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2023年11月23日 (木)

元気なうちに老後資金を使い果たせというバカ

 マネーポストWEB《老後資金を“使わないこと”のリスク 円安で預金の価値は目減り、不必要に資金を残すと相続争いの火種にも》[掲載日 2023年11月23日] から下に引用する.
 
三菱UFJ信託銀行の調査では、亡くなったときに残っている財産の中央値は1600万円で、そのうち約4割が現金とされる。つまり現金だけで約640万円もの「使い残し」があるということだ。
 日本人の平均寿命である女性87.09才、男性81.05才で考えると、一般的に公的年金の受給を開始する65才から、女性は約22年間、男性でも約16年間も、お金を使うのをがまんして暮らすのが正しいとは言いがたい。ファイナンシャルプランナーの藤川太さんが語る。
「いまは90才まで生きる人は少なくありませんが、亡くなる直前まで元気で、自由にお金を使える人はまれでしょう。何才まで生きるかという命の寿命よりも、何才まで元気でいるかという健康寿命の方が大切です。
 加えて、目的あっての貯蓄ならともかく、不必要に資産を残すことは、相続争いの火種など、新たな問題を生みかねません」
 
貯蓄をいくらまで取り崩せるか
 健康寿命の平均は、女性75才、男性73才。それまでにお金を使い切るには、どうすればいいか。『定年後』の著者で、楠木ライフ&キャリア研究所代表の楠木新さんが語る。
「まずは、いまの生活にどれくらいのお金がかかっているか、年金など老後にどれくらいのお金が入ってくるかを把握してください。
 それさえわかれば、貯蓄額のうちどれくらいまでなら取り崩せるかも見えてくるはず。また、夫婦など家族間では、お互いの財産を知らないまま暮らさない方がいいでしょう。最近は高齢者でもネット銀行やネット証券を使っている人も多いので、どちらかが亡くなった場合に見落としがあれば、相続財産から外れてしまう恐れもあります」
 老後にお金が足りなくなるのも困るが、お金を貯めすぎてもトラブルの種になるということは、頭に置いておきたい。》(引用文中の文字の着色強調は当ブログの筆者が行った)
 
 上の記事は女性セブンからの転載だが,こういう駄文を書く連中は「調べて書く」と言う事をしない.
 現代の日本人が老後資金を貯める動機は何かを調べろと言いたい.
 というのは,実は老後資金が必要になるのは,上に書かれている《健康寿命の平均は、女性75才、男性73才》を過ぎてからだからである.
 
 現在の高齢者は,夫婦二人世帯か,または独居老人世帯である.
 夫婦で老々介護しているうちはまだいいが,独居になって要介護状態が進行すると,施設に入らざるを得ない.
 しかし特養に入れる人は少なく,多くは介護付きの老人ホームを利用する.
 これが問題で,実は厚生年金だけでは費用 (入居一時金+月々の料金) を賄えないのである.
 そのため普通は,それまでに営々と貯めてきた老後資金を取り崩しながら生活し,《現金だけで約640万円もの「使い残し」がある》状態で逝くのだが,よくぞ640万円の残金で踏みこたえたと,老人たちの計画性を褒めたいところである.
 あと数年長生きしたら,使い果たしていただろうに.
 上に引用した記事が主張するように《健康寿命の平均は、女性75才、男性73才。それまでにお金を使い切》っていたら,満足な介護なしの悲惨な老後であっただろう.
 なぜお金を使うことを我慢しているか,それは老人たちがよく知っている.
 惨めでない介護を受けるための費用と,終末医療にかかる費用のためである.
 そういうことを調べてから記事を書け.
 
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ウクライナに自由と光あれ
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(国旗画像は著作権者来夢来人さんの御好意により
ウクライナ国旗のフリー素材から拝借した)


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