我が犬の亡きあとばかり
我が犬の亡きあとばかり悲しきはなし.
火葬を済ませた日の午後,胸の底に穴が開いたような気がして何だか茫然として,時折涙ぐんでいると,私の娘が陋屋に慰めにきてくれた.
私の犬は,娘が独立して家を出てから飼い始めた.しかし娘は近くに住んでいるので,割とよく訪ねてやってくる.
そんな時,私の犬はいつも大喜びして懐いていた.
それで,娘は,私の犬の死を悲しんでくれた.
火葬の前日,愛犬の容体が深夜に急変し,未明に息を引き取った様子を娘に話し始めたのだが,途中で私の嗚咽が止まらず,話は終わりになってしまった.
離れて暮らしている息子にもメールで犬が死んだことを連絡したら,すぐプリザーブド・フラワーを送ってきた.
いつも愛犬のトリミングを頼んでいたトリマーさんにも,私の犬が死んだことを電話で知らせて,来月のトリミング予約をキャンセルした.
するとトリマーさんが,その日の仕事が終わってからだろう,大きなプリザーブド・フラワーを携えてやってきた.
親戚の女性でやはり犬を飼っている人からも造花が届いた.石ケンを素材にした花で,いいにおいがする.
それらの造花を眺めていて,私の犬の祭壇を造ろうと思った.
使用していないパソコン・ラックがあるので,それを祭壇に使おうと思う.
遺影には,私の犬が我が家にやってきた時の写真がいい.

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