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2024年1月12日 (金)

生き物たちの被災 /工事中

 今朝のNHK《あさイチ》を視聴したら,石川県内灘町で酪農牧場に勤務している若いかたからの番組宛て投稿が紹介された.
 内灘では断水が続いていて,牧場では牛への給水が困難になっているとのこと.
 そういえば,東日本大震災のときもそうだったが,今回の能登でも多数の家畜やペットが被災しただろう.
 
 東京新聞《愛犬は地震で壊れた自宅に…「避難所に連れて行くのは申し訳ない」 ペットとの暮らしはいつ戻る?》[掲載日 2024年1月11日] から下に引用する.
 
石川県輪島市河井町で喫茶店を営む杉窪甲子郎さん(74)は倒壊した建物が並ぶ通りで、愛犬「まめ」を散歩させていた。杉窪さんは店舗兼自宅でまめの面倒を見ながら、自身は輪島中学校に妻(72)と避難している。自宅は外壁がはがれて傾き、住めない状態。「避難所に犬を連れて行くのは申し訳ない」と裏口の玄関に犬小屋を置いた。
……(中略)……
 今後の生活について「インフラがズタズタの輪島からはしばらく離れないといけないと思う」と話し、「犬を飼った以上は置いてはいけない。2次避難所には一緒に行きたい」と望む。
 市によると、市内48カ所の指定避難所のうち、ペットと同行できるスペースがあるのは9日午後3時現在、輪島高校のみだった。》(引用文中の文字の着色強調は当ブログの筆者が行った)
 
 引用文中の杉窪さんが《避難所に犬を連れて行くのは申し訳ない》と語ったのは理由がある.
 東日本大震災の時,飼い犬や飼い猫を連れて避難した人々は被災者たちから轟々たる非難を浴び,避難所には入れてもらえなかったのである.
 それ以前に,被災地域から避難所に集団で行くように自治体が手配したバスには,犬や猫を連れているひとは乗車拒否された.
 自家用車で犬や猫を連れて避難所にたどり着いた人たちは,避難所に入ることを拒否された.そのため,学校などの避難所では,クルマで生き物を同行した人たちは校庭で車中泊するしかなかった.
 このような状況では,自宅が完全に瓦解してしまった人たちは,断腸の思いで犬や猫にわずかな餌を残し,倒壊した自宅に彼らを棄てて行かざるを得なかった.(このようにして棄てられて被災地に遺された犬や猫たちの運命は,後にNHKの映像や出版物として記録された)
 しかし中には「飼い犬や飼い猫は自分の家族だ,家族を捨てるくらいならここで一緒に死ぬ」と言って,避難所に行かず,半壊した家屋に犬や猫ととどまった人たちもいた.テレビの報道番組で放送されたその人たちの映像を私は今も覚えている.
 
 また,平成二十七年 (2015年) に環境省が発行し,同二十八年の熊本地震後に改定された《人とペットの災害対策ガイドライン》には次の記述がある.(平成三十年版 pdf はここ)
 
○「自助」、「共助」、「公助」
「自助」とは、自分で自分の身を助けること。他人に依頼せず、自らの力でことを成し遂げること。「共助」とは、互いに力をあわせて助け合うこと。「公助」とは、行政機関などの公的機関が援助すること、といった趣旨で用いられる。
 本書では、これらの考え方を、防災の面から以下のように仮定して用いる。
・「自助」:
「自分の命は自分で守る」という意味で防災の基本。特に発災直後の行動は、自身の安全を確保するために避難すべきか、そのまま留まるべきかの判断に始まり、自己が所有し管理するペットの安全確保や飼養も自助が原則となる。通常、災害時の対応は、自助が7割とも8割とも言われる。
・「共助」:
 企業、地域の集まりなどのコミュニティのメンバーが共に助けあうこと。自助による個人の安全の確保が前提条件となる。
・「公助」:
 行政機関による支援活動であり、初動が遅れる傾向にあるので、「公助」が開始されるまでは実質的に「自助」や「共助」が災害対応上の主体になる。なお、「公助」が開始された後も「自助」が原則となる。
 
災害への対応には、いわゆる「自助」、「共助」、「公助」があり、人の災害対策では、何よりも「自助」、次いで「共助」が基本だとされている。大規模な災害ともなれば、発生直後の「公助」に大きな役割を期待することが難しく、まずは「自助」により自分自身の身を守ることが必須になる。
 このことは、ペットの飼い主にとっても同じである。災害時に行われる行政機関による支援(公助)では、人の救護が基本であることから、災害の発生当初には、ペットフードや水などの支援ですら困難なことが多い。飼い主はこうした場合にあっても、ペットの安全と健康を守り、他者に迷惑をかけることなく、災害を乗り越えてペットを適正に飼養管理していく責務を負っている。したがって普段から、災害時に必要となる備えをし、地域社会に受け入れられるように、ペットを適正に飼養管理する必要がある。
 発災時に、飼い主が自身の安全を確保した上で、災害の状況を見極め、より安全な避難場所を確保するために、ペットと共に避難行動(同行避難等)をとることがペットを守るための第一歩である。自治体によっては、堅牢なマンション等での在宅避難を推奨しているところもあるので、あらかじめ、それぞれの自治体における避難のあり方を確認しておくことも必要になる。
 また、飼い主は、自宅からの避難が必要となる災害が発生し、ペットと同行避難する必要が生じることを想定して、平常時から、災害に備えたペット用備蓄品の確保や避難ルートの確認等はもちろんのこと、ペットが社会の一員としての適性をもつべきことを認識し、ペットの同行避難に必要なしつけや健康管理を行うことも飼い主の責務である。
 避難先では、ペットの世話やペットフードの確保、飼養場所の管理は原則として飼い主の責任で行うことになる。大勢の人が共同生活を送る避難所や応急仮設住宅(復興住宅等を含む。) において、ペットを原因としたトラブルが生じないよう、ペットを飼養していない避難者に配慮するとともに、ペットの健康と安全を確保するための措置を講じるなど、飼い主には、平常時以上に、適正な飼養管理をするための努力が求められる。
 飼い主がペットの防災を考え、十分な備えをすることは、自分自身や家族についても災害に備えることにつながり、「自助」によるペットの災害対策を講じることが、自分自身や家族、さらには地域の防災力の向上にもつながるのである。》(引用文中の文字の着色強調は当ブログの筆者が行った)
 
 上の引用箇所に要点を着色して示したが,

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