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2024年3月 3日 (日)

法に違反しても平気な公務員

 読売新聞《病気休職中の市職員、「療養に専念を」の指導に従わずイギリス旅行…停職6か月の懲戒処分「悪いとは思わない」》[掲載日 2024年3月2日] から下に引用する.
 
福岡県うきは市は1日、総務課の男性主任主事(36)を停職6か月の懲戒処分にした。発表によると、主任主事は病気休職中だった昨年9月21日~10月2日、イギリス旅行に出かけた。事前に旅行の計画を知った市から療養に専念するよう指導されたが、従わなかった。主任主事は市の聞き取りに「病気休職中に海外旅行に行くことが悪いとは思わない」と話しているという。
 
 病気休暇についてWikipediaに《国家公務員においては、「一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律」(平成6年6月15日法律第33号)の第16条において、「職員の休暇は、年次休暇、病気休暇、特別休暇及び介護休暇とする。」、および、第18条において、「病気休暇は、職員が負傷又は疾病のため療養する必要があり、その勤務しないことがやむを得ないと認められる場合における休暇とする。」と規定している》とある通りである.地方公務員については基本的に国家公務員に準じている.
 当該主任主事は《市の聞き取りに「病気休職中に海外旅行に行くことが悪いとは思わない」と話している》ようだが,本件は「悪いと思う,思わない」の話ではなく,また所属組織の「法に基づかない諸規則」違反でもなく,明らかに「一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律」に違反している違法行為である.
 従って議論の要なく,懲戒処分が下される.
 たぶん主任主事の上司は,病気休暇を取得して不正に海外旅行をすることが懲戒処分案件であることを必死に説得しただろう.自分の部下が懲戒処分を受けることは,上司自身にとっても人事考課的にマイナスだからである.
 公務員の服務規定に詳しい知人に訊いたところでは,自衛官や警察官の場合,停職6ヶ月は非常に重い処分であるという.
 将来の昇格昇給は見込めず,停職期間が長いと退職金もほぼ不支給になるらしい.
 やり甲斐のある仕事は与えられず,飼い殺し状態になるという.
「お前のばあい,停職6ヶ月の処分になるから退職金がフイになる.そんなことなら,いっそのこと依願退職したらどうだ?」と上司は退職を勧める.
 よく警察や自衛隊の懲戒処分が新聞報道されるが,停職と依願退職が同日付で発令されるのはそういうことなのである.
 ここで一つ疑問が生じる.
 問題の主任主事は「なぜ依願退職しなかったか」である.
 考えられる理由は,福岡県うきは市の懲戒規程における「停職」には,昇格昇給の停止および退職金支給額の減額が定められていないのではないか,ということだ.
 上に書いた私の知人によると,警察以外の地方公務員の場合,自治体によってそのようなことがあるらしい.
 すなわちこの場合の「停職」は,期間中の給与不支給の他に特にダメージがない.
 給与不支給は就業勤務を禁じられるからだが,仕事をしなくてもいいのだから実質的に無給休暇に過ぎない.
 経済的に困らなければ,まともに働く気のない当人にとってはむしろ都合のいいありがたい処分だ.
 なんなら停職期間中にまた海外旅行に行ける.w
 そんなバカな,と私たちは思うが,そういう大甘な懲戒処分の有名な実例がある.
 あの神戸の東須磨小学校で発生した教員たちのイジメ事件 (通称「激辛カレーいじめ事件」) である.「女帝」と呼ばれた主犯格の女性教諭は停職3ヶ月の処分を受けたが,この中身は実は給与3ヶ月不支給に過ぎなかったというのである.
 停職明けには,仕事が多くて大変な小学校の教育現場から,ラクな市教育委員会の事務職に異動してもらって,女性教諭は願ったり叶ったりウハウハ状態であったようだ.
 つまり停職が懲罰ではなく逆にご褒美だったのである.
 では,いじめ実行役の二人の教諭が懲戒免職だったのに,「女帝」にはご褒美が与えられたのはなぜか.
 当時の週刊誌記事には,「女帝」の親族には市教育界に強い影響力を持つ有力者がいて,「女帝」を懲罰することはできなかったのだと書かれていた.
 同様に,問題を起こした福岡県うきは市の主任主事の場合も,その親族縁者や知人に市政あるいは県政の有力者がいるということはないのか.
 停職6ヶ月という名目の,半年の長期休暇をもらった件の主任主事は,退職金も待遇もノーダメージで,大喜びしているということはないのか.
 
 地方公務員が不祥事を起こした際の停職処分が,依願退職せざるを得ない重い処分である場合と,処分される本人が大喜びする軽い処分である場合の二種類あるという事実について,メディアは何も報道していない.
 全国各地で毎日のように地方公務員が事件を起こしていることに鑑み,懲戒規程を警察のそれと同等に揃えることはできないのか.
 メディアはそこのところを追及して欲しい.
 
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ウクライナに自由と光あれ
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(国旗画像は著作権者来夢来人さんの御好意により
ウクライナ国旗のフリー素材から拝借した)


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