月刊女性雑誌 (主婦の友,主婦と生活,婦人倶楽部など) との記事と見紛うばかりである.
 だがシュフーズは,現代の主婦層の問題意識が昭和のままであると本気で考えているらしい.
 しかし現代日本の専業主婦層はおそらく大学などの高等教育を受けており,そういう女性たちが社会参画に無関心であるとは到底思えない.
 しかるにシュフーズは,家事以外の情報として日本の政治や経済の情報ではなく《節約術や貯金のコツ》を提供する.
 またロシアやイスラエルが行っている侵略戦争ではなく《ガーデニングや花言葉》の知識を与えようというのである.
 それだけならまだしも,脳内お花畑的な情報を提供するソースについて次のように記している.
 
記事の信頼性(掲載ポリシー)
 シュフーズ編集部では、記事に掲載する情報の信憑性を重視し、専門性の高い内容については専門家に監修を行っていただくなど、記事における信頼性の担保に努めております。
 なお、万が一掲載した記事の内容に誤りがあった場合は、速やかに該当記事の修正や削除を行います。
  専門家一覧
   矢野きくの 家事アドバイザー
   衞藤敬子  管理栄養士
   住吉彩   管理栄養士、野菜ソムリエプロ
   岩本健太  ファイナンシャルプランナー
   早川諒   起業家/講演家
   佐々木綾子 サステナブル料理家
 
 上記の早川涼氏《起業家/講演家》は何の専門家だか皆目わからぬ.
 佐々木綾子氏の《サステナブル料理家》も意味不明である.
 昨今はなんでもサステナブルと唱えればファッショナブルだと思ったのだろう.サステナブル料理なのかサステナブル料理家なのかも判然としないから,彼女は日本語が不自由な人のようだ.ただし本人はサステナブル料理とは《SDGsを取り入れた簡単おうちコンシャスごはん》と述べている.《おうちコンシャスごはん》だけならよいが,これに《簡単》を付けると,このひとは料理下手なんだろうなあとの疑念が湧く.簡単なごはんなんぞ教えるのは専業主婦に対して失礼であろうが.ちゃんとした料理の専門家を呼んでこいとシュフーズに言いたい.
 残る「家事アドバイザー」「野菜ソムリエプロ」「ファイナンシャルプランナー」は肩書としては専門家かも知れない.管理栄養士なんぞそこら辺に掃いて捨てるほどいて,栄養学を学ばなくても文学部卒でも取れる資格だから専門性は全くない.
 このブログ記事の冒頭に引用したシュフーズの記事は,「家事アドバイザー」「野菜ソムリエプロ」「ファイナンシャルプランナー」の諸氏が監修したはずだ.それを下に再掲する.
 
シュフーズ《お湯を入れてはいけない『コップ』4選!絶対ダメな理由と熱湯に耐えられる素材とは?》から下に引用する.
 
お湯を入れてはいけないコップは、以下のものがあります。
 1.ガラスのコップ
 ガラスのコップとひと口に言っても、耐熱100度以下のものを指します。耐熱100度だと十分では?と思うかもしれませんが、お湯の温度が100度で室温が20度の場合、コップにかかる負荷は120度になるため限界を突破してしまいます。
 ・ひびが入る
 ・ぱっかり半分に割れてしまう
 木っ端みじんにはじけ飛ぶことはありませんが、ピシっという音を立ててヒビが入ってしまうことが多いです。
 
 まず,上の記事中で《お湯を入れてはいけないコップ》とは《耐熱100度以下のものを指します》と書かれているが,そもそもこの記述自体が間違いである.
 
 ガラスは無機質であるため,有機物と同様の意味の「耐熱性」は存在しない.
 例えば台所用品の多くに使われているポリエチレンやポリプロピレン,ポリエチレンテレフタレート (PET),ポリスチレンは,高温化に置くと軟化して元の形を失い,冷却しても容易には元に戻らない (再利用する方法はある).食品保存容器等の用途は元の形を失えば役に立たなくなるので,実際の家庭製品ではこの軟化する温度を「耐熱性」と呼んでいる.
 軟化したプラスティックを大気中で更に加熱すると炭化して,もう再利用できなくなる.
 
 ガラスには種類があるが,そのうちで家庭用品によく使われるのはソーダガラス (ソーダ石灰ガラス,ソーダライムガラスとも) である.
 板ガラスやガラス容器などのソーダガラスを徐々に加熱していくと,

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