フランスの矜持 /工事中
ロシアがウクライナに侵攻したとき,MATO加盟国を「西欧的価値観を共有する諸国」と表現された.
価値観 (西欧的価値観) を共有する云々は岸田首相の十八番である.
しかし西欧諸国の中に,自由主義,民主主義,市場経済といった価値観や制度を土台とする,いわゆる「西欧的価値観」が醸成されたのはそう古いことではない.
というか,「西欧的価値観」は第二次大戦後に「醸成」はされたものの,現在も確固としたものにはなっていないのだ.
むしろ,自由主義が信教と思想の自由を保証する限り,宗教による人間性の抑圧や,極右思想に基づく反民主主義までもが「西欧的価値観」の一つの要素として存在を許されるために,「西欧的価値観」は永久に確立されないのである.
それどころか「西欧的価値観」は,「宗教による人間性の抑圧」と「極右思想に基づく反民主主義」によって内部崩壊する可能性から逃れられないのだ.
その意味で,イスラエルのネタニヤフ極右政権は,そしてそれを支持しているイスラエル国民は,西欧諸国のアキレス腱である.
その西欧諸国の中で,英国はそもそも三枚舌外交 (イギリスの第一次世界大戦における中東問題をめぐる外交政策.これにより第二次世界大戦後のパレスチナ問題を生じた) によってアラブ人とユダヤ人の対立を招いた張本人である.
また現在のイスラエルは米国によって軍事的に支えられている.
米国はイスラエル建国後,一貫して軍事的に支えてきた.年間の軍事援助額は約38億ドル (約5690億円) にも達する.
現在もガザ地区を空爆しているイスラエル軍の戦闘機は米国製である.イスラエルが保有している精密誘導兵器もほとんど米国製だ.イスラエルの防空システムが使う迎撃ミサイルにも米国製が使われている.
ハマスの奇襲攻撃後,バイデン大統領はただちにイスラエルに兵器を送り始めると共に,追加軍事支援予算を連邦議会に求めた.
続いて国防総省は高高度のミサイル防衛システム「THAAD」一式と、「パトリオット」地対空ミサイルを中東に配備すると発表した.
ここまで米国が入れ込むのは,イスラエルが中東における軍事拠点だからである.
イスラエルが非人道的極右政権になっても,米政府は軍事支援を続けている.
国連が運営していた学校や病院を空爆して多数の死者が出ても米政府高官は「病院への攻撃にOKを出してはいない」と語るにとどめ,「病院を攻撃するな」とは言わない.
イスラエルがガザ地区の一般人を殺戮するというやりたい放題をしても,米政府は停戦には反対を表明している.
あれもこれも,米国にとってイスラエルが軍事的に重要だからである.
ドイツは,イスラエルのやることに異論を挟むのには及び腰だ.先日のネタニヤフ首相とショルツ首相の共同記者会見の映像を見たが,ネタニヤフが一人で息巻いていた.ドイツは,第二次大戦のことがあるので,うかつなことは言えないと見える.
フランスはどうか.
共同通信《ガザ「市民犠牲あまりに多い」 仏大統領、イスラエル首相に指摘》[掲載日 2023年11月20日 10:24] から下に引用する.
《【パリ共同】フランスのマクロン大統領は19日、イスラエルのネタニヤフ首相と電話会談し、イスラム組織ハマスへの軍事作戦について「あまりに多くの市民が犠牲になっている」と指摘、市民の十分な保護を改めて求めた。
またパレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区でパレスチナ市民への暴力が増加しているとして強い懸念を示した。マクロン氏はパレスチナ自治政府のアッバス議長とも電話会談、西岸地区の情勢を巡る憂慮を伝えた。》
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