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2023年8月 9日 (水)

長嶋一茂の意外な見識

 読売新聞オンライン《日大の林真理子理事長「スポーツは遠慮すべき分野だった」と吐露…改革は「無念だが後ずさり」》[掲載日 2023年8月8日 22:24] から下に引用する.
 
植物片などの発見から通報までの「空白の12日間」の対応について、林理事長は「適切だった」と強調。警視庁による寮の捜索から記者会見までにも5日間を要したが、「隠蔽と言われることは非常に遺憾。きちんと対応するには期間が必要だった」と弁明した。
 
 日大アメフト部の現役部員から逮捕者が出たことを受けて林理事長がどのような見解を示すかが注目の的だった.
 この事件に関する世間の一般的な受け止め方は,林理事長は,日大経営陣や学長を始めとする大学関係者から情報を遮断されているのではないか,というものだった.
 この記者会見の前に,メディアの取材に対して著名人各氏がコメントしたが,概ね林理事長に好意的だった.
 古市憲寿「林さんは正義の人」,成田悠輔「林さんを応援したい」,三谷幸喜「林さんはすごく頑張ってらっしゃった」などである.
 しかし林理事長は記者会見で,彼らの期待を裏切った.
 ミイラ取りがミイラに,としか言いようのない体たらくだった.
 
 東スポWEB《若狭勝氏 日大アメフト部薬物事件で空白の12日間に注目「大学が立件される可能性も」》[掲載日 2023年8月8日 13:51] から下に引用する.
 
元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士は、大とも学側が7月6日に日大アメフト部寮で違法薬物があったことを確認し、警視庁に報告するまで12日の空白期間があったことを問題視。
 若狭氏は12日間空けた理由として「①一時的保管②事の推移見守っていた③犯人の隠避」の3つの可能性を上げ「①と②の可能性は考えられない。隠していたと取られても仕方ない」と私見を述べた。
 さらに「大学側がどこまで把握していたのかが重要なポイント。もし隠していたなら大学側が所持罪で立件される可能性もある」と指摘した。
 大学側はこの12日間について「選手に聞き取り調査をしていた」と答えている。しかし尿検査などで薬物の反応が出るのは3日~2週間程度とされているため、空白の2週間への“疑惑”が高まっている。
 
 大学側が,逮捕された容疑者の所持品から大麻と覚醒剤を発見したあと,正当な理由なく警察に届けずに保管していたなら,若狭弁護士の指摘通り《大学側が所持罪で立件される可能性もある》だろう.
 この件につき大学側は《選手に聞き取り調査をしていた》とか「学生に反省させ自首させたいとの考え方だった」(澤田康広副学長;元検事) と説明した.
 しかし調査云々や自首させようと試みた (しかし説得に失敗した) などといったことが,大学当局が大麻を保管していたことの正当な理由にならぬことぐらい,元検事の澤田副学長は重々承知していたはず.
 澤田副学長は,元検事といってもたかが東京地方検察庁総務部副部長や宇都宮地検の次席検事だった程度の人物であるから,東京地検が何事かを遠慮せねばならぬほどのことはない.
 大学側がこのような余りにも検察をナメた態度だと,検察は酌量なしに日本大学を立件するかも知れない.
 
 ともあれ林理事長は記者会見の終盤で (ついホンネで)「スポーツ部については遠慮があった」と述べた.スポーツ分野のことについては副学長と学長の言いなりであったとも語った.(普通は「学長,副学長」と序列を言うべきところを林理事長は「副学長,学長」と述べた.学内権力構造があからさまであった)
 昔から,意気込みは「虎穴に入らずんば虎子を得ず」で結果は「ミイラ取りがミイラになる」と冗談にいう.
 今回の記者会見は,古市憲寿が「正義の人」とまで激賞した林理事長が,実際は澤田副学長の傀儡だったことを明らかにしてしまった.
 古市憲寿は穴があったら入りたい心境だろう.林理事長の次は古市憲寿の言い訳に注目だ.
 
 さて,三文作家林真理子を日大改革の旗手ででもあるかのように囃した人々の中で,異彩を放ったのは長嶋一茂だ.
 スポニチアネックス《長嶋一茂 日大・林真理子理事長、“蚊帳の外”の可能性に「理事長としての器がなかった」》[掲載日 2023年8月4日 10:57] から下に引用する.
 
「林理事長のコメントは、いずれにしても、知らなかったにしても理事長としての器がなかったと思います」と自身の受け止めを話した。》(引用文中の文字の着色強調は当ブログの筆者が行った)
 
 惜しむらくは《理事長としての器がなかった》ではなく「理事長としての器でなかった」と言って欲しかったが,それはともかく記者会見の前に,林真理子は理事長の器でないとばっさり斬り捨てたのは見事である.ハワイハワイと浮かれ騒ぐだけの男かと思っていたが,失礼した.
 で,それにしても「理事長としての器でなかった」と言って欲しかった.画竜点睛を欠いたのが残念だ.
 
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ウクライナに自由と光あれ
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(国旗画像は著作権者来夢来人さんの御好意により
ウクライナ国旗のフリー素材から拝借した)


 

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