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2023年8月 2日 (水)

お箸の国の人なのに (十七)

 NHK《あさイチ》には「いまオシ!LIVE」と題した企画があり,佐々木芳史アナウンサーが各地に出かけていって生中継でリポートする.
 先日 (7/31) は長野県安曇野市にある鶏卵専門店「たまごの駅」からの中継だった.この「たまごの駅」では,観光客などに色々な種類の鶏卵で目玉焼きを作る体験をさせてもらえるらしい.
 さて目玉焼きを実演した佐々木芳史アナウンサーは若い人だが,たぶん料理なんかいつもは全くやらない人のようで,「たまごの駅」の経営者の目の前で目玉焼きを拵えたのだが,これが酷かった.
 
 まず佐々木アナは,鶏卵の殻の割り方を知らないのであった.
 佐々木は (こいつはもう呼び捨てで構わぬ) フライパンのフチに卵を力任せに勢いよくゴンゴンと当てて殻を割った.
 こういう乱暴なことをすれば当然だが,白身が殻から外にあふれてしまった.鶏卵は,平らな面あるいは厚みのある容器のフチに当てて割れ目を入れるのだが,これは常識だ.
 
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 下の画像が,その様子だ.赤矢印のように白身はフライパンの外側にあふれた.
 フライパンの外側には油を引いていないから,側面から底面に回ってしまった白身は焼き付いてしまう.
 自分のフライパンならどうしようと勝手だが,「たまごの駅」ではフライパンは商売道具だ.
 それをこんな風に扱って,平気なのかこの男は.
 しかも,フライパンのかなり上の方から卵の中身をフライパンに落とした.
 そして指を卵の中に突っ込んだから,黄身が破れてしまった.
 
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 指を突っ込んだために破れた黄身が下の画像だ.
 
20230802c1
 
 このあと黄身はどんどん拡がって,とても目玉焼きとは思えぬ惨状を呈した.
 それはよしとして,問題は佐々木は箸を使えぬことであった.
 佐々木は箸の先を開いたり閉じたりできないので,できた無様な玉子焼きを一口大にカットできない.
 下の画像がその様子で,箸先で突っつくのだが,どうやっても小さくすることができない.
 
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 そのため,全国生中継のカメラが回り続ける中で,佐々木は暴挙にでた.
 出来損ないの卵焼きの端を箸で引っ掛けて持ち上げ (箸先の赤矢印),そのまま口に持って行ったのである.
 
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 しかし佐々木の箸先は不安定なので,ぼろきれのようになった玉子焼きは簡単に落ちそうだ.
 それを避けるには,犬食いするか,皿を持ち上げるかの選択肢があるが,さすがに犬食いはまずい.そこで佐々木は左手で皿を持ち上げた.
 そして歯で食いちぎり,残りの玉子焼きをボトリと皿に落としたのである.まことに汚らしい食い方であった.
 
 さて上の画像で佐々木の右手を見て頂きたい.
 親指,人差し指,中指のどれも伝統的に正しい箸の持ちかたに反している.
 伝統的に正しい箸の持ちかたができれば,目玉焼きを一口大にカットすることは容易なのであるが,佐々木はそれができないので,遂には犬食い寸前にまで追い込まれたのであった.
 私は,佐々木が自分の家で犬食いしても一向に構わぬと思うが,しかしNHKの全国生中継で,かくも惨めな食レポをするのは,恥ずかしいことだと思う.
 というか,箸が遣えぬならなぜナイフとフォークにしなかったのだ.
 それは,佐々木が自分の無様さを自覚していないからである.箸遣いはこれでいいと思っているのだ.
 というわけで,《あさイチ》で佐々木に食レポさせるなと私は言いたい.佐々木の汚らしい食い方を見せられて食欲を失う視聴者がいるのではないかと思う.

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ウクライナに自由と光あれ
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(国旗画像は著作権者来夢来人さんの御好意により
ウクライナ国旗のフリー素材から拝借した)
         

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