横浜市の敬老特別乗車証
横浜市には,高齢者がバスや地下鉄を利用する際に割引運賃となる「敬老特別乗車証」(敬老パス) というものがある.もちろんタダではなく前払いの有料パスだ.一種のサブスクである.
これは,数年前までは,例えば神奈川中央交通などの市営でないバスに乗る際,「横浜市内で乗車して藤沢市内で降車」はOKだがその逆の「藤沢市内で乗車して横浜市内で降車」には使えないという非常に使い勝手の悪いものだった.
だって,バスで横浜から藤沢に行ったら帰りもバスに乗ろうと思うのが普通だが,このパスは,往路には利用できるが帰路には使えない (現金または交通系ICカードで運賃を払う) というのである.いかにも小役人が考えそうな「福祉」である.
また,以前は,横浜市立図書館と川崎市立図書館は提携していて,私の場合のように横浜市民は川崎市立図書館の書籍を借りることができた (私は両図書館のカードを持っていて利用している) のだが,藤沢市図書館は利用できなかった.
私のうちから少し歩くと,藤沢市内である.昔々私の子供たちが幼い頃,近所にやってくる藤沢市の移動図書館 (マイクロバスを改造したもの) に息子が行ってみたら「横浜の子はダメだよー」と門前払いをされた.息子はションボリとしてうちに帰ってきたのを覚えている.
移動図書館のみならず,当時は藤沢図書館の本館でも,横浜市民は藤沢市図書館の書籍を借りるのはおろか,図書の閲覧すらも許可されなかった.
理由を係員に訊いたら,藤沢図書館は藤沢市の納税者へのサービスだからだとの答えだった.しかし実は藤沢市に隣接する自治体のうち,横浜市を除く茅ヶ崎市,寒川町,鎌倉市,大和市,綾瀬市は利用可能だった.
そこまでするか,どれだけ横浜市は他の隣接自治体から嫌われているのか,と思ったものだ.
その後幾星霜,会社を定年退職した私は,調べものに図書館を利用するようになったのだが,藤沢図書館に足を向けることはなかった.
我が子を移動図書館のバスから冷たく追い出した藤沢図書館なんぞ,だーれが利用するか!という反感からである.チッチャ!と言われても恨みというものは
ところが最近,藤沢図書館の分館である藤沢南図書館が,藤沢駅南口にある小田急デパート内に移転した.小田急デパート藤沢店は私が日常の買い物に出かけるところだ.
そこで改めて利用案内を調べたら,いつの間にか横浜市の住民も利用可能になっている.
これは便利だ.つまり藤沢南図書館自体には大した蔵書はないのだが,その窓口で神奈川県立図書館と横浜市立図書館 (私の場合,両図書館は国立国会図書館サイトの資料検索でヒットする率が高い) が所蔵する資料を取り寄せることができるのだ.
となると私は,神奈川県立図書館と横浜市立図書館まで遠路出かける必要がなくなったわけで,少し便利になった.
ここで話を,冒頭に記した横浜市の「敬老特別乗車証」(敬老パス) に戻す.
現在,この制度は使い勝手が大きく改められて,乗車バス停と降車バス停のどちらかが横浜市内であれば使えるようになっている.
このパスの負担金 (前払いの定額料金) は,本人の所得金額によって異なるが,私の場合は八千円/年である.バス利用で日常の買い物に行くだけでモトは取れる.
さてどれくらいの老人たちがこのパスを利用しているかというと,私が昼過ぎに横浜市内のバス停から藤沢行きのバスに乗ると,私を含めて三人くらいが藤沢駅で降車する,といった感じ.
これ以上の利用者がいると,たぶん敬老パス負担金を値上げすることになるかも.今がちょうどいいようだ.
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ウクライナに自由と光あれ
(国旗画像は著作権者来夢来人さんの御好意により
ウクライナ国旗のフリー素材から拝借した)
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