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2023年10月19日 (木)

桃色争議

 Lmaga.jp《ブギウギ第14回・待遇改善のため、USKで桃色争議が勃発》[掲載日 2023年10月18日] から下に引用する.
 
界恐慌の波が押し寄せ、ヒロイン・スズ子(趣里)が所属する「梅丸少女歌劇団(USK)」でも賃金削減と人員削減が告げられる。一部の楽団員と新人の劇団員は解雇され、さらには給料が下がったことで、スズ子の同期・和希(片山友希)は劇団を続けられなくなり、やめざるを得なくなってしまう。
 こうした事態を受けて、USKのトップスター・大和(蒼井優)と橘(翼和希)は、会社と話し合いをするために嘆願書を提出する。こうして、会社と劇団員の間で「桃色争議」とよばれる労働争議が始まり・・・。》(引用文中の文字の着色強調は当ブログの筆者が行った)
 
 NHK《ブギウギ》を視聴した感想をSNSに投稿しているのは若い人たちだろうが,彼らには《「桃色争議」とよばれる労働争議》の意味が理解しかねるのではなかろか.
 Wikipedia【桃色争議】には次の記述がある.
 
桃色争議(ももいろ そうぎ)は、1933年(昭和8年)、松竹少女歌劇部(後の松竹歌劇団)・松竹楽劇部(後のOSK日本歌劇団)で発生した労働争議をいう。中心人物である水の江瀧子の愛称にちなんだ「ターキー・ストライキ」の異称もある。
《……一方、大阪においては松竹楽劇部が、待遇条件の改良要求が拒否されたことから会社側と一触即発の状態になった。楽劇部員たちは一番人気の飛鳥明子を争議団長に据え、舞台をサボタージュしたうえ、遂に6月28日、三笠静子(後の笠置シヅ子)、美鈴あさ子(後のアーサー美鈴)、秋月恵美子、芦原千津子ら70余名の部員が高野山の一宇に立てこもり、弘法大師(空海)ゆかりの霊峰に「トラスト反対」などと大幕をひるがえして演説をぶち、参詣客の度肝を抜いた。
 松竹はただちに水の江を「賊女」と呼んで懲戒解雇に処し、争議団の自然崩壊を待った。しかしなにぶん女性、しかも未成年で幅広く大衆に知られた有名人であるから、世論の同情は彼女らに傾きがちで、それにのった新聞各紙も徐々に松竹の態度に異を鳴らし始めた。一時は水の江を拘禁した警察もすぐ解放した。また経営する劇場や舞台の観客動員が落ち込み、却って不倶戴天の仇敵宝塚少女歌劇団の隆盛を助けるという、松竹にとって極めて不愉快な状況を呈してきた。
 少女たちに追い風が吹くなか、大阪では7月8日手打ち式が行なわれ、7月15日東京で「協定文」が読み上げられて、飛鳥は退団、水の江が謹慎となったものの、週休制と最低賃金の設定に成功した争議団側の勝利に終わった。
 
 このようにWikipediaの解説にも,なぜ歌劇団の女性たちが起こした争議を「桃色」と表現したのかという説明はない.
 実は不純異性交遊を意味する「桃色遊戯」という言葉がかなり昔から存在し,「桃色争議」はそれとの語呂合わせだったのである.
 現在の宝塚ファンあたりは激怒しそうだが,昔の少女歌劇は「イロモノ」であり,偏見で見られていたのだ.
「桃色争議」は歴史的事実を指す言葉なので仕方ないが,朝のドラマで「桃色」といわれるとナンダカナーという気分になる.例えば「少女歌劇争議」とか,他の言葉に言い換えて欲しかった.
 
[追記]
 放送 (10/19) では,スズ子から争議の話を聞き,新聞に「桃色争議」と報道されたのを見た父親が,それは「アカ」と違うんか?と心配する.
 なるほど.「アカ」とまではいかないが「アカっぽい」から「桃色」,というわけだ.
 そういう脚本は賛成だ.うまく辻褄を合わせていると感心した.
 
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ウクライナに自由と光あれ
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(国旗画像は著作権者来夢来人さんの御好意により
ウクライナ国旗のフリー素材から拝借した)


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