さよならポンパドウル
昨日,歯医者で治療した帰りに藤沢駅北口「さいか屋」デパートの地下一階に立ち寄った.ポンパドウルでパンを買おうと思ったのである.時刻は午後四時を少しまわっていた.
ところが,ポンパドウルの店内はガランとしていた.商品が棚にほとんどないのである.
止むを得ず,売れ残っていた食パン (一袋半斤入り) をトレーに載せてレジに行った.
するとレジで,先客の高齢女性が一人いて,店員さんと話していた.
何気なく彼女らの会話を聞くと,店員の娘さんは「営業は三月末までですけど,ポイントカードはポンパドウルの他の店でも使えます」と言った.
客の高齢女性は「せっかく途中まで貯めたのにポイントは無駄になっちゃうのかしら」と訊ねたと思われる.
私はポンパドウルが閉店することを知らなかったので,私の食パンの会計のときに「ここのポンパドウル,閉店しちゃうんですか?」と店員さんに訊いてみた.
すると彼女は「三月末でいったん閉めさせていただきます」と答えた.
私は「いったん,ということは再開するんですか?」と訊いた.
すると彼女は困ったような表情で「あの,それは会社のほうから何も聞いてないので……」と言った.
帰宅してネット情報を探したら,四月から「さいか屋」地下一階食品売場のリニューアル工事が始まると書かれていた.
ただし同デパートの公式サイトでは,工事期間について何も告知されていない.
実は同デパートの地下一階食品売場は,普通は夕食の支度をする買い物客でにぎわうはずの夕刻のかき入れ時間帯でも悲しいくらい閑散としていて,客の姿はまばらである.
なにしろ,はっきり言って美味しいものを売っていないのであるから,当然だ.
ポンパドウルは美味しいパン屋だが,このデパ地下の寂れた雰囲気に飲み込まれて,どんどん客が減っていった.客が減れば商品を減らさなければならない.
すると棚がみすぼらしくなって,客足はさらに遠のく.
他の惣菜店なども同様で,夕刻になるとさっさと店の片付けを始めてしまうのである.
この惨状に,ついに「さいか屋」はリニューアル工事と言う名目で,地下一階の全店総入れ替えという奇策に打って出たのだと思われる.
ワンフロア丸ごとの工事となれば,それなりの工期が必要だ.
すると各店舗は工事中に従業員を待機させねばならず,その人件費は無視できない.
そして工事開始後に他店に移った顧客が,工事終了後に戻って来る保証は全くない.
ポンパドウルとしては,デパート側からこんなバクチに相乗りしろと言われても困るだろう.
たぶん藤沢駅周辺で最も昔からあるパン屋のポンパドウル藤沢さいか屋店は,藤沢から撤退すると思われる.
若い時からポンパドウルのパンが好きだった私としてはまことに残念だ.
藤沢駅周辺にはポンパドウルの他に,神戸屋キッチン・ルミネ藤沢店 (@藤沢駅北口隣接駅ビル) と,リトルマーメイド・リエール藤沢店 (@藤沢駅南口隣接ビル) ある.
パン業界の老舗である神戸屋は一昨年,不振の小売事業の立て直しを銀行団に迫られ,神戸屋キッチンを順次閉店している.
いずれ藤沢駅ルミネにある店も撤退するだろう.
リトルマーメイドは残るだろうが,リトルマーメイドは品数が少なく,フランスパンもドイツパンもない.
ポンパドウルも神戸屋キッチンもなくなったら,藤沢駅から遠くても致し方ないから,おいしいパン屋を探さねばならないなあ.
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ウクライナに自由と光あれ
(国旗画像は著作権者来夢来人さんの御好意により
ウクライナ国旗のフリー素材から拝借した)
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